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Trademark Appeal Case

商標の類似性と先願権

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号異議2014−900293(T2014−900293/J7)
審判種別異議
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

登録第5685243号商標の指定商品及び指定役務中、第9類「電子書籍リーダー,スマートフォン,タブレット型コンピュータ,携帯電話機・携帯情報端末用のアプリケーションソフトウェア,電子計算機用プログラム,電子応用機械器具及びその部品,電気通信機械器具,家庭用テレビゲーム機用プログラム,携帯用液晶画面ゲーム機用のプログラムを記憶させた電子回路及びCD−ROM,電子出版物」、第35類「全指定役務」及び第38類「全指定役務」についての商標登録を取り消す。
本件登録異議の申立てに係るその余の指定商品及び指定役務についての商標登録を維持する。

理由テキスト

第1 本件商標

本件登録第5685243号商標(以下「本件商標」という。)は、「IN READ」の欧文字を標準文字で表してなり、平成26年2月10日に登録出願、第9類、第35類、第38類及び第42類に属する別掲1に記載のとおりの商品及び役務を指定商品又は指定役務として、同26年6月12日に登録査定、同年7月11日に設定登録されたものである。

第2 引用商標

登録異議申立人(以下「申立人」という。)の引用する 国際登録第1208990号商標(以下「引用商標」という。)は、「inRead」の欧文字を横書きしてなり、2013年(平成25年)10月10日にFranceにおいてした商標登録出願に基づきパリ条約第4条による優先権を主張し、2014年3月6日に国際商標登録出願され、第35類、第38類及び第41類に属する別掲2に記載のとおりの役務を指定役務として、平成27年11月13日に設定登録されたものである。

第3 登録異議の申立ての理由

申立人は、本件商標は商標法第43条の2第1号によりその登録が取り消されるべきであると申立て、その理由を要旨次のように述べ、証拠方法として甲第1号証ないし甲第6号証を提出した。

1 商標法第8条第1項について

本件商標は、引用商標との関係において、同一又は類似の商品又は役務について使用する同一又は類似の商標について異なった日に二以上の商標登録出願があったときは、最先の商標登録出願人のみがその商標について商標登録を受けることができる旨を定めた商標法第8条第1項に違反して登録された商標であるため、その登録は取り消されるべきものである。

2 商標法第4条第1項第10号について

本件商標は、本件商標の登録出願時及び登録査定時において周知であった申立人の使用する引用商標と類似する商標であって、指定商品・役務も類似するものである。

したがって、本件商標は、申立人の業務に係る広告業等についての商標と抵触するため、商標法第4条第1項第10号に違反して登録されたものであり、その登録は取り消されるべきである。

3 商標法第4条第1項第15号について

本件商標は、本件商標の登録出願時及び登録査定時において周知・著名性を獲得していた申立人の使用する引用商標と類似する商標であり、引用商標と類似する本件商標がその指定商品・役務に使用された場合には、あたかも申立人と関連する企業の業務に係る商品又は役務であるかのごとく誤って認識されるおそれがある。

したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に違反して登録されたものであり、その登録は取り消されるべきである。

4 商標法第4条第1項第19号について

申立人の周知商標と類似する本件商標は、不正の目的をもって出願されたものである。

したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第19号に違反して登録されたものであり、その登録は取り消されるべきである。

5 結語

以上のとおり、本件商標は、商標法第8条第1項の規定並びに同法第4条第1項第10号、同項第15号及び同項第19号に違反して登録されたものであり、同法第43条の2に該当するものであるから、その登録は取り消されるべきものである。

第4 本件商標に対する取消理由

当審において、平成27年12月7日付けで商標権者に対し通知した取消理由は、要旨次のとおりである。

1 本件商標の商標法第8条第1項該当性について

(1)先後願関係について

本件商標は、前記第1のとおり、平成26年2月10日に登録出願されたものである。

他方、引用商標は、前記第2のとおり、平成25年(2013年)10月10日にFranceにおいてした商標登録出願に基づきパリ条約第4条による優先権を主張し、同26年(2014年)3月6日に国際商標登録出願されたものである。

そうすると、本件商標に係る出願人は、商標法第8条第1項に規定する「最先の商標登録出願人」ということはできないものである。

(2)本件商標と引用商標との類否について

本件商標は、「IN READ」の欧文字を標準文字で表したものであるところ、その構成中の「IN」の文字と「READ」の文字は、一文字分のスペースを介して、同じ書体、同じ大きさでまとまりよく一体的に表されており、これより生じる「インリード」の称呼もよどみなく一連に称呼し得るものである。してみれば、本件商標は、特定の語義を有しない一体の語句として認識、把握されるものであり、その構成文字に相応して「インリード」の称呼を生じ、特定の観念を生じないものである。

他方、引用商標は、「inRead」の欧文字を横書きしてなるところ、その各文字は、同じ書体、同じ大きさ、等間隔で、まとまりよく一体的な構成からなり、該文字全体としても辞書類に載録はないものであって、特定の意味を有する語として知られたものではないから造語と認められるものである。してみれば、引用商標は、その構成文字に相応して「インリード」の称呼を生じ、特定の観念を生じないものである。

そこで、本件商標と引用商標とを比較するに、両者は、共に欧文字からなるものであるところ、大文字のみの構成からなるか、大文字と小文字とからなるものであるかの差異はあるものの、同一のつづりからなるものであるから、外観上、酷似しているものである。

