結論テキスト
審判費用は被請求人の負担とする。
Trademark Appeal Case
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
| 審判番号 | 無効2015−890057(T2015−890057/J3) |
|---|---|
| 審判種別 | 無効 |
| 結論 | 勝訴(請求認容) |
本件登録第5608420号商標(以下「本件商標」という。)は、「EXINLIGHT」の欧文字を標準文字により表してなり、平成25年4月12日に登録出願、第11類「照明用器具」を指定商品として、同年7月23日に登録査定、同年8月16日に設定登録されたものである。
請求人が、本件商標の登録の無効の理由として引用する国際登録第1191751号商標(以下「引用商標」という。)は、別掲のとおりの構成からなり、2012年(平成24年)12月17日にオーストラリア国においてした商標登録出願に基づいて、パリ条約第4条による優先権を主張して、2013(平成25年)6月14日に国際登録され、第11類「Lighting apparatus and installations, including lighting apparatus and installations incorporating light-emitting diodes; parts and accessories for the aforesaid goods.」、第35類「Retailing, wholesaling and online retail services of lighting apparatus and installations including lighting apparatus and installations incorporating light-emitting diodes, light-emitting diodes and other light-emitting devices, electrical regulating apparatus, telecommunication apparatus, computers and their peripheral devices, display apparatus incorporating light-emitting diodes and other light-emitting devices, remote control apparatus for lighting apparatus and parts and accessories for the aforesaid goods.」及び第9類に属する国際登録に基づく商標権に係る商標登録原簿に記載の商品及び役務を指定商品及び指定役務として、平成27年8月28日に設定登録され、現に有効に存続しているものである。
請求人は、結論同旨の審決を求め、その理由を要旨以下のように述べ、証拠方法として、甲第1号証ないし甲第6号証を提出した。
本件商標に係る指定商品は、第11類「照明用器具」であり、引用商標に係る指定商品又は指定役務と同一又は類似するものである。
本件商標は、「EXINLIGHT」の文字を標準文字で表してなるものであるところ、これからは「イクシンライト」又は「エクシンライト」の称呼が生じることは明らかである。
これに対して、引用商標は、黒色の横長長方形内に、うっすらと灰色で地球に似た図形が描かれ、その上に大きく顕著に表された「EXINLIGHT」の文字を配し、該文字の「EXIN」の部分は赤文字で「LIGHT」の部分は灰色で表されてなり、該文字の下方に位置するところに、灰色で極めて小さく表された「Ex & Industrial Lighting」の文字を配してなるものであるところ、その構成中「EXINLIGHT」の文字部分は、文字の大きさや表し方により、視覚上、構成全体において看者に最も強い印象を与えるものといえる。
してみると、本件商標と引用商標とは、共通の称呼「イクシンライト」又は「エクシンライト」を生ずる類似の商標であることは明らかである。
本件商標と引用商標とを、その構成全体をもって比較するときは、独立して自他商品の識別標識として機能し得る「EXINLIGHT」の文字部分において、両者は、外観上、極めて近似するものである。
本件商標と引用商標とは、それぞれ上記1及び2のとおりの構成からなるものであるから、本件商標と、引用商標において独立して自他商品の識別標識として機能し得る「EXINLIGHT」の文字部分とを比較するときは、両者は、観念上、同一といえる。
したがって、本件商標と引用商標とは、外観において近似し、称呼及び観念を同じくするものであるから、互いに紛れるおそれのある類似の商標というべきである。
商標法第8条第1項は、同一又は類似の商品に使用する同一又は類似の商標について異なった日に二以上の商標登録出願があったときは、最先の商標登録出願人のみがその商標について商標登録を受けることができる旨規定する。
してみると、本件商標と引用商標とは、指定商品又は指定役務について同一又は類似で、商標についても類似するものであり、本件商標の出願日が平成25年4月12日で、引用商標の優先日が平成24年12月17日であることからすれば、本件商標の登録は明らかに同規定に違反するものである。
被請求人は、本件商標の出願前の平成23年12月13日には、請求人の商品を購入する取引を開始している(甲3)。そして、本件商標の出願前の2012年11月8日付け文書において、被請求人はゴーライト社の当時のトレードネームであったスミスライトインターナショナルとの間で、ゴーライト社の製品であるスミスライトという製品について日本国内で販売とサービスを行う代理店として承認されている(甲4、甲5)。
また、請求人が、当時請求人の日本代理店であった被請求人に対して、ゴーライト社の製品について新たなブランド名として、「EXINLIGHT」という名称を使用する旨をEメールにて知らせたところ(甲6)、その2日後である平成25年4月12日に被請求人によって商標登録出願されたものである。すなわち、被請求人は、請求人の製品についての新たなブランド名が「EXINLIGHT」という名称となることを認識した上で、商標出願し、商標登録を取得したものである。
このように、当時請求人の日本代理店であった被請求人が、請求人に無断で日本において商標登録出願し、その後登録を受けた本件商標は、公正な取引秩序を乱すおそれがあって国際信義に反し公の秩序を害するものである(東京高裁平成10年(行ケ)第185号平成11年12月22日判決)。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第7号に該当するものである。
