結論テキスト
本件登録異議の申立てに係るその余の指定商品についての商標登録を維持する。
Trademark Appeal Case
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
| 審判番号 | 異議2013−900050(T2013−900050/J7) |
|---|---|
| 審判種別 | 異議 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
本件登録第5536285号商標(以下「本件商標」という。)は、「CHIA SEED」の文字を標準文字で表してなり、平成24年6月1日に登録出願、第3類「化粧品,せっけん類,歯磨き,香料,薫料,香水類,香(化粧品として用いられるものを除く。)」を指定商品として、同年10月2日に登録査定、同年11月16日に設定登録されたものである。
登録異議申立人は、本件商標について、これをその指定商品中の「化粧品,香料,香水類」に使用するときは、単に商品の原材料、品質を表示した語と認識されるにすぎないものであるから、商標法第3条第1項第3号に該当し、上記商品以外の指定商品に使用するときは、その商品の品質について誤認を生じるおそれがあるから、同法第4条第1項第16号に該当するとして、その登録は取り消されるべきものである旨申し立て、証拠方法として甲第1号証ないし甲第13号証を提出した。
当審において、本件商標はその指定商品中の「化粧品,香水類」についての登録が商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に違反してされたものであるとして、商標権者に対して平成27年3月20日付けで通知した取消理由は、要旨次のとおりである。
(1)「CHIA SEED」又は「チアシード」の語について
ア 株式会社ラティーナのウェブサイトにおいて、「チアシードとは?」の項に、「チアシードとは、メキシコ南部が原産地といわれ、マヤ、アステカなどの先住民族が常食していた食材です。・・・チアには、マカと同じようにアミノ酸、ミネラル、ビタミンが豊富であって、何よりも必須脂肪酸であるαリノレン酸を20%以上含んでいます。」との記載がある(甲2)。
イ 健康大陸のウェブサイトの「チアシードの歴史」の項に、「チアシードは、他の穀物と混ぜたり、水に混ぜて飲料したり、小麦粉とブレンドしたりして消費していた。また、薬としても使用していた。同時に圧搾して油を搾り出し、身体や顔料の塗料として使っていた。」との記載がある(甲3)。
ウ Australiakara.comのウェブサイトの「チアシードの歴史」のタイトルの下、「1990年代、アメリカのあるNPOの活動がきっかけとなり、チアシードを大量生産しようという試みが行われました。結果的にこの試みは成功し、アメリカの番組でチアシードを取り上げるなど商業的にも成功を収めるに至りました。・・・2006年、日本ではテレビ番組でチアシードの持つ美肌効果、ダイエット効果が放送され、チアシードブームが起こりました。」との記載がある(甲1)。
エ 株式会社ラティーナのウェブサイトの「お知らせ」の項の「2007年3月06日」に、「今年で25回目を迎えた『健康博覧会2007』に出展します。オメガ3高含有無農薬『チアシード・オイル』等、新たな素材も展示します。3/28(水)〜30(金)東京ビッグサイト 東2ホール」との記載、「2007年06月29日」に「チアシードは、まさに『温故知新』21世紀の新しい健康食材です。・・・国際的に有名な米国人コラムニスト ジェイムズ・シェールの著書『チアシード 古代アステカからの贈り物』(定価1400円)を会員の皆様に1000円で領布しています。」との記載、「2007年12月7日」に「『NHK今日の料理ビギナーズ12月号』にチアシードオイルが掲載されました。」との記載、「2008年10月28日」に「ベネキシア・チアシードオイルなら10粒で1日に不足する摂取量が得られます。・・・その前にチアシードオイルソフトカプセルお試しパックご希望の方は、今すぐお電話かファックスでお申し込みください。」との記載、「2012年03月27日」に「チアシードオイルを値下げいたします。チアシードオイルがラティーナブランドとして生まれ変わりました。・・・厚生労働省がすすめる1日に必要なα―リノレン酸2gを、ラティーナチアシードオイルなら小さじ一杯で摂ることが出来ます。この機会に是非お試し下さい。」との記載、「2013年01月07日」に「雑誌GINGER2月号にチアシードが掲載された。弊社商品『チアシード』がGINGER2月号にNEXTブームとして掲載されました。」との記載がある(甲5)。
