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Trademark Appeal Case

称呼類似と地理的表示

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号異議2015−900369(T2015−900369/J7)
審判種別異議
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

登録第5788872号商標の商標登録を維持する。

理由テキスト

1 本件商標

本件登録第5788872号商標(以下「本件商標」という。)は,「SAPUTO REGGIANITO」の文字を標準文字で表してなり,平成27年4月15日に登録出願,同年7月27日に登録査定,第29類「チーズ,乳製品」を指定商品として,同年8月28日に設定登録されたものである。

2 引用商標

登録異議申立人(以下「申立人」という。)が引用する商標は次のとおり(以下,それらをまとめて「引用商標」という。)であり,いずれの商標権も現に有効に存続しているものである。

(1)登録第4054068号商標(以下「引用商標1」という。)

商標の態様 別掲1のとおり

指定商品 第29類「イタリア産のチーズ」

出願日 平成7年8月1日

設定登録日 平成9年9月5日

(2)登録第5584013号商標(団体商標)(以下「引用商標2」という。)

商標の態様 パルミジャーノ レッジャーノ(標準文字)

指定商品 第29類「イタリア国ボローニャのレーノ川左岸まで・マントバのポー川右岸まで・モデナ・パルマ及びレッジョ・ネレミリア地方で生産されたチーズ」

出願日 平成23年8月17日

設定登録日 平成25年5月24日

(3)登録第4618220号商標(以下「引用商標3」という。)

商標の態様 別掲2のとおり

指定商品 第29類「イタリア産のパルメザンチーズ」

出願日 平成7年8月1日

設定登録日 平成14年11月1日

3 登録異議の申立ての理由

申立人は,本件商標について,商標法第4条第1項第15号,同第11号及び同第7号に違反して登録されたものであるから,同法第43条の2第1号により取り消されるべきものであるとして,その理由を要旨次のように述べ,証拠方法として甲第1号証ないし甲第23号証(枝番号を含む。)を提出した。

(1)申立人が管理する商標「パルミジャーノ・レッジャーノ(Parmigiano Reggiano)」について

申立人は,1934年に設立された,パルミジャーノ・レッジャーノチーズの品質の管理と原産地表示を保護・管理する活動等を行っている非営利団体であり,パルミジャーノ・レッジャーノチーズの全生産者が加盟している。

申立人の管理する「パルミジャーノ・レッジャーノ(Parmigiano Reggiano)」(以下,申立ての理由において「Parmigiano Reggiano」という。)は,イタリア国の定められた原産地である「イタリア国ボローニャのレーノ川左岸まで・マントバのポー川右岸まで・モデナ・パルマ及びレッジョ・エミリア地方」で生産及び加工され,厳格な生産方法(生産基準),管理された乳牛の給餌方法(給餌規制)及び品質選別と合格マークの押印(マーク規制)を要求する厳しい規制に従って生産され,かつ,申立人の鑑定に合格したものだけに付すことができるチーズの名称である。

ヨーロッパでは,第二次大戦後,原産国以外の偽物チーズが出回り原産国の国益を脅かす事態になったことを受け,1952年にイタリアを含む主要チーズ生産国8力国が「ストレーザ協定」を結び,原産地名称を保護するようになった。この協定締結後に,以前からあったフランスのAOC制度やイタリアのDOC(統制原産地呼称)制度が整備強化され,1992年に欧州連合が,AOC制度及びDOC制度をベースに新たな品質保証システムを創設した。この欧州連合の品質保証システムは,「原産地名称保護(PDO)」,「地理的表示保護(PGI)」及び「伝統的特産品保障(TSG)」の三つのカテゴリーがある。

原産地名称保護(PDO)は,製法や産地を保護するものの中で認定条件が最も厳しいカテゴリーであり,名称に謳われている地域で,決められた伝統的な製法で生産され,しかもその製品が,その土地の気候風土を反映した固有の品質や風味を備えていなければならない。この原産地名称保護のイタリアの表記はDOPである。

「Parmigiano Reggiano」は,この原産地名称保護(PDO)が制定される前の1955年からイタリア国においてDOCを取得して保護されており,現在は,欧州連合の原産地名称保護制度(PDO:DOP)の下で保護されている名称である(甲2,甲3)。

申立人は,自らパンフレットやホームページを作成して頒布又は公開し,「Parmigiano Reggiano」が,原産地名称保護(PDO)の認定を受けた代表的な製品であることを我が国においても広く宣伝活動している(甲4ないし甲11)。

