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Trademark Appeal Case

欧文字造語の称呼・外観類似

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号不服2016−2457(T2016−2457/J1)
審判種別不服
結論勝訴(請求認容)

結論テキスト

原査定を取り消す。
本願商標は,登録すべきものとする。

理由テキスト

1 本願商標

本願商標は,別掲1のとおりの構成よりなり,第25類「紳士服,婦人服,子供服,被服,履物」,第35類「服飾関連商品の販売に関する情報の提供,被服の販売に関する顧客への情報提供,被服の販売の取次又は仲介,輸出入事業の管理,家庭雑貨の販売に関する情報の提供,通信販売事業の管理又は運営,輸出入事務の代理又は代行,通信販売の注文・受付・発注・配送に関する事務処理の代行,電話・郵便・インターネットによる通信販売の注文・受付・発注に関する事務処理の代行,カタログを利用した通信販売の注文・受注・発注に関する事務処理の代行,通信販売カタログ及びインターネットによる広告」,第40類「被服の仕立て,被服の縫製」及び第42類「服飾のデザイン及びアクセサリーのデザインの考案」を指定商品及び指定役務として,平成27年5月22日に登録出願されたものである。

2 引用商標

原査定において,本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するとして,本願の拒絶の理由に引用した登録商標は,以下の(1)ないし(5)のとおりであり,それぞれ,現に有効に存続しているものである。

(1)登録第4820459号商標(以下「引用商標1」という。)は,別掲2のとおりの構成よりなり,平成16年4月9日に登録出願,第35類「広告,広告の代理,広告物の配布,広告場所の貸与,屋外広告物による広告,広報活動の企画」を指定役務として,同年11月26日に設定登録されたものである。

(2)登録第5229788号(以下「引用商標2」という。)は,「ESCA」の欧文字を標準文字で表してなり,平成20年4月25日に登録出願,第25類「履物」を指定商品として,同21年5月15日に設定登録されたものである。

(3)登録第5729504号商標(以下「引用商標3」という。)は,別掲3のとおりの構成よりなり,平成26年6月11日に登録出願,第35類「広告業」及び第43類に属する商標登録原簿に記載のとおりの役務を指定役務として,同年12月26日に設定登録されたものである。

(4)登録第5749293号商標(以下「引用商標4」という。)は,別掲4のとおりの構成よりなり,平成26年10月27日に登録出願,第35類「被服の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,かばん類及び袋物の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,身の回り品の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供」を指定役務として,同27年3月13日に設定登録されたものである。

(5)国際登録第905198号(以下「引用商標5」という。)は,「ESKER」の欧文字をローマン体で横書きしてなり,2006年(平成18年)9月1日に国際商標登録出願,第35類「Office functions; computer file management for third parties; data entry; services for entering data and electronic documents in a database; management of computer files of addresses.」及び第39類に属する国際登録に基づく商標権に係る商標登録原簿に記載のとおりの役務を指定役務として,平成21年12月25日に設定登録されたものである。

以下,これらをまとめていうときは「引用商標」という。

3 当審の判断

(1)本願商標について

本願商標は,別掲1のとおり,「ESCAR」の欧文字を横書きしてなるところ,その構成態様は,縦長のサンセリフ体で,隣り合う文字と文字との間にそれぞれ1文字分程度の間隔を空けて表してなるものである。

そうすると,本願商標は,その構成文字に相応して「エスカー」の称呼を生じるとみるのが自然であり,また,「ESCAR」という単語は,我が国でなじみのない語であるから,本願商標からは,特定の観念を生じないものである。

(2)引用商標について

ア 引用商標1について

引用商標1は,別掲2のとおり,構成中の「S」及び「C」をやや小さくした「ESCA」の欧文字を横書きし,「C」と「A」の間には波線を模した図形を赤色で配し,かつ,その中央上部には「エスカ」の片仮名を配してなるところ,当該「ESCA」及び「エスカ」の各文字はいずれも我が国においてなじみのない語であるから,特定の観念を生ずることのない一種の造語として認識されるというのが相当である。また,構成中の「エスカ」の片仮名が,「ESCA」の欧文字の読みを特定したものと理解し得る。したがって,引用商標1は,「エスカ」の称呼を生じ,特定の観念を生じないものである。

イ 引用商標2について

引用商標2は,前記2(2)のとおり,「ESCA」の欧文字を標準文字で表してなるところ,該文字は我が国においてなじみのない語であるから,特定の観念を生じない一種の造語として認識されるというのが相当である。したがって,引用商標2は,その構成文字に相応して,「エスカ」の称呼を生じ,特定の観念を生じないものである。

