Trademark Appeal Case
結合商標の称呼判断
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 異議2016−900014(T2016−900014/J7) |
|---|---|
| 審判種別 | 異議 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
第1 本件商標
本件登録第5800261号商標(以下「本件商標」という。)は,別掲1のとおりの構成よりなり,2014年6月13日にアメリカ合衆国においてした商標登録出願に基づきパリ条約第4条による優先権を主張して,平成26年10月29日に登録出願,第25類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として,同27年9月29日に登録査定,同年10月16日に設定登録されたものである。
第2 引用商標
登録異議申立人(以下「申立人」という。)が本件登録異議の申立てに引用する登録商標は,以下のとおりである。
1 登録第5014047号商標(以下「引用商標1」という。)は,別掲2のとおりの構成よりなり,平成18年6月20日に登録出願,第25類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として,同18年12月22日に設定登録され,現に有効に存続しているものである。
2 登録第1764598号商標(以下「引用商標2」という。)は,別掲2のとおりの構成よりなり,昭和56年10月26日に登録出願,第4類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として,同60年4月23日に設定登録され,その後,平成17年11月30日に指定商品を第3類及び第30類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品とする指定商品の書換登録がされ,現に有効に存続しているものである。
第3 登録異議申立ての理由
1 商標法第4条第1項第11号該当性について
本件商標は,ローマ字と図形の結合商標であり,その下半分を占める「CO・OP」のローマ字部分から「コープ」の称呼を生ずる。これに対し,引用商標1は,「CO・OP」のローマ字を横書きしてなるから,「コープ」の称呼を生ずる。
してみると,本件商標と引用商標1は,「コープ」の称呼を共通にする類似の商標である。
また,本件商標と引用商標1は,その指定商品も同一又は類似のものである。
したがって,本件商標は,商標法第4条第1項第11号に該当する。
2 商標法第4条第1項第15号該当性について
引用商標2は,申立人の商標,特に化粧品に表示される商標として,広く一般に知られている(甲3の1及び2)から,これと類似する本件商標がその指定商品に使用された場合,その商品の出所について混同を生ずるおそれがある。
したがって,本件商標は,商標法第4条第1項第15号に該当する。
3 むすび
以上のとおり,本件商標の登録は,商標法第4条第1項第11号及び同項第15号に違反してされたものであるから,取り消されるべきものである。
第4 当審の判断
1 商標法第4条第1項第11号について
本件商標は,別掲1のとおり,文字と図形を組み合わせ,構成全体の外形が円図形を形成するように表されているものである。そして,該円図形の上半分には,その輪郭上に「REI」の文字が配され,該文字の下に,3つの黒塗り抽象的図形が配されており,また,円図形の下半分には,「CO・OP」の文字が配されているところ,「COOP」の各文字の下部は仮想の円輪郭に沿うように,やや図案化して表されているものであって,本件商標の構成全体が外観上まとまりよく一体的に表されているものである。
また,本件商標中の「REI」の文字部分及び「CO・OP」の文字部分は,それぞれの文字の大きさが相違し,やや離れて配されているとしても,上記のとおり,両文字部分が,上記抽象的図形を囲む態様で,全体として円形を構成し,統一的なデザインにより表されていることから,我が国において,「CO・OP」の文字が「組合の,消費組合の」などを意味する英語「cooperative」の略語であって,「消費生活協同組合」ないしこれを略称した「生協」を意味する語としても,その構成文字全体として一体のものとして把握されるものである。
そうすると,本件商標は,その構成全体をもって一つのロゴ商標をとして認識されるとみるのが自然であるから,その構成全体及び文字部分から,特定の観念は生じないものであり,本件商標の文字部分全体から「レイコープ」の称呼を生ずるというべきである。
他方,引用商標1は,その構成文字に相応して,「コープ」の称呼及び「消費生活協同組合(生協)」の観念を生じるものである。
してみると,本件商標から「CO・OP」の文字部分のみを分離・抽出し,これを前提として,本件商標と引用商標1とが「コープ」の称呼を同じくする類似の商標であるとする申立人の主張は,前提において誤りがあるというべきであり,採用することはできない。その他,本件商標と引用商標1とが類似するとみるべき特段の理由は見いだせない。
したがって,本件商標と引用商標1とは,外観,称呼及び観念のいずれの点についても相紛れるおそれのない非類似の商標というべきであるから,本件商標は,商標法第4条第1項第11号に該当しない。
2 商標法第4条第1項第15号について
(1)引用商標2の著名性
申立人は,引用商標2の著名性に係る証拠として「生活協同組合連合会コープきんき事業連合」(以下「きんき事業連合」という。)及び「生活協同組合連合会コープ北陸事業連合」(以下「北陸事業連合」という。)の各ホームページ(甲3の1及び2)並びにチラシ「くらしのパートナー」(2012年11月,235号:甲4)を提出するが,提出された証拠により化粧品について引用商標2が使用されていることを認め得るのは,きんき事業連合を構成する「生活協同組合コープしが」,「京都生活協同組合」,「市民生活協同組合ならコープ」,「大阪よどがわ市民生活協同組合」,「生活協同組合おおさかパルコープ」及び「大阪いずみ市民生活協同組合」,並びに,北陸事業連合を構成する「富山県生活協同組合」,「生活協同組合コープいしかわ」及び「福井県民生活協同組合」の一部地域のチラシ(甲4)のみであって,引用商標2を付した化粧品が,本件商標の登録出願日までに,どの程度の売上数量・売上高・シェアがあったのかは明らかではない。
したがって,提出された証拠により,引用商標2が,申立人の業務に係る商品「化粧品」を表示するものとして,本件商標の登録出願日前より,我が国の需要者の間に広く認識されていたと認めることはできない。
(2)出所の混同
上記(1)の認定のとおり,引用商標2は,申立人の業務に係る商品「化粧品」を表示するものとして,本件商標の登録出願日前より,我が国の需要者の間で広く認識されていたものと認めることはできない。
また,上記1の認定のとおり,本件商標は,引用商標1とは,外観,称呼及び観念のいずれの点についても互い紛れるおそれのない非類似の商標であるから,引用商標2とも同様に非類似の商標であって,別異の商標というべきである。
なお,申立人の組織が全国的な組織であって,仮にチラシ「くらしのパートナー」(甲4)に係る引用商標2が,申立人の組合員の間で著名性を獲得していたとしても,本件商標と引用商標2とは,上記のとおり,別異の商標であると認められる。
してみると,本件商標に接する取引者・需要者が,引用商標2を連想又は想起することはないというべきであるから,本件商標は,これをその指定商品について使用しても,その取引者・需要者をして,該商品が申立人又はこれと業務上何らかの関係を有する者の取扱いに係る商品であるかのように,商品の出所について混同を生じさせるおそれがあるものと認めることができない。
したがって,本件商標は,商標法第4条第1項第15号に該当しない。
3 むすび
以上のとおり,本件商標の登録は,商標法第4条第1項第11号及び同項第15号のいずれにも違反してされたものではないから,同法第43条の3第4項の規定に基づき,維持すべきものである。
よって,結論のとおり決定する。
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