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Trademark Appeal Case

略称の普通名称性と識別力

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号平成11年審判第35338号
審判種別不服
結論勝訴(請求認容)

結論テキスト

登録第4228363号の登録を無効とする。
審判費用は被請求人の負担とする。

理由テキスト

1.本件商標

本件登録第4228363号商標(以下「本件商標」という。)は、「クロピクテープ」の文字を横書してなり、平成9年7月8日に登録出願、第5類「テープ状の土壌殺菌剤」を指定商品として、平成11年7月2日に設定登録され、現在有効に存続しているものである。

2.請求人の主張

請求人は、本件商標の指定商品中「テープ状の土壌殺菌剤」について登録を無効とする。審判費用は被請求人の負担とする、と審決を求める旨を申し立て、その理由を次のように述べ、証拠方法として、甲第1号証ないし甲第11号証(枝番号を含む。)を提出している。

(1)共立出版発行の「化学大辞典3」に「クロルピクリン」の語が掲載されており、その用途の欄には「殺虫殺菌剤」として重要。穀物用くん蒸剤、乾燥果実、新鮮果実、種子のくん蒸、土壌くん蒸剤として用いる。(甲第3号証)

(2)東北農業研究第47号(1994)の「2試験方法(2)試験区と処理方法」には、「クロルピクリン注入区」と記載されており、また、それを受けて同書の309頁及び310頁には、「クロピク処理、クロピク区」という語が用いられている部分が多く見られる(甲第4号証)。

また、関東東山病害虫研究会年報第32集(1985)を見ると、「クロピク」の語が多く用いられ「(イ)クロルピクリンくん蒸剤全面消毒」、「(ロ)クロルピクリンくん蒸剤畦内処理」をいう記載があり、それに対応する表として、第1表と第2表があり、この表の中には、「(イ)クロピク全面処理」、「(ロ)クロピク畦内処理」の語が掲載されている(甲第5号証)。

さらに、長野県野菜花き試験報告第3号には、「クロルピクリン剤のマルチ畦内処理法によるハクサイ黄化病の防除に関する研究」について記載され「1クロルピクリン剤によるマルチ畦内消毒法」において「クロピク注入」(甲第6号証の1及び同号証の2)の記載があり「クロルピクリン使用量別の効果」を表にしたものである(甲第6号証の2)。以上の甲第4号証乃至甲第6号証を考慮すると、「クロピク」の語は「クロルピクリン」の略称として普通に用いられていることは明らかである。

(3)クロルピクリン普及会発行のクロルピクリンの畦処理被覆(マルチ畦内消毒)による土壌病害防除法を見ると、「クロルピクリン(クロールピクリン)」、「クロピク」の記載がある(甲第7号証)。

(4)農林水産省農産園芸局防疫課がまとめた植物防疫地区協議会資料には、「クロピク」の語が多数記載されている(甲第8号証)。

(5)野菜園芸技術97年度4月号にも土壌病害対策と使用されている「クロピク」の利用方法について述べられている(甲第9号証)。これらに記載されている「クロピク」の語も薬剤に属する商品の普通名称として用いられていると捉えるべきである(甲第9号証)。

(6)燻蒸剤(殺菌殺虫剤の一種)である「クロルピクリン剤」の販売者及び使用者はこれを省略して「クロピク」と呼んでいることを、「クロルピクリン剤」の販売を行っている丸善薬品産業株式会社が証明している(甲第10号証)。

(7)「水溶性テープにクロピクをしみ込ませて製品化」の記載が甲第9号証の50頁「新タイプ剤の開発など。」に記載されている。

上記事項を総合すると本件商標は単に指定商品の品質、形状を表したにすぎないものと認められ、商標法第3条第1項第3号に該当することは明らかであるので、その商標の登録は商標法第46条第1項第1号により無効にすべきものである。

3.被請求人は、これに対して何ら答弁していない。

4.本件商標当審の判断

よって、判断するに、請求人が提出した甲第3号証「共立出版発行の化学大辞典」、によると「殺虫殺菌剤」に使用される「クロルピクリン」は有機化合物質であり、その用途は、「穀物用くん蒸剤」「土壌燻蒸剤」等として用いられること、また、甲第4号証「東北農業研究第47号」、甲第5号証「関東東山病害虫研究会年報第32集」、甲第6号証「長野県野菜花き試験報告第3号」「長野県野菜花き試験報告第3号」、甲第7号証「クロルピクリン普及会発行のクロルピクリンの畦処理」「被覆(マルチ畦内消毒)による土壌病害防除法」、「クロルピクリン普及会発行のクロルピクリンの畦処理」「被覆(マルチ畦内消毒)による土壌病害防除法」「クロルピクリン普及会発行のクロルピクリンの畦処理」「被覆(マルチ畦内消)による土壌病害防除法」、甲第8証「地区協議会資料の一部抜粋写」、甲第9号証「野菜園芸技術97年度4月号」によれば、「クロルピクリン」を「クロピク」「クロピク処理」「クロピク注入」「クロピク区」「クロピク1条」のように使用している事実を認めることができる。 また、甲第9号証「近所から苦情のでないクロピクの使い方」によれば、「5新タイプ剤の開発など。」の項目において、水溶性テープにクロピクをしみ込ませたロール状の製品があることが認められる。

そして、上記甲第各号証を総合勘案すれば、本件商標中の前半部の「クロピク」の文字部分は、土壌殺菌若しくは土壌薫蒸剤の一種「クロルピクリン」を、また、後半部の「テープ」の文字部分は、その商品が「テープ状」のものであることをそれぞれ容易に看取させるものである。

そうとすれば、本願商標を「テープ状のクロルピクリン」に使用しても、単に商品の品質、形状を表しているにすぎないものと認められる。

したがって、本件商標は、商標法第3条第1項第3号に違反して登録されたものであるから、同法第46条第1項第1号により、その登録を無効とすべきものとする。

よって、結論のとおり審決する。

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