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Trademark Appeal Case

3D表札の識別力

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号不服2015−13784(T2015−13784/J1)
審判種別不服
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

本件審判の請求は、成り立たない。

理由テキスト

1 本願商標

本願商標は、「3D表札」の文字を標準文字で表してなり、第6類「金属製のネームプレート及び標札,金属製扉用錠,金属製金具,手すり,戸当たり,金属製ちょうつがい,扉用金属製附属品,金属製フック,金属製ドアノッカー,金属製ノブ,金属製ドアハンドル,金属製扉,建築用又は構築用の金属製専用材料,金属製建造物組立てセット,金属製建具,金庫,金属製帽子掛けかぎ,金属製のタオル用ディスペンサー」及び第20類「ネームプレート及び標札(金属製のものを除く。),ドアハンドル(金属製のものを除く。),樹脂製ドアハンドル,プラスチック製ドアハンドル,ノブ(金属製及びガラス製のものを除く。),ドアノッカー(金属製及び石製のものを除く。),玄関用呼鈴(金属製・ガラス製及び電気式のものを除く。),家具,扉の附属品(金属製のものを除く。),ちょうつがい(金属製のものを除く。),衣服用フック(金属製のものを除く。),カーテンフック,カーテン金具,金属代用のプラスチック製締め金具,くぎ・くさび・ナット・ねじくぎ・びょう・ボルト・リベット及びキャスター(金属製のものを除く。),座金及びワッシャー(金属製・ゴム製又はバルカンファイバー製のものを除く。),ポール(金属製のものを除く。),錠(電気式又は金属製のものを除く。),帽子掛けかぎ(金属製のものを除く。),タオル用ディスペンサー(金属製のものを除く。)」を指定商品として、平成26年7月1日に登録出願されたものである。

2 原査定の拒絶の理由の要点

原査定において、「本願商標は、『3D表札』の文字を標準文字で表してなるところ、その構成中の『3D』の文字が『三次元。立体的であること。』を意味し、また、同じく『表札』の文字が『門・戸口などに掲げて,居住者の名を示す札。』を指称し『標札』と同意義で用いられていることから、全体として『立体的な標札』程の意味合いを把握、理解させるものである。そして、『3D表札』が製造販売されている実情がある。そうしてみると、本願商標をその指定商品中、『金属製の標札,標札(金属製のものを除く。)』について使用しても、『居住者の名が浮かび上がって見える金属製の標札,居住者の名が浮かび上がって見える標札(金属製のものを除く。)』程の意味合いを認識するにとどまり、単に商品の品質を普通に用いられる方法で表示するものと認める。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当し、前記商品以外の商品に使用するときは、商品の品質の誤認を生じさせるおそれがあるので、同法第4条第1項第16号に該当する。」旨認定、判断し、本願を拒絶したものである。

3 当審における証拠調べ通知

当審において、本願商標が商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当するか否かについて、職権による証拠調べをした結果、別掲に示す事実を発見したので、同法第56条第1項で準用する特許法第150条第5項の規定に基づき、請求人に対して、平成28年2月16日付け証拠調べ通知書によってこれを開示し、期間を指定して、意見を述べる機会を与えた。

4 証拠調べ通知に対する請求人の意見の要旨

請求人は、前記3の証拠調べ通知に対し、平成28年3月28日付け意見書及び同年4月12日付け上申書を提出し、要旨以下のように主張した。

(1)文字や表札自体を立体的にするような加工を施した表札は、従来からあり、それらの立体的な表札は、「浮き文字表札」、「浮き彫り表札」又は「切文字表札」と呼ばれて、「3D表札」と呼ばれることはなく、また、別掲の4に示された僅かな用例では、本願商標が商品の品質を直接的に示した根拠とはならない。

(2)別掲の3に示された用例は、表札における何が立体的であるかを具体的に理解させる文字の用例であって、本願商標は、何が主体的であるか明らかでなく、「立体的な表札」という漠然とした意味合いを理解させるものであるから、本願商標が商品の品質を直接的に示した根拠とはならない。

したがって、証拠調べ通知に挙げられた事実があるとしても、本願商標は、商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当するものではない。

5 当審の判断

(1)商標法第3条第1項第3号の該当性について

本願商標は、前記1のとおり、「3D表札」の文字を標準文字で表してなるところ、その構成中の「3D」の文字は、「三次元。立体的であること。」(株式会社岩波書店発行「広辞苑第六版」)を意味し、また、同じく「表札」の文字は、「門・戸口などに掲げて,居住者の名を示す札。」を指称して「標札」と同義で用いられ(同辞書)、本願商標に係る指定商品中の「金属製の標札,標札(金属製のものを除く。)」の普通名称を表すものであることから、全体として「立体的な標札」程の意味合いを理解させるものである。

そして、「標札(表札)」を取り扱う分野においては、別掲の1ないし4のとおり、立体的な装飾を施したり、プレート状の材料を重ねたり、表示する文字自体を立体的形状にしたり、標札自体を前後に湾曲させる等の造形加工を施した立体的な標札(以下、まとめて「立体的な標札」という。)が取り扱われて、別掲の2のとおり、それらが「立体表札」と称されている事実が認められる。

