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Trademark Appeal Case

不使用取消と商標の使用

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号取消2015−300121(T2015−300121/J2)
審判種別取消
結論勝訴(請求認容)

結論テキスト

登録第5419076号商標の指定商品中、第8類「電気かみそり,電気シェーバー,電気バリカン」については、その登録は取り消す。
審判費用は、被請求人の負担とする。

理由テキスト

1 本件商標

本件登録第5419076号商標(以下「本件商標」という。)は、「ROTARY」の文字を標準文字で表してなり、平成19年10月1日に登録出願、「電気かみそり,電気シェーバー,電気バリカン」を含む第8類及び第6類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、平成23年6月17日に設定登録されたものである。

なお、本件審判の予告登録は平成27年3月9日にされている。

2 請求人の主張

請求人は、結論同旨の審決を求め、その理由を要旨次のように述べ、証拠方法として、甲第1号証及び甲第2号証を提出した。

(1)請求の理由

本件商標は、その指定商品中、第8類「電気かみそり、電気シェーバー、電気バリカン」について継続して3年以上日本国内において商標権者、専用使用権者、通常使用権者のいずれもが使用した事実がないから、その登録は商標法第50条第1項の規定により取り消されるべきものである。

(2)弁駁の理由

被請求人は、株式会社生駒時計店を使用権者としているが、株式会社生駒時計店が本件商標についての正式な使用権者であるか不明である。なお、被請求人は株式会社生駒時計店に対し、本件商標を含めその保有する登録商標に係る商標権の使用許諾を与えていると主張しているが、参照箇所をみる限り“The Emblem of Rotary International”の製造販売の許可であり、本件審判請求に係る指定商品である「電気かみそり,電気シェーバー」に関する使用権者であることは示されていない。

また、被請求人は、株式会社生駒時計店が「電気かみそり,電気シェーバー」を販売していると主張しているが、その販売の事実となる売上の証拠を確認する必要ある。

乙第1号証ないし乙第4号証に記載されている「電気シェーバー」は、いずれも「パナソニック」及び「ブラウン」の製品である。商標法第2条第1項第1号によれば、この法律で「商標」とは、業として商品を生産し、証明し、又は譲渡する者がその商品について使用するものである。上記証拠に記載されている「電気シェーバー」に接する消費者は、「パナソニック」及び「ブラウン」の製品と認識するものであり、同製品に表示されている図形標章は出所識別機能を発揮していないため、商標としての使用とはいえない。乙第1号証第2頁、乙第3号証第2頁、乙第4号証第2頁には、「カタログの掲載商品のお買い上げがロータリークラブ及び会員様に限る」と記載されていることからも、この図形標章は指定商品における商標として機能しているとはいえず、むしろ会員の属性を示すためのものであるといえる。

したがって、乙第1号証ないし乙第5号証をもって、本件商標の使用ということはできない。

仮に、上記図形標章の使用が商標としての使用であったとしても、乙第1号証第21頁、乙第2号証第20頁、乙第3号証第24頁、乙第4号証第22頁及び乙第5号証に表示されている図形標章は、いずれも商標権者が使用している「The Emblem of Rotary International」であり、本件商標とは相違するものであって、このエンブレム中に文字の記載があったとしても需要者であるロータリークラブの会員にとって判読できないほど小さく表示されていることから、視覚を通じて認識されるものとはいえず、これをもって本件商標の使用とはいえない。

さらに、辛うじて実物で文字が判読できたとしても、乙第1号証ないし乙第5号証に表示されている図形標章とは、外観、観念、称呼のいずれにおいても非類似の商標であり、全体観察においても当然に非類似の商標といわざるを得ず、この図形標章をもって本件商標と社会通念上同一の商標に使用しているということはできない。

