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Trademark Appeal Case

微細な綴りの差と称呼類似

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号不服2015−16463(T2015−16463/J1)
審判種別不服
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

本件審判の請求は、成り立たない。

理由テキスト

1 本願商標

本願商標は、「ACCRIVA」の欧文字を書してなり、第10類「医療診断用機械器具,病院や診療所で用いる血液凝固物・血液ガス・電解質・コーオキシメトリー診断分析装置及びキュベット,病院で用いる診断用の血液検体を提供するための踵・指先穿刺用機械器具」を指定商品として、2013年(平成25年)8月15日にアメリカ合衆国においてした商標登録出願に基づきパリ条約第4条による優先権を主張して、平成26年2月17日に登録出願されたものである。

2 引用商標

原査定において、拒絶の理由に引用した国際登録第1143853号商標(以下「引用商標」という。)は、「ACRIVA」の欧文字を書してなり、2012年(平成24年)7月10日にスイス連邦においてした商標登録出願に基づいてパリ条約第4条による優先権を主張し、同年11月13日に国際商標登録出願、第10類「Hearing aids.」を指定商品として、平成25年8月2日に設定登録され、現に有効に存続しているものである。

3 当審の判断

(1)本願商標について

本願商標は、「ACCRIVA」の文字を書してなるところ、該文字は、辞書等に載録のない語であって、特定の意味合いを有しない造語と認められるものである。

そして、このように成語ではない、欧文字のつづりからなる商標は、我が国において広く親しまれている英語読みに倣って称呼されることが一般的であるから、本願商標は、その構成中「ACC」の文字部分は、「acclaim(アクレイム)」や「accredit(アクレジット)」の英語(株式会社三省堂「グランドセンチュリー英和辞典第2版」)の発音に倣って、「アク」と称呼する場合と、「apple(アップル)」や「mattress(マットレス)」のように子音が連続する場合の発音に倣って「アック」と称呼する場合があるものといえるから、本願商標からは、「アクリバ」又は「アックリバ」の称呼が生じるというのが相当である。

そして、本願商標は、辞書類に載録されている既成の語ではなく、特定の意味合いを有しない造語として理解されるものであるから、特定の観念を生じないものである。

(2)引用商標について

引用商標は、「ACRIVA」の文字を書してなるところ、その文字に相応して「アクリバ」の称呼が生じ、該文字は、辞書類に載録されている既成の語ではなく、特定の意味合いを有しない造語として理解されるものであるから、特定の観念を生じないものである。

(3)本願商標と引用商標の類否について

本願商標と引用商標は、それぞれ上記(1)及び(2)のとおりの構成からなるところ、外観においては、3文字目の「C」の文字の有無に差異を有するにすぎず、我が国の需要者が、6文字ないし7文字からなる外国語の綴りを、正確に記憶し、商取引の実際において、その違いを明確に看取し、判断するとはいい難く、両者は、外観において極めて近似し、相紛らわしい類似するものというのが相当である。

次に、称呼においては、本願商標と引用商標からは、それぞれ「アクリバ」の同一称呼が生じる。

また、本願商標から生じる「アックリバ」の称呼と、引用商標から生じる「アクリバ」の称呼とは、「ア」、「ク」、「リ」及び「バ」の音を共通にし、語頭の「ア」の音にともなう促音の有無に差異を有するところ、該差異音である促音は、それ自体が独立した1音として明確に発音され、かつ、聴取されるとはいえないものであるところ、その前音である語頭の「ア」の音が強く発音されるために、これに続く促音は、前音に吸収されて、明確には聴取され難い微弱音となるものである。

そうすると、該促音の有無が、称呼全体に及ぼす影響は決して大きいものとはいえず、両称呼をそれぞれ一連に称呼した場合には、全体としての語調、語感が近似し、互いに聞き誤るおそれがあると判断するのが相当である。

そして、観念においては、両商標からは、いずれも特定の観念が生じないものであるから、観念上、両者を比較することはできないものである。

してみれば、本願商標と引用商標とは、観念において比較できないとしても、外観において極めて近似し、称呼において同一又は類似するものであるから、これらを総合的に勘案してみれば、両商標は、類似の商標というのが相当である。

(4)本願商標と引用商標の指定商品の類否について

本願商標の指定商品は、前記1のとおりであり、その指定商品中「医療診断用機械器具」は、医療診断に用いる機械や器具を含む商品表示であると解され、「血圧計,体温計,聴力検査用器具」等が含まれるものと認められる。

