結論テキスト
審判費用は、被請求人の負担とする。
Trademark Appeal Case
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
| 審判番号 | 平成11年審判第31294号 |
|---|---|
| 審判種別 | 不服 |
| 結論 | 勝訴(請求認容) |
本件登録第2282444号商標(以下、「本件商標」という。)は、昭和63年8月16日に登録出願され、「SYSLEY」の欧文字よりなり、第29類「茶、コーヒー、その他本類に属する商品」を指定商品として、平成2年11月30日に設定の登録がなされ、現に有効に存続しているものである。
請求人は、「結論同旨の審決を求める。」と申し立て、その理由を次のように述べ、証拠方法として、甲第1号証を提出した。
本件商標は、その指定商品につき継続して3年以上日本国内において商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれかによって使用された事実が存しないものであるから、商標法第50条第1項の規定により、その登録は取り消されるべきである。
商標登録第2282444号の商標登録原簿謄本写(甲第1号証)によれば、専用使用権者、通常使用権者等の設定登録はされていない。
被請求人は、「本件審判の請求は成り立たない、審判費用は請求人の負担とする、との審決を求める。」と答弁し、その理由を次のように述べ、証拠方法として、乙第1号証ないし乙第12号証を提出した。
(1)本件商標は、以下に述べるとおり商標権者が経営するファースト フード ショップにおいて、本件審判の請求前より、請求に係る商品に使用されており、ファースト フード ショップは、店内で飲食のための各種の飲食物の提供及び持帰り(テイクアウト)用の商品を販売していることで広く知られ、一般に利用されているものである。
(a)本件商標は、本件商標の商標権者の直営店であるファースト フード ショップの「SISLEY」(シスレー)(東京都渋谷区神宮前6−3−7所在)」(以下「直営店シスレー」という。)が、昭和63年12月23日の同店のオープンから継続して現在においても、指定商品に包含されている持帰り(テイクアウト)用の各種の紅茶・コーヒー・アプリッツア(炭酸飲料)等の商品について使用している。
(b)乙第2号証は、「直営店シスレー」の正面及びその一部を拡大した写真であり、乙第3号証は店内に掲げてある各種飲食物のメニューの写真である。
乙第4号証は、店内においての飲食または持帰り(テイクアウト)用のための各種飲食物のメニューであり、該メニューには、本件商標の指定商品に包含されている各種の紅茶・コーヒー・ココア・アプリッツア(炭酸飲料)等が店内での飲食または持帰り(テイクアウト)用の商品として掲載している。
乙第5号証は、更新された現在の「直営店シスレー」の「営業許可書」である。
乙第6号証は、「直営店シスレー」を紹介している「ぴあランキン’グルメまめ版’98年版青山・表参道・赤坂」(1998年4月25日 ぴあ株式会社発行)の書籍であり、これによっても本件審判の請求前3年以内においても、「直営店シスレー」が業務を行っていたことが証明されている。
乙第7号証は、「直営店シスレー」がオープン時より継続して乙第3号証及び乙第4号証の「メニュー」に示す商品が全て持帰り(テイクアウト)用の商品として販売しており、当然に本件審判の請求に係る指定商品中の各種の紅茶・コーヒー・ココア・アプリッツア(炭酸飲料)等の商品も含まれていることが明らかであり、その中の一例としての商品「カップ入りのコーヒー」の写真である。
乙第8号証、乙第9号証、乙第10号証は、それぞれ「株式会社東急エージェンシー」、「株式会社アモウディレクション」、「株式会社エム.ディ」が1988年12月23日から現在に至るまで度々「直営店シスレー」において持帰り用の商品「カップ入りコーヒー」を購入したことのある旨の証明書である。
乙第11号証は、商品「カップ入りコーヒー」等の商品の持帰り(テイクアウト)用のための紙製包装用袋であり、乙第12号証は、商品「カップ入りコーヒー」等の商品の持帰り(テイクアウト)用のためのプラスチックス製包装用袋である。なお、種々のホームページにおいても「直営店シスレー」が紹介されている事実がある。
