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Trademark Appeal Case

結合商標の類否判断

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号不服2015−6668(T2015−6668/J1)
審判種別不服
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

本件審判の請求は,成り立たない。

理由テキスト

1 本願商標

本願商標は,別掲1のとおりの構成よりなり,第9類「電子計算機用プログラム,コンピュータソフトウェア」を指定商品とし,平成26年6月13日に登録出願されたものである。

2 引用商標

原査定において,本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するとして,拒絶の理由に引用した登録第4098740号商標(以下「引用商標」という。)は,「PHOTO MAKER」の欧文字及び「フォトメーカー」の片仮名を二段に書してなり,平成3年3月28日に登録出願,第11類に属する商標登録原簿記載のとおりの商品を指定商品として,同10年1月9日に設定登録され,その後,同20年7月9日に指定商品を第7類「起動器,交流電動機及び直流電動機(陸上の乗物用の交流電動機及び直流電動機(その部品を除く。)を除く。),交流発電機,直流発電機,家庭用食器洗浄機,家庭用電気式ワックス磨き機,家庭用電気洗濯機,家庭用電気掃除機,電気ミキサー,電機ブラシ」,第8類「電気かみそり及び電気バリカン」,第9類「配電用又は制御用の機械器具,回転変流機,調相機,電池,電気磁気測定器,電線及びケーブル,電気アイロン,電気式ヘアカーラー,電気ブザー,電気通信機械器具,電子応用機械器具及びその部品,磁心,抵抗線,電極」,第10類「家庭用電気マッサージ器」,第11類「電球類及び照明用器具,家庭用電熱用品類」,第12類「陸上の乗物用の交流電動機又は直流電動機(その部品を除く。)」,第17類「電気絶縁材料」及び第21類「電気式歯ブラシ」とする指定商品の書換登録がされ,現に有効に存続しているものである。

3 当審においてした証拠調べ通知

当審において,本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するか否かについて,職権に基づく証拠調べをした結果,別掲2に示す事実を発見したので,同法第56条第1項で準用する特許法第150条第5項の規定に基づき,請求人に対して,平成27年8月7日付けをもって証拠調べ通知書を送付し,期間を指定して,意見を求めたところ,請求人は,同年9月18日付けで意見書を提出した。

4 証拠調べ通知に対する請求人の意見の要点

(1)本願商標と引用商標の対比

本願商標は,全体で欧文字13文字からなっているが,引用商標は10文字であり,前者は全体として一連の作りとなり,後者は間を空けた10文字の欧文字であり,外観上容易に区別がつく。また,本願商標は,前半10文字が大文字1字と小文字9字,後半で大文字1字と小文字2字とし,前部で二重輪郭とし,後部で内面黒文字で密封して,全体として美観を呈する商標として看者の目を引く。これに対して,8区分を有する引用商標は単なる欧文字10文字の商標で,8区分もの広い区分の使用では広い観念が容易に使われないと思量する。

本願商標の特長が広く知られる点を以下に列記すると次のとおりである。 ア 構成部分全体は欧文字13文字を含む。

イ 構成前部は二重輪郭の10文字で,黒文字3文字は後部を成す。

ウ 構成部分全体の前部に「Photomaker」を含む。

エ 構成部分全体の後部に「Pro」を含む。

オ 構成部分全体の外観は美観を呈する。

カ 構成部分全体は称呼を有する。

キ 構成部分全体は観念を有する。

本願商標は上記のように,引用商標とは異なる特殊な商標として使用されることが明白である。

(2)本願商標は,結合商標として重要であることから,この事実を無視してはならない。

「商標は,その構成部分全体によって他人の商標と識別すべく考案されているものであるから,みだりに商標構成部分の一部を抽出し,この部分だけを他人の商標と比較して商標そのものの類否を判定するがごときが許されないのは,正に所論のとおりである(最高裁平成19年223号,平成20年9月8日第二小法廷判決)。

5 当審の判断

(1)本願商標について

本願商標は,別掲1のとおり,「Photomaker」の欧文字を,それぞれの文字が密着するように灰色の籠字で書し,半角程度の間隔を空けて,「Pro」の欧文字を,それぞれの文字が密着するように灰色で縁取して表してなるところ,両欧文字部分は,それぞれ異なる色彩をもって書されており,かつ,両者の間には半角程度の間隔が設けられていることからすれば,「Photomaker」及び「Pro」の各欧文字部分は,視覚上,分離して把握されるものである。