次に、称呼についてみるに、両者は、「インリード」の称呼を共通にするものである。

また、観念については、両者がいずれも特定の観念を生じないから比較することはできない。

そうとすれば、本件商標と引用商標とは、観念において比較することができないとしても、外観において酷似し、「インリード」の称呼を共通にするものであるから、両者は、互いに紛らわしい類似の商標ということができる。

(3)本件商標の指定商品及び指定役務と引用商標の指定役務との類否について

本件商標の指定商品及び指定役務と引用商標の指定役務とは、以下の指定商品又は指定役務について、同一又は類似の商品又は役務である。

ア 本件商標の指定商品中、第9類「電子書籍リーダー,スマートフォン,タブレット型コンピュータ,携帯電話機・携帯情報端末用のアプリケーションソフトウェア,電子計算機用プログラム,電子応用機械器具及びその部品,電気通信機械器具,家庭用テレビゲーム機用プログラム,携帯用液晶画面ゲーム機用のプログラムを記憶させた電子回路及びCD−ROM」と引用商標の指定役務中、第35類「online retail services for repairing fixing machines and apparatus for motor vehicles, sheets [textile], clothing, bags of leather, electronic apparatus, hi-fi apparatus and television, communication apparatus, automobile parts, games, toys, sports articles and leisure wear. 」。

イ 本件商標の指定商品中、第9類「電子出版物」と引用商標の指定役務中、第41類「providing online electronic publications (not downloadable). 」。

ウ 本件商標の指定役務中、第35類「全指定役務」と引用商標の指定役務中、第35類「Advertising; business management; business administration; dissemination of advertising material (leaflets, prospectuses, printed matter, samples); business management and organization consultancy; computerized file management; organization of exhibitions for commercial or advertising purposes; on-line advertising on a computer network; rental of advertising time on all communication media; publication of advertising texts; rental of advertising space; dissemination of advertisements; public relations; sales promotion for the products of others; commercial interfacing between goods and service suppliers and providers and individual or professional clients, including services relating to price comparisons, critiques of goods and services promoted, consumer advice on goods and services promoted, sales promotion for others in the form of links to the web sites of others and information on goods and services promoted; procurement for others of utility goods and convenience goods including items for equipping, maintaining and repairing vehicles, textile products, clothing, leather goods, electronic apparatus, hi-fi and television apparatus, communication apparatus, products for cars, games, toys, sports and leisure items; price comparison services; brokerage of commercial contacts; business brokerage for others; brokerage of contracts for others on the purchase and sale of goods; brokerage of contracts for others for the provision of services; consumer information and advice; demonstration of products; dissemination of product samples for advertising purposes; market study; market research; opinion polling. 」。

エ 本件商標の指定役務中、第38類「全指定役務」と引用商標の指定役務中、第38類「全指定役務」。

(4)小括

以上のとおり、本件商標の登録は、その指定商品及び指定役務中、第9類「電子書籍リーダー,スマートフォン,タブレット型コンピュータ,携帯電話機・携帯情報端末用のアプリケーションソフトウェア,電子計算機用プログラム,電子応用機械器具及びその部品,電気通信機械器具,家庭用テレビゲーム機用プログラム,携帯用液晶画面ゲーム機用のプログラムを記憶させた電子回路及びCD−ROM,電子出版物」、第35類「全指定役務」及び第38類「全指定役務」について,商標法第8条第1項の規定に違反してされたものである。

2 まとめ

上記1のとおり、本件に係る商標登録は、その指定商品及び指定役務中、上記1(4)に記載のとおりの商品及び役務について、商標法第43条の3第2項の規定に基づいて、取り消すべきものである。

第5 商標権者の意見

前記第4のとおり取消理由を通知し、期間を指定して意見書を提出する機会を与えたが、商標権者からは何らの応答もない。

第6 当審の判断

1 本件商標の商標法第8条第1項該当性について

本件商標についてした前記第4の取消理由は、妥当なものと認められる。

したがって、本件商標の登録は、その指定商品及び指定役務中「結論掲記の指定商品及び指定役務」について、商標法第8条第1項の規定に違反してされたものである。

2 本件商標の商標法第4条第1項第10号、同項第15号及び同項第19号の該当性について

申立人は、引用商標が周知・著名である旨主張して、甲第5号証及び甲第6号証を提出しているが、これらは、申立人のホームページの一部を紙打ち出ししたもの(甲5)、引用商標の使用態様を示すインターネット情報とする紙打ち出ししたもの(甲6)のみである。

そうすると、上記証拠からは、引用商標に係る商品又は役務が申立人により外国において提供されていることは認められるが、これらをもって、引用商標が、本件商標の登録出願時及び登録査定時において、申立人又は同人の業務に係る役務を表示するものとして、日本国内及び外国における需要者の間に広く認識されていたとはいい難い。

してみれば、本件商標は、その指定商品及び指定役務中、上記1により商標法第8条第1項の規定に違反して登録されたと認定する「結論掲記の指定商品及び指定役務」以外の指定商品及び指定役務について、商標法第4条第1項第10号、同項第15号及び同項第19号に違反して登録されたものということはできない。

3 結び

以上によれば、本件商標は、その指定商品及び指定役務中「結論掲記の指定商品及び指定役務」について、商標法第8条第1項の規定に該当するから、同法第43条の3第2項の規定により、その登録を取り消し、その余の指定商品及び指定役務については、同法第8条第1項の規定並びに同法第4条第1項第10号、同項第15号及び同項第19号に違反して登録されたものではないから、商標法第43条の3第4項の規定により、その登録を維持すべきものである。

よって、結論のとおり決定する。

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