Trademark Appeal Case
品質表示と識別力
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 異議2014−900345(T2014−900345/J7) |
|---|---|
| 審判種別 | 異議 |
| 結論 | 勝訴(請求認容) |
理由テキスト
第1 本件商標
本件登録第5707451号商標(以下「本件商標」という。)は,「Natural」の欧文字を標準文字で表してなり,平成25年8月28日に登録出願,第25類「寝巻き類,下着,タイツ,水泳着,水泳帽,アイマスク,エプロン,えり巻き,靴下,ストッキング,パンティーストッキング,ゲートル,毛皮製ストール,ショール,スカーフ,足袋,足袋カバー,手袋,ネクタイ,ネッカチーフ,バンダナ,保温用サポーター,マフラー,耳覆い,ナイトキャップ,帽子,運動用特殊衣服」を指定商品として,同26年9月22日に登録査定され,同年10月3日に設定登録されたものである。
第2 登録異議の申立ての理由(要旨)
1 商標登録異議申立人(以下「申立人」という。)は,本件商標の登録は,(1)商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号,(2)同法第3条第1項第6号,又は,(3)同法第4条第1項第11号に違反してなされたものであるから,取り消されるべきであると主張し,証拠方法として甲第1号証ないし甲第27号証を提出した。
2 具体的理由
(1)商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号該当性について
本件商標は,「自然な,天然の,飾り気のない」等を意味する「Natural」の文字からなり,指定商品との関係において,「天然素材を使用した商品」,「自然な風合いからなる商品」又は「ナチュラル色からなる商品」程度の意味合いを認識させるにすぎず,単に商品の品質(色彩等)を表示するものとして自他商品識別力を有しない。また,前記商品以外の商品に使用するときは,商品の品質の誤認を生ずるおそれがある。
したがって,本件商標は,商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当する。
(2)商標法第3条第1項第6号該当性について
前記(1)に該当しないとしても,本件商標が有する前記意味合い及びインターネット情報等によれば,もはや,本件商標は,自他商品の識別標識とは理解,認識し得ず,需要者が何人かの業務に係る商品であることを認識することができないものである。
したがって,本件商標は,商標法第3条第1項第6号に該当する。
(3)商標法第4条第1項第11号該当性について
前記(1)又は(2)に反して,本件商標に自他商品識別力があるとするならば,本件商標は,以下の引用商標とは,称呼上類似する商標であり,かつ,本件商標の指定商品中「寝巻き類,下着,タイツ,水泳着,水泳帽」は引用商標に係る第25類の指定商品と類似する。
したがって,本件商標は,商標法第4条第1項第11号に該当する。
(引用商標)国際登録第929451号商標
国際登録日:2007年(平成19年)2月2日
設定登録日:平成21年11月13日
指定商品 :第25類及び第26類に属する国際登録に基づく商標権に係る商標登録原簿に記載のとおりの商品
商標の構成:
第3 本件商標に対する取消理由
本件商標は,商標法第3条第1項第3号に該当するとして,平成27年12月25日付けで通知した取消理由は,要旨以下のとおりである。
1 本件商標
本件商標は,前記第1に記載したとおりである。
2 「Natural」又は「ナチュラル」の文字(語)について
証拠及び申立人の主張並びに職権調査によれば,以下の事実が認められる。
(1)「Natural」の語は,「ナチュラル」と発音され,「自然の,天然の」等の意味を有する平易な英語であって(2011年4月1日 株式会社大修館書店発行「ジーニアス英和辞典第4版」。甲2),これを原語とする外来語「ナチュラル」についても,代表的な国語辞書である広辞苑第6版には,「自然なさま。天然。自然的。『―な色合い』」と記載されており,その用例(「ナチュラルな色合い」)にもあるとおり,「ナチュラル」の語は,色合いを表現する際にも使用される語であることが認められる。
(2)本件商標の指定商品の分野に係る事典「新・田中千代服飾事典」(2004年4月1日 株式会社同文書院発行)には,「ナチュラル[Natural]」の見出し語について,「<自然の><生まれつきの><本来の><飾り気のない><普通の>という意味である。......またナチュラル・カラーといえばペンキなどで人工的な着色をほどこさない木,皮革,繊維などの色のことをさす。無彩色またはそれに近い薄茶色,白色などである場合が多い。」と記載されている。
(3)「Natural」(大文字,小文字にかかわらず同一のつづりからなる表記を含む。)又は「ナチュラル」の文字(語)は,本件商標の登録査定日前から,「下着」,「Tシャツ」,「ネックウォーマー」,「帽子」,「ネクタイ」及び「靴下」について,その商品の色彩を表示するものとして,一般に使用されていることが認められる(甲3〜7,10〜12)。また,同じく,本件商標の登録査定日前から,「ストッキング,パンティーストッキング」との関係では,「脚の肌の色合いに近く,透明感があって着用しても素足であるかのように見える(パンティー)ストッキング」のことを「ナチュラルストッキング」と称して,一般に使用されていることが認められる(甲22〜26)。
