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Trademark Appeal Case

東京スカイツリーの周知性

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号異議2015−900349(T2015−900349/J7)
審判種別異議
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

登録第5786875号商標の商標登録を維持する。

理由テキスト

第1 本件商標

本件登録第5786875号商標(以下「本件商標」という。)は、その構成を別掲1に示すものとし、平成26年4月1日に登録出願され、第24類、第25類、第35類及び第41類に属する別記1に記載した商品及び役務を指定商品及び指定役務として、同27年6月29日に登録査定、同年8月21日に設定登録されたものである。

第2 引用商標

登録異議申立人(以下「申立人」という。)が、登録異議の申立ての理由として引用する登録商標は、以下の6件であり、いずれも現に有効に存続しているものである(以下、これらをまとめていうときは「引用商標」という。)。

1 登録第5137015号商標(以下「引用商標1」という。)は、別掲2に示すとおりの構成よりなり、平成19年4月11日に登録出願され、第3類、第4類、第6類、第8類、第9類、第14類、第16類、第18類、第20類、第21類、第24類、第25類、第26類、第27類、第28類、第29類、第30類、第32類、第33類及び第34類に属する、別記2に記載した商品を指定商品として、同20年6月6日に設定登録されたものである。

2 登録第5210647号商標(以下「引用商標2」という。)は、別掲2に示すとおりの構成よりなり、平成20年4月25日に登録出願され、第36類、第37類、第38類、第39類、第41類、第42類、第43類、第44類及び第45類に属する、別記3に記載した役務を指定役務として、同21年3月6日に設定登録されたものである。

3 登録第5225539号商標(以下「引用商標3」という。)は、別掲2に示すとおりの構成よりなり、平成20年4月25日に登録出願され、第35類に属する、別記4に記載した役務を指定役務として、同21年4月24日に設定登録されたものである。

4 登録第5225545号商標(以下「引用商標4」という。)は、別掲3に示すとおりの構成よりなり、平成20年6月9日に登録出願され、第35類及び第41類に属する、別記5に記載した役務を指定役務として、同21年4月24日に設定登録されたものである。

5 登録第5252354号商標(以下「引用商標5」という。)は、別掲2に示すとおりの構成よりなり、平成20年4月25日に登録出願された商願2008−032859に係る商標法第10条第1項の規定による商標登録出願として、同21年2月16日に登録出願され、第39類、第41類及び第45類に属する、別記6に記載した役務を指定役務として、同年7月31日に設定登録されたものである。

6 登録第5252355号商標(以下「引用商標6」という。)は、別掲2に示すとおりの構成よりなり、平成20年4月25日に登録出願された商願2008−032859に係る商標法第10条第1項の規定による商標登録出願として、同21年2月16日に登録出願され、第41類に属する、別記7に記載した役務を指定役務として、同年7月31日に設定登録されたものである。

第3 登録異議の申立ての理由

申立人は、本件商標は商標法第4条第1項第7号、同第11号及び同第15号に違反して登録されたものであるから、その登録は取り消されるべきであると申立て、その理由を要旨以下のように述べ、証拠方法として甲第1号証ないし甲第6号証(枝番を含む。)を提出した。

1 「東京スカイツリー」の概略と外形形状

(1)「東京スカイツリー」の概要

「東京スカイツリー」は東京都墨田区押上に建設された高さ634mの世界一の電波塔の名称であり、2012年5月22日に開業した。「東京スカイツリー」の事業主体は東武鉄道株式会社及びその関連会社の東武タワースカイツリー株式会社である(甲3−1、2)。

「東京スカイツリー」は、テレビ地上波の完全デジタル化に伴い、首都圏の地上デジタル放送波を送出する役割を担うため在京放送事業者6社が2003年に創設した「在京6社新タワー推進プロジェクト」のもとで建設されたタワー(電波塔)の名称であり、公益性の高い電波塔としての役割だけではなく、それ自体が観光施設として、その内部及び足元に大規模な商業施設「東京ソラマチ」などを備える一大複合施設「東京スカイツリータウン」の核となることから、墨田区業平橋・押上地区を中心とする東東京エリアという地域経済の活性化を牽引するとともに国際観光都市東京の実現に貢献することを基本理念の一つとしている(甲3−2)。

