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Trademark Appeal Case

商標「SAXX」と「SAKS」の類似性

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号異議2015−900176(T2015−900176/J7)
審判種別異議
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

登録第5744035号商標の商標登録を維持する。

理由テキスト

第1 本件商標

本件登録第5744035号商標(以下「本件商標」という。)は,「SAXX」の欧文字を標準文字で表してなり,平成26年9月12日に登録出願,同年12月26日に登録査定がされ,第25類「下着」を指定商品として,同27年2月27日に設定登録されたものである。

第2 引用商標

登録異議申立人(以下「申立人」という。)の引用する登録商標は,次の5件であり,いずれの商標権も現に有効に存続しているものである。

以下,これらをまとめて「引用商標」という場合がある。

1 登録第5498222号商標(以下「引用商標1」という。)

商標の構成:「SAKS」(標準文字)

登録出願日:平成23年8月4日

設定登録日:平成24年6月1日

指定商品・指定役務:第25類「被服,ガーター,靴下止め,ズボンつり,バンド,ベルト」及び第35類「織物及び寝具類の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供(オンラインによるものを含む。),被服の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供(オンラインによるものを含む。),かばん類及び袋物の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供(オンラインによるものを含む。),身の回り品(つえ用金属製石突き・傘・ステッキ・つえ・つえ金具・つえの柄を除く。)の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供(オンラインによるものを含む。)」

2 登録第4002400号商標(以下「引用商標2」という。)

商標の構成:「SAKS FIFTH AVENUE」

登録出願日:平成4年10月27日

設定登録日:平成9年5月23日

指定商品 :第25類「被服,ガーター,靴下止め,ズボンつり,バンド,ベルト,靴類(「靴合わせくぎ・靴くぎ・靴の引き手・靴びょう・靴保護金具」を除く。),げた,草履類,運動用特殊衣服,運動用特殊靴(「乗馬靴」を除く。)」

3 登録第5493085号商標(以下「引用商標3」という。)

商標の構成:「SAKS FIFTH AVENUE」(標準文字)

登録出願日:平成23年8月4日

設定登録日:平成24年5月11日

指定役務 :第35類「織物及び寝具類の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供(オンラインによるものを含む。),被服の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供(オンラインによるものを含む。),履物の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供(オンラインによるものを含む。),かばん類及び袋物の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供(オンラインによるものを含む。),身の回り品の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供(オンラインによるものを含む。)」

4 登録第1816520号商標(以下「引用商標4」という。)

商標の構成:別掲1のとおりの商標

登録出願日:昭和55年11月21日

設定登録日:昭和60年10月31日

書換登録日:平成18年2月22日

指定商品 :第24類「布製身の回り品,かや,敷布,布団,布団カバー,布団側,まくらカバー,毛布」及び第25類「被服(和服を除く。)」

5 登録第2705078号商標(以下「引用商標5」という。)

商標の構成:別掲2のとおりの商標

登録出願日:平成元年12月28日

設定登録日:平成7年3月31日

書換登録日:平成17年7月20日

指定商品 :第25類「洋服,コート,セーター類,ワイシャツ類,寝巻き類,下着,水泳着,水泳帽,和服,エプロン,えり巻き,靴下,ゲートル,毛皮製ストール,ショール,スカーフ,足袋,足袋カバー,手袋,布製幼児用おしめ,ネクタイ,ネッカチーフ,バンダナ,保温用サポーター,マフラー,耳覆い,ずきん,すげがさ,ナイトキャップ,ヘルメット,帽子」

第3 登録異議の申立ての理由

申立人は,本件商標は商標法第4条第1項第11号に該当するから,同法第43条の2の規定により,その登録は取り消されるべきであると申立て,その理由を要旨以下のように述べ,証拠方法として甲第1号証ないし甲第17号証を提出した。

1 申立人の登録商標と著名性について

(1)申立人は,上記5件の引用商標を保有しており(甲1〜甲5),これらのうち,特に引用商標1は,「SAKS」の文字からなり,「サックス」の称呼を生じる。

また,その他の引用商標については,「SAKS FIFTH AVENUE」の文字からなるか,これを含むものである。

この構成において,「FIFTH AVENUE」の部分は,繁華街,ショッピング街として世界的に著名で,日本では「5番街」とも呼ばれる地名に係るものであるので,全体として「サックス・フィフス・アベニュー」の他,「サックス」とも呼ばれている(甲6〜甲10)。

