Trademark Appeal Case
POLOの要部と混同
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 平成8年審判第4032号 |
|---|---|
| 審判種別 | 不服 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
1本願商標
本願商標は、「POLO KENT」の欧文字を横書きしてなり、第25類「被服,ガーター,靴下止め,スボンつり,バンド,ベルト,履物,運動用特殊衣服,運動用特殊靴」を指定商品として平成5年8月4日に登録出願されたものである。
2原査定の理由
「この商標登録出願に係る商標は、ザ ポロ/ローレンカンパニーリミテッド パートナーシップ(アメリカ合衆国ニューヨーク市マディソンAv.650所在)がラルフローレンのデザインによる紳士スーツ、ネクタイ、ポロシャツ、メガネ等に使用して本願出願前より需要者に広く認識されていた『POLO』と同一の文字を有してなるものであって、全体としてひとつのまとまった意味合い、事象等を想起、認識させるものとも認められないから、これを出願人が指定商品に使用するときは需要者は上記会社もしくは上記会社と何らかの関係を有する者の業務に係る商品であるかのように商品の出所について混同を生ずるおそれがある。したがって、この商標登録出願に係る商標は、商標法第4条第1項第15号に該当する。」と認定して、本願を拒絶したものである。
3当審の判断
▲1▼株式会社講談社(昭和53年7月20日)発行「男の一流品大図鑑」、サンケイマーケッティング(昭和58年9月28日)発行「舶来ブランド事典’84ザ・ブランド」の記載によれば、以下の事実が認められる。
アメリカ合衆国在住のデザイナーであるラルフ・ローレンは、1967年に幅広ネクタイをデザインして注目され、翌1968年にポロ・ファッションズ社(現在はザポロ/ローレンカンパニー リミテッド パートナーシップに名称変更、以下「ポロ社」という。)を設立、ネクタイ、シャツ、セーター、靴、かばんなどのデザインをはじめ、紳士物全般に拡大し、1971年には婦人服の分野にも進出した。1970年と1973年に服飾業界で最も名誉とされる「コティ賞」を受賞し、1974年に、映画「華麗なるギャッツビー」の主演俳優ロバート・レッドフオードの衣装デザインを担当したことからアメリカを代表するデザイナーとしての地位を確立した。この頃から、その名前はわが国の服飾業界においても広く知られるようになり、そのデザインに係る一群の商品には、横長四角形中に記載された「Polo」の文字とともに「by RALPH LAUREN」の文字及び「馬に乗ったポロ競技のプレーヤーの図形」の各標章が使用され、これらは「ポロ」の略称で呼ばれるようになった。
▲2▼株式会社洋品界(昭和55年4月)発行「海外ファッション・ブランド総覧1980年版」の「ポロ/POLO」の項及びボイス情報株式会社(昭和59年9月)発行「ライセンス・ビジネスの多角的戦略’85」の「ポロ・バイ・ラルフ・ローレン」の項の記述、及び昭和63年10月29日付日経流通新聞の記事によれば、わが国においては、西武百貨店が昭和51年にポロ社から使用許諾を受け、同52年からラルフ・ローレンのデザインに係る紳士服、紳士靴、サングラス等の、同53年から婦人服の輸入、販売をしたことが認められる。
▲3▼また、ラルフ・ローレンのデザインに係る紳士服、紳士用品については、株式会社スタイル社(1971年7月)発行「dansen男子専科」をはじめ、前記「男の一流品大図鑑」、株式会社講談社(昭和54年5月及び同55年5月)発行「世界の一流品大図鑑’79年版」、「世界の一流品大図鑑’80年版」、株式会社チャネラー(昭和54年5月)発行「別冊チャネラーファッション・ブランド年鑑’80年版」、婦人画報社(昭和55年12月)発行「MEN’SCLUBI980,12」などにおいて「POLO」、「ポロ」、「Polo」、「ポロ(アメリカ)」、「ポロ/ラルフ・ローレン(アメリカ)」等の表題のもとに紹介されていることが認めらる。
▲4▼上記▲1▼ないし▲3▼で認定した事実及び商標「Polo C1ub」に関する東京高等裁判所の判決(平成2年行ケ183号)を総合すれば、「Polo」の文字をはじめとする「by RALPH LAUREN」の文字及び「馬に乗ったポロ競技のプレーヤーの図形」の各標章は、ラルフ・ローレンのデザインに係る被服等について使用される標章として、遅くとも昭和55年頃までには、わが国において取引者、需要者の間に広く認識されるに至っていたものと認められ、その認識の度合いは現在においても継続しているというのが相当である。
そこで本願商標をみるに、本願商標は、前記したとおり、「POLO KENT」の文字よりなるところ、全体の文字は、特定の意味を有する成語として存在しないことから、「POLO」と「KENT」文字よりなるものと容易に看取され、その構成中に前記認定のラルフ・ローレンのデザインに係る紳士服、ネクタイ、婦人服等の被服に使用され、わが国においても広く取引者、需要者に認識されている「POLO」の文字を有しているものと認識、理解されるものである。
してみれば、本願商標は、その指定商品に使用した場合、これに接する取引者、需要者は、前半に位置する「POLO」の文字部分に強く印象付けられ、該商品がポロ社の業務に係る商品、もしくはラルフ・ローレンと経済的または組織的に何らかの関係を有する者の取扱いに係る商品であるかのように、その商品の出所について混同を生ずるおそれがあるものといわざるを得ない。
したがって、本願商標は、商標法第4条第1項第15号に該当し、登録することはできない。
よって、結論のとおり審決する。
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