以上のとおり、本件商標と引用商標とは、類似の商標であり、引用商標はその先出願に係るものであって、また、本件商標の指定商品は、引用商標の指定商品と同一又は類似する商品であるから、本件商標は、商標法第8条第1項の規定に該当し、同法第46条第1項第1号の規定により、無効にすべきものである。
また、本件商標は、公正な取引秩序を乱すおそれがあって国際信義に反し公の秩序を害するものであるから、商標法第4条第1項第7号に該当し、商標法第46条第1項第1号により無効にすべきものである。
被請求人は、請求人の主張に対し何ら答弁していない。
(1)本件商標について
本件商標は、前記第1のとおり、「EXINLIGHT」の欧文字を標準文字により表してなるものであり、その構成文字に相応して「エクシンライト」又は「イクシンライト」の称呼が生じるものであって、本件商標を構成する文字は特定の意味を有する成語とは認められないものであるから、特定の観念を生じないものである。
(2)引用商標について
引用商標は、前記第2のとおり、灰色の地球様の図形が描かれた黒色の横長矩形図形内に、「EXIN」の欧文字を赤色で、その右側にやや間を空けて、前記文字と同じ大きさの同じ書体により「LIGHT」の欧文字を灰色で表し、さらに、その下段部分に小さく「Ex & Industrial Lighting」の文字を配してなるものであるところ、その構成中「EXIN」及び「LIGHT」の各文字は、赤色と灰色であって色彩を異にはするものの、両文字が引用商標中の中央部分に大きく、同じ書体、同じ大きさで等間隔をもって表されているものであり、「EXIN」と「LIGHT」の文字の間は、わずか半角程度であるから、両文字部分が看者に一体のものとして観察されるとみるのが相当であり、また、その下段部分の文字に較べて大きく表されていることから、引用商標は、その構成中「EXINLIGHT」の文字部分が、強く支配的な印象を与えるものであって、引用商標における商品の出所識別識別としての要部であるとみることができる。
したがって、引用商標は、その構成中「EXINLIGHT」の文字部分から、該構成文字に相応して「エクシンライト」又は「イクシンライト」の称呼を生ずるものであり、特定の観念は生じないものである。
(3)本件商標と引用商標の類否判断
本件商標と引用商標とを比較するに、本件商標は、引用商標の要部との比較において、ともに特定の観念を生じないことにより、観念において比較し得ないとしても、その文字構成を同じくするものであり、また、「エクシンライト」又は「イクシンライト」の称呼を共通にするから、両商標の外観、称呼、観念等によって取引者、需要者に与える印象、記憶、連想等を総合して全体的に考察すれば、両者は相紛れるおそれのある類似の商標というべきである。
(1)本件商標と引用商標の類否について
本件商標は、前記したとおり、引用商標と類似する商標である。
(2)本件商標の指定商品と引用商標の指定商品及び指定役務の類否について
本件商標の指定商品は、前記第1のとおり、第11類「照明用器具」であり、これは、前記第2のとおりの、引用商標の指定商品及び指定役務中、第11類「Lighting apparatus and installations, including lighting apparatus and installations incorporating light-emitting diodes; parts and accessories for the aforesaid goods. 」及び第35類「Retailing, wholesaling and online retail services of lighting apparatus and installations including lighting apparatus and installations incorporating light-emitting diodes, light-emitting diodes and other light-emitting devices, electrical regulating apparatus, telecommunication apparatus, computers and their peripheral devices, display apparatus incorporating light-emitting diodes and other light-emitting devices, remote control apparatus for lighting apparatus and parts and accessories for the aforesaid goods.」と同一又は類似するものである。
(3)本件商標及び引用商標に係る出願人について
本件商標は、前記第1のとおり、平成25年4月12日に登録出願されたものである。
これに対して、引用商標は、前記第2のとおり、本件商標の登録出願日前である2012年(平成24年)12月17日にオーストラリア国においてした商標登録出願に基づきパリ条約第4条による優先権を主張して、2013(平成25年)6月14日に日本国を指定して国際登録出願されたものである。
そうすると、本件商標の登録出願日は、引用商標がパリ条約の同盟国においてした商標登録出願の出願日より後れるものであるから、引用商標は、本件商標の先願に係るものといわなければならない。
したがって、本件商標に係る登録出願人は、商標法第8条第1項に規定する「最先の商標登録出願人」ということはできず、引用商標に係る商標登録出願人が同項所定の「最先の商標登録出願人」と認められる。
(4)まとめ
してみれば、本件商標は、引用商標に類似し、その指定商品も引用商標の指定商品及び指定役務と同一又は類似するものであって、本件商標の登録出願人は、商標法第8条第1項所定の「最先の商標登録出願人」とは認められないから、本件商標の登録は、同法第8条第1項の規定に違反してされたものである。
以上のとおり、本件商標の登録は、商標法第4条第1項第7号について論じるまでもなく、同法第8条第1項に違反してされたものであるから、商標法第46条第1項の規定に基づき、無効とすべきである。
よって、結論のとおり審決する。
Next Action
類似審決の追加調査から中間応答、新規出願の費用確認まで、この審決を起点に次のアクションへ進めます。
商標の登録可能性を無料で確認するか、費用の目安を料金表・シミュレーターで把握できます。