したがって、本件商標と図形標章の社会通念上の同一性を否定すべきものである。

最後に、乙第1号証ないし乙第4号証のカタログの表紙や裏表紙に記載されている「ROTARY」及び「ロータリー」の文字の使用について考察すると、これらの標章はいずれも本件商標と社会通念上同一といえる使用ではない。

したがって、乙第1号証ないし乙第5号証のカタログの表紙や裏表紙への使用によっては、本件審判請求に係る指定商品について本件商標の使用には該当しない。

以上述べたとおり、被請求人の答弁には理由がなく、本件商標は、その指定商品中、第8類「電気かみそり,電気シェーバー,電気バリカン」について継続して3年以上日本国内において商標権者、専用使用権者、通常使用権者のいずれもが使用した事実がないから、その登録は商標法第50条第1項の規定により取り消されるべきものである。

3 被請求人の主張

被請求人は、本件審判請求は成り立たない、審判費用は請求人の負担とする、との審決を求め、その理由を次のように述べ、証拠方法として、乙第1号証ないし乙第5号証を提出した。

答弁の理由

本件商標に係る商標権者、専用使用権者又は通常使用権者は、本件審判請求に係る指定商品について、本件審判請求の登録前3年以内(以下「本件要証期間内」という。)に日本国内において本件商標を使用している。

乙第1号証ないし乙第4号証は、本件商標の使用権者である株式会社生駒時計店が、その業務に係る販売商品について毎年発行しているカタログのうち、直近の4年(2012年〜2015年)に発行されたものである。また、各カタログに記載の商品は、少なくともそれぞれのカタログの有効期間内に販売されている。

商標権者は、株式会社生駒時計店に対し、昭和4年にはじめて製造販売の許可を与え、以来、日本において本件商標を含めその保有する登録商標にかかる商標権の使用許諾を与えている(乙1〜乙4の最終頁、乙1〜乙4の表紙上部の「OFFICIAL LICENSEE」及び乙4第1頁右上参照)。

乙第1号証ないし乙第4号証のカタログには、それぞれ全体を通じて「ROTARY」及び「ロータリー」の文字及び商標が記載されている。そして、例えば、乙第1号証(2012−2013年版カタログ)には、本件審判請求に係る指定商品「電気かみそり,電気シェーバー」の記事が第21頁に記載されている。同様に、乙第2号証(2013−2014年版)には第20頁、乙第3号証(2014−2015年版)には第24頁、乙第4号証(2015−2016年版)には第22頁に、それぞれ上記商品に係る記事が記載されている。

また、上記商品には、図形と結合した本件商標が付されている。乙第4号証の上記記事における写真を拡大したものを、乙第5号証として提出する。

以上から、本件商標と同一又は社会通念上同一の商標が、使用権者によって、本件審判請求に係る指定商品中、少なくとも「電気かみそり,電気シェーバー」について本件要証期間内に日本国内で使用(商標法第2条第3項第1号、第2号及び第8号)されていたことが確認できる。

以上のとおり、本件商標は、商標権者、専用使用権者又は通常使用権者により、本件審判請求に係る指定商品につき本件要証期間内に継続して日本国内で使用されている。

なお、被請求人は、口頭審理に係る審理事項通知書に対して、既に提出した答弁書において十分尽くしている旨述べている。

4 当審の判断

(1)被請求人の提出した証拠及びその主張によれば、以下の事実が認められる。

ア 乙第1号証ないし乙第4号証は、株式会社生駒時計店の商品カタログであって、乙第1号証は2012−2013年版、乙第2号証は2013−2014年版、乙第3号証は2014−2015年版、乙第4号証は2015−2016年版のものであるところ、被請求人の主張及び証拠から上記各乙号の発行日は明らかでないものの、上記のとおりの対象年次から、少なくとも、乙第1号証ないし乙第3号証のカタログは、本件要証期間内に頒布されたものと推認することができる。

