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Trademark Appeal Case

色彩と原材料表示の識別力

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号不服2015−16551(T2015−16551/J1)
審判種別不服
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

本件審判の請求は、成り立たない。

理由テキスト

1 本願商標

本願商標は、「緑のフルーツ」の文字を標準文字で表してなり、第29類「フルーツを加味した食用油脂,フルーツを加味した乳飲料,フルーツを加味した発酵乳,フルーツを加味した乳酸菌飲料,フルーツを加味したその他の乳製品」を指定商品として、平成26年10月10日に登録出願されたものである。

2 原査定の拒絶の理由

原査定は、「本願商標は、『緑のフルーツ』の文字を標準文字で表してなるところ、その構成中『緑』の文字部分は、『色の名』等の意味合いを表し、『フルーツ』の文字部分は、『くだもの、果実』程の意味合いを表すもので、近年、食品を取り扱う業界において、『紫のフルーツ』、『赤のフルーツ』のように、『○(色彩)のフルーツ』の文字が『○色のフルーツ、○色の果実』程の意味合いを表すものとして使用されている実情があり、『緑色のフルーツを使用した飲料』が製造・販売されていることをうかがい知ることができることから、これをその指定商品に使用しても、需要者等は、『緑色のフルーツを使用した商品』であると認識するにとどまり、商品の品質、原材料を普通に用いられる方法で表示するにすぎず、自他商品の識別標識としては認識しないとみるのが相当である。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当する。」旨認定、判断し、本願を拒絶したものである。

3 当審における証拠調べ通知

当審において、本願商標が商標法第3条第1項第3号に該当するか否かについて、職権に基づく証拠調べをした結果、本願の指定商品及び飲食料品との関係で、「○(色彩)のフルーツ」、「○(色彩)の果実」及び「○(色彩)の野菜」などのように「色彩」と「フルーツ」、「果実」又は「野菜」等の語が組み合わされたものが、商品(原材料)の色の特徴を表すものとして使用されている事実を発見したので、該事実について、別掲1及び2のとおり、同法第56条第1項で準用する特許法第150条第5項の規定に基づき、請求人に対して、平成28年2月1日付け証拠調べ通知書によってこれを開示し、期間を指定して、これに対する意見を求めた。

4 請求人の意見

請求人は、上記証拠調べ通知に対し、所定の期間を経過するも、何ら意見を述べていない。

5 当審の判断

(1)商標法第3条第1項第3号該当性について

本願商標は、「緑のフルーツ」の文字を標準文字で表してなるから、これは、普通に用いられる方法で表示したものである。

そして、「緑のフルーツ」の文字は、「緑色のフルーツ(果実)」であることを容易に認識させるといえるところ、前記3の証拠調べ通知書で示した別掲1及び別掲2の事実から、本願の指定商品をはじめとする飲食料品の分野において、「紫」、「赤」、「黄」及び「緑」といった色彩を表す語と「野菜」、「果実」及び「フルーツ」の語とを組み合わせた「○の野菜」、「○野菜」、「○の果実」及び「○のフルーツ」(○は色彩をいう。以下同じ。)などの表示が、商品(原材料)の色の特徴を表すものとして類型的に使用されているものである。

してみると、これらの「○の野菜」、「○野菜」、「○の果実」及び「○のフルーツ」などの表示は、その構成中の色を表示する文字部分から直ちに特定の果実や野菜を認識し得ないとしても、少なくとも当該色の特徴を有する野菜や果実をその原材料に使用していることを表示してなるものと容易に認識し得るといえるものである。

そうすると、本願商標をその指定商品に使用するときは、これに接する取引者、需要者が「緑色の特徴を有する野菜や果実をその原材料に使用した商品」であることを認識するにとどまるもの、すなわち、商品の原材料、品質を表示するにすぎないものといわなければならない。

したがって、本願商標は、商品の原材料、品質を普通に用いられる方法で表示する標章のみからなる商標といえることから、商標法第3条第1項第3号に該当する。

(2)請求人の主張について

ア 請求人は、「緑色のフルーツ」といっても、スイカ、メロンなど、様々なフルーツが考えられ、また果物を色で分類するのに困難なものも多く、さらに食品の業界において、特定のフルーツの種類を表す用語として、普通に使用されている事実もないことから、本願商標は具体的な品質等を表すものではない旨主張する。

しかしながら、上記(1)のとおり、「○の野菜」、「○野菜」、「○の果実」及び「○のフルーツ」などの表示が、本願の指定商品をはじめとする飲食料品の分野で使用されている事実から、本願商標をその指定商品に使用するときは、「緑色の特徴を有する野菜や果実をその原材料に使用した商品」であることを取引者、需要者に認識されるとみるのが相当であり、「緑色のフルーツ」の語が特定のフルーツを表すものとして使用されている事実がないことをもって、取引者、需要者の認識が変わるものではない。

イ 請求人は、原審で示された新聞記事の情報のうち、日本食糧新聞の「紫のフルーツ」の事例では、5種類の果実と9種類の野菜を使用した、果実・野菜ミックスジュースとあり、紫色の果物ではないものが主たる原材料といえるものである。そして、その他の新聞記事では、「黄色のフルーツ」を使用したものであることは説明されておらず、商品パッケージを勘案しても、具体的な商品の原材料を把握することが難しいもの、また、具体的な果物名のもと説明されているものであるから、本願商標とは、事案が異なるものである。そうすると、「緑または○のフルーツ」の文字が「緑色のフルーツ、○色のフルーツ」程の意味合いを表すものとして使用されている実情を証明するものとしては、妥当性を欠く旨主張する。

しかしながら、別掲1及び2の事実から、本願の指定商品の分野においては、「○の野菜」、「○野菜」、「○の果実」及び「○のフルーツ」などの表示が類型的に商品に使用されているものであるから、これらの表示を本願の指定商品に使用するときは、当該色彩の特徴を有する「野菜」、「果実」又は「フルーツ」が、その原材料に使用されていることを認識させるといえるものである。

ウ 請求人は、過去の登録例及び審決例を挙げ、本願商標も同様に登録されるべきである旨主張する。

しかしながら、登録出願に係る商標が商標法第3条第1項第3号に該当するか否かの判断は、個別具体的に判断されるべきものであり、請求人の主張する登録例及び審決例は、本願商標といずれも事案を異にするものであるから、これらの判断例より本願商標の認定、判断が左右されるものではない。

エ 上記アないしウのとおり、請求人の主張は、いずれも採用することができない。

(3)まとめ

以上のとおりであるから、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当し、登録することができない。

よって、結論のとおり審決する。

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