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Trademark Appeal Case

商標「LAWSON」と「LANSON」の類否

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号異議2015−900289(T2015−900289/J7)
審判種別異議
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

登録第5770883号商標の商標登録を維持する。

理由テキスト

1 本件商標

本件登録第5770883号商標(以下「本件商標」という。)は,別掲1のとおりの構成からなり,平成26年6月17日に登録出願,同27年5月28日に登録査定,第33類「アルコール飲料(ビールを除く。),麦芽又は麦を使用しないビール風味のアルコール飲料,アルコールエッセンス,料理用リキュール,日本酒,洋酒,果実酒,酎ハイ,中国酒,薬味酒」,並びに,第1類ないし第5類,第8類ないし第11類,第14類,第16類,第18類,第20類ないし第32類,第34類ないし第36類,第39類及び第41類ないし第44類に属する商標登録原簿記載の商品及び役務を指定商品及び指定役務として,同年6月12日に設定登録されたものである。

2 引用商標

(1)登録異議申立人(以下「申立人」という。)が,本件商標について,商標法第4条第1項第11号に該当するとして引用する登録第4106529号商標(以下「引用商標」という。)は,「LANSON」と「ランソン」の文字を二段に書してなり,平成7年12月18日に登録出願,第33類「洋酒,果実酒」を指定商品として,同10年1月30日に設定登録されたものであり,その商標権は,現に有効に存続しているものである。

(2)申立人が,本件商標について,商標法第4条第1項第10号及び同第15号に該当するとして引用する商標は,別掲2のとおり,「Lanson」の欧文字を筆記体で書してなり,申立人がシャンパン(以下「申立人商品」という。)に使用している商標(以下「使用商標」という。)である。

3 登録異議の申立ての理由

申立人は,本件商標はその指定商品及び指定役務中,第33類「全指定商品」について,商標法第4条第1項第11号,同第10号及び同第15号に違反して登録されたものであり,同法第43条の2第1号に基づき,その登録は取り消されるべきものであるとして,その理由を要旨次のように述べ,証拠方法として甲第1号証ないし甲第70号証を提出した。

(1)商標法第4条第1項第11号について

ア 本件商標について

本件商標は,瓶を乗せた台車と思しき図形部分と,「LAWSON」及び「FRESH」の文字部分から構成され,これに接する取引者及び需要者は,文字部分の「LAWSON」と「FRESH」と,図形部分を分離して観察し,読みやすい文字部分を捉えて商品及び役務の取引に当たる場合が多いとみるのが相当である。

次に,文字部分の「LAWSON」と「FRESH」のうち,「FRESH」は「新鮮」又は「鮮度が高い」の意味合いで日常的に使用される英単語であり,例えば,商品「洋酒,果実酒」の関係において,品質を示す表示であると認識され,商標としての機能を備えない部分と判断される。

そうとすると,本件商標に接する取引者及び需要者は,本件商標の「LAWSON」のみに着目して商品及び役務の取引に当たることが自然であり,さらに,本件商標と他の商標との類否を判断する場合,取引時において商標として着目される「LAWSON」の部分をもって,類否判断が行われることが相当である。

イ 本件商標と引用商標が類似していることについて

本件商標の構成要素「LAWSON」と引用商標の構成要素「LANSON」は,何れも6文字から構成されている。両表現は,中間部である第三番目の文字が「W」か「N」かの違いのみを除き,他の5文字が一致している。

したがって,「LAWSON」と「LANSON」とは,構成文字数の一致に加えて,構成文字がほぼ一致しているに等しいため,外観において共通点が非常に多い関係にある。

さらに,Nの左側に斜線を追加するとWの文字になることから,「N」と「W」の文字は,文字自体の構成が非常に近似しているといえる。

上述のとおり,「W」と「N」は,中間部に位置する。目に留まりやすい語頭部分とは異なり,中間部は文字に挟まれているが故に,看者の注意が最も届きにくい部分である。加えて,「W」と「N」は構成が非常に近似している。そうとすれば,「LAWSON」と「LANSON」の外観を比較する上において,「W」と「N」の違いが外観に与える影響は非常に少ないか,又は,ほぼ無いといえる。

よって,「LAWSON」と「LANSON」は,外観において非常に近似しており,類似の関係にある。したがって,本件商標と引用商標は,外観において類似関係にあるといえる。

なお,上記主張は審決例及び裁判例からも裏付けられる(甲5,甲6)。

以上より,本件商標全体と引用商標とが,外観において類似関係にあることは明らかである。

さらに,本件商標の構成要素「LAWSON」を,構成文字に即して読むと「ラウソン」の称呼が生じ得るが,当該称呼と引用商標の称呼「ランソン」とは,第2音以外の音が一致しているため,全体としての語調・語感が近似している。