また、同分野において、別掲の3のとおり、立体的な標札について、「3D」の文字が「立体的な」という意味合いで使用されている事実があり、さらに、別掲の4のとおり、「3D表札」の文字が「立体的な標札」の意味合いで使用されている例も見受けられる。

これらの事実に照らせば、本願商標は、その指定商品中、「金属製の標札,標札(金属製のものを除く。)」に使用した場合、これに接する取引者、需要者が、「表示された文字、装飾又は商品自体が立体的な形状の標札」であることを理解、認識するにすぎず、単に商品の品質、形状を普通に用いられる方法で表示するものというのが相当である。

したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当する。

(2)商標法第4条第1項第16号の該当性について

本願商標は、前記1のとおり、「3D表札」の文字を標準文字で表してなるところ、その構成中の「表札」の文字部分は、上記(1)のとおり、「門・戸口などに掲げて,居住者の名を示す札。」を指称して「標札」と同義で用いられていることから、本願商標に係る指定商品中の「金属製の標札,標札(金属製のものを除く。)」との関係では、商品の普通名称を表すものと認められる。

そうすると、本願商標「3D表札」に接する取引者、需要者は、その構成中の「表札」の文字部分から、直ちに商品である「標札(表札)」を理解するものと認められる。

そして、商品「標札(表札)」と本願商標に係る指定商品中の「金属製の標札,標札(金属製のものを除く。)」以外の商品(以下「本願商標に係る『標札』以外の商品」という。)は、共に、住宅等建物の内外に使用される建具、建築用又は構築用の材料、金具等であって、住宅部品を展示するショールームやこれらを販売するホームセンター等においては、両商品が併せて展示され、販売されることも多いことから、両者は、関連性のある商品と認められる。

そうすると、本願商標の構成中の「表札」の文字部分が表示していると通常理解される品質(標札(表札))と、本願商標に係る「標札」以外の商品の有する品質とが異なることは明らかであり、また、両者は、取引の実情において関連性のある商品であるから、そのような指定商品に本願商標を付した場合には、商品の品質について誤認を生じさせるおそれがあるといわなければならない。

したがって、本願商標は、同法第4条第1項第16号に該当する。

(3)請求人の主張について

ア 請求人は、文字や表札自体を立体的にするような加工を施した表札は従来からあり、それらの立体的な表札は、「浮き文字表札」、「浮き彫り表札」又は「切文字表札」と呼ばれ、「3D表札」と呼ばれることはなく、別掲の4に示された僅かな用例では、本願商標が商品の品質を直接的に示した根拠とはならない旨主張する。

しかしながら、本願商標の構成中の「3D」の文字が、「立体的であること。」を意味する語として一般的に使用されている上、「標札(表札)」を取り扱う分野においても、立体的な標札について、「3D」及び「3D表札」の文字が、それぞれ、「立体的な」及び「立体的な標札」の意味合いで使用されている実情があり、これらの取引の実情を総合勘案すれば、本願商標は、これをその指定商品中「金属製の標札,標札(金属製のものを除く。)」に使用したときは、商品の品質、形状を表したものと認識されるといわざるを得ないことは、上記(1)で述べたとおりである。

したがって、立体的な標札について、「浮き文字表札」等と呼ばれているものがあるとしても、これらの事実は、上記判断を否定する理由にはならない。

イ 請求人は、別掲の3に示された用例は、表札における何が立体的であるかを具体的に理解させる文字の用例であって、本願商標は、何が主体的であるか明らかでなく、「立体的な表札」という漠然とした意味合いを理解させるものであるから、本願商標が商品の品質を直接的に示した根拠とはならない旨主張する。

しかしながら、「標札(表札)」を取り扱う分野においては、加工技術が進み、立体的な装飾を施したり、プレート状の材料を重ねる等、様々な立体加工を施した標札が取り扱われて、これらの標札について、「立体表札」、「3D」及び「3D表札」の語が使用されている実情があることは、上記(1)に述べたとおりであり、その実情に鑑みれば、本願商標は、「金属製の標札,標札(金属製のものを除く。)」に使用した場合、これに接する取引者、需要者が、商品の品質、形状を表示したものと容易に認識されるというのが相当である。

ウ 請求人は、過去の審決例を挙げ、本願商標も登録されるべきである旨主張する。

しかしながら、登録出願に係る商標が自他商品の識別標識として機能し得るか否かは、該登録出願の査定時又は審決時において、その指定商品との関係において、個別具体的に判断されるべきものであるところ、本願商標は、その構成文字及びその指定商品に係る取引の実情を併せみれば、「表示された文字、装飾又は商品自体が立体的な形状の標札」であることを理解、認識させるにすぎないことは、上記(1)で述べたとおりであるから、本願商標についての判断が、該審決例をもって左右されるものではない。

よって、いずれの請求人の主張も採用することはできない。

(4)まとめ

以上のとおり、本願商標は、商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当するものであるから、登録することができない。

よって、結論のとおり審決する。

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