このように,我が国においても「Parmigiano Reggiano」が欧州連合の原産地名称保護制度(PDO)の下で保護されているイタリア国の著名なチーズの名称であることは広く知られている。

特に,近年のインターネットの普及により,様々な情報を容易に手に入れることができるようになっている状況において,「Parmigiano Reggiano」は,欧文字だけでなく,片仮名「パルミジャーノレッジャーノ」を検索キーワードとして検索をしても,これがイタリア国の定められた原産地である「イタリア国ボローニャのレーノ川左岸まで・マントバのポー川右岸まで・モデナ・パルマ及びレッジョ・エミリア地方」で生産及び加工されたものであり,厳密な品質管理の下で限られたチーズにのみ付される商標であることを誰もが容易に知ることができる程に,我が国においてもチーズについて著名な商標になっている(甲11)。

さらに,「Parmigiano Reggiano」は,イタリア国を代表するチーズであり,「イタリア国のパルマやレッジョ・エミリア地方」等の決められた地域で生産及び加工され,厳密に品質管理がされたチーズであることが,我が国においても多数の書籍等で取り上げられている(甲12ないし甲20)。

上記したように,我が国においては,「Parmigiano Reggiano」が,イタリア国を代表するチーズであり,「イタリア国のパルマやレッジョ・エミリア地方」等の決められた地域で生産及び加工され,厳密に品質管理がされたチーズの名称であることは周知であり,したがって,「パルミジャーノ」がイタリア国のパルマを意味することはもちろんのこと,その英語表記の「パルメザン」がイタリア国のパルマを意味することも周知であり,同様に,「レッジャーノ」がイタリア国のレッジョ・エミリア地方を意味することも上記した多数の書籍等から周知である。

(2)「REGGIANITO」について

本件商標に含まれている「REGGIANITO」の語は,「Reggiano」の語の語尾に「小さい等」の意味を有する接尾語「ito」を付したスペイン語であり,全体として「小さいReggiano」の意味を有するものである。

そして,このことは,スペイン語が英語やフランス語等に次いで多くの国で使用されている言語であり,国際連合における六つの公用語の一つであり,我が国においても広く親しまれている言語であることから,我が国においても需要者,取引者が十分に理解し得ることである。

また,ある商品に対して「リトル東京」,「小東京」等の文字を付した場合,これに接した需要者や取引者は,その商品が「東京」に何等かの関連があり,具体的には,例えば,その商品の産地,その商品の生産場所,その商品の加工及び調整等の何れかが東京で行われていると想起すると考えられる。

これと同様に,「小さいReggiano」を意味する「REGGIANITO」の語は,「Reggiano」がイタリア国を代表する我が国においても著名なチーズである「Parmigiano Reggiano」の産地として有名な「イタリア国のレッジョ・エミリア地方」を意味する語であることが我が国において著名であることに起因して,この「REGGIANITO」を含む本件商標を付した商品に接した需要者,取引者が,少なくともその商品の産地,生産場所,加工及び調整等の何れかが「イタリア国のレッジョ・エミリア地方」で行われていると想起することは明らかである。

そして,「イタリア国のレッジョ・エミリア地方」において生産されたチーズは,その品質が厳密に管理されたイタリア産の「Parmigiano Reggiano」であると認識する可能性が極めて高いと考えられる。

(3)商標法第4条第1項第15号違反について

上記したように,「Parmigiano Reggiano」は,我が国はもちろん,世界的にチーズの商標として極めて著名な商標である。

これに対して,本件商標は,その構成中に「小さいReggiano」を意味する「REGGIANITO」の語を含んでおり,需要者,取引者は,本件商標を見た時に,本件商標が付されているチーズが,あたかも「Parmigiano Reggiano」であると誤認することは明らかである。

よって,本件商標は,申立人の業務に係る「Parmigiano Reggiano」チーズと混同を生じるおそれがあることは明らかであるので,商標法第4条第1項第15号に違反して登録されたものである。

(4)商標法第4条第1項第11号違反について

ア 引用商標1は,楕円形の図案の中に「Parmigiano」と「Reggiano」の語を上下に対象に配置し,さらに,その内側に「consorzio」と「tutela」の語を上下に対象に配置してなるものであり,その構成態様から欧州連合において原産地名称の保護を受けているイタリア国の代表的なチーズ「Parmigiano Reggiano」の観念が生じる。