2012年5月22日の開業後、連日多くの人々が「東京スカイツリー(東京スカイツリータウン)」を訪れている。開業3周年より前の2015年3月31日までに1,703万人が「東京スカイツリー」の展望台を訪れ、「東京スカイツリータウン」全体の来場者数は約1億1,855万人にも上っている。

このように、「東京スカイツリータウン」の核となる「東京スカイツリー」は一大名所の地位を確保しつつあるとともに、「東京スカイツリー」の名称や公益性、特徴的な外形形状がマスコミによって全国的に連日報道されており、著名の域に達している。

(2)「東京スカイツリー」の名称及び特徴的な外形形状、シルエットデザインについて2006年3月に新タワー(現在の「東京スカイツリー」)の建設地が墨田区押上・業平橋地区に決定し、2006年11月24日にタワーの外形形状が発表された(甲4−1)。

「東京スカイツリー」の特徴的な外形形状や名称は、2008年6月10日に新タワーの名称が公募の結果「東京スカイツリー」に決定した旨(甲4−2)や、2009年10月16日に「東京スカイツリー」の最高高さを世界一の「634m」とする旨など数々の話題が提供され、その都度マスコミに一斉に取り上げられた。マスコミ報道では、開業前でありながら完成CG図による特徴的な外形形状が併せて報道された。

また、「東京スカイツリー」名称決定時には、併せてそのシルエットデザインを中心に円形の装飾を施したロゴマークが公開された(甲4−2)。

そして、2012年5月22日の開業から3周年を迎えてもなお、新聞、刊行物、テレビを中心としたマスコミにより「東京スカイツリー」の名称や特徴的な外形形状、建設地が日本全国で報道され続けている(甲5)。そして、「東京スカイツリー」のシルエットデザインや、シルエットデザインを含むロゴマークは多くの商品、役務に使用されている。

したがって、本件商標の出願日(2014年4月1日)には「東京スカイツリー」の名称、外形形状、シルエットデザインは著名の域にあり、現在もその著名性、公益性が継続している。

(3)「東京スカイツリー」の商品化事業及び知的財産の使用について

「東京スカイツリー」の事業主体である東武鉄道株式会社及び東武タワースカイツリー株式会社は、「東京スカイツリーライセンス事務局」を設けて「東京スカイツリー」の開業前から知的財産の使用に関する問い合わせを受け付けており(甲3−3)、事業主体やその許諾を受けた者による商品化事業が幅広く展開されている(甲3−4、5)。

また、「東京スカイツリー」のオフィシャルサイトには「東京スカイツリー」のシルエットデザインや、シルエットデザインを含むロゴマークが左上などに記載されている(甲3−1〜4)。

2 商標法第4条第1項第7号違反について

本件商標の中央部にはタワーのシルエット形状が付されている。これは、著名な「東京スカイツリー」の外形形状をシルエット化した図形(シルエット図形)そのものであり、「東京スカイツリー」の絶大な著名性を勘案すると、本件商標の要部のひとつと考えられる。

「東京スカイツリー」の外形形状、シルエット図形は、事業主体の許諾を受けたライセンシーにより様々なアレンジがなされて商品自体や商品パッケージ等に描かれている(甲3−4、5)。また、「東京スカイツリー」のオフィシャルサイトでは、「東京スカイツリー」の外形形状、シルエット図形等が記載されている(甲3−1〜5)。特に、「東京スカイツリー」の特徴的な外形形状や、外形形状をシルエット化したシルエット図形は非常に特徴的なものであり、当然のことながら日本及び世界各国を見ても類似するものはない。

つまり、本件商標は、著名な「東京スカイツリー」の外形形状やシルエット図形がなければ選択されなかったというべきである。もちろん、「東京スカイツリー」の事業主体は、「東京スカイツリー」の外形形状やシルエット図形についての使用許諾の問い合わせ等を商標権者から受けたことはない。

また、本件商標に含まれる文字のうち「SUMIDA」は「東京スカイツリー」のある東京都墨田区を表すものである。「東京スカイツリー」が東京都墨田区にあることは、事業主体も述べるところであり(甲4−1)、また、マスコミにも建設(開業)前から数多く報道されている(甲4−1、2)、建設後には「高さ世界一のタワー東京スカイツリー(東京都墨田区)・・・」などと報道されている(甲5)。さらに、「『東京スカイツリー』が東京都墨田区にあること」は特許庁の審査及び審判内でも是認されている(甲6−1〜3)。