よって,本件商標と引用商標は,称呼においても類似関係にある。

したがって,本件商標と引用商標とは,外観・称呼において類似する商標であるといえる。

ウ 本件商標の指定商品と引用商標の指定商品との同一・類似性

本件商標の指定商品「洋酒,果実酒」と,引用商標の指定商品「洋酒,果実酒」は,同一である。

したがって,本件商標の指定商品と引用商標の指定商品とは,同一・類似の関係にある。

エ まとめ

本件商標と引用商標が,外観及び称呼において類似関係にあり,本件商標の指定商品と引用商標の指定商品とは,同一・類似の関係にあることは明らかである。

したがって,本件商標は,商標法第4条第1項第11号に該当する。

(2)商標法第4条第1項第10号について

ア 使用商標が広く認識されていること

「Lanson」(ランソン)は,フランスの有名シャンパンメーカー「Lanson社」のハウスマークである。Lanson社は,ハウスマークをフランスの申立人商品の名称に取り入れ,例えば,「LANSON BLACK LABEL BRUT(ランソン ブラックラベル・ブリュット)」等の申立人商品を製造している。Lanson社が,長年にわたって「Lanson」をフランスの申立人商品に使用した結果,「Lanson」は申立人商品のブランドとして不動の地位を築いており,その名は広く知れ渡っている。

(ア)Lansonの歴史

Lanson社は,フランスのランスで1760年に創業され,Lanson社が製造する申立人商品は,ヴィクトリア女王以来英国王室指定のシャンパン(以下「フランスのシャンパーニュ地方産の発泡ワイン」という場合がある。)であり,スペインのアルフォンス王家,スウェーデンのグスタヴ王家でも愛用されている。また,王室にのみ愛用されるのではなく,世界130か国で広く愛飲される発泡ワインでもある。

上記事実は,書籍において紹介されるところであり(甲7ないし甲14),Lanson社が250年以上の長い歴史を誇る,有名シャンパンメーカーであること,申立人商品は数多の王室御用達であるのみならず,世界中で愛飲される有名な発泡ワインであることは明らかである。

このような華やかな歴史を持つ申立人商品は,1984年から今に至るまで,サントリー,キリンビール,アサヒビールといった,国内最大手の飲料メーカーをディストリビュータとして日本で販売され続けており,申立人商品の販売動向は,新聞で頻繁に報じられている。(甲15ないし甲34。これらはごく一例である。)

(イ)申立人商品の輝かしい受賞歴

申立人商品は,これまでに国内外の数多くの競技会で華々しい受賞を収めており(甲35ないし甲48),あまたの受賞歴を誇る名門フランスのシャンパーニュ地方産の発泡ワインであることは明らかであり,「Lanson」の名が広く認識されていることも,いうまでもなく明らかである。

(ウ)その他雑誌,書籍,新聞での掲載

上記(ア)及び(イ)で紹介した事例以外にも,Lanson社及び申立人商品は,雑誌等に頻繁に取り上げられている(甲49ないし甲67。一例である。)

(エ)小括

Lanson社が,長い歴史を持つ名門シャンパンメーカーであり,申立人商品が,長年にわたって日本で販売され,注目を浴び続けてきたことは明らかである。したがって,使用商標が,シャンパンメーカーのハウスマークであり,かつ,申立人商品の名称であることが広く認識されていることは,疑う余地もなく明らかである。

イ 本件商標と使用商標との類似性

本件商標と引用商標が,構成文字数の一致に加えて,構成文字がほぼ一致している故に,外観において類似し,さらに称呼においても類似することは,上記(1)イで述べたとおりである。

そうとすれば,本件商標と使用商標もまた,大文字と小文字の違いや,字体の違いといった差異点があるものの,外観において近似することに変わりはない。

また,本件商標は,引用商標と同様に使用商標とも称呼上紛らわしい。

よって,本件商標と使用商標が,外観・称呼において類似することは明らかである。

ウ まとめ

以上より,使用商標は,フランスのシャンパーニュ地方産の発泡ワインとの関係において,取引者及び需要者の間に広く認識されており,フランスのシャンパーニュ地方産の発泡ワインと本件商標の指定商品「果実酒」とは類似する。