他方、引用商標の指定商品は、前記2のとおり第10類「Hearing aids.」であり、これは「補聴器」と解されるものである(商品・サービス国際分類表第10−2015版「http://www.jpo.go.jp/cgi/link.cgi?url=/shiryou/kijun/kijun2/ruiji_kijun10.htm」第10類参照)。

そして、本願商標に係る指定商品中「医療診断用機械器具」に含まれる「血圧計,体温計,聴力検査用器具」と、引用商標に係る指定商品「補聴器」は、同一の企業で、製造及び販売されていることが、以下の事実からうかがい知ることができる。

ア「Panasonic」のウェブサイトにおいて、「美容・健康」の見出しの下、「血圧計、補聴器」が製造、販売されていることが紹介されている。

(http://panasonic.jp/products/wellness.html)

イ「リオン株式会社」のウェブサイトにおいて、「補聴器」とともに、「医療用検査機器」として、「オージオメータ」(聴力検査用器具)が製造、販売されていることが紹介されている。

(http://www.rion.co.jp/product/)

ウ「オムロン ヘルスケア株式会社」のウェブサイトにおいて、「商品情報」の見出しの下、「補聴器」とともに、「血圧計,体温計」等が販売されいる。

(http://www.healthcare.omron.co.jp/product/)

(http://www.healthcare.omron.co.jp/product/etc/)

エ「コルチトーン補聴器 株式会社」のウェブサイトにおいて、「会社概要」の見出しの見出しの下、「営業内容」の項に、「各種補聴器および補聴器付属品全般」の記載とともに、「聴力測定器」の記載がある。

(http://www.cortiton.com/company/)

オ「オーティコン補聴器」のウェブサイトにおいて、「会社概要」の見出しの下、「事業内容」の項に、「補聴器製造及び販売」の記載とともに、「聴力測定装置等の医療機器の輸入販売」の記載がある。

(http://www.oticon.co.jp/aboutus/japan/company)

してみれば、本願商標と引用商標の指定商品は、製造者及び販売者を共通にする場合があり、これらに、同一又は類似する商標が使用された場合には、同一の営業主に係るものであるかのごとく取引者、需要者に商品の出所について誤認、混同を生じさせるおそれがあるというべきであるから、本願商標と引用商標の指定商品は、類似の商品であるというのが相当である。

(5)請求人の主張

ア 請求人は、過去の審決例をあげて、本願商標と引用商標は、比較的短い文字構成であり、その促音の有無により、両者は相紛れるおそれはない、非類似の商標である旨、主張する。

しかしながら、請求人が挙げた称呼に関する審決例は、本願商標と引用商標から生じる称呼とは、その音構成を異にするものであるばかりか、指定商品を異にするものであり、本件の審理に資する適切な前例とはいえない。また、商標の類否の判断は、過去の審決例に拘束されることなく、対応する両商標の構成態様及びその指定商品との関係から個別かつ具体的に判断されるべきものである。

よって、該審決例により本願商標の認定、判断が左右されるものではないから、請求人の主張は採用することができない。

イ 請求人は、本願商標の指定商品は、もっぱら病院や診療所などにおける医療関係従事者によって使用され、医療用機械器具メーカーから直接又は販売代理店等を通じて販売されるものであるのに対し、引用商標の指定商品は、難聴者用に用いられるもので、製造業者は補聴器を専門に製造するものがほとんどであり、販売場所も眼鏡店や補聴器店などの専門販売店であって、需要者は一般消費者である。

よって、その需要者、取引者、流通経路、用途、販売場所等といった取引の実情に照らせば、競合するとみることは困難であり、互いの商標が使用された場合に、その商品が同一の営業主の製造又は販売にかかる商品であると誤認混同されるおそれはなく、両商品は類似するものではない旨、主張する。

しかしながら、本願の指定商品と引用商標の指定商品とが、同一企業により、製造、販売されている実情があり、同一又は類似する商標が、その指定商品に使用された場合には、同一の営業主に係るものであるかのごとく取引者、需要者に商品の出所について誤認、混同を生じさせるおそれがあること、前記(4)のとおりであるから、その主張を採用することができない。

(6)まとめ

以上のとおり、本願商標と引用商標は、類似の商標であり、かつ、本願商標の指定商品と引用商標の指定商品とは、類似するものである。

したがって、本願商標は、商標法第4条第1項第11号に該当し、登録することができない。

よって、結論のとおり審決する。

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