オ One love ORGANICSのウェブサイトにおいて、「CHIA SEED (チアシード)は、オメガ3脂肪酸、タンパク質、抗酸化物質、ビタミン及びミネラルが豊富であることから『スーパーフード』として再評価され受け入れられています。なお、かなり素晴らしい研究は、CHIA SEED OIL(チアシードオイル)の外用使用が皮膚保湿向上、敏感肌への負担の軽減及び皮膚バリア機能の向上につながっていると報告しています。・・・チアシードオイルは、その抗炎症性及び抗酸化特性において、近年化粧品業界の関心も引いています」旨の記載がある(甲7)。
カ Silicium laboratoriesのウェブサイトにおいて、「EL Dorado Oil(エルドラドオイル)、Orgonoチアシードオイル」の項目名の下、「我々のチアシードオイルは外用化粧品として使用され、自然の恵みそのものの60%オメガ3脂肪酸、ビタミン及び抗酸化物質が肌に天然で極上の栄養を与えます。ほかの化粧品にはない効率で肌に潤いを与えます。」との記載があり、さらに、「チアシードオイルは肌に栄養と潤いを与え、皮膚を再生します。注目に値するほど顔の肌を真の美しさに戻し、表情しわを和らげる効果があります。」との記載がある(甲8)。
キ CIBC Innovaのウェブサイトにおいて、「皮膚保護・美容・浄化用の原材料としても、完成品としても」の項目名の下、「皮膚の保湿・軟化・滋養・回復特性を有するこの貴重なオイルであるチアオイルは、肌の再生を促進します。・・・このオイルは、そのままでも、あるいは化粧品と混ぜても使用できます。」との記載がある(甲9)。
ク 「CHIANERGY」のウェブサイトにおいて、「原材料」の項目名の下、「美顔モイスチャークリーム」の項に「チアシード抽出エキス」、「洗顔クレンザー」の項に「チアシード」、「チアシャンプー」の項に「チアシード」、「チアリンス」の項に「チアシード」との記載がある(甲10)。
ケ Annmarie Goanni Skin Careのウェブサイトにおいて、「Benefits to the Skin」の項目名の下、「2010年に発表された調査(Ann Dermatol.)では、チアシードオイルが、末期腎疾患患者或いは糖尿病患者の非常に乾燥した敏感肌に効くかどうかが調査されました。・・・調査期間の終了時に研究者はチアシードオイルを使っていた全患者の皮膚の潤い及びかゆみの著しい改善を認めました。また、皮膚のバリア機能の改善及び水分含量を保ち続ける皮膚能力の向上にも気づきました。・・・チアシードオイルには、天然の抗炎症性を有するビタミンB3や、皮膚の脂生産を正し、ニキブの発生を抑える亜鉛もたっぷり含んでいます。・・・要するに、チアシードオイルの成分は、老化、環境汚染物質、紫外線ダメージを連想させるフリーラジカル(遊離基)によるダメージから皮膚を防ぐことに役立ちます。」旨の記載がある(甲11の3頁、4頁)。
コ 日本オーガニックコスメ協会のウェブサイトにおいて、「伝統的な美容植物について」の項目名の下、「日本でも植物の効用を利用した化粧品がありました。『紅皿』といわれる杯に赤い色素を塗った口紅は、婦人病を予防し、結構をよくするといわれて紅花が原料でした。」の記載があり、「天然の整肌成分」の項目名の下、「美容に役立つ植物は、世界各地で数多く伝えられており、それが現代の自然化粧品においておおいに活用されているのです。」の記載があり、「天然の油剤」の項目名の下、「植物オイルには、じつにさまざまな種類があり、そこに含まれる脂肪酸の種類やその割合によって、その性質も異なってきます。・・・植物油は、マッサージクリーム、洗顔料、バルサム、クリーム、乳液、シャンプーなどに使用されています。」との記載がある(甲12)。
サ 岩瀬コスファ株式会社の化粧品・原料データベースには、「検索結果一覧」として、植物油脂の使用用途として「口紅、化粧水、乳液、クリーム、シャンプー、リンス、洗顔料」等が、多数掲載されている(甲13)。
シ 日本アムウェイのウェブサイトにおいて、「アーティストリー『インテンシブーポロ』発売について」の見出しの下、「〈一度で肌は変われる。*ユニークな酵素を使った角質トリートメントパック〉インテンシブ−プロ リファイニングトリートメント アーティストリー 2011年2月24日発売」の記載があり、さらに「『リファイニングトリートメント』には、当社の栄養補給食品ブランド『ニュートリライト』の自社農場で有機栽培された、チアの種子から抽出したオイル(チアシードオイル)を配合しています。チアシードオイル(保湿成分:サルビアヒスパニカ種子油)は、肌のうるおい維持を助けることで知られている必須脂肪酸を豊富に含んでいます。」との記載がある。(http://prw.kyodonews.jp/opn/release/201101143892/)
