Trademark Appeal Case
おそうじ靴下の識別力
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 不服2015−16887(T2015−16887/J1) |
|---|---|
| 審判種別 | 不服 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
1 本願商標
本願商標は,「おそうじ靴下」の文字を標準文字で表してなり,第21類「清掃用具」を指定商品として,平成26年12月4日に登録出願されたものである。
2 原査定の拒絶の理由の要旨
原査定は,「本願商標は,『おそうじ靴下』の文字を標準文字で表してなるところ,『おそうじ』の語は,『清掃』と同じ意味であり,全体として『靴下として使用しつつ清掃する清掃用具』の意味合いを容易に認識させるから,本願商標をその指定商品中『靴下として使用しつつ清掃する清掃用具』に使用する場合には,単に商品の品質(内容)を表示するにすぎない。したがって,本願商標は,商標法第3条第1項第3号に該当し,前記商品以外の商品に使用するときは,商品の品質の誤認を生じさせるおそれがあるから,同法第4条第1項第16号に該当する。」旨,認定,判断し,本願を拒絶したものである。
3 当審における審尋
当審において,平成28年1月28日付けで,別掲の事実を示した上で,本願商標が商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当するものである旨の審尋を発し,期間を指定して,請求人に意見を述べる機会を与えた。
4 審尋に対する請求人の回答
前記3の審尋に対し,請求人は,平成28年3月7日付け回答書を提出し,要旨以下のように回答した。
(1)本願商標「おそうじ靴下」は,辞書等にも記載のない造語であるから,審尋にいう「靴下のような形状からなり,それを履いて使用するタイプの清掃用具」のような意味合いを有するものではない。
(2)「靴下」は,「清掃用具」と非類似の商品であるから,「靴下」の文字は清掃用具の品質,形状を表すものではない。したがって,「靴下」に「おそうじ」の文字を付した本願商標も,清掃用具の品質,形状を直接表示するものではない。
(3)審尋における各証拠は,いずれも明らかに「商標」であって,「清掃用具」の普通名称ではないし,本願商標とは明らかに別の商標であるから,これらの証拠と,本願商標が「清掃用具」の品質等を表示しているかどうかということは直接関係がない。
(4)本願商標は,例えば「靴下の形状を成すヘッド部」を有するほうきやモップ等に付して使用されても,あるいは,特に靴下形状を成すものではないごく一般的に販売されている清掃用具に付して使用されてもよいはずであり,必ずしも,審尋で認定した意味合いを認識するものではない。
5 当審の判断
(1)商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号について
本願商標は,「おそうじ靴下」の文字を標準文字で表してなるところ,その構成中「おそうじ」の文字は,「ごみやほこりをはいたりふいたりして取りのぞき,清潔にすること。」(株式会社岩波書店 広辞苑第六版)を意味する「そうじ」の語に,丁寧の意を表す接頭語である「お」を付したものである。
また,「靴下」の文字は,「靴を履く時などに足に直接はく衣料。」(前掲書)を意味する語であり,身体に着用するものの一つを表す語といえる。
そして,審尋において示した別掲(1)ないし(9)の証拠によれば,本願商標の指定商品を取り扱う業界においては,靴下,スリッパ,ルームブーツ等の履物型や手袋型の形状からなり,それを身に付けて使用するタイプ(履物型であれば足に履き,手袋型であれば手にはめて使用するタイプのもの)の清掃用具が広く販売されており,かつ,これらの商品を,「おそうじ(お掃除)」の語と,当該商品の形状を表す「靴下」,「スリッパ」又は「手袋」等の語とを組み合わせて,「おそうじ(お掃除)○○」(○○は履物や手袋等の名称をいう。以下同じ。)と称している事実が認められる。
そうすると,本願商標は,「おそうじ」の文字と履物型の一つである「靴下」の文字とを組み合わせてなるにすぎず,本願商標をその指定商品に使用するときは,これに接する需要者,取引者は,「靴下のような形状からなり,それを履いて使用するタイプの清掃用具」の意味合いを容易に理解,認識するものであって,商品の品質,形状を普通に用いられる方法で表したにすぎないものというのが相当であるから,自他商品識別標識を有しないものといわざるを得ない。