さらに,本件商標は使用商標と類似関係にある。

よって,本件商標は,商標法第4条第1項第10号に該当する。

(3)商標法第4条第1項第15号について

ア 本件商標の商品「果実酒」に関する周知性の程度

本件商標権者が「果実酒」を自ら製造販売していると認識される可能性はほぼ無く,本件商標は,「果実酒」との関係において周知性を備えていない。

本件商標権者が,コンビニエンスストアを経営していることは,誰もが知るところである。コンビニエンスストアを利用する取引者及び需要者は,本件商標権者が商品を自ら製造することはなく,第三者が製造した商品を仕入れて販売していると当然に認識している。

したがって,本件商標が「果実酒」を始めとする個別具体的な商品との関係において,周知性を備える可能性があるとは考え難い。

なお,本件商標権者を含むコンビニエンスストア各社は,近年,いわゆるプライベートブランドビジネスにも乗り出している。

しかしながら,本件商標権者のプライベートブランドは,取引者及び需要者に広く認識されているとはいい難い。

株式会社ドゥ・ハウスが行ったWebアンケートの調査結果(甲68)に基づくと,本件商標権者がプライベートブランドを立ち上げているとしても,その存在が認識されているとはいえず,多くの取引者及び需要者に利用されるとはいい難いことは明らかである。

加えて,本件商標権者は,プライベートブランドとして「ローソンセレクト」及び「バリューライン」を展開しているが,プライベートブランドの果実酒を製造及び販売していないことは明らかである(甲69,甲70)。

以上を総合すると,本件商標権者は,プライベートブランドビジネスに乗り出してはいるものの,その事実を広く知られているとはいい難く,小売業者としての認知度が明らかに勝っているといえる。加えて,本件商標権者が展開するプライベートブランドで,果実酒の製造販売は行われていない。

そうとすれば,取引者及び需要者が,「ローソン」(LAWSON)と果実酒に関連性があると認識する可能性は限りなく低いか,ほぼ無いといえる。さらに,果実酒に「LAWSON」の表示が使用された場合,当該表示が本件商標権者又は同者が経営するコンビニエンスストアに結び付けられる可能性もほぼ無いといえる。

一方,上記(2)アで述べたとおり,申立人商品は,数多の王室御用達であるのみならず,世界中で愛飲される歴史ある有名なフランスのシャンパーニュ地方産の発泡ワインであり,日本でも長年にわたって販売され,広く知られる存在である。

したがって,フランスのシャンパーニュ地方産の発泡ワインを含む果実酒の分野において,「Lanson」が圧倒的な知名度を誇りブランドの地位を確立している一方,「Lawson」は全く知られていない存在であることは明らかである。

イ 取引の実情

フランスのシャンパーニュ地方産の発泡ワインを含む果実酒は,デパート,スーパーマーケット等の酒類コーナーで,まとまって販売されている。

さらに,果実酒は,ほぼ同じ大きさのボトルに詰められ,商品全体の色合いも非常に近似している。

商品の違いを見分けるには,ボトルに貼られたラベルに表示された商品名を識別することが必要である。

しかしながら,ラベルに表示される商品の名称は,目立つ様に大きく表示されているものとは限らない。同じような色合いと形状のボトルが数多く並ぶ売場で,ラベルの商品名を瞬時に判断することが困難であることは,容易に窺い知れる。加えて,果実酒の購入者は,果実酒の知識が豊富で,ラベルの識別に注意を払う者に限定されている訳ではなく,広く一般消費者が対象となる。一般消費者の中には,果実酒の知識が乏しく,ラベルの区別が困難である者もあまた存在するものである。そうとすれば,様々な銘柄が数多く並ぶ果実酒コーナーを訪れる取引者が,ラベルをぱっと見た印象で商品を購入する場合が少なからずあることも,想像に難くない。

このような販売事情を考慮すると,同じような形状,色合いのボトルに小さく表示された商品名を見分けることが,取引者及び需要者にとって困難である場合も多く,商品名の構成文字が近似する場合,取引者及び需要者が商品名を混同するおそれが非常に高いことは明らかである。

ウ 出所混同のおそれ

果実酒との関係において「LAWSON」が周知性を備えておらず,「Lanson」が非常に高い周知性を備えており,「Lanson(LANSON)」と「LAWSON」が非常に近似していることを考慮すると,フランスのシャンパーニュ地方産の発泡ワインを含む果実酒用ボトルに「LAWSON」の表示が使用された場合,商品の取引者及び需要者は,ラベルをぱっと見た印象で「LAWSON」を有名な「Lanson(LANSON)」と認識し,当該商品が申立人の商品であると誤認する可能性が非常に高い。