更に、使用に係る「SISLEY」及び「シスレー」の商標は、本件商標の「SYSLEY」と称呼を全く同一にすること、また、「LITTLEWORLD」に関する東京高等裁判所の昭和63年(行ケ)269号(平成2年2月20日言渡)の判決に徴しても、使用に係る商標と本件商標が商標法第50条の括弧書きに示す社会通念上同一と認められることから、本件商標がその指定商品に使用されているといえることが明らかである。
(c)本件商標が、本件審判の請求前3年以内に、被請求人の経営する「直営店シスレー」においても持帰り(テイクアウト)用の商品として指定商品中の各種の紅茶・コーヒー・ココア・アプリッツア(炭酸飲料)等の商品に使用されていたことが、乙第2号証乃至乙第12号証によって立証されている。
したがって、本件商標が請求に係る商品について、請求前3年以内に使用されていることが明らかであり、商標法第50条の規定により取り消すことはできない。
被請求人提出の乙第2号証ないし乙第12号証によれば、被請求人の直営店であるファースト フード ショップの「SISLEY」(シスレー)(東京都渋谷区神宮前6−3−7所在)」において、昭和63年12月23日のオープンから継続して現在まで、持帰り(テイクアウト)用の紅茶・コーヒー・アプリッツア(炭酸飲料)等の商品を販売していることが認められる。そして、その販売に際し「SISLEY」或いは「シスレー」の標章が使用されていたことは、各種飲食物のメニュー(乙第3号証及び乙第4号証)、持帰り用のための紙製包装用袋(乙第11号証)、持帰り用のためのプラスチックス製包装用袋(乙第12号証)等により確認できるものである。
ところで、本件商標は「SYSLEY」の欧文字よりなるものであるのに対して、被請求人が商品「紅茶・コーヒー・アプリッツア(炭酸飲料)等の飲料」に使用している標章は「SISLEY」或いは「シスレー」の文字よりなるものである。そこで、「SISLEY」或いは「シスレー」の標章の使用が本件商標「SYSLEY」の使用に当たるか否かを検討する。
平成8年法律第68号により改正された商標法は、不使用取消審判における登録商標の使用と認める範囲を同法第50条第1項において「社会通念上同一と認められる商標を含む。」と明記し、その例示として、(1)書体のみに変更を加えた同一の文字からなる商標、(2)平仮名、片仮名及びローマ字の文字の表示を相互に変更するものであって同一の称呼及び観念を生ずる商標、(3)外観において同視される図形からなる商標を挙げているものである。
そこで、本件についてみるに、本件商標及び使用各標章からは共に「シスレー」の称呼が生ずるものではあるが、両者は何らの事物・事柄等を想起させることのない造語と認められるものであって、いずれを比較した場合であっても両者間に観念的な相互連想作用はなく、故に両者が同一の観念を生ずるものとは言えない。そして、本件商標と欧文字標章とを比較するに両者はその文字綴りの左から2番目の「Y」と「I」とを異にする点で外観上相違し、また、本件商標と片仮名文字標章とを比較するに両者は欧文字(ローマ字)と片仮名文字という点でその外観を著しく異にするものである。
そうとすれば、両者は外観の差異が顕著である点に加え、同一の観念を生ずるものとはいい難いことから、たとえ、同一の称呼を生ずるものとしても、外観、観念の点を考慮に入れる余地はないから、社会通念上同一性を有する商標とは言い得ないものとみるのが相当である。
してみれば、本件商標は、本件審判請求の登録前3年以内に日本国内において、商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれによっても、その指定商品について使用されていたとはいえず、また、本件商標の使用をしていないことについて正当な理由があるとも認められないから、結局、本件商標は商標法第50条の規定により、その登録を取り消すべきものである。
被請求人は、使用に係る標章及び本件商標がその称呼を全く同一にすることをもって社会通念上同一と認められるものである旨述べ、昭和63年(行ケ)269号(平成2年2月20日言渡)の判決を挙げているが、該事例は外観が酷似し、同一の称呼、観念を生ずる点で社会通念上同一の範囲を出ないとされた事例であって、商標の具体的構成において本件商標とは事案を異にするものであり、かつ、本件については前記認定を相当とするものであるから、その主張は採用できない。
よって、結論のとおり審決する。
Next Action
類似審決の追加調査から中間応答、新規出願の費用確認まで、この審決を起点に次のアクションへ進めます。
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