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Trademark Appeal Case

商標不使用取消の論点

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号取消2015−300367(T2015−300367/J2)
審判種別取消
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

本件審判の請求は、成り立たない。
審判費用は、請求人の負担とする。

理由テキスト

第1 本件商標

本件登録第5033180号商標(以下「本件商標」という。)は,別掲のとおり,上段に黒塗りの蝶のシルエット図形を描き,下段に「paper doll」の欧文字を書した構成よりなり,平成18年8月23日に登録出願,第14類「身飾品,宝玉及びその原石並びに宝玉の模造品,貴金属製のがま口及び財布,貴金属製コンパクト,貴金属製宝石箱,キーホルダー,時計」,第18類「かばん類,袋物,携帯用化粧道具入れ,傘」及び第25類「サンダル靴,婦人靴,その他の履物,仮装用衣服,運動用特殊衣服,運動用特殊靴」を指定商品として,同19年3月16日に設定登録されたものである。

そして,本件審判の請求の登録日は,同27年6月8日である。

第2 請求人の主張

請求人は,商標法第50条第1項の規定により,本件商標の指定商品中,第14類「全指定商品」,第18類「全指定商品」及び第25類「運動用特殊衣服,乗馬靴」について登録を取り消す,審判費用は,被請求人の負担とする,との審決を求め,その理由として,本件商標は,その指定商品中,上記商品について,継続して3年以上日本国内において,商標権者,専用使用権者又は通常使用権者のいずれも使用した事実が存しないから,商標法第50条第1項の規定により,その登録は取り消されるべきものである旨主張した。

なお,請求人は,被請求人の答弁に対し,何ら意見を述べていない。

第3 被請求人の主張

被請求人は,結論同旨の審決を求めると答弁し,答弁書及び上申書において,その理由を要旨次のように述べ,証拠方法として,乙第1号証ないし乙第16号証を提出した。

1 答弁の理由

(1)本件商標は,商標権者である有限会社チルファクトリー(以下「チルファクトリー」という。)により,今日まで使用されてきた。

(2)2015年2月13日付で株式会社ジオン商事(仕入・生産部)(以下「ジオン商事」という。)より,チルファクトリー宛に「VE2015 S/S 2展(1月)発注金額明細書」が送付され(乙1),これによれば,A)品番VE−68530978,サンプル品番HF−EMT065138,B)品番VE−68530998,サンプル品番HF−HAS063228,C)品番VE−68531008,サンプル品番HF−PSA612515,D)品番VE−68531069,サンプル品番HF−YSM365280及びE)品番VE−68531089,サンプル品番HF−HFT305164(審決注:「サンプル品番HF−KFT305164」の誤記と思われる。)について,アイテム,発注数量,単価,発注金額,納期などが示されている(乙2)。A),B)及びC)はアイテム「BG」と示されていることから「Bag」を意味する。BGはバッグ(BAG)の略語として英語では一般に用いられる表現である。D)はアイテム“SR”と表示され「stole(ストール)」を意味し,E)のアイテム“HT”は「Hat(ハット)」を意味する。

これらの品番,サンプル品番にあたる商品は「paper doll」ブランドに係る商品,a)ゼブラ柄クラッチバッグ(サンプル品番HF−EMT065138),b)刺繍ストローククラッチバッグ(サンプル品番HF−HAS063228),c)ビーズクラッチバッグ(サンプル品番HF−PSA612515),d)タッセル付ストール(サンプル品番HF−YSM365280)及びe)帽子(サンプル品番HF−HFT305164(審決注:「サンプル品番HF−KFT305164」の誤記と思われる。))であることがチルファクトリーの商標ブランドのジオン商事より送られた絵型に示されている(乙3)。

これに対して,チルファクトリーよりジオン商事宛にA)品番VE−68530978については平成27年4月13日に,B)品番VE−68530998については2015年3月13日に,C)品番VE−68531008については2015年3月13日に,D)品番VE−68531069については平成27年3月25日に,そしてE)品番VE−68531089については2015年4月21日に納品された納品書の控えの写しがある(乙4〜乙8)。

