Trademark Appeal Case
音波接合の識別力
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 不服2015−13403(T2015−13403/J1) |
|---|---|
| 審判種別 | 不服 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
1 本願商標
本願商標は、「オンパセツゴウ」の文字を標準文字で表してなり、第7類「金属加工機械器具,超音波振動を利用した金属接合機を含む金属加工機械器具,化学機械器具,超音波振動を利用した化学機械器具,半田付け機械器具,超音波振動を利用した半田付け機械器具,プラスチック加工機械器具,超音波振動を利用したプラスチック加工機械器具,半導体製造装置,超音波振動を利用した半導体加工機械器具,音波振動を利用した金属接合機を含む金属加工機械器具,音波振動を利用した化学機械器具,音波振動を利用した半田付け機械器具,音波振動を利用したプラスチック加工機械器具,音波振動を利用した半導体加工機械器具」を指定商品として、平成26年9月12日に登録出願されたものである。
2 原査定における拒絶の理由の要旨
原査定は、「本願商標は、『オンパセツゴウ』の文字を標準文字で表してなるところ、構成前半の『オンパ』の文字は、『気体・液体・固体などの音の媒質が、発音体の振動を受けて生ずる弾性波動』の意味を有する『音波』の片仮名表記であり、構成後半の『セツゴウ』の文字は、『つぎあわすこと』を意味する『接合』の片仮名表記と認められることから、本願商標は『音波を利用した接合』程の意味合いを容易に認識させるものである。そうすると、本願商標をその指定商品中『音波を利用して接合する金属加工機械器具,超音波振動を利用して接合する金属接合機を含む金属加工機械器具,音波を利用して接合する化学機械器具,超音波振動を利用して接合する化学機械器具,音波を利用して接合する半田付け機械器具,超音波振動を利用して接合する半田付け機械器具,音波を利用して接合するプラスチック加工機械器具,超音波振動を利用して接合するプラスチック加工機械器具,音波を利用して接合する半導体製造装置,超音波振動を利用して接合する半導体加工機械器具,音波振動を利用して接合する金属接合機を含む金属加工機械器具,音波振動を利用して接合する半導体加工機械器具』等に使用しても、単に商品の品質を表示するにすぎないものと認める。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当し、前記以外の商品に使用するときは商品の品質の誤認を生じさせるおそれがあるから、商標法第4条第1項第16号に該当する。」旨認定、判断し、本願を拒絶したものである。
3 当審の判断
(1)商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号該当性について
本願商標は、前記1のとおり、「オンパセツゴウ」の文字を標準文字で表してなるところ、指定商品との関係からすれば、その構成中の「オンパ」の文字は、「音波」の片仮名表記であり、「気体・液体・固体などの音の媒質が、発音体の振動を受けて生ずる弾性波動」の意味を、「セツゴウ」の文字は、「接合」の片仮名表記であり、「つぎあわすこと」の意味を有する語として理解されるものであり、構成全体として、「音波接合」の漢字を片仮名表記したものであると直ちに認識されるものである。そして、これらの文字は、一連の熟語として、辞書等には掲載されていないものの、超音波を利用して接合することを「超音波接合」と称して一般に使用されている実情(別掲参照:原審における拒絶理由通知において示した事実)があり、また、「超音波」の語は、「振動数が約2万ヘルツ以上で、定常音として耳に聞こえない音波。」(いずれも株式会社岩波書店 広辞苑第六版)の意味を有するものであり、「超音波」は、「音波」の中に含まれるものと理解されることから、「音波接合」の語を「オンパセツゴウ」と片仮名表記した本願商標は、「音波を利用した接合」程の意味合いを認識させるにすぎないものである。
してみれば、「オンパセツゴウ」の文字からなる本願商標は、これをその指定商品中、「音波を利用して接合する金属加工機械器具,超音波振動を利用して接合する金属接合機を含む金属加工機械器具,音波を利用して接合する化学機械器具,超音波振動を利用して接合する化学機械器具,音波を利用して接合する半田付け機械器具,超音波振動を利用して接合する半田付け機械器具,音波を利用して接合するプラスチック加工機械器具,超音波振動を利用して接合するプラスチック加工機械器具,音波を利用して接合する半導体製造装置,超音波振動を利用して接合する半導体加工機械器具,音波振動を利用して接合する金属接合機を含む金属加工機械器具,音波振動を利用して接合する半導体加工機械器具」に使用しても、これに接する需要者に「音波を利用した接合のための機械器具」であることを表すものと理解、認識させるにとどまり、商品の品質を普通に用いられる方法で表示する標章のみからなる商標であって、自他商品の識別標識としての機能を果たし得ないものである。
したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当し、また、その指定商品中、「音波を利用して接合する金属加工機械器具,超音波振動を利用して接合する金属接合機を含む金属加工機械器具,音波を利用して接合する化学機械器具,超音波振動を利用して接合する化学機械器具,音波を利用して接合する半田付け機械器具,超音波振動を利用して接合する半田付け機械器具,音波を利用して接合するプラスチック加工機械器具,超音波振動を利用して接合するプラスチック加工機械器具,音波を利用して接合する半導体製造装置,超音波振動を利用して接合する半導体加工機械器具,音波振動を利用して接合する金属接合機を含む金属加工機械器具,音波振動を利用して接合する半導体加工機械器具」以外の商品に使用するときは、商品の品質の誤認を生ずるおそれがあるから、商標法第4条第1項第16号に該当するものである。
(2)請求人の主張について
ア 請求人は、接合の分野において、「超音波」の語と「音波」の語は使い分けされていて、超音波を使用した接合機は多数あったとしても、音波を使用した接合機は、請求人が初めて試みたことであり、請求人のみが使用しているものである。したがって、「オンパセツゴウ」の文字は、直ちに特定の商品の品質を直接的かつ具体的に表示するものとして理解されるのではなく一種の造語として認識されるものである旨主張する。
しかしながら、商標法第3条第1項各号に該当する商標であるか否かは、現実の使用の事実が適用の要件となるものではないから、請求人以外に「オンパセツゴウ」の使用例がないとしても、本件の判断が左右されるものではない。
また、「オンパセツゴウ」の文字を請求人のみが使用しているとしても、それをもって、取引者、需要者が上記(1)のとおり「音波を利用した接合」を認識する場合があることを否定されるものではない。
イ 請求人は、拒絶査定において示された「歯ブラシ」や「洗浄器」の分野における実情は、本願の指定商品の分野に当てはまるものではない旨主張する。
しかしながら、本願の指定商品の分野においては、「歯ブラシ」や「洗浄器」の分野のように超音波以外の音波を利用したものが広く一般的に使用されていないとしても、上記(1)のとおり、「超音波」は、「音波」の中に含まれるものであって、指定商品の分野において「超音波を利用した接合」を「超音波接合」と称し一般に使用されていることからすれば、「音波接合」の語を片仮名表記した「オンパセツゴウ」の文字からは、超音波によるものを含めた「音波を利用した接合」の意味合いを容易に認識、理解するというのが相当である。
ウ したがって、上記ア及びイのとおり、請求人の主張はいずれも採用することができない。
(3)まとめ
以上のとおり、本願商標は、商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当し、登録することができない。
よって、結論のとおり審決する。
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