Trademark Appeal Case
称呼の類似性と要部抽出
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 異議2016−900020(T2016−900020/J7) |
|---|---|
| 審判種別 | 異議 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
1 本件商標
本件登録第5803505号商標(以下「本件商標」という。)は,別掲のとおりの構成からなり,平成27年4月22日に登録出願,第18類「皮革製包装用容器,かばん類,袋物,傘,ステッキ,つえ,つえ金具,つえの柄,カード入れ,がま口,キーケース,パス入れ,名刺入れ」を指定商品として,同年10月1日に登録査定,同月30日に設定登録されたものである。
2 引用商標
登録異議申立人(以下「申立人」という。)が本件登録異議の申立てに引用する国際登録第1125914号商標(以下「引用商標」という。)は,「MINT VELVET」の欧文字を書してなり,2012年3月15日に国際商標登録出願,第14類「Jewellery; precious stones; watches; costume jewellery.」,第18類「Articles of leather and imitations of leather; trunks and travelling bags; travel cases; luggage; suitcases; holdalls; portmanteaux; valises; bags; handbags; shoulder bags; toilet bags; carrier bags; rucksacks; backpacks; bum bags; sports bags; casual bags; briefcases; attache cases; music cases; satchels; beauty cases; carriers for suits, for shirts and for dresses; tie cases; notecases; document cases; wallets; purses; umbrellas; parasols; walking sticks; shooting sticks; parts and fittings for all the aforesaid goods.」,第25類「Clothing, footwear, headgear; belts.」及び第35類「Retail services, retail store services, mail order retail services and electronic or on-line retail services for jewellery, costume jewellery, trunks and travelling bags, travel cases, luggage, suitcases, hold-alls, portmanteaux, valises, bags, handbags, shoulder bags, toilet bags, carrier bags, rucksacks, backpacks, bum bags, sports bags, casual bags, briefcases, attache cases, music cases, satchels, beauty cases, carriers for suits, for shirts and for dresses, tie cases, notecases, notebook holders, document cases and holders, wallets, purses, umbrellas, parasols, walking sticks, shooting sticks, belts, clothing, footwear and headgear; advertising services; promotional services; information and advisory services all relating to the aforesaid services.」を指定商品及び指定役務として,平成25年6月10日に登録査定,同年7月26日に設定登録されたものである。
3 登録異議申立ての理由
(1)商標法第4条第1項第11号について
ア 本件商標
本件商標は,幾分図案化した欧文字で「MinT」と横書きしてなるものであるから,「ミント」の称呼を生じることが明白である。
イ 引用商標
引用商標は,欧文字で「MINT VELVET」と横書きしてなり,「MINT」と「VELVET」との間には略1文字分の空白が存在する,換言すれば「MINT」と「VELVET」とは略1文字分の空白をおいて離隔して表示されている。そして,欧文字「VELVET」は,本件商標及び引用商標の指定商品である旅行カバン及び袋物等の材料として広く一般に使用されているビロード,即ちパイル織物の一種,を意味する用語である。かような事実に鑑みれば,引用商標においては,特に「MINT」の文字が看者の注目を引き,文字「MINT」に起因して,「ミント」の称呼が生じると認められる。