(2)これらの商標「SAKS FIFTH AVENUE」,「SAKS」及びこれらの片仮名表記である「サックス・フィフス・アベニュー」,「サックス」は,アメリカ合衆国ニューヨークを拠点とする高級百貨店の名称として知られているもので,我が国でも多くの顧客がアメリカ合衆国旅行の際に現地で買い物をするほか,通信販売などにより国内において商品を購入することができる。これについては,サックス自身がそのウェブサイトにおいて通信販売を日本人向けに提供している他,その使い方を解説したウェブサイトや,国内の輸入代行業者なども存在している(甲11〜甲15)。

(3)また,申立人(引用商標の商標権者)の親会社,サックス・インコーポレーテッドのコーポレート・アソシエート・カウンセルであるトッド・ワブリュー・ムーア氏は,同社での長年の勤務で得られた情報と数々の資料に基づいて,サックスが長年にわたって外国の消費者に対して通信販売を積極的に行っており,宣伝費用,販売額においても大きな金額に及んでいることを明らかにしている(甲16)。

これらにより,引用商標が日本を含む世界的に周知性,著名性を有しているということができる。

2 本件商標

本件商標は,標準文字で「SAXX」を書してなり,これより「サックス」の称呼を生じることが明らかであり,実際にそのように通用している(甲17)。

3 本件商標と引用商標の類否

本件商標と引用商標からは,ともに「サックス」の称呼が生じ,これらが類似することは明らかである。

また,引用商標は,「下着」を含む第25類「被服」又はこれの小売等に係る第35類「被服の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供」を指定商品及び指定役務とするものであるから,指定商品についても同一又は類似である。

よって,本件商標は,商標法第4条第1項第11号に該当する。

第4 当審の判断

1 商標法第4条第1項第11号該当性について

(1)本件商標

本件商標は,前記第1のとおり,「SAXX」の欧文字からなるところ,これよりは,その構成文字を一文字ずつ発音した「エスエイエックスエックス」の称呼を生じるほか,その構成文字の全体としては,例えば,英単語において語尾の「X」は,例外なく「クス」と発音し,「staff(スタッフ)」,「egg(エッグ)」のように,語尾の2字が同一文字の場合であれば前音が促音化する傾向があることは経験則上知り得るところであるから,「サックス」の称呼をも生じるものである。

そして,本件商標は,辞書等に記載された成語でないことから,特定の意味合いは有しないものであって,特定の観念を生じないものである。

(2)引用商標

ア 引用商標1

引用商標1は,「SAKS」の欧文字を書してなるところ,これよりは,その構成文字を一文字ずつ発音した「エスエイケイエス」の称呼を生じるほか,その構成文字の全体から,これに相応する「サックス」又は「サクス」の称呼をも生じるものである。

そして,引用商標1は,辞書等に記載された成語でないことから,特定の意味合いは有しないものであって,特定の観念を生じないものである。

イ 引用商標2ないし引用商標4

引用商標2及び引用商標3は,「SAKS FIFTH AVENUE」の欧文字を書したものであり,引用商標4は、別掲1のとおり,「Saks」,「fifth」及び「Avenue」の欧文字を筆記体風にまとまりよく3段書きしたものであるから,その構成文字に相応して,いずれも「サックスフィフスアベニュー」の称呼を生じるものである。

そして,引用商標2ないし引用商標4は,該構成文字が特定の意味合いを有しない一種の造語というべきものであって,特定の観念を生じないものである。

ウ 引用商標5

引用商標5は,別掲2のとおりの構成からなるところ,その構成中の「SAKS FIFTH AVENUE」及び「REAL CLOTHES」のそれぞれの欧文字部分に相応して「サックスフィフスアベニュー」及び「リアルクローズ」の称呼を生じるものである。

そして,引用商標5は,その構成中の「SAKS FIFTH AVENUE」及び「REAL CLOTHES」の文字が特定の意味合いを有しない一種の造語というべきものであって,特定の観念を生じないものである。

