Trademark Appeal Case
図形商標の外観類似性
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 異議2016−900021(T2016−900021/J7) |
|---|---|
| 審判種別 | 異議 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
第1 本件商標
本件登録第5802944号商標(以下「本件商標」という。)は,別掲1のとおりの構成よりなり,平成27年5月29日に登録出願され,第14類に属する商標登録原簿に記載の商品を指定商品として,同年10月15日に登録査定,同月30日に設定登録されたものである。
第2 引用商標
登録異議申立人(以下「申立人」という。)が,登録異議の申立ての理由として引用する登録第5223604商標(以下「引用商標」という。)は,別掲2のとおりの構成からなり,平成19年10月17日に登録出願され,第3類,第4類,第9類,第14類,第18類,第20類,第25類及び第35類に属する商標登録原簿に記載の商品及び役務を指定商品及び指定役務として,同21年4月17日に設定登録されたものであり,現に有効に存続しているものである。
第3 登録異議の申立ての理由
申立人は,本件商標は,商標法第4条第1項第11号に該当するものであるから,同法第43条の2第1号によって取り消されるべきものである旨申し立て,証拠方法として,甲第1号証及び甲第2号証を提出した。
1 商標法第4条第1項第11号について
本件商標は,十文字状の図形部分と欧文字部分とからなるものであるが,前記図形部分が上部に顕著に示されていることから欧文字部分と不可分的に結合しているとはいい難く,図形部分のみが独立して商品の出所識別標識として認識されるべきものである。当該図形部分は,十文字の中心にほぼ円状の図形を配し,そこから上下左右の四方向に,先端に2つの切り込みのある幅広の帯状図形とその両側に配した細い棒状図形とを,先端がやや開いた構成となるよう突出させてなるものである。
他方,引用商標は,同じく十文字状の図形からなるものであり,本件商標と同様に,十文字状の図形の中心に円を配し,そこから上下左右の四方向に,ほぼ同幅の4片の図形を先端に2つの切り込みを有し,かつ先端が広がった形状となるように突出させてなるものである。
すなわち,本件商標と引用商標における図形はいずれも,中央の円(状)部分から上下左右の四方向に3ないし4片の図形を,先端に2つの切り込みを有し,かつ先端が広がった形状となるように突出させてなるものであって,その構成からも,両商標は外観上,類似するものである。
そして,本件商標と引用商標の指定商品は,同一又は類似するものである。
したがって,本件商標は,商標法第4条第1項第11号の規定に違反して登録されたものである。
2 結び
以上のとおり,本件商標は,引用商標と類似のものであり,また,その指定商品も,同一又は類似のものである。
したがって,本件商標は,商標法第4条第1項第11号に違反して登録されたものであるから,商標法第43条の2第1号の規定により取り消されるべきものである。
第4 当審の判断
1 商標法第4条第1項第11号該当性について
(1)本件商標について
本件商標は,別掲1のとおり,中心に角の丸い白抜きの正方形を配し,その上下左右に,先端に山形の切り込みのある幅広の帯状図形とその両側に先太の細長い棒状図形からなる3片の直線的な黒色の図形を配した図形部分と「VAN ST.CHEVALIER」の文字部分からなるものであるから,その構成中の図形部分と文字部分とは,外観上,分離して看取されるものといえる。そして,本件商標の図形部分は,特定の既成観念を有する事物を表したものとはいえないから,特定の称呼及び観念を生じないものであり,また,本件商標の文字部分は,その構成文字に相応して「バンセイントシュバリエ」の称呼を生じ,特定の観念を生じないものと認められる。
そうすると,本件商標を構成する図形部分と文字部分とは,外観上,分離して観察されるものであり,両者に称呼及び観念上の結びつきはないことから,本件商標は,その構成中の図形部分と文字部分は,それぞれが,独立して自他商品の識別力を有するものとみるのが相当である。
(2)引用商標について
引用商標は,別掲2のとおり,中心に配した白抜きの円図形から上下左右に,白抜きのほぼ同幅の4片の図形をその全体の先端をゆるやかな曲線により山形に表した図形を配した構成よりなるものであり,特定の既成観念を有する事物を表したものとはいえないから,特定の称呼及び観念を生じないものと認められる。
(3)本件商標と引用商標の類否について
本件商標の図形部分と引用商標とは,上記(1)及び(2)のとおり,両者の構成中に上下左右に配した周辺の図形については,本件商標は3片の直線的な黒色の図形であるのに対して,引用商標は全体としてゆるやかな曲線で表された4片の白抜きの図形であり,また,両者の中心に配した図形については,本件商標は中心に配した図形と周辺の図形とが間隔を有することから,中心に配した図形が角の丸い白抜きの正方形であることが明確に看取されるものであるのに対して,引用商標は,中心に配した図形が円図形であって,その周辺の図形と一体的に描かれているものであることからすれば,両者は,全体としての構図及び表現が明らかに相違するものというべきであって,これらから受ける印象を全く異にするものであるから,本件商標の図形部分と引用商標とは,時と所を別にして離隔的に観察した場合においても相紛れるおそれはなく,外観上判然と区別し得るものというのが相当である。
さらに,本件商標の図形部分と引用商標とは,いずれも特定の称呼及び観念を生じないから,両者は,比較することができない。
してみれば,本件商標の図形部分と引用商標は,その外観,称呼及び観念のいずれの点においても互いに紛れるおそれのない非類似の商標である。
本件商標の文字部分と引用商標とは,上記(1)及び(2)のとおり,前者が欧文字からなり,後者が上記のとおりの図形であるから,外観上,明らかに相違する。また,本件商標の文字部分は,上記(1)のとおり,「バンセイントシュバリエ」の称呼を生じ,特定の観念を生じないものであり,引用商標は,上記(2)のとおり,特定の称呼及び観念を生じないものであるから,称呼及び観念において紛れるおそれはない。
してみれば,本件商標の文字部分と引用商標とは,その外観,称呼及び観念のいずれの点においても互いに紛れるおそれのない非類似の商標である。
したがって,本件商標は,商標法第4条第1項第11号に該当しない。
2 むすび
以上のとおり,本件商標の登録は,商標法第4条第1項第11号に違反してされたものとはいえないから,同法第43条の3第4項の規定により,維持すべきである。
よって,結論のとおり決定する。
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