このように、「東京スカイツリー」を表す図形と併せて「SUMIDA」の文字を見れば、甲第4号証−1及び2より「東京スカイツリー」の建設地が「東京都墨田区」であることを記載した記事がその開業前から多数見受けられ、需要者に広く知られているに至っていたものと認められる。そのため、本件商標の「SUMIDA」は「東京スカイツリー」の建設地を示す「墨田」をローマ字表記したものと容易に看取することができる。

してみれば、本件商標は、「東京スカイツリー」が持つ著名性及び顧客吸引力に便乗する意図のもとで出願されたものと推認され、公益性の高い「東京スカイツリー」の事業主体と何ら関係のない一私人に指定商品・役務について独占使用を認めることは、一般的道徳観念に照らして穏当ではなく、公の秩序又は善良の風俗を害するものである。

したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第7号に該当して取り消されるべきものである。

3 商標法第4条第1項第15号違反について

(1)「東京スカイツリータウン」内におけるライセンシーの使用について

事業主体(東武鉄道株式会社及び東武タワースカイツリー株式会社)によるオフィシャルショップ「THE SKYTREE SHOP」が「東京スカイツリー」の内部やオンラインショップとして設けられて、文房具類(第16類)、かばん類(第18類)、台所用品(アルミ水筒缶、第21類)、布製身の回り品(タオル、第24類)、被服(第25類)等がオフィシャル商品として販売されている(甲3−4、5)。そして、「東京スカイツリー」のオフィシャルサイトには「東京スカイツリー」のシルエットデザイン等が多く使用されている(甲3−1〜4)。

すなわち、「東京スカイツリー」の事業主体は、商業施設「東京ソラマチ」の出店者に対しても、一定の基準のもとで、自社が有する登録商標の使用を許諾しており、「東京ソラマチ」ではタオル、被服等を初めとする多くのオフィシャル商品、ライセンス商品が販売されている(甲3−4、5)。

(2)商標法第4条第1項第15号違反の他の第三者出願について

第三者出願または登録に係る商標について、「何ら関係のない第三者が指定商品・役務に商標を使用した場合、取引者・需要者が、その商品等の出所につき誤認混同を生じるおそれがある」として商標法第4条第1項第15号違反と判断されたものは多数ある。

(3)まとめ

「東京スカイツリー」「東京ソラマチ」を含めた「東京スカイツリータウン」へは驚異的なペースで来場者が押し寄せており、開業3周年を経過する前の2015年3月31日までに約1億1,855万人が来場するとともに、数多くのマスコミ報道により「東京スカイツリー(東京スカイツリータウン)」は一大名所の地位を確保しつつあるとともに、その中核である「東京スカイツリー」の名称、外形形状もよく知られることとなった(甲4−2〜甲6−3)。本件商標の要部のひとつは、「東京スカイツリー」のシルエットデザインそのものであるから、当然ながら、著名な「東京スカイツリー」の外形形状やシルエットデザインがなければ、本件商標は選択されなかったというべきである。

また、事業主体と何ら関係のない第三者によって、本件商標が指定商品である「布製身の回り品、被服」や指定役務である「娯楽施設の提供」等に使用されれば、その商品や役務が当該商標権者に対して他人である「東京スカイツリー」の事業主体又はその事業主体と組織的又は経済的に何らかの関連のある者の事業に係る商品であるかの如く一般需要者に認識されて出所の混同を生じるおそれがある。

したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に該当して取り消されるべきものである。

4 商標法第4条第1項第11号違反について

本件商標は、甲第2号証の引用商標1〜6と類似である。引用商標1〜6は、すべて本件商標の出願前に登録された、「東京スカイツリー」の事業主体である東武鉄道株式会社と東武タワースカイツリー株式会社所有の商標である。

