Trademark Appeal Case
「盆の送り火」の用途表示性
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 不服2016−515(T2016−515/J1) |
|---|---|
| 審判種別 | 不服 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
1 本願商標
本願商標は,「盆の送り火」の文字を標準文字で表してなり,第20類「愛玩動物のための盆祭り用装飾品,その他の愛玩動物用葬祭用具,つい立て,びょうぶ,炭を主たる原材料とし盆祭りの送り火用の燃焼補助効果を有する装飾品,その他の葬祭用具」を指定商品として,平成27年3月3日に登録出願されたものである。
2 原査定の拒絶の理由の要点
本願商標は,「盆の送り火」の文字を標準文字で表してなるところ,「盆」は「盂蘭盆(うらぼん)の略」であり,「送り火」は「盂蘭盆(うらぼん)の最終日に,祖先の精霊(しょうりょう)を送るためにたく火」の意味を有する語であるから,本願商標をその指定商品中「盂蘭盆(うらぼん)の最終日に,祖先の精霊(しょうりょう)を送るためにたく火に関する商品」に使用する場合には,単に商品の品質(内容)を表示するにすぎない。したがって,本願商標は,商標法第3条第1項第3号に該当し,前記商品以外の商品に使用するときは,商品の品質の誤認を生じさせるおそれがあるから,同法第4条第1項第16号に該当する。
3 当審における証拠調べ
本願商標が商標法第3条第1項第3号に該当するか否かについて,職権に基づく証拠調べを実施した結果,別掲に示すとおりの事実を発見したので,同法第56条第1項で準用する特許法第150条第5項の規定に基づき,請求人に対し,意見を申し立てる機会を与えるべく,相当の期間を指定して,平成28年3月18日付けで証拠調べの結果を通知したところ,請求人からは,何らの回答もなかった。
4 当審の判断
(1)商標法第3条第1項第3号該当性について
本願商標は,上記1のとおり,「盆の送り火」の文字を標準文字で表してなるところ,本願商標の構成中,「盆」の文字は「盂蘭盆(うらぼん)の略」を,「送り火」の文字は,「盂蘭盆(うらぼん)の最終日に,祖先の精霊(しょうりょう)を送るためにたく火」を意味する語であるから(広辞苑第6版),本願商標全体としては,「盂蘭盆の最終日に,祖先の精霊を送るための火」との意味合いを認識させるとみるのが自然である。
そして,上記3のとおり,当審において職権で調査したところ,別掲のとおり,葬祭用具を取り扱う業界において,盆の時期の送り火のための商品として,おがら,たいまつ,台などの葬祭用具が,単品又はセットで販売されている事実が認められる。
そうすると,本願商標をその指定商品中「愛玩動物のための盆祭り用装飾品,その他の愛玩動物用葬祭用具,炭を主たる原材料とし盆祭りの送り火用の燃焼補助効果を有する装飾品,その他の葬祭用具」(以下「葬祭用具関連商品」という。)に使用した場合には,これに接する取引者,需要者は,本願商標全体から看取される「盂蘭盆の最終日に,祖先の精霊を送るための火」の意味合いから,商品の用途を表示したものと認識,理解するというのが相当である。また,本願商標は標準文字で表されたものであるから,態様上顕著な特徴は認められない。
以上から,本願商標は,商品の用途を普通に用いられる方法で表示する標章のみからなる商標であるといわざるを得ない。
したがって,本願商標は,商標法第3条第1項第3号に該当する。
(2)請求人の主張について
請求人は,本願商標は「『盆』の『送り火』」と看取されるものの,盆行事として広く知られ,文字の配置順も含めて共通して用いられる「盆送り」という語の存在のため,その輪郭がぼやけ,必ずしもただちに中身表示である「盂蘭盆の最終日に祖先の精霊を送るためにたく火に関する商品」との認識とはならず,観念として盆行事を連想させても「盆送り」の存在による希釈化のため,具体的に内容を表示するものとはなっていない旨主張する。
しかしながら,本願商標をその指定商品中の葬祭用具関連商品に使用した場合においては,これに接する取引者,需要者は,別掲に示した取引の実情により,本願商標を商品の用途表示であると認識するというのが相当であることは,上記(1)のとおりであり,また,「盆送り」の語の存在によって,本願商標全体から看取される「盂蘭盆の最終日に,祖先の精霊を送るための火」との意味合いが希釈化するとの根拠は見いだせない。
したがって,請求人の主張は採用できない。
(3)まとめ
以上のとおり,本願商標は,商標法第3条第1項第3号に該当するから,これを登録することはできない。
よって,結論のとおり審決する。
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