Trademark Appeal Case
「なんでも110番」の識別力
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 不服2016−5862(T2016−5862/J1) |
|---|---|
| 審判種別 | 不服 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
1 本願商標
本願商標は、「なんでも110番」の文字を標準文字で表してなり、第35類、第44類及び第45類に属する願書記載のとおりの役務を指定役務として、平成27年6月24日に登録出願、その後、指定役務については、原審における同年11月30日受付及び当審における同28年4月20日受付の手続補正書により、第35類に属する別掲のとおりの指定役務とされたものである。
2 原査定の拒絶の理由の要点
原査定は、「本願商標は、『なんでも110番』の文字を普通に書してなり、その構成中の『なんでも』の文字部分は、『どういう物事でも。』の意味の語として広く使用されており、『110番』の文字は、『警察に事件などを通報する時の電話番号。警察緊急通報用電話。比喩的に、電話での相談・要請に応ずる組織を表す接尾語としても使う。』等の意味を有する語であるから、全体として、『なんでも電話で相談・要請に応ずる』程の意味合いを認識、理解させるにすぎない。そうすると、本願商標を本願の指定役務に使用しても、これに接する者は、単に、提供される役務に対しなんでも相談出来る者程度を認識するにとどまり、結局、需要者が何人かの業務に係る役務であることを認識することができないものと認められる。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第6号に該当する。」旨、認定、判断した。
3 当審の判断
(1)商標法第3条第1第6号に係る拒絶の理由について
本願商標は、「なんでも110番」の文字からなるところ、その構成中、「なんでも」の文字は、「どういう物事でも。」の意味を有する語であり、「110番」の文字は、「警察緊急通報用電話。比喩的に、電話での相談・要請に応ずる組織を表す接尾語としても使う。」等の意味を有する語(いずれも「株式会社岩波書店」広辞苑第六版」)であるところ、本願商標の「なんでも110番」の文字全体からは、「どういう物事にも対応する電話相談・電話要請に応ずる組織」程の意味合いを容易に看取し得るものである。
そして、該「なんでも110番」の文字が、一般にごく親しまれて使用されていることは、原審で示した新聞記事情報のほか、以下に示すインターネット情報からも裏付けられる。
「なんでも110番」の使用例について
<インターネット情報>
ア「公益社団法人日本消費生活アドバイザー・コンサルタント・相談員協会」のウェブサイトにおいて、「消費生活相談」の見出しの下、「ウィークエンドテレホン関西分室では毎週土曜日に、消費者からの電話相談を受けています。また年1回消費者にとって問題の多いテーマについて『なんでも110番』を行っています。」の記載がある。
(http://www.nacs-west.jp/syohiseikatsu/index.html)
イ「第一東京弁護士会」のウェブサイトにおいて、「公害・環境なんでも110番」の見出しの下、「公害や環境に関して、無料相談を行っています。/騒音・振動・悪臭などは、身近な生活環境のトラブルですが、解決が容易ではありません。そこで、このような公害や環境に関する相談について、弁護士が電話で無料相談を行っています。」の記載がある。
(http://www.ichiben.or.jp/soudan/trouble/nandemo110.html)
ウ「IBC岩手放送」のウェブサイトにおいて、「税金・雇用・震災なんでも110番(^^)/今日と明日開設(10時40分〜)」の見出しの下、「今年も、確定申告、明日から始まります。いわて労連と、民商では、今日と、明日『税金・雇用・震災なんでも110番』という、電話での相談を受け付けています。」の記載がある。
(http://podcast.ibc.co.jp/shop/index.php?itemi%20d=6411&startpos=3100)
エ「株式会社カーアクセス」のウェブサイトにおいて、「車なんでも110番!事故・故障などTEL24時間受付中です。/カーアクセス【TEL●●●−●●●−●●●●】までお気軽にお電話ください。」の記載がある。
(http://www.car-access.net/)
オ「大阪商工団体連合会」のウェブサイトにおいて、「『国保なんでも110番』相談電話ひっきりなし」の見出しの下、「1月21日(金)に、大商連会館にて『国保なんでも110番』電話相談をおこないました。主催は民商・大商連も加盟する大阪社会保障推進協議会です。」の記載がある。
(http://www.dsr.sakura.ne.jp/dsr_2/modules/d3forum/index.php?topic_id=264)
カ「林田学」のウェブサイトにおいて、「活動内容」の見出しの下、「なんでも110番」の項目の下に、「医療・医薬、訪問販売や通販等、さまざまなトラブルの相談を受けています。」の記載がある。
(http://www.mhayashida.com/index.html)
キ「生活110番」のウェブサイトにおいて、「便利屋なんでも110番」の見出しの下、「雑草でお困りの場合は便利屋なんでも110番にご相談ください!」、「便利屋なんでも110番はお客様の身の回りのお困りごとに迅速に対応致します。・・・24時間年中無休でお電話をお待ちしておりますので、いつでもご連絡ください。」の記載がある。
(https://www.seikatsu110.jp/service/garden/gd_mowing/450687/)
以上のことからすれば、「なんでも110番」の文字からなる本願商標を、本願の指定役務に使用しても、これに接する需要者は、「どういう物事にも対応する電話相談・どういう物事の電話要請にも応ずる」というサービスの内容を端的に表現した語句であると認識するにとどまり、該語句は、上記意味合いを表すものとして一般的に使用されているものであるから、これを自他役務の識別標識として機能する商標であるとは認識し得ないというべきであり、本願商標は、何人かの業務に係る役務であることを認識することができない商標と判断するのが相当である。
したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第6号に該当する。
(2)請求人の主張について
請求人は、原審で示した新聞記事情報は、「●●なん(何)でも110番」の記載があるものの、「なんでも110番」が単独で使用される語の記載も示唆もなく、「なんでも110番」の語の具体的な意味合いを示す記載も示唆もないことから、本願の指定役務との関係において、特定の役務の質・内容等を直接的、かつ、具体的に表示したものとはいえないというのが相当である旨、主張する。
しかしながら、「なんでも110番」の文字が具体的な相談内容が特定できないとしても、上記(1)のとおり、「なんでも」と「110番」の文字を組み合わせてなる本願商標は、「どういう物事にも対応する電話相談・どういう物事の電話要請にも応ずる」程の意味合いを容易に看取され得るものである。
してみれば、本願商標をその指定役務に使用しても、これに接する需要者は、企業が提供するサービスの一つを記述したものと認識するにとどまり、何人かの業務に係る役務であることを認識し得ないとみるべきである。
よって、請求人の主張は、採用することができない。
(3)まとめ
以上のとおり、本願商標は、商標法第3条第1項第6号に該当するものであるから、登録することができない。
よって、結論のとおり審決する。
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