Trademark Appeal Case
図形商標の文字性判断
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 異議2015−900137(T2015−900137/J7) |
|---|---|
| 審判種別 | 異議 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
1 本件商標
本件登録第5736698号商標(以下「本件商標」という。)は、別掲のとおりの構成からなり、平成25年11月7日に登録出願、第12類「自動車部品,二輪自動車部品,自転車部品」を指定商品として、平成26年12月22日に登録審決がなされ、平成27年1月30日に設定登録されたものである。
2 引用商標
登録異議申立人(以下「申立人」という。)が、本件登録異議の申立ての理由として引用する登録商標は、以下の2件であり、いずれも現に有効に存続しているものである(以下、まとめていうときは「引用商標」という。)。
(1)国際登録第933019号商標(以下「引用商標1」という。)は、「TTS」の文字を横書きしてなり、2006年12月12日にGermanyにおいてした商標登録出願に基づいてパリ条約第4条による優先権を主張し、第12類、第25類及び第28類に属する国際登録に基づく商標権に係る商標登録原簿記載の商品を指定商品として、2007年(平成19年)6月1日に国際商標登録出願、平成20年12月12日に設定登録されたものである。
(2)登録第4064493号商標(以下「引用商標2」という。)は、「TTS」の文字を横書きしてなり、平成8年2月23日登録出願、第12類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、平成9年10月3日に設定登録されたものである。
3 登録異議の申立ての理由
本件商標は、商標法第4条第1項第11号に該当するものであるから、同法第43条の2第1号により取り消されるべきである旨主張し、証拠方法として甲第1号証ないし甲第8号証を提出した。
(1)本件商標と引用商標との対比
本件商標は、「TTS」の欧文字からなるところ、これを構成する各文字は、全体としてやや太線で、隣り合う文字同士の端と端を結合させたやや特徴のある形をもって表現されているが、取引者、需要者は本件商標から容易に「TTS」の欧文宇と看取、理解し、「ティティエス」と無理なく称呼できる。
商標権者のウェブサイト(甲5〜甲8)の表示から、商標権者が、その名称(Tsuruno Technical Service)の頭文字である欧文字3字「TTS」と認識し、周知しようとしていることが明らかであり、上記ウェブサイトに普通の書体の欧文字「TTS」が明確に表示されている。
本件商標と引用商標との類否についてみると、上述のとおり、各商標は、「ティティエス」の称呼を共通にし、外観については、書体の違いはあるものの、「TTS」の文字綴り、大文字の使用が共通しており、互いに近似した印象を与えるといえるから、本件商標と引用商標とは、その外観、称呼及び観念から受ける印象・記憶・連想等を総合勘案すれば、両商標を同一又は類似する商品に使用した場合、同じ事業者の製造・販売に係る商品であるかのように、その出所について誤認混同を来すおそれがあるといわざるを得ない。
(2)むすび
本件商標は、引用商標と類似する商標であり、また、その指定商品においても同一又は類似のものである。
したがって、本件商標の登録は、商標法第4条第1項第11号に違反して登録されたものであるから取り消されるべきものである。
4 当審の判断
(1)本件商標
本件商標は、上記1のとおりの構成からなるところ、その構成は、必ずしも境界が明確ではない、3つの部分が構成要素として切れ目なく横一連に表されていると認識されるものであり、左側には同じ太い線で縦線とその上部の横線を丁字状に接続させ横線の両先端には下向きのセリフが、下部には穏やかなカーブのベースライン・セリフが表されて欧文字「T」を想起・連想させるものであって、右側には曲線で表された形状と起筆及び終筆部分に表されたセリフの形状からは欧文字「S」を想起・連想させるものである。そして、中央部には同じ太い線で縦線とその上下に横線を接続させて表し、各横線の両先端にセリフが表されているが、前記「T」を想起させる形状とは明らかに異なるもので、特定の文字を想起・連想し得ない構成からなるものであるから、本件商標は、左から順に欧文字「T」、特定の称呼、観念を生じない図形、欧文字「S」を配したと認識される構成からなり、その構成全体として、直ちに特定の文字列を認識させるとはいい難く、特徴的な一体の図形よりなる商標として認識されるものとみるのが相当である。
そうとすれば、本願商標は、特定の称呼、観念を生ずることはないものと認められる。
なお、申立人は、本件商標の構成について、商標権者はそのウェブサイト(甲5〜甲8)の表示から特定の称呼及び観念が生じない図形であるとは認識しておらず、その名称の頭文字である欧文字3文字「TTS」と認識し、周知しようとしていることが明らかである旨主張している。
しかしながら、商標権者のホームページにおいて、本件商標及び「TTS」の欧文字が表示されているとしても、本件商標が特定の文字から構成されているものであり、かつ、特定の称呼が生じるものであることが、その取引者、需要者に広く知られているという実情は認められないものであり、また、本件商標は、上記のとおり、全体として一体の特徴的な図形として認識されるものと判断するのが相当であるから、この点についての申立人の主張は採用の限りでない。
(2)引用商標
引用商標1及び引用商標2は、いずれも「TTS」の欧文字を横書してなるものであるところ、該文字は特定の意味を有するものとして知られているものではないから、その構成文字に相応して「ティーティーエス」の称呼を生じ、特定の観念を生じないものである。
(3)本件商標と引用商標の類否
本件商標と引用商標とを比較すると、本件商標は「T」及び「S」の文字をモチーフとしているとしても、全体として一体の特徴的な図形として看取されるのに対して、引用商標は「T」「T」「S」の欧文字からなるものであるから、両商標は、視覚上、それぞれ一見して判然と区別し得る顕著な差異を有し、外観において相紛れるおそれはないものである。
次に、本件商標と引用商標との称呼を比較すると、本件商標は特定の称呼を生じないものであるのに対し、引用商標は、その構成文字に相応して「ティーティーエス」の称呼を生じるものであるから、称呼において紛れるおそれはないものであり、また、本件商標と引用商標とは、いずれも、特定の観念を生じないものであるから、両商標は、観念においては比較することができない。
そうすると、本件商標と引用商標とは、観念において比較し得ないとしても、外観及び称呼において互いに相紛れるおそれのないものであるから、外観、称呼及び観念によって取引者、需要者に与える印象、記憶、連想等により総合的に判断すると、両商標は、商品の出所について混同を生じるおそれのない非類似の商標とみるのが相当である。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に該当しない。
(4)結論
以上のとおり、本件商標の登録は、商標法第4条第1項第11号に違反してされたものでないから、同法第43条の3第4項の規定により、維持すべきものである。
よって、結論のとおり決定する。
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