したがって,本件商標と引用商標とは,称呼を同一とする類似の商標である。
ウ 本件商標の指定商品と引用商標の指定商品との比較
引用商標の指定商品おける「articles of leather and imitations of leather; trunks and travelling bags」の参考訳は「革製品及び人工皮革製品,トランク及び旅行かばん」であり,「umbrellas」の参考訳は「傘」であり,「walking sticks」の参考訳は「つえ」である。
したがって,本件商標の指定商品と引用商標の指定商品とが同一又は類似ものである。
(2)まとめ
以上のとおり,本件商標は,引用商標と類似のものであり,引用商標の指定商品と同一又は類似の指定商品に使用するものであるから,本件商標の登録は商標法第4条第1項第11号に違反してされたものである。
4 当審の判断
(1)商標法第4条第1項第11号該当性について
ア 本件商標について
本件商標は,別掲のとおり,やや太めの図案化した「MinT」の欧文字を横書きしてなるところ,その末尾が大文字の「T」であることから,これは,「Min」の欧文字と「T」の欧文字とを結合してなるものと認識されるものである。
そうすると,本件商標からは,その構成文字に相応して,「ミンティー」又は「ミント」の称呼が生じるものである。また,「MinT」の文字は,特定の意味合いを有しない一種の造語として把握されるものであって,特定の観念は生じないというのが相当である。
イ 引用商標について
引用商標は,前記2のとおり,「MINT VELVET」の欧文字を横書きしてなるところ,その構成中の「VELVET」の文字は,外来語である「ビロード」に通じる英語であり,「ビロード」は,「もと西洋から舶来したパイル織物の一つ。経または緯に針金を織り込み,織り上げたあと抜き取るとき,輪奈を切り放って毛を立たせたもの。絹製のを本天・本ビロードといい,毛房がやや長くて光沢に富み,ショール・マント・袋物などに用いるのをシール天という。ベルベット。」(広辞苑第六版)の意味を有するものである。
また,「ベルベット」について,「ベルベット(英:velvet)は,平織か綾織の経糸にパイルを織り出したパイル織物の一種である。ビロードや天鵞絨(てんがじゅう),とも呼ばれる。柔らかで上品な手触りと深い光沢感が特長で,フォーマル・ドレスやカーテンに用いられる。レーヨンやシルクが一般的。」(フリー百科事典ウィキペディア)の記載がある。
これらによれば,「Velvet」(ベルベット=ビロード)は,レーヨンやシルクで織って毛を立てた柔らかな織物であって,ショール,マント,袋物,フォーマル・ドレスやカーテンに用いられるものである。
なお,申立人は,「VELVET」は,本件商標及び引用商標の指定商品である「旅行カバン及び袋物等」の材料として広く一般に使用されている「ビロード」を意味する旨主張しているが,その主張を立証する証拠は提出されていない。そして,「旅行カバン」の主な材料は革やズック(「かばん」の語について,「革またはズックなどで作り,中に物を入れる携帯用具。」(広辞苑第六版))であることから,「Velvet」(ベルベット=ビロード)は「旅行カバン及び袋物」の原材料とはいえないから,この点についての申立人の主張は採用することはできない。
そうすると,引用商標の構成中の「VELVET」の語は,第18類の指定商品及び第35類の指定役務との関係において,自他商品又は自他役務の識別標識としての機能を有さない語であるとはいえず,引用商標は,全体が一体のものとして把握される一種の造語よりなるものであって,これからは「ミントベルベット」の一連の称呼のみが生じ,特定の観念は生じないというのが相当である。
ウ 本件商標と引用商標との類否について
本件商標と引用商標とは,その構成文字の差異により,外観上互いに紛れるおそれはないものである。
また,本件商標から生じる「ミンティー」又は「ミント」の称呼と引用商標から生じる「ミントベルベット」の称呼とは,構成音及び構成音数に明らな差異を有するものであるから,全体の語調,語感が相違し,明瞭に聴別し得るものである。
さらに,本件商標と引用商標は,いずれも特定の観念を生じないものであるから,観念上,両商標を比較することはできず,観念において相紛れるおそれのないものである。
してみれば,本件商標と引用商標とは,外観,称呼及び観念のいずれの点においても相紛れるおそれのない非類似の商標というべきものである。
エ 小括
したがって,本件商標の指定商品が,引用商標の第18類の指定商品及び第35類の指定役務と同一又は類似する関係にあるとしても,本件商標と引用商標とは,非類似の商標であるから,本件商標は,商標法第4条第1項第11号に該当しない。
(2)まとめ
以上のとおり,本件商標の登録は,商標法第4条第1項第11号に違反してされたものではないから,同法第43条の3第4項の規定に基づき,維持すべきものである。
よって,結論のとおり決定する。
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