(3)チルファクトリーは,また,いろいろなバッグについても添付の写真のような態様で本件商標を使用してきた(乙9)。

(4)以上,乙第1号証〜乙第9号証により,本件商標は商標権者であるチルファクトリーにより,カバン類等について使用されてきたことを証明している。

2 上申書の内容(平成27年8月21日付け)

(1)被請求人は,ジオン商事がチルファクトリーに商品の購入に対する代金の支払(売買)があったことを明確にするため,ジオン商事からチルファクトリーに,既に提出された発注金額明細書に含まれているB)品番VE−68530998,C)品番VE−68531008及びD)品番VE−68531069を含む商品に対する「2017017」に係る支払明細書(締切日:2015年3月31日;支払日:2015年4月25日)の写しを提出する(乙10)。支払金額は313,308円であることが示されている。

ジオン商事よりチルファクトリーに支払金額313,308円が2015年4月27日に支払われる旨「2017017」に係るジオン商事による支払通知書に示されている(乙11)。

取引銀行である株式会社三井住友銀行の六郷支店よりチルファクトリーに宛てられた「ご利用明細」には,平成27年4月27日にジオン商事から312,876円が支払われた旨示してある(乙12)。

支払差額「432円」(313,308円−312,876円)は銀行の手数料となる(乙13)。

(2)取引先であるジオン商事の住所は,「渋谷区恵比寿1−19−19 恵比寿ビジネスタワー11F」であることが,2015年5月27日にジオン商事の中村宏之からチルファクトリーの下村に宛てたメールの写しに示されている(乙14)。

(3)品番VE−68530998(サンプル品番HF−HAS063228)の商標および取扱注意書の付いた商品「Bag」の販売態様は添付写真のとおりである(乙15,乙16)。

第4 当審の判断

1 被請求人が提出した証拠について

(1)乙第1号証は,日付を「2015年02月13日」とするジオン商事からチルファクトリー(商標権者)へ宛てた「発注金額明細書」送付書の写しであるところ,「ブランド」欄に「VE」,「展示会区分」欄に「2015 S/S 2展」,「発注数量」欄に「11型 96枚」の記載がある。

(2)乙第2号証は,日付を「2015年02月13日」とするチルファクトリー宛ての「VE 2015 S/S 2展(1月)発注金額明細書」の写しであり,合計11品の商品について,その「品番」、「サンプル品番」,「アイテム」,「発注数量」,「単価」,「発注金額(円)」,「契約単価」,「仕入金額(円)」及び「納期」が記載されている。その中には「品番」が「VE−68530998」,「サンプル品番」が「HF−HAS063228」,「アイテム」が「BG」,「発注数量」が「8」,「単価」及び「契約単価」がそれぞれ「1,900」,「発注金額(円)」及び「仕入金額(円)」がそれぞれ「15,200」,「納期」が「2015/03/25」の記載がある。

(3)乙第3号証は,被請求人の主張によれば,ジオン商事からチルファクトリー(商標権者)に送られた絵型の写しとされるものであるところ,品番等とこれに対応する商品の写真が掲載されており,その中に「HAS−063−228」,「BRAND」欄に「paper doll」等の記載とともに,これに対応した商品写真がある。

(4)乙第4号証ないし乙第8号証は,チルファクトリー(商標権者)よりジオン商事に宛てた「納品書(控)」の写しであるところ,乙第5号証には,日付に「2015年3月13日」,品番の欄に「VE−68530998」,単価の欄に「1900」,商品代の欄に「¥15200」及び「NO.1321878」の記載がある。

(5)乙第10号証は,ジオン商事からチルファクトリー(商標権者)に宛てた「支払明細書」の写しであり,「締切日 2015年03月31日」,「支払日 2015年04月25日」の記載があり,合計で11製品の支払明細が記載されているところ,その中に「納品書NO」の欄に「1321878」の記載があり,かつ,「商品内容」欄に「製品 VE−68530998」,「決済数量」欄に「8.00」,「単価」欄に「1,900.00」,「税抜金額」欄に「15,200」と記載の商品がある。また,「総合計」欄に「税込金額」として「313,308」の記載がある。