したがって,「LAWSON」の表示を含む本件商標を果実酒に使用した場合,商品の出所において混同が生じるおそれが高いことは明らかである。

エ まとめ

以上より,本件商標を果実酒に使用した場合,申立人の商品と混同を生ずるおそれがあることは明らかである。

よって,本件商標は,商標法第4条第1項第15号に該当する。

4 当審の判断

(1)使用商標及び引用商標の周知性について

ア 申立人提出の甲各号証及び同人の主張によれば,次の事実を認めることができる。

(ア)申立人は,フランスのランスで1760年に創業された「フランスのシャンパーニュ地方産の発泡ワイン」のメーカーであり,同人が製造する申立人商品には,ラベルに使用商標が表示されている(甲7,甲8)。

(イ)申立人商品は,英国王室指定の発泡ワインであり,スペイン及びスウェーデンの王家でも愛用されており,世界130か国で飲まれている(甲7,甲8)。

(ウ)申立人商品は,我が国において,1984年(昭和59年)頃に販売され,その後現在まで継続して販売されている(甲15ないし甲35)。

(エ)申立人商品は,我が国のワインに関する書籍,雑誌等で,「Lanson(LANSON)」,「ランソン」の文字と共に相当数紹介されており(甲49ないし甲67等),また国内外の競技会で多数受賞している(甲35ないし甲48)。

(オ)しかしながら,平成16年1月ないし5月の販売量(甲22)を除き,申立人商品の我が国における売上高,シェアなど販売実績を示す主張,証左は提出されていない。

イ 上記アの事実からすれば,申立人は,使用商標及び「Lanson(LANSON)」,「ランソン」の標章を表示した「フランスのシャンパーニュ地方産の発泡ワイン」を,我が国において,昭和59年頃から販売しているものであるから,これら商標等は,その需要者の間に一定程度知られていたものということができる。

しかしながら,書籍,雑誌及び新聞の記事は,申立人商品又は申立人が多数のワイン又はワインメーカーの内の一つとして紹介され,あるいは,申立人商品の販売を報道するものであって,いずれも決して大きく取り上げられたものとはいえないものであり,また,本件商標の登録出願日及び登録査定日の前における申立人商品の日本国内での販売数量,売上高,市場シェア等も明らかではない。

そうとすれば,申立人提出の証拠によっては,使用商標,「Lanson(LANSON)」及び「ランソン」の標章,引用商標が,本件商標の登録出願の日前ないし登録査定時において,申立人の業務に係る申立人商品であることを表示するものとして我が国の需要者の間に広く認識されているものと認めることはできない。

(2)商標法第4条第1項第11号該当性について

ア 本件商標は,別掲1のとおり,薄い青色で,瓶を乗せた台車と思われる図形内に「LAWSON」と「FRESH」の欧文字を上下二段に横書きした構成からなるものである。

そして,その構成態様から,二段に書された「LAWSON」及び「FRESH」の文字部分が独立して自他商品及び役務の識別標識としての機能を果たし得るものとみるのが自然であって,さらに,該文字部分中の「FRESH」の文字は,食品全般において「新鮮なもの」であることを表すものとして使用され,自他商品識別標識としての機能を有しないか極めて弱いものであること,及び「LAWSON」の文字が「ローソン」と称呼されるコンビニエンスストアの名称として,需要者の間に広く認識されているものであることをあわせ考慮すれば,本件商標は,その構成中の「LAWSON」の文字部分が,需要者に対し,商品又は役務の出所識別標識として強く支配的な印象を与えるものであって,独立して自他商品識別標識としての機能を果たし得るものというのが相当である。

そうとすれば,本件商標は,その構成中の「LAWSON」の文字に相応して「ローソン」の称呼をも生じ,「(コンビニエンスストアの名称としての)LAWSON」の観念を生じるものというべきである。

イ 引用商標は,前記2(1)のとおり,「LANSON」の欧文字と「ランソン」の片仮名とを上下二段に横書きしてなり,該構成文字に相応して「ランソン」の称呼を生じ,特定の観念を生じないものである。

ウ そこで,本件商標と引用商標との類否を検討すると,外観においては,上述のとおり,両商標は,その構成文字及び態様において顕著な差異を有するものであり,また,本件商標の構成中「LAWSON」の文字と引用商標の構成中「LANSON」の文字とを比較しても,両者は,3文字目に「W」と「N」の差異を有し,該差異文字は,明らかに異なるアルファベット文字であって,共に6文字という,比較的短い文字構成からなる両者の外観全体の視覚的印象に与える影響は小さいものとはいえず,かつ,「LAWSON」がコンビニエンスストアの名称として広く認識されているものであることをあわせ考慮すれば,両者は,判然と区別できるものである。