ス Seesaa BLOGのウェブサイトにおいて、「スキンケアのやり方 徹底解説!」の見出しの下、「チアシードとは、ゴマのような小さな種子。その種子から抽出したのが、チアシードオイルです。 このチアシードオイル、まだまだ食用のイメージが強いですが、実はスキンケアに優れた植物オイルなんです!そもそも、スキンケアに使える天然植物系オイルには、オリーブやホホバ、グレープシードオイルなどがありますね。オイルでスキンケアするなら、これらで十分な気もします。ですが、他とちょっと違うのがチアシードオイル。チアシードオイルには、アルファリノレン酸という成分が豊富に含まれているんです。このアルファリノレン酸、主にアトピー症状の痒みを鎮めるのに有効と言われています。それだけでなく、ひどい乾燥肌や肌荒れの改善に非常に役立つんです。そのため、乾燥が激しい時期のスキンケアや、肌トラブルを改善したい時にぴったり!オイル独特の臭いもないので、安心して使えるオイルなんです。」との記載がある。(http://skincare1299.seesaa.net/article/379427265.html)
(2)以上によれば、「CHIA SEED」又は「チアシード」は、シソ科サルビア属ミントの一種であり、メキシコを中心とする南米で栽培される果実「チア」の種のことであって、日本では、2006年にテレビ番組で「CHIA SEED」(チアシード)の持つ美肌効果、ダイエット効果が放送され、その後、単行本の発行、料理雑誌や健康雑誌に掲載され、さらに東京ビッグサイトで開催された第25回「健康博覧会2007」にて、「チアシード・オイル」が展示されるなどして、日本においても「CHIA SEED」、「チアシード」が知られるようになってきたことが認められる。
そして、チアシードには、必須脂肪酸であるαリノレン酸を多く含んでいることから、サプリメントとして多数販売されているだけでなく、皮膚保湿向上、敏感肌への負担の軽減及び皮膚バリア機能の向上に役立つとされ、本願の指定商品における分野においても使用されていることが窺える。
本件商標は、前記第1のとおり、「CHIA SEED」の欧文字を標準文字で表してなるところ、「CHIA SEED」又はこれを片仮名読みした「チアシード」の語は、「シソ科サルビア属ミントの一種の果実チアの種」の意味を有し、必須脂肪酸であるαリノレン酸を多く含んでいることが認められる。
そして、「CHIA SEED(OIL)」、「チアシード(オイル)」は、前記1のとおり、商品「サプリメント」、「化粧品、香水」等の原材料として使用され、広く親しまれていることが認められる。
そうすると、本件商標は、これをその登録異議の申立てに係る指定商品中の「化粧品,香水類」に使用しても、これに接する需要者・取引者は、「チアシードを原材料とする商品」であることを認識させるにとどまり、単に商品の品質、原材料を表示したにすぎないものであるから、自他商品の識別標識としての機能を果たし得ないものであり、上記指定商品中、「チアシード以外を原材料とする商品」について使用するときは、商品の品質について誤認を生じさせるおそれがあるものといわざるを得ない。
したがって、本件商標は、その指定商品中「化粧品,香水類」について、商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当する。
商標権者は、前記第3の取消理由に対し、指定した期間内に何ら意見を述べていない。
本件商標について通知した前記第3の取消理由は、妥当なものと認められる。
したがって、本件商標は、その指定商品中、第3類「化粧品,香水類」について、商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に違反して登録されたものであるから、その登録は、同法第43条の3第2項の規定により取り消すべきものである。
しかし、本件登録異議の申立てに係るその余の指定商品については、取り消すべき理由がないから、その登録は同法第43条の3第4項の規定により維持すべきである。
よって、結論のとおり決定する。
Next Action
類似審決の追加調査から中間応答、新規出願の費用確認まで、この審決を起点に次のアクションへ進めます。
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