(4)インターネット検索エンジン「Google」にて,検索キーワードを「ナチュラル素材」とし,検索ツールの「期間指定」を本件商標の登録査定日(2014年(平成26年)9月22日)より前と指定しての検索結果
ア 「【楽天市場】フードユニフォーム」のウェブサイト(2001年2月1日付け)には,「【ナチュラル素材のカフェエプロン】カフェにピッタリ!男女問わず似合うデザイン。...自然な風合いの三者混の前掛けエプロン。」との記載がある。
イ 「波の音〜琉球〜楽天市場店」のウェブサイト(2008年11月17日付け)には,「心がほっこりのハンドメイド♪/ナチュラル素材100%/琉球藍糸染め手織りマフラー」及び「天然素材だから肌にやさしい!」との記載がある。
ウ 「【楽天市場】e−zakkamania stores」のウェブサイト(2012年6月1日付け)には,「ざっくり編まれたコットン&ヘンプのナチュラル素材にカラフルな細糸が映えるサマーニットハット。」との記載がある。
エ 「Natural Mind」のウェブサイト(2013年4月13日付け)には,「竹繊維95%,スパンデックス5%ナチュラル素材でエコフレンドリーな女性下着。」との記載がある。
オ 「Tabio PORTAL」のウェブサイト(2013年11月4日付け)には,「人気のラインソックス!!/杢調のナチュラル素材のベースに,3本ラインでスポーティー感を出したメンズライクなカジュアルソックス!」との記載がある。
3 本件商標の商標法第3条第1項第3号該当性について
(1)本件商標は,前記1のとおり,「Natural」の欧文字を標準文字で表してなるものである。
(2)本件商標の指定商品は,前記1のとおり,いずれも,人が身につけるものであり,取引者・需要者を共通にすることが少なくないものであって,商品選択にあたって,その色彩や素材なども重要な要素の一つである。
(3)そして,前記2認定の事実によれば,(a)「Natural」及び「ナチュラル」の文字(語)は,「自然の,天然の」等の意味を有する平易な英語及びその外来語であること(前記2(1)),(b)「ナチュラル」(Natural)の語は,その有する意味合いから,人工的な着色をほどこさない木,皮革,繊維などの色(無彩色またはそれに近い薄茶色,白色など)を表現する際や,「ナチュラルストッキング」のように「脚の肌の色合いに近く,透明感があって着用しても素足であるかのように見える」といった商品の色合いや風合いを表現する際にも使用される語であって,本件商標の登録査定日前から,「下着」,「Tシャツ」,「ネックウォーマー」,「帽子」,「ネクタイ」,「靴下」及び「(パンティー)ストッキング」について,その商品の色彩又は風合いを表示する語として,一般に使用されていること(前記2(1)ないし(3)),(c) 同じく,「ナチュラル素材」のように商品の素材が天然素材からなることを表現する際にも使用される語であって,本件商標の登録査定日前から,「エプロン」,「マフラー」,「帽子」,「下着」及び「靴下」について,その商品の素材を表示する語として,一般に使用されていること(前記2(4)),が認められる。
以上の事実に,前記(2)の事情を併せ考慮すれば,「Natural」の欧文字からなる本件商標は,その登録査定時において,これをその指定商品について使用しても,商品の色彩(ナチュラルな色合い,自然な色),素材(ナチュラル素材,天然素材)又は風合い(見た感じ)を表示したものと,その取引者,需要者によって一般に認識されるものであると認めることができる。
(4)したがって,本件商標は,その登録査定時において,その指定商品との関係においては,商品の品質(色彩,素材又は風合い)を表示するものとして,取引者,需要者によって一般に認識されるものであって,特定人によるその独占使用を認めるのは公益上適当でないと判断されるものであり,自他商品の識別力を欠くものというべきである。
そして,本件商標は,前記1のとおり,「Natural」の欧文字を標準文字により表してなるから,普通に用いられる方法で表示する標章のみからなるものである。
以上によれば,本件商標は,商標法第3条第1項第3号に該当する。
第4 商標権者の意見
商標権者は,前記第3の取消理由に対して,指定した期間内に意見を述べていない。
第5 当審の判断
1 前記第3のとおり,本件商標は,その登録査定時において,その指定商品との関係においては,商品の品質(色彩,素材又は風合い)を表示するものとして,取引者,需要者によって一般に認識されるものであって,特定人によるその独占使用を認めるのは公益上適当でないと判断されるものであり,自他商品の識別力を欠く商標であると認められる。
そして,本件商標は,前記第1のとおり,「Natural」の欧文字を標準文字により表してなるから,普通に用いられる方法で表示する標章のみからなるものである。
したがって,本件商標は,商標法第3条第1項第3号に該当する。
2 以上のとおり,本件商標の商標登録は,商標法第3条第1項第3号に違反してされたものというべきであるから,同法第43条の3第2項の規定により,その商標登録を取り消すべきである。
よって,結論のとおり決定する。
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