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Trademark Appeal Case

記述的商標の識別力

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号不服2016−2322(T2016−2322/J1)
審判種別不服
結論勝訴(請求認容)

結論テキスト

原査定を取り消す。
本願商標は、登録すべきものとする。

理由テキスト

第1 本願商標

本願商標は、「ディープセラム」の片仮名を標準文字で表してなり、第3類に属する願書記載のとおりの商品を指定商品として、平成27年3月12日に登録出願、その後、指定商品については、当審における同28年2月16日受付の手続補正書により、第3類「爪補修用化粧品」と補正されたものである。

第2 原査定の拒絶の理由

原査定は、以下の1及び2のとおり、本願商標は、商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号並びに同法第4条第1項第11号に該当する旨認定、判断し、本願を拒絶したものである。

1 本願商標は、「深い、深くまで達する」等の意味を有する英語「deep」に由来のカタカナ語と認められる「ディープ」の文字と、「血清、乳清」等を意味する英語「serum」に由来のカタカナ語であって、本願の指定商品である化粧品分野では、商品「美容液」を表す語として普通に使用され、認識されている「セラム」の文字とを一連に「ディープセラム」と書してなるものであり、その結び付きからは、指定商品との関係で「(肌や髪などの内部に)深く浸透する美容液」程の意味合いを容易に認識させるものであるから、これをその指定商品中「美容液」に使用しても、単に商品の品質、効能を表示するにすぎない。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当し、前記商品以外の商品に使用するときは、商品の品質の誤認を生じさせるおそれがあり、商標法第4条第1項第16号に該当する。

2 本願商標は、以下の(1)ないし(3)の登録商標と同一又は類似の商標であり、同一又は類似の商品に使用をするものであるから、商標法第4条第1項第11号に該当する。

(1)登録第4768767号商標(以下「引用商標1」という。)は、「NOEVIR DEEPSERUM」の欧文字と「ノエビア ディープセラム」の片仮名を2段に横書きしてなり、平成15年8月28日に登録出願、第3類「美容液」を指定商品として、同16年4月30日に設定登録され、現に有効に存続しているものである。

(2)登録第4805150号商標(以下「引用商標2」という。)は、「NHFディープセラム」の文字を標準文字で表してなり、平成16年1月5日に登録出願、第3類「美容液」を指定商品として、同年9月24日に設定登録され、現に有効に存続しているものである。

(3)登録第4962524号商標(以下「引用商標3」という。)は、「PRO−TAKE」及び「HAIR DEEP SERUM」の欧文字を2段に横書きしてなり、平成17年5月24日に登録出願、第3類「頭髪用美容液」を指定商品として、同18年6月23日に設定登録されたものである。

第3 当審の判断

1 商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号該当性について

本願商標は、「ディープセラム」の片仮名を標準文字で表してなるところ、その構成中の「ディープ」の文字は、「深い」等を意味する英語「deep」を片仮名で表記したものであり、「セラム」の文字は、「血清」等の意味を有する英語「serum」を片仮名で表記したものであり、該語は、商品「美容液」において、他の語を伴い「○○セラム」等と使用されている実情がある。

そして、その構成中「ディープ」の文字部分は、肌用又は髪用の化粧品との関係で、「深く浸透する」ほどの意味合いを暗示させるものとして使用されている事実は見受けられるものの、本願の指定商品「爪補修用化粧品」との関係において、該語が当該意味合いを表示するものとして一般に使用されている事実を見いだすことはできない。

そうすると、本願商標は、これをその指定商品中の「爪補修用美容液」に使用しても、「深い美容液」ほどの意味合いを連想させることはあり得るとしても、該意味合いが商品の品質等を直接的かつ具体的に表示するものとはいい難いものである。

したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当しないし、また、商品の品質を表示するものとはいえないことから、その指定商品中の「爪補修用美容液」以外の商品に使用しても、商品の品質の誤認を生ずるおそれはないものであり、同法第4条第1項第16号に該当しない。

2 商標法第4条第1項第11号について

(1)本願商標と引用商標1及び2との関係について

ア 本願商標について

本願商標は、「ディープセラム」の片仮名を横書きしてなるところ、その構成文字に相応して「ディープセラム」の称呼を生じ、「深い美容液」ほどの観念を生じるものである。

イ 引用商標1について

引用商標1は、「NOEVIR DEEPSERUM」の欧文字と「ノエビア ディープセラム」の片仮名を2段に横書きしてなり、下段の片仮名は上段の欧文字の読みを表したものであると認識されるものである。

そして、引用商標1は、「NOEVIR」と「DEEPSERUM」の欧文字及び「ノエビア」と「ディープセラム」の片仮名の間にわずかながら間隔を有するものであるが、その構成はまとまりよく一体に表されているものであり、該文字に相応して生じる「ノエビアディープセラム」の称呼もさほど冗長ではなく、よどみなく一連に称呼し得るものである。

そうすると、引用商標1は、構成全体をもって特定の意味を生じない造語からなる商標とみるのが相当であり、特定の観念は生じない。

ウ 引用商標2について

引用商標2は、「NHFディープセラム」の文字を横書きしてなるところ、その構成はまとまりよく一体に表されているものであり、該文字に相応して生じる「エヌエイチエフディープセラム」の称呼はやや冗長ではあるものの、無理なく一連に称呼し得るものである。

そうすると、引用商標2は、構成全体をもって特定の意味を生じない造語からなる商標とみるのが相当であり、特定の観念は生じない。

エ 本願商標と引用商標1及び2との類否について

(ア)外観

本願商標は、「ディープセラム」の片仮名を横書きしてなるものであるのに対し、引用商標1は、「NOEVIR DEEPSERUM」の欧文字と「ノエビア ディープセラム」の片仮名を2段に横書きしてなるものであり、引用商標2は、「NHFディープセラム」の文字を横書きしてなるものであるから、本願商標と引用商標1及び2とは、それぞれ外観上明らかに相違するものであり、外観において相紛れるおそれはない。

(イ)称呼

本願商標は、「ディープセラム」の称呼を生じるのに対し、引用商標1は、「ノエビアディープセラム」の称呼、引用商標2は、「エヌエイチエフディープセラム」の称呼を生じるものであるから、本願商標の称呼と引用商標1及び2の称呼とは、その音数及び音構成が異なるものである。

そうすると、両称呼をそれぞれ一連に称呼するときは、明瞭に聴別し得るものであるから、称呼において相紛れるおそれはないものである。

(ウ)観念

本願商標は、「深い美容液」の観念を生じるのに対し、引用商標1及び2は、特定の観念を生じるものではないことから、観念において相紛れるおそれはないものである。

(エ)小括

上記(ア)ないし(ウ)のとおり、本願商標と引用商標1及び2とは、外観、称呼及び観念のいずれにおいても相紛れるおそれのない非類似の商標といわなければならない。

オ まとめ

以上のとおり、本願商標は、引用商標1及び2と非類似の商標であるから、商標法第4条第1項第11号に該当しない。

(2)本願商標と引用商標3との関係について

引用商標3の商標権は、商標登録原簿の記載によれば、商標登録を取り消すべき旨の審決が確定し、その確定審決の登録が平成28年8月4日にされているものである。

したがって、引用商標3との関係で、本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するとして本願を拒絶した原査定の拒絶の理由は解消した。

3 むすび

以上のとおりであるから、本願商標は、商標法第3条第1項第3号、同法第4条第1項第11号及び同項第16号に該当しない。

その他、本願について拒絶の理由を発見しない。

よって、結論のとおり審決する。

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