また,前記商品,すなわち「靴下のような形状からなり,それを履いて使用するタイプの清掃用具」以外の「清掃用具」に使用するときは,商品の品質について誤認を生じさせるおそれがあると判断するのが相当である。
したがって,本願商標は,商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当する。
(2)請求人の主張について
ア 請求人は,「本願商標『おそうじ靴下』は,辞書等にも記載のない造語であるから,審尋でいう『靴下のような形状からなり,それを履いて使用するタイプの清掃用具』のような意味合いを有するものではない。」旨主張する。
しかしながら,本願商標が商標法第3条第1項第3号に該当するか否かは,たとえ辞書等に掲載されていなくとも,本願商標の指定商品の需要者が,その指定商品の取引の実情から,本願商標をどのように認識するかにより決せられるべきものであるから,別掲のとおり,指定商品との関係において,履物型や手袋型の形状からなり,それを身に付けて使用するタイプの清掃用具が「おそうじ○○」と称されている事実があることからすれば,本願商標をその指定商品に使用する場合,これに接する需要者,取引者は,「靴下のような形状からなり,それを履いて使用するタイプの清掃用具」であること,すなわち商品の品質,形状を表したものと認識するというのが相当であることは,上記(1)で述べたとおりである。
したがって,請求人の上記主張は採用できない。
イ 請求人は,「『靴下』は,『清掃用具』と非類似の商品であるから,『靴下』の文字は清掃用具の品質,形状を表すものではない。したがって,『靴下』に『おそうじ』の文字を付した本願商標も,清掃用具の品質等を直接表示するものではない。」旨主張する。
しかしながら,上記(1)で述べたとおり,本願商標は,「靴下のような形状からなり,それを履いて使用するタイプの清掃用具」の意味合いを理解させるものであって,本願商標全体としてみた場合,「靴下」ではなく,「清掃用具」であることを認識させるものというのが相当であるから,「靴下」と「清掃用具」の商品が非類似であることが,本願商標についての商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号の判断を左右するものではない。
したがって,請求人の上記主張は採用できない。
ウ 請求人は,「審尋における各証拠は,いずれも明らかに『商標』であって,『清掃用具』の普通名称ではないし,本願商標とは明らかに別の商標であるから,これらの証拠と,本願商標が『清掃用具』の品質等を表示しているかどうかということは直接関係がない。」旨主張する。
しかしながら,審尋で通知した各証拠において「おそうじ○○」の文字が商標として使用されているとしても,当該各証拠によれば,履物型や手袋型の形状からなり,それを身に付けて使用するタイプの清掃用具が多く流通し,これを指称するものとして,複数の同業他社によって「おそうじ○○」の文字が使用されているのであるから,当該事実を踏まえれば,本願商標が,自他商品識別機能を有する商標として認識されるということはできない。
したがって,請求人の上記主張は採用できない。
エ 請求人は,「本願商標は,例えば『靴下の形状を成すヘッド部』を有するほうきやモップ等,あるいは,特に靴下形状ではないごく一般的な清掃用具に付して使用されてもよいはずであり,必ずしも,審尋で認定した意味合いを認識するものではない。」旨主張する。
しかしながら,上記(1)で述べたとおり,本願商標は,その指定商品における取引の実情からみて,「靴下のような形状からなり,それを履いて使用するタイプの清掃用具」の意味合いを認識させるものと認められるから,本願商標をかかる特性を有しない商品(清掃用具)に使用した場合には,商品の品質の誤認を生じさせるおそれがあることを否定できない。
したがって,請求人の上記主張は採用できない。
(3)まとめ
以上のとおり,本願商標は,商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当するものであるから,登録することができない。
よって,結論のとおり審決する。
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