引用商標2は,片仮名「パルミジャーノ レッジャーノ」を横書きしてなり,その構成態様から欧州連合において原産地名称の保護を受けているイタリア国の代表的なチーズ「Parmigiano Reggiano」の観念が生じる。

引用商標3は,チーズをカットした図案の下に「PARmIGIAnO」及び「REGGIAnO」の語を二段に併記してなり,その構成態様から欧州連合において原産地名称の保護を受けているイタリア国の代表的なチーズ「Parmigiano Reggiano」の観念が生じる。

イ 本件商標は,「SAPUTO REGGIANITO」の欧文字を横書きにしてなり,その構成中に「小さいReggiano」を意味する「REGGIANITO」の語を含んでいるため,この商標を見た需要者,取引者は,この商標は,少なくとも「イタリア国のレッジョ・エミリア地方」で生産及び加工等がされたチーズであり,同地域で生産及び加工がされているということは,それは,欧州連合において原産地呼称保護されている「イタリア国ボローニャのレーノ川左岸まで・マントバのポー川右岸まで・モデナ・パルマ及びレッジョ・エミリア地方」で生産及び加工され,申立人による厳密な品質管理条件をクリアしたチーズに付される「Parmigiano Reggiano」であるとの観念が生じる。

ウ 本件商標と引用商標は,外観及び称呼の違いはあるものの,それらを凌駕する極めて強い観念の同一性を持っているため,両商標は類似する商標であり,そして,それらの指定商品も同一又は類似している。

したがって,本件商標は,商標法第4条第1項第11号に違反して登録されたものである。

(5)商標法第4条第1項第7号違反について

上記したように,「Parmigiano Reggiano」は,「イタリア国ボローニャのレーノ川左岸まで・マントバのポー川右岸まで・モデナ・パルマ及びレッジョ・エミリア地方」で生産及び加工され,厳しい品質管理の条件をクリアしたチーズのみに付される商標であり,欧州連合において原産地名称保護(PDO)の下で保護され,我が国はもちろん,世界的にチーズの商標として極めて著名な商標である。

そして,我が国の加盟するパリ条約においても原産地の虚偽表示の取り締まりを定めるとともに,競争者との産品の混同を生じさせるような行為や産品の性質等につき公衆を誤認させるような取引上の表示を禁止しており,マドリット協定においても,虚偽又は誤認を生じさせる原産地表示に対する制裁が定められている。

さらに,TRIPS協定においては,その第22条において「地理的表示」の定義がなされ,加盟国における地理的表示の保護が規定されている。

さらにまた,我が国は,現在,欧州連合と経済連携協定(EPA)の交渉を行っており,この交渉において欧州連合は原産地名称保護制度(PDO)の下で保護されている名称の使用制限を求めてきている。

上記した状況において,欧州連合において原産地名称として保護され,我が国はもちろん,世界的にも著名な商標である「Parmigiano Reggiano」は,当然に我が国においても保護されるべきであり,「Parmigiano Reggiano」を想起させ,あたかも厳密に品質が管理された「Parmigiano Reggiano」と何等かの関連があるかのような誤認を生じさせるおそれがある本件商標を,「Parmigiano Reggiano」を管理する申立人以外の第三者に対して登録することは,公の秩序を乱すものであり,そして,なにより,欧州連合により原産地名称として保護され,我が国はもちろん世界的に著名な商標である「Parmigiano Reggiano」と誤認混同を生じるおそれがある商標を登録することは国際信義に反するものであり,条約上の観点から見てもこれは直ちに是正されるべきである。

よって,本件商標は,商標法第4条第1項第7号に違反して登録されたものである。

4 当審の判断

(1)「Parmigiano Reggiano」「パルミジャーノ・レッジャーノ」の文字(語)について

ア 申立人提出の甲各号証及び同人の主張によれば,次のとおりである。

(ア)「Parmigiano Reggiano」は,欧州連合の原産地名称保護制度(PDO:DOP)の下で保護されているチーズの名称であり,申立人は,1934年に設立された,イタリア産のチーズ「Parmigiano Reggiano(パルミジャーノ・レッジャーノ)」(以下「申立人商品」という。)の品質の管理,名称の使用管理等を行っている団体である(甲2ないし甲5)。