ウ 引用商標3について

引用商標3は,別掲3のとおり,構成中の「エ」及び「E」の各縦線部分を太字にした「エスカ」の片仮名と「ESCA」の欧文字を,二段に表してなるところ,両文字はいずれも我が国においてなじみのない語であるから,特定の観念を生ずることのない一種の造語として認識されるというのが相当である。また,構成中の「エスカ」の片仮名が,「ESCA」の欧文字の読みを特定したものと理解し得る。したがって,引用商標3は,「エスカ」の称呼を生じ,特定の観念を生じないものである。

エ 引用商標4について

引用商標4は,別掲4のとおり,構成中の「E」の縦線部分を太字にした「ESCA」の欧文字を横書きしてなるところ,該文字は,我が国においてなじみのない語であるから,特定の観念を生じない一種の造語として認識されるというのが相当である。したがって,引用商標4は,その構成文字に相応して「エスカ」の称呼を生じ,特定の観念を生じないものである。

オ 引用商標5について

引用商標5は,前記2(5)のとおり,「ESKER」の欧文字をローマン体で横書きしてなるところ,該文字は,英和辞典に「小石や砂が堆積してできた,細長い,時に曲がりくねった堤防状地形」(ランダムハウス英和大辞典第二版)の意味を有する語である旨の記載はあるものの,我が国において,該文字がそのような意味を有する語として一般に知られているとは認め難いことから,特定の意味合いを有しない造語として認識されるものとみるのが相当である。したがって,引用商標5は,「ESKER」の構成文字に相応して「エスカー」の称呼を生じ,特定の観念を生じないものである。

(3)本願商標と引用商標の類否について

ア 本願商標と引用商標1ないし引用商標4との類否について

本願商標と引用商標1ないし引用商標4とは,それぞれ上記(1)及び(2)アないしエのとおりの構成からなるところ,両者は,全体の構成が著しく異なるものであり,外観において明確に区別できるものであるから,両者は外観上相紛れるおそれはない。

次に,本願商標から生じる「エスカー」の称呼と,引用商標1ないし引用商標4から生じる「エスカ」の称呼とを比較するに,両者は,語尾において,長音「ー」の有無の差異を有するところ,本願商標の「エスカー」の称呼は,語尾に長音を伴うことにより,余韻をもって聴取されるものであるのに対し,引用商標1ないし引用商標4の「エスカ」の称呼は,終わりが途切れ,つまったように聴取されるものであるから,両者の4音及び3音という比較的短い音構成において,該差異音が称呼全体に及ぼす影響は小さいものとはいえず,両者をそれぞれ称呼しても,語調,語感が相違し,互いに聴別し得るものである。

したがって,本願商標と引用商標1ないし引用商標4とは,称呼上相紛れるおそれはない。

そして,本願商標と引用商標1ないし引用商標4とは,いずれも特定の観念を有しないものであるから,観念上,比較することはできない。

そうすると,本願商標と引用商標1ないし引用商標4とは,観念において比較し得ないとしても,外観,称呼において明らかに異なるものであるから,相紛れるおそれのない非類似の商標というべきである。

イ 本願商標と引用商標5との類否について

本願商標と引用商標5の外観を比較するに,本願商標が,別掲1のとおり,サンセリフ体の欧文字5文字を縦長にし,更に,それぞれ間隔を空けて表してなるものであるのに対し,引用商標5は,極めて一般的なローマン体で一連に表されたものであるから,両者は,一見して異なるものとして看取される。さらに,両者は,共に5文字という比較的短い文字列にあって,構成文字の3文字目と4文字目(「CA」と「KE」)に明らかな差異を有するものであるから,該差異が両商標の構成全体に及ぼす影響は決して小さいものとはいえない。したがって,両者は外観において明確に相違し,相紛れるおそれはないというのが相当である。

次に,本願商標と引用商標5の称呼を比較するに,両者は,共に「エスカー」の称呼を生じるものであるから,称呼において共通する。

そして,本願商標と引用商標5とは,いずれも特定の観念を有しないものであるから,観念上,比較することはできない。

そうすると,本願商標と引用商標5とは,称呼において共通するとしても,構成文字の明確な相違により,外観上判然と区別し得る差異を有するものであり,看者が両商標から受ける印象は明らかに異なるものであって,観念においても比較し得ないから,取引者,需要者に与えるこれらの印象,記憶,連想等を総合的に勘案すれば,両商標は,同一又は類似の商品に使用しても,商品の出所について混同を生ずるおそれはない非類似の商標というのが相当である。

(4)まとめ

したがって,本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するとした原査定は,取消しを免れない。

その他,本願について拒絶の理由を発見しない。

よって,結論のとおり審決する。

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