(6)乙第11号証は,ジオン商事からチルファクトリー(商標権者)に宛てた「支払通知書」の写しであり,「支払予定日」欄に「2015年04月27日」と記載され,「支払内訳」として「支払合計 313,308」の記載がある。

(7)乙第12号証は,株式会社三井住友銀行・六郷支店がチルファクトリー(商標権者)に宛てた「ご利用明細」の写しであり,4月27日の「ご入金」欄に「312876」,「金額内訳」欄に「振込 カ) ジオンシヨウジ」の記載がある。

(8)乙第13号証は,三井住友銀行の手数料一覧の写しであり,ATMを利用した現金による3万円以上の振込に係る振込手数料が「432円」であることが記載されている。

(9)乙第16号証は,被請求人の主張によれば,チルファクトリー(商標権者)の販売に係る品番「68530998(サンプル品番HF−HAS063228)」のバッグの写真とされるものであるところ,該バッグには,白色と透明の2枚のタグが付されており、前者のタグには「お取扱い上の御注意」が書かれており,最下部に「(有)チルファクトリー」の文字と電話番号が記載されている。また、後者のタグには,白塗りの蝶のシルエット図形と白色の「paper doll」の欧文字からなる標章(以下「使用商標」という。)が表示されている。

2 前記1によれば,以下のとおり判断できる。

(1)使用商品について

ジオン商事からチルファクトリー(商標権者)に宛てた「発注金額明細書」(乙2)に添付された品番(VE−68530998),サンプル品番(HF−HAS063228)の商品(以下「使用商品」という。)は,アイテムがバッグを意味する「BG」であり,その絵型として商品写真が掲載されており(乙3),該写真の商品は「バッグ」である。

そして,チルファクトリー(商標権者)からジオン商事に宛てた「納品書(乙5)」,及び,ジオン商事からチルファクトリー(商標権者)に宛てた「支払明細書(乙10)」にも使用商品の品番の記載があり,使用商品の販売態様の写真(乙16)は,乙第3号証に掲載の商品(バッグ)と同一形状の「バッグ」である。

以上から,ジオン商事からの発注に対し,チルファクトリー(商標権者)が納品した使用商品は「バッグ」であることが認められ,これは,本件審判の取消し請求に係る指定商品中の第18類「かばん類」の範ちゅうに属するものである。

(2)使用商標について

本件商標は,別掲のとおり,黒塗りの蝶のシルエット図形の下に黒色の「paper doll」の欧文字を配置した構成からなるものであり,使用商品に付された使用商標(乙16)は,白塗りの蝶のシルエット図形の下に白色の「paper doll」の欧文字を配置した構成からなるものである。

そして,使用商標は,その構成中の蝶の図形が、本件商標の蝶の図形と同一形状の図形であり,本件商標と同じ「paper doll」の欧文字を該図形の下に配置したものであるから,本件商標と使用商標は,その色彩のみが異なるものであって,外観において同視されるものである。

してみれば,使用商標は,本件商標と社会通念上同一の商標と認められるものである。

(3)使用時期について

前記1(4)のとおり,商標権者が,使用商品(品番:VE−68530998)をジオン商事に納品した2015年3月13日(乙5)は,本件審判の請求の登録(平成27年(2015年)6月8日)前3年以内である。

(4)小括

前記(1)ないし(3)によれば,商標権者は,本件審判の請求の登録前3年以内にその請求に係る指定商品中「かばん類」の範ちゅうに含まれる「バッグ」に,本件商標と社会通念上同一と認められる商標を表示したタグを付けてジオン商事に引き渡したことが認められる。

そうすると,商標権者による上記行為は、商標法第2条第3項第2号にいう「商品又は商品の包装に標章を付したものを譲渡,引き渡しをする行為」に該当するものである。

3 むすび

以上のとおり,被請求人は,本件審判の請求の登録前3年以内に日本国内において,その請求に係る指定商品について,本件商標と社会通念上同一と認められる商標の使用をしていたことを証明したものと認められる。

したがって,本件商標の登録は,その請求に係る指定商品について,商標法第50条の規定により,取り消すことができない。

よって,結論のとおり審決する。

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