(イ)申立人商品は,我が国において,遅くとも2004年(平成16年)にはプロモーション活動により紹介され(甲6),その後,2005年,2006年,2008年ないし2010年にもプロモーション(キャンペーン)活動により紹介され,該活動は新聞やウェブページで紹介された(甲5,甲7ないし甲9,職権調査:「おいしい伝統 熟成ヨーロッパ」のウェブページ(http://www.eu-jukusei.jp/top.html))。

(ウ)申立人商品は,昭和62年5月発行の「世界のワイン&チーズ事典」をはじめ,2014年(平成26年)3月までに我が国で発行されたチーズに係る事典,書籍等で多数紹介された(甲2,甲3,甲12ないし甲20)。

(エ)申立人商品には,「Parmigiano Reggiano」の商標が付され,また,申立人商品は,上記(イ)及び(ウ)の新聞,事典等で「Parmigiano Reggiano」,「パルミジャーノ・レッジャーノ(・チーズ)」などのように表されている。

イ 上記アの事実からすれば,「Parmigiano Reggiano」及び「パルミジャーノ・レッジャーノ」の文字は,申立人のイタリア産チーズのブランドとして,本件商標の登録出願時及び登録査定時において,我が国のチーズ製品の取引者,需要者の間においては一定程度知られていたものといえる。

しかしながら,甲第4号証のパンフレットの頒布の事実,「Parmigiano Reggiano」及び「パルミジャーノ・レッジャーノ」の文字を付した申立人商品の営業の規模,広告宣伝の方法,回数,内容等は具体的に立証されていないものであり,申立人商品の我が国における売上額など販売実績を示す証左は提出されていない。

(2)商標法第4条第1項第11号該当性について

ア 本件商標について

本件商標は,前記1のとおり,「SAPUTO REGGIANITO」の文字からなるところ,その構成中に1文字分程度のスペースがあることから,「SAPUTO」と「REGGIANITO」の2語からなるものと理解されるものの,その構成文字は,同書,同大で,まとまりよく一体的に表され,これから生じる「サプートレッジアニート」の称呼も,格別冗長というべきものでなく,よどみなく一連に称呼し得るものである。

そして,本件商標は,「SAPUTO」及び「REGGIANITO」のいずれかの文字が取引者,需要者に対し,商品の出所識別標識として強く支配的な印象を与えるもの,又は,それ以外の部分から出所識別標識としての称呼,観念が生じないものとすべき事情は見いだせない。

してみれば,本件商標は,その構成全体が一体不可分のものであって,「サプートレッジアニート」の称呼のみを生じ,特定の観念を生じないものと認められる。

イ 引用商標について

(ア)引用商標1は,別掲1のとおりの構成からなり,その構成中「PARMIGIANO」,「REGGIANO」,「CONSORZIO」及び「TUTELA」の文字に相応し,「パルミジャーノレッジャーノコンソルチオトゥテラ」の称呼,及び外側に大きく表された「PARMIGIANO」及び「REGGIANO」の文字から「パルミジャーノレッジャーノ」の称呼を生じ,我が国のチーズ製品の取引者,需要者の間において一定程度知られているものであるから,「申立人のイタリア産チーズのブランドとしてのパルミジャーノ・レッジャーノ」の観念を生じるものと認められる。

(イ)引用商標2は,上記2(2)のとおり「パルミジャーノ レッジャーノ」の文字からなり,「パルミジャーノレッジャーノ」の称呼,及び「申立人のイタリア産チーズのブランドとしてのパルミジャーノ・レッジャーノ」の観念を生じるものと認められる。

(ウ)引用商標3は,別掲2のとおり構成からなり,その構成中「PARmIGIAnO」,「REGGIAnO」の文字に相応し,「パルミジャーノレッジャーノ」の称呼,及び「申立人のイタリア産チーズのブランドとしてのパルミジャーノ・レッジャーノ」の観念を生じるものと認められる。

ウ 本件商標と引用商標との類否について

本件商標と引用商標との類否を検討すると,本件商標は,上記アのとおりからなり,引用商標は,上記イのとおりからなるものであるから,その構成態様,図形の有無及び構成文字が相違することから,外観上,相紛れるおそれはない。

そして,称呼においては,本件商標から生ずる「サプートレッジアニート」の称呼と,引用商標から生ずる「パルミジャーノレッジャーノコンソルチオトゥテラ」及び「パルミジャーノレッジャーノ」の称呼とは,その構成音及び構成音数が明らかに相違するものであるから,互いに聞き誤るおそれはない。