(1)指定商品・役務の類否について

本件商標の指定役務と引用商標1〜6の指定商品・役務は同一又は類似である。

(2)商標の類否について

ア 本件商標と引用商標との類否

(ア)観念及び称呼について

本件商標の要部である図形からは、我が国において著名な「東京スカイツリー」の観念が生じる。そして、これらの文字、図形から「トウキョウスカイツリー」「スカイツリー」の称呼が生じる。また、「FUGADOR SUMIDA」「2000」からなる文字からはそれぞれ「フーガドール スミダ」「ニセン」などの称呼が生じる。

引用商標1〜6からは、我が国において著名な「東京スカイツリー」の観念、及び「トウキョウスカイツリー」「スカイツリー」の称呼が生じる。

よって、本件商標の要部と引用商標1〜6は観念及び称呼が同一である。

(イ)外観について

本件商標は、その内円、外円の間に「FUGADOR SUMIDA」「2000」の文字を付している。内円の中央部にはタワー形状があり、タワーの下部には「(家紋の)三つ巴紋」を二重にした図形が付されている。タワーの周りには足元から上方向に向かう線や5つの小さな星形状が付されている。

前述のとおり、内円の中央部のタワー形状は、日本での絶大な著名性を勘案すると、「東京スカイツリー」のシルエット形状を表したものであることに他ならない。具体的に、本件商標は東京スカイツリーと外形的な特徴が一致している。

引用商標1〜3、5、6の外観は「東京スカイツリー」のシルエットデザインのみからなるものであり、引用商標4は「東京スカイツリー」のシルエットデザインの周囲に円形の装飾を付したものであり、その要部は引用商標1〜3、5、6と同じである。そして、本件商標の要部は、引用商標1〜6(特に引用商標1〜3、5、6)をそのまま含んでおり、商標全体として外観が酷似する。

イ 判断

本件商標のタワーのシルエットのみの図形部分(シルエットデザイン)は、開業以来多数の来場者が訪れ、新聞記事や書籍などにおいても広く紹介されるなど一般的に知られている「東京スカイツリー」の展望台や末広がりの裾部分などの外観形状が酷似するものである。

本件商標及び引用商標1〜6に接する取引者、需要者は、話題の「東京スカイツリー」に酷似した該タワー図形部分(及び建設地である「SUMIDA」部分)に着目し、これより生じる称呼・観念を持って取引に資する場合も少なくないものと判断するのが相当である。

本件商標と引用商標1〜6は、タワーのシルエットのみの図形部分に相応して「トウキョウスカイツリー」(「東京スカイツリー」)の称呼・観念をも生じるものであり、両商標はこれらの称呼・観念を共通にする類似の商標であって、指定商品・役務についても両商標の指定商品・役務において類似するものである。

本件商標の要部と、引用商標1〜6は外観、称呼、観念が同一・類似であり、商標全体として本件商標は引用商標1〜6と類似すると判断できる。

また、本件商標の指定商品・役務は、引用商標1〜6の指定商品・役務と同一・類似である。

したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に該当して取り消されるべきものである。

第4 当審の判断

1 商標法第4条第1項第11号該当性について

本件商標は、幅広の円輪郭部の中に2本の白抜きの線及びその線の間に、白抜きで「FUGADOR SUMIDA」と「2000」の文字が配されており、その円輪郭の中には、上部左側に2個、右側に3個の星の図形を配置し、底部から上部中央に向けて収斂させた角状の図形を、左側に二本、右側に二本それぞれ対称に描いてなり、該左右の角状の図形の間には下部を太く描きこれを上部に向かって収斂させた塔状の図形を配置し、該塔状の図形の底部に「(家紋の)三つ巴紋」を二重にした図形から構成されているものである。

しかして、本件商標は、文字部分と円輪郭及びその内部の図形部分を含め全体としてまとまりよく表されており、その構成の全体が一体のものとして観察され、把握されるというべきであって、ここから特定の部分を分離して、その部分をもって、本件商標の外観上の要部とみることはできないというのが相当である。

そして、本件商標からは、その構成中の文字に相応して、「フーガドールスミダ」、「フーガドールスミダニセン」の称呼が生じるものである。

また、この図形部分からは特定の事物、事象や内容を想起させるとはいえないものであるから、本件商標の図形部分は、取引に資すべき特定の観念を生じないというべきである。

これに対して、引用商標1ないし3並びに引用商標5及び6は、「東京スカイツリー」を連想させる塔のシルエット図形よりなるものであり、引用商標4は、「東京スカイツリー」を連想させる塔のシルエット図形とその周りに17個の円をちりばめた構成からなるものである。