(3)本件商標と引用商標との類否

ア 本件商標と引用商標1との比較

本件商標と引用商標1を比較すると,外観においては,本件商標が「SAXX」の文字からなるのに対し,引用商標1は「SAKS」の文字からなるものであり,両者は,4文字から構成されるうちの2文字が明確に異なるものであるから,外観上,相紛れるおそれはないものである。

つぎに,称呼においては,本件商標より生じる「サックス」の称呼と,引用商標1より生じる「サックス」の称呼とは同一であるが,本件商標より生じる「エスエイエックスエックス」の称呼と引用商標1より生じる「エスエイケイエス」,「サックス」及び「サクス」の称呼の比較,並びに本件商標より生じる「サックス」の称呼と引用商標1より生じる「エスエイケイエス」の比較においては,それぞれの音構成が明らかに異なり,両者は,称呼上,明確に聴別し得るものである。

また,本件商標より生じる「サックス」の称呼と引用商標1より生じる「サクス」の称呼との比較においては,4音と3音という短い音構成において促音の有無という差異を有しており,該差異が称呼全体に与える影響は,決して小さいものということはできず,一連に称呼した場合には,その語調,語感が相異し,称呼上,聴別し得るものである。

そして,観念においては,本件商標と引用商標1は,共に,特定の観念を生じないものであるから,観念上,比較することができない。

そうすれば,本件商標と引用商標1は,称呼の一つである「サックス」の称呼が生じる点では共通するものの,それぞれから生じる他の称呼の比較においては明らかに相異するものであり,また,観念において比較することができないが,外観においては,その構成文字の相異によって,看者の印象は大きく異なり,両者は,明らかに相違するものである。

してみると,称呼の一において共通するとしても,外観において明らかに相違し,明確に区別できるものであるから,その称呼の共通性が,その他の称呼や外観における差異を凌駕するものとはいい難く,外観,称呼及び観念を総合的に判断すると,両者が類似する商標であるということはできない。

したがって,本件商標と引用商標1は,非類似の商標とみるのが相当である。

イ 本件商標と引用商標2ないし引用商標4との比較

本件商標と引用商標2ないし引用商標4を比較すると,外観においては,両者の構成文字が明らかに相違することから,外観上,相紛れるおそれはないものである。

つぎに,称呼においては,本件商標から生じる「サックス」の称呼と引用商標2ないし引用商標4から生じる「サックスフィフスアベニュー」の称呼とは,語頭の「サックス」の音を共通にするとしても,「フィフスアベニュー」の音の有無という明らかな差異を有するものであるから,両者は,称呼上,明確に聴別し得るものである。

そして,観念においては,本件商標と引用商標2ないし引用商標4は,共に,特定の観念を生じないものであるから,観念上,比較することができない。

してみれば,本件商標と引用商標2ないし引用商標4は,観念上,比較することができないが,外観及び称呼において明らかに相異するものである。

したがって,本件商標と引用商標2ないし引用商標4は,非類似の商標というのが相当である。

ウ 本件商標と引用商標5との比較

本件商標と引用商標5を比較すると,外観においては,本件商標は,欧文字の文字商標であり,引用商標5は,図形と文字からなる商標であるから,明らかに相違するものであって,外観上,相紛れるおそれはないものである。

つぎに,称呼においては,本件商標から生じる「サックス」の称呼と引用商標5から生じる「サックスフィフスアベニュー」の称呼とは,語頭の「サックス」の音を共通にするとしても,「フィフスアベニュー」の音の有無という明らかな差異を有するものであり,同「リアルクローズ」の称呼とは,音構成が明らかに相違するものであるから,両者は,称呼上,明確に聴別し得るものである。

そして,観念においては,本件商標と引用商標5は,共に,特定の観念を生じないものであるから,観念上,比較することができない。

してみれば,本件商標と引用商標5は,観念上,比較することができないが,外観及び称呼において明らかに相違するものである。

したがって,本件商標と引用商標5は,非類似の商標というのが相当である。

(4)小括

そうすると,本件商標は,引用商標1ないし引用商標5のいずれの商標との比較においても非類似の商標であると認められるから,商標法第4条第1項第11号に該当しない。

2 むすび

以上のとおり,本件商標の登録は,商標法第4条第1項第11号に違反してされたものとはいえないから,同法第43条の3第4項の規定により,維持すべきである。

よって,結論のとおり決定する。

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