また,観念においては,本件商標は特定の観念を生じないものであるから,引用商標と比較することができない。

そうすると,本件商標と引用商標とは,外観,称呼及び観念のいずれの点においても相紛れるおそれのない非類似の商標というべきものである。

したがって,本件商標の指定商品が,引用商標の指定商品と類似するとしても,本件商標は,商標法第4条第1項第11号に該当しない。

(3)商標法第4条第1項第15号該当性について

「Parmigiano Reggiano」及び「パルミジャーノ・レッジャーノ」の文字は,前記(1)のとおり,申立人のイタリア産チーズのブランドとして,本件商標の登録出願時及び登録査定時において,我が国のチーズ製品の取引者,需要者の間においては一定程度知られていたものといえる。

しかしながら,本件商標と引用商標とは,前記(2)に記載のとおり,非類似の商標であって,別異の商標というべきであるから,本件商標は,本件商標権者がこれをその指定商品について使用しても,取引者,需要者に,「Parmigiano Reggiano」及び「パルミジャーノ・レッジャーノ」,又は申立人商品を連想,想起させることはなく,その商品が申立人あるいは同人と経済的若しくは組織的に何らかの関係を有する者の業務に係るものであるかのように,その商品の出所について混同を生ずるおそれはないものというべきである。

したがって,本件商標は,商標法第4条第1項第15号に該当しない。

なお,申立人は,我が国の取引者・需要者の間で,「REGGIANITO」の文字(語)が「Reggiano」の語に「小さい等」の意味を有する接尾語「ito」を付したスペイン語であって「小さいReggiano」を,及び「Reggiano」文字(語)が「イタリア国のレッジョ・エミリア地方」をそれぞれ意味するものと理解,認識されていることを前提として,「REGGIANITO」の語を含む本件商標は,商品の加工,調整等が同地方で行われていると想起させ,申立人商品と混同を生じさせるおそれがあるなどと主張している。

しかしながら,「REGGIANITO」の文字が「小さいReggiano」を,及び「Reggiano」の文字が「イタリア国のレッジョ・エミリア地方」をそれぞれ意味するものとして我が国の取引者,需要者の間で理解,認識されていることを示す証左の提出はなく,かつ,それを認めるに足る事情も見いだせないから,申立人のかかる主張はその前提において理由がない。

また,「Reggiano」,「レッジャーノ」の文字が,申立人商品を表すものとして我が国の取引者・需要者の間に広く認識されていると認めるに足る事情も見いだせない。

よって,申立人の主張は,採用できない。

(4)商標法第4条第1項第7号該当性について

申立人は,「欧州連合において原産地名称として保護され,我が国はもちろん,世界的にも著名な商標である『Parmigiano Reggiano』を想起させ,あたかも厳密に品質が管理された『Parmigiano Reggiano』と何等かの関連があるかのような誤認を生じさせるおそれある本件商標を,申立人以外の第三者に対して登録することは,公の秩序を乱すものであり,国際信義に反するものである。」旨主張する。

しかしながら,「Parmigiano Reggiano」及び「パルミジャーノ・レッジャーノ」の文字が,申立人のイタリア産チーズのブランドとして,我が国のチーズ製品の取引者,需要者の間においては一定程度知られていたものといえるとしても,前記(2)のとおり,本件商標は,引用商標と非類似の商標であって別異の商標であり,引用商標又は申立人商品を連想,想起させるものではないから,これを登録することが,申立人と何等かの関連があるかのような誤認を生じさせるおそれはない。

そして,本件商標は,その構成自体がきょう激,卑わい,差別的又は他人に不快な印象を与えるような文字からなるものではなく,申立人提出の証拠からは,本件商標の出願の経緯に社会的相当性を欠くなどの事実,本件商標をその指定商品について使用することが,申立人との関係において公正な取引秩序を乱し国際信義に反するものとすべき事情も見当たらない。

したがって,本件商標は,条約上の観点等を考慮しても公の秩序又は善良の風俗を害するおそれがある商標ということはできないから,商標法第4条第1項第7号に該当しない。

(5)むすび

以上のとおり,本件商標の登録は,商標法第4条第1項第7号,同第11号及び同第15号のいずれにも違反してされたものとはいえないから,同法第43条の3第4項の規定により,維持すべきである。

よって,結論のとおり決定する。

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