Trademark Appeal Case
商標の要部抽出と称呼類否
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 異議2015−900411(T2015−900411/J7) |
|---|---|
| 審判種別 | 異議 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
1 本件商標
本件登録第5796364号商標(以下「本件商標」という。)は,「ジニエ スリムジェギンズ」の片仮名を書してなり,平成27年5月12日に登録出願,第25類「被服」を指定商品として,同年9月14日に登録査定,同年10月2日に設定登録されたものである。
2 引用商標
登録異議申立人(以下「申立人」という。)が本件登録異議の申立てに引用する登録第5322038号商標(以下「引用商標」という。)は,「ジェギングス」の文字を標準文字で表してなり,平成21年11月2日に登録出願,第25類「被服,ガーター,靴下止め,ズボンつり,バンド,ベルト,履物,仮装用衣服,運動用特殊衣服,運動用特殊靴」を指定商品として,同22年5月14日に設定登録されたものである。
3 登録異議の申立ての理由
(1)商標の類似について
本件商標は,全体として特定の意味はなく,また,「ジニエ」と「スリムジェギンズ」の間には,スペースがあり,これらの文字は視覚上分離して把握されるものである。さらに,本件商標の文字全体より生ずる「ジニエスリムジェギンズ」の称呼は冗長であるから,本件商標は,「ジニエ」,「スリムジェギンズ」と区切って発音される。そして,「スリムジェギンズ」における「スリム」は,「細い」などを意味する品質表示語であるから,自他商品の識別機能を有しない。したがって,本件商標は,「ジェギンズ」の文字より「ジェギンズ」の称呼をも生ずる。
一方,引用商標は,その構成文字より,「ジェギングス」の称呼を生ずる。
そして,本件商標より生ずる「ジェギンズ」の称呼と引用商標より生ずる「ジェギングス」の称呼は,「ジェギン」の音を共通にし,弱く発音される末尾の「ズ」と「グス」の音の差異にすぎないものであるから,これらの称呼を一気に称呼するときは,聞き誤るおそれがある。
したがって,本件商標と引用商標は,称呼上類似する商標である。
(2)商品の類似について
本件商標の指定商品は,引用商標の指定商品中の「被服」と同一である。
(3)むすび
以上のとおり,本件商標の登録は,商標法第4条第1項第11号に違反してされたものであるから,取り消されるべきものである。
4 当審の判断
(1)本件商標と引用商標の類否について
ア 本件商標
本件商標は,「ジニエ スリムジェギンズ」の片仮名を横書きしてなるものであるところ,該文字は,「ジニエ」の文字部分と「スリムジェギンズ」の文字部分との間に,間隔があるとしても,その間隔は,2分の1字程度のわずかなものであり,いずれの文字も同一の書体をもって,第8字の「ェ」が小さいほかは同一の大きさの文字で,外観上まとまりよく表されているものであることを考慮すれば,本件商標は,これを「ジニエ」の文字部分と「スリムジェギンズ」の文字部分とに分離して看取されるとみることはできない。まして,本件商標中の「ジェギンズ」の文字部分は,他の文字部分から独立して強調されているとみられる態様のものではなく,他に該文字部分のみを分離して観察しなければならない特段の理由は存在しない。また,本件商標の構成文字全体より生ずると認められる「ジニエスリムジェギンズ」の称呼は,これをいずれかの箇所で分離して称呼しなければならない程冗長というものではなく,よどみなく称呼し得るものといえる。
そうすると,本件商標は,その外観及び称呼の点からみて,構成全体をもって一体不可分の商標を表したと認識されるとみるのが相当である。
したがって,本件商標は,その構成文字に相応して,「ジニエスリムジェギンズ」の一連の称呼を生ずるものであって,全体として特定の観念を有しない商標というべきである。
イ 引用商標
引用商標は,前記2のとおり,「ジェギングス」の文字を標準文字で表してなるものであるから,これより,「ジェギングス」の称呼を生ずるものであって,全体として特定の観念を有しない商標と認める。
ウ 本件商標と引用商標との対比
(ア)外観
本件商標と引用商標は,それぞれ前記のとおりの構成よりみて,看者に与える構成全体の印象が明らかに相違するものであるから,これらを時と所を異にして離隔的に観察した場合においても,外観上互いに紛れるおそれはない。
したがって,本件商標と引用商標は,外観上類似するものとはいえない。
(イ)称呼
本件商標より生ずる「ジニエスリムジェギンズ」の称呼と引用商標より生ずる「ジェギングス」の称呼は,構成音数において著しい差異を有するものであるから,それぞれの称呼を全体として称呼した場合においても,その語調,語感が相違したものとなり,称呼上互いに紛れるおそれはない。
したがって,本件商標と引用商標は,称呼上類似するものとはいえない。
(ウ)観念
本件商標と引用商標は,いずれも特定の観念を有しないものであるから,観念上比較することはできず,観念において類似するものとはいえない。
(エ)してみると,本件商標と引用商標は,その外観,称呼及び観念のいずれの点についても互いに紛れるおそれのない非類似の商標というべきである。
エ したがって,本件商標が商標法第4条第1項第11号に該当するとする申立人の主張は,理由がないというべきである。
(2)むすび
以上のとおり,本件商標の登録は,商標法第4条第1項第11号に違反してされたものではないから,同法第43条の3第4項の規定に基づき,維持すべきものである。
よって,結論のとおり決定する。
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