イ 上記乙第1号証ないし乙第3号証のカタログには、「電池式シェーバー」が掲載されている。そして、各カタログの表紙において「The Emblem of Rotary International」について「Rotary International」が公式認可したこと及び上記各号証の4葉目に「ロータリー徽章の製造販売の御許可を頂きました」と記載されていることからすると、株式会社生駒時計店は、ロータリークラブに係るロータリー徽章(別掲)のライセンシーであるということができるものであり、その他に「ロータリーの被免許業者になりました」の記載が認められる。なお、上記カタログ及び乙第4号証には、「ROTARY」の文字が単独で使用されているところは見当たらない。

(2)上記事実により、株式会社生駒時計店は、本件要証期間内に「電気式シェーバー」についてのカタログを頒布し、その広告を行ったことを認めることができるものであり、また、上記「電気式シェーバー」は、本件審判請求の取消に係る「電気かみそり,電気シェーバー」の範疇に属する商品と認められる。

そして、被請求人は、乙第1号証ないし乙第3号証のカタログには、それぞれ全体を通じて「ROTARY」及び「ロータリー」の文字及び商標が記載されていること及び「電気かみそり,電気シェーバー」には、図形と結合した本件商標が付されている旨述べている。

しかしながら、上記カタログには、「ROTARY」の文字が単独で使用されているところは、確認できない。また、上記カタログにおいて「ロータリーインターナショナルのエンブレム」について公式認可されたものであることが記載されていることからすると、上記(1)イの「ロータリー」の文字は、株式会社生駒時計店がロータリーインターナショナルからロータリー徽章に係る許可を受けたことを説明するために使用されているものとみるのが相当であるから、該文字は、株式会社生駒時計店の業務に係る商品の販売について使用していたものということはできず、その商品の出所表示標識としての使用と認めることはできない。

また、被請求人が商品に付されていると主張する「図形と結合した本件商標」は、別掲のとおり、青色の外輪内に歯車図形を配した構成からなるものであって、「ROTARY INTERNATIONAL」の文字が歯車図形内に「OFFICIAL LICENSEE」の文字がその外輪内に一体に表されているものであるから、その構成全体として「ロータリー徽章」と認識されるものとみるのが相当であり、「ROTARY」の文字を標準文字により表した本件商標とは、社会通念上同一のものということはできない。

その他、本件商標(社会通念上同一のものを含む。)が使用されていることを認め得る証拠の提出はない

さらに、株式会社生駒時計店は、商標権者から、何らかのロータリー徽章に係る許諾を受けたことは推認し得るものの、乙各号証を見ても、被請求人(商標権者)は、日本における本件商標の使用許諾を株式会社生駒時計店に与えたものであることを認めることはできない。

したがって、株式会社生駒時計店は、本件要証期間内に、本件審判請求に係る指定商品中「電気かみそり,電気シェーバー」の範疇に属する商品「シェーバー」についての広告を行ったといえるが、株式会社生駒時計店の業務に係る商品について、本件商標(社会通念上同一のものを含む。)を使用したものということはできないものであり、また、株式会社生駒時計店は本件商標の通常使用権者であると認めることもできない。

そうとすれば、被請求人は、本件審判の請求に係る指定商品についての使用を証明していないから、商標法第50条第2項に係る所定の要証事項を証明したものということはできない。

その他、本件審判の請求に係る指定商品のいずれについても本件商標の使用をしていることを認め得る証左は見いだせない。

(3)以上のとおりであるから、被請求人は、本件審判の請求の登録前3年以内に日本国内において商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれかが請求に係る指定商品「電気かみそり、電気シェーバー、電気バリカン」について、本件商標を使用していたことを証明したものと認めることはできない。また、被請求人は、本件商標を使用していないことについて正当な理由があることも明らかにしていない。

したがって、本件商標は、商標法第50条の規定により、その指定商品中、第8類「電気かみそり,電気シェーバー,電気バリカン」についての登録を取り消すべきものである。

よって、結論のとおり審決する。

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