そして,本願商標の構成中,後半の「Pro」の欧文字は,「専門家」等を意味する「professional」の短縮語(大修館書店 ベーシック ジーニアス英和辞典)として一般に知られている語であり,前記3の証拠調べ通知で示したとおり,本願商標の指定商品との関係において,「Pro」あるいは「Professional」の文字が,その商品が標準仕様の商品に比べて専門家向けの商品であることや,高い機能を備えた商品であることを表すものとして使用されている事実が認められる。

そうすると,本願商標をその指定商品に使用するときは,これに接する取引者,需要者は,当該「Pro」の欧文字部分を,専門家向けの商品であることや,高い機能を備えた商品であることを表す部分,すなわち,商品の品質を表示した部分と容易に認識するものとみるのが相当である。

してみれば,本願商標は,その構成中,後半の「Pro」の欧文字部分は,商品の出所識別標識としての称呼及び観念が生じないと認めるのが相当であるから,その構成中,前半の「Photomaker」の欧文字のみを抽出し,他人の商標と比較して商標そのものの類否を判断することが許されるというべきである。

さらに,本願商標の要部である,構成中前半の「Photomaker」の欧文字は,辞書等に成語としての記載はみられないものの,構成中の「Photo」が,「フォト」の称呼をもって,「写真」を意味する語として一般に親しまれており,また,「maker」が,「メーカー」の称呼をもって,「作る人(物,道具)」を意味する語として知られているものであることからすれば,当該「Photomaker」の欧文字から「フォトメーカー」の称呼をも生じ,「写真を作る人」程の意味合いの観念を生じるというのが相当である。

(2)引用商標について

引用商標は,前記2のとおり,「PHOTO MAKER」の欧文字及び「フォトメーカー」の片仮名を二段に表してなり,下段の片仮名が上段の欧文字の読みを特定したものと無理なく理解されることから,引用商標からは,「フォトメーカー」の称呼が生じ,「写真を作る人」程の意味合いの観念を生じるというのが相当である。

(3)本願商標と引用商標との類否について

ア 称呼及び観念について

本願商標と引用商標とは,前記(1)及び(2)のとおり,「フォトメーカー」の称呼及び「写真を作る人」程の意味合いの観念を共通にするものである。

イ 外観について

本願商標と引用商標とは,全体としての外観が異なるものの,本願商標の「Photomaker」の欧文字部分と引用商標の上段の「PHOTO MAKER」の欧文字部分において,同一の綴り字よりなるものであるから,大文字と小文字の違いは認められるとしても,両商標は,外観上,近似した印象を与えるものである。

ウ 本願商標及び引用商標の指定商品について

本願商標と引用商標の指定商品は,前記1及び2のとおりであるところ,本願の指定商品「電子計算機用プログラム,コンピュータソフトウェア」は,引用商標の指定商品中,第9類「電子応用機械器具及びその部品」に包含されると認められることから,両商標の指定商品は,同一又は類似するものである。

エ 小括

以上によれば,本願商標と引用商標とは,外観上近似した印象を与えるものであり,かつ,称呼及び観念を同一にするものであるから,これらを総合して考察すれば,両者は,互いに相紛れるおそれのある類似の商標というべきである。

したがって,本願商標は商標法第4条第1項第11号に該当する。

(4)請求人の主張について

ア 請求人は,本願商標は全体として一体不可分の構成よりなり,構成全体の外観をもって美観を呈し,また,構成部分全体から称呼及び観念を生じるものであるから,引用商標とは類似しない旨主張する。

しかしながら,前記(1)ないし(3)で述べたとおり,本願商標の構成中,「Photomaker」の欧文字と「Pro」の欧文字とは,半角程度の間隔を設け,異なる色彩をもって書されているから,視覚上分離して把握されるものであり,かつ,構成中後半の「Pro」の欧文字は,本願商標の指定商品との関係においては商品の品質を表す部分と認められるから,本願商標はその構成中前半の「Photomaker」の欧文字のみを抽出して商標の類否を判断することが許されるというべきであり,その上で,引用商標と外観,称呼及び観念の異同を総合勘案すれば,両者は類似の商標というべきものであるから,請求人の上記主張は,採用することができない。

イ 請求人は,第9類において,「Pro」の文字を語尾に含む商標と含まない商標が,互いに非類似商標として多く存在していることを挙げ,本願商標も登録されるべき旨主張する。

しかしながら,請求人の挙げる過去の登録例は,対比する商標の構成態様等において本願とは異なるものであるばかりなく,商標の類否判断は,当該出願に係る商標と他人の登録商標との対比において,個別・具体的に判断すべきものであり,過去の登録例の判断に拘束されることなく検討されるべきものである。

したがって,請求人の上記主張は,採用することができない。

(4)むすび

以上のとおりであるから,本願商標は商標法第4条第1項第11号に該当し,登録することができない。

よって,結論のとおり審決する。

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