次に,称呼においては,本件商標の「LAWSON」の文字部分から生ずる「ローソン」の称呼と,引用商標から生ずる「ランソン」の称呼とは,語頭における「ロー」と「ラン」の音の差異により,互いに聞き誤るおそれはないものと認められる。

さらに,観念においては,本件商標は「LAWSON」の文字部分から「(コンビニエンスストアの名称としての)LAWSON」の観念を生じるのに対し,引用商標は特定の観念を生じないものであるから,互いに相紛れるおそれはない。

そうとすれば,本件商標と引用商標とは,外観,称呼及び観念のいずれの点からみても相紛れるおそれのない非類似の商標というべきである

その他,本件商標と引用商標とが類似するとすべき理由は見いだせない。

したがって,本件商標は,商標法第4条第1項第11号に該当しない。

(3)商標法第4条第1項第10号及び同第15号該当性について

上記(1)のとおり,使用商標,「Lanson(LANSON)」及び「ランソン」の標章,引用商標は,本件商標の登録出願の日前ないし登録査定時において,申立人の業務に係る申立人商品であることを表示するものとして我が国の需要者の間に広く認識されているものと認めることができず,上記(2)のとおり,本件商標と引用商標とは,外観,称呼及び観念のいずれの点においても相紛れるおそれのない非類似の商標と認められる。

そして,本件商標の「LAWSON」の文字部分と別掲2のとおりからなる使用商標とは,外観上,その構成態様において顕著な差異を有し,称呼及び観念において上記引用商標との類否についての認定と同様の理由により,互いに相紛れるおそれのない非類似の商標であって別異の商標と認められる。

そうとすると,本件商標は,本件商標権者がこれをその指定商品中,本件登録異議申立てに係る指定商品「第33類 全指定商品」について使用しても,取引者,需要者をして使用商標を連想又は想起させることはなく,その商品が申立人あるいは同人と経済的若しくは組織的に何らかの関係を有する者の業務に係るものであるかのように,その商品の出所について混同を生ずるおそれはないものというべきである。

したがって,本件商標は,商標法第4条第1項第10号及び同第15号に該当しない。

(4)申立人の主張について

ア 申立人は,「N」の左側に斜線を追加すると「W」になるから両文字は非常に近似し,また過去の審判決例を挙げ,両者は外観において類似関係にある旨主張しているが,アルファベットは各文字がシンプルな構成であって,一本の線の有無によって文字の違いを明瞭に区別するものというべきであり,また審判決例は,商標の構成態様が異なり本件と事案を異にするものであるから,かかる主張は採用できない。

イ 申立人は,本件商標権者のプライベートブランドは,取引者,需要者に広く認識されているとはいい難く,本件商標権者がプライベートブランドで果実酒の製造販売を行っていないことから,「LAWSON」は果実酒との関係では周知性を備えておらず,また売り場では同じような形状等のボトルが数多く並べられ,需要者はラベルをぱっと見た印象で商品を購入する等の果実酒の取引の実情などから,本件商標は使用商標との関係で出所の混同を生じるおそれが高い旨主張している。

しかしながら,上記(3)のとおり,本件商標は,使用商標を連想又は想起させるものでなく,商品の出所について混同を生ずるおそれはないものであるから,申立人の主張は採用できない。

なお,仮に本件商標権者のプライベートブラントが広く認識されておらず,本件商標権者がプライベートブランドで果実酒の製造販売を行っていないとしても,果実酒はコンビニエンスストアでも販売されており,コンビニエンスストアは老若男女を問わず広く一般消費者に利用されていることからすれば,果実酒の取引者,需要者においても,コンビニエンスストアの名称としての「LAWSON」は広く認識されていると判断するのが相当である。

また,同じような形状等のボトルが数多く並べられた売り場においては,商品の選択は比較的慎重なるといえ,かつ,ラベル(商標)の対比観察が可能であり,さらに,仮にぱっと見た印象で商品を購入するとしても,本件商標は,瓶を乗せた台車と思われる図形内に「LAWSON」と「FRESH」の文字を二段に書した構成からなるものであるから,一見して使用商標と別異のものと認識されるものであって,使用商標を連想又は想起させるものということができない。

(5)むすび

以上のとおり,本件商標の登録は,商標法第4条第1項第10号,同第11号及び同第15号のいずれにも違反してされたものとはいえないから,同法第43条の3第4項の規定により,維持すべきである。

よって,結論のとおり決定する。

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