そこで、本件商標と引用商標とを比較してみるに、外観においては、両者は、その構成及び態様が明らかに相違し、異なるものであるから、これらが外観上、類似するということはできない。

そして、称呼及び観念については、本件商標は、「フーガドールスミダ」又は「フーガドールスミダニセン」の称呼を生じ、特定の観念は生じないものであり、引用商標が「東京スカイツリー」を想起させることから、たとえ「トウキョウスカイツリー」の称呼及び「東京スカイツリー」の観念が生じ得るとしても、両者は、称呼及び観念において、明らかに区別できるものである。

してみれば、本件商標と引用商標とは、外観において、明らかに区別でき、称呼及び観念においても類似するものということはできないから、両者は非類似の商標というべきである。

なお、申立人は、本件商標の要部である図形からは、我が国において著名な「東京スカイツリー」の観念が生じる。そして、これらの文字、図形から「トウキョウスカイツリー」「スカイツリー」の称呼が生じると主張している。

しかしながら、本件商標は全体としてまとまりよく表されており、ここから特定の部分のみを分離して外観上の要部とみることはできないというべきであり、仮に、本件商標から、円輪郭内中央の塔状の図形部分を抽出することができたとしても、該図形の底部は極端な末広がりであり、また、塔の上部は引用商標のそれと比べて短く描かれており、この図形は、引用商標に表された東京スカイツリーの外観上の特長を看取させ、東京スカイツリーを連想、想起させる構成ということはできないから、本件商標からは、「トウキョウスカイツリー」の称呼及び「東京スカイツリー」の観念を生じるということはできない。

したがって、上記の申立人の主張は、採用することができない。

したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に該当しない。

2 商標法第4条第1項第15号該当性について

甲第3号証及び申立ての趣旨によれば、引用商標が、申立人により使用許諾をされた出店者により、文房具類、かばん類、台所用品、布製身の回り品、被服等に使用されていたといえるものであり、本件商標登録出願時及び査定時において、引用商標は、需要者間に広く知られていたということができる。

しかしながら、本件商標と引用商標とは、その外観、称呼及び観念のいずれの点からみても類似するとはいえない、別異の商標というべきものである。

してみれば、本件商標をその指定商品及び指定役務について使用しても、これに接する取引者、需要者が、著名な東京スカイツリーの外形形状やシルエットデザインを連想、想起するものではないから、該商品及び役務が申立人又は同人と経済的若しくは組織的に何らかの関係を有する者の業務に係る商品又は役務であるかのように誤認することはなく、その出所について混同を生ずるおそれはないというべきである。

したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に該当しない。

3 商標法第4条第1項第7号該当性について

本件商標は、その構成自体が非道徳的、卑わい、差別的、矯激若しくは他人に不快な印象を与えるような構成のものとはいえず、これをその指定商品又は指定役務について使用することが社会公共の利益に反し、社会の一般的道徳観念に反するものともいえず、他の法律によって、その商標の使用等が禁止されているものともいえず、特定の国若しくはその国民を侮辱し、又は一般に国際信義に反するものでもなく、本件商標の登録出願の経緯に社会的相当性を欠くものがあり、登録を認めることが商標法の予定する秩序に反するものとして到底容認し得ないような特別の事情があるともいえないものである。

この点に関して申立人は、本件商標は、「東京スカイツリー」が持つ著名性及び顧客吸引力に便乗する意図のもとで出願されたものと推認され、公益性の高い「東京スカイツリー」の事業主体と何ら関係のない一私人に指定商品・役務について独占使用を認めることは、一般的道徳観念に照らして穏当ではなく、公の秩序又は善良の風俗を害するものであると主張している。

しかしながら、本件商標は、東京スカイツリーを連想、想起させる構成のものではなく、また、不正の目的というような事実も認められない。

よって、上記の申立人の主張は、採用することができない。

したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第7号に該当しない。

4 まとめ

以上のとおり、本件商標の登録は、商標法第4条第1項第7号、同第11号及び同第15号のいずれにも違反してされたとは認められないから、同法第43条の3第4項に基づき、その登録を維持すべきである。

よって、結論のとおり決定する。

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