Trademark Appeal Case
複合商標の要部認定と類否
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 不服2015−12355(T2015−12355/J1) |
|---|---|
| 審判種別 | 不服 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
1 本願商標
本願商標は、別掲1のとおりの構成からなり、第9類に属する別掲2のとおりの商品を指定商品として、平成26年8月11日に登録出願されたものである。
2 引用商標
原査定において、本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するとして、本願の拒絶の理由に引用した登録第2701839号(以下「引用商標」という。)は、別掲3のとおりの構成からなり、昭和60年8月7日に登録出願、第11類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、平成6年12月22日に設定登録されたものであり、その後、平成17年8月3日に指定商品を、第9類「配電用又は制御用の機械器具,回転変流機,調相機,電池,電気磁気測定器,電線及びケーブル,電気アイロン,電気式ヘアカーラー,電気ブザー,電気通信機械器具,電子応用機械器具及びその部品,磁心,抵抗線,電極」とする指定商品の書換登録がされ、また、商標権の一部取消し審判により、その指定商品中、第9類「デジタルカメラ及びその部品」について、取り消すべき旨の審決がされ、平成22年2月9日に、その審決の確定の登録がなされたほか、2回にわたる更新登録がされ、現に有効に存続しているものである。
3 当審の判断
(1)商標法第4条第1項第11号該当性について
ア 本願商標
本願商標は、別掲1のとおり、楕円輪郭内の左部分に「Foxconn Interconnect Technology」の文字を赤字で表し(以下「赤色文字部分」という。)、また、その右に、黒色の輪郭内を青色で彩色した「FIT」の欧文字を斜体で大きく表してなる(以下「青色文字部分」という。)ところ、赤色文字部分は、楕円の内輪に沿って、青色文字部分より極めて小さい欧文字が表示され、全体として29文字からなる比較的長い文字構成といえるのに対して、青色文字部分は、赤色文字部分と異なる色を用いて、欧文字3文字が、極めて大きく顕著に横書きで表されていることから、色彩及び構成態様において明らかな相違があり、両文字部分は、外観上、分離して観察されるものである。
さらに、青色文字部分は、太字の青色で極めて顕著に表されていることにより、本願商標に接する取引者、需要者の注意を相当に喚起させて、印象に強く残る部分といえるものであり、また、本願商標の指定商品を取り扱う分野において、「FIT」の文字と「Foxconn Interconnect Technology」の文字、又は「FIT」の文字と「Foxconn」が、その取引者、需要者に、一体のもの又は関連性を有するものとして広く知られている事情はない。
そうすると、本願商標は、これに接する取引者、需要者が、青色文字部分を商品の出所を示す識別標識として顕著な部分と認識し、これから生ずる称呼及び観念をもって取引に当たる場合も少なくないものといえる。
そこで、本願商標中の青色文字部分は、「FIT」の欧文字を表してなるものであるから、該文字を「適合する」の意味を有する広く親しまれた英語である「fit」として理解する場合には、「フィット」の称呼が生じ、「適合する」の観念を生じるものである。また、該文字を、「F」、「I」及び「T」の欧文字3文字を組合せた造語として認識する場合には、構成各文字に相応して、「エフアイティー」の称呼を生じる。
したがって、本願商標は、その構成中の「FIT」の文字部分から「フィット」の称呼及び「適合する」の観念を生じるものであり、また、「エフアイティー」の称呼が生じる場合は、特定の観念を生じないものである。
イ 引用商標
引用商標は、別掲3のとおり、「FIT」の欧文字を表してなるものであるから、該文字を「適する」の意味を有する広く親しまれた英語である「fit」として理解する場合は、「フィット」の称呼が生じ、「適合する」の観念を生じるものである。また、該文字を、「F」、「I」及び「T」の欧文字3文字を組合せた造語として認識する場合は、構成各文字に相応して、「エフアイティー」の称呼を生じるものである。
そうすると、引用商標は、「フィット」の称呼及び「適合する」の観念を生じるものであり、また、「エフアイティー」の称呼が生じる場合は、特定の観念を生じないものである。
ウ 本願商標と引用商標との類否について
本願商標中の青色文字部分と引用商標は、いずれも「FIT」の欧文字を大文字で表したものであり、その構成文字を同一にするものであるから、外観上極めて近似した印象を与えるものである。そして、本願商標中の青色文字部分と引用商標からは、共に「フィット」の称呼及び「適合する」の観念を生じる、又は「エフアイティー」の称呼及び特定の観念を生じないものである。
そうすると、本願商標中の青色文字部分と引用商標とは、これらを欧文字3文字の造語と認識する場合は、観念において比較し得ないものであるが、外観において類似するものであり、「フィット」又は「エフアイティー」の称呼を同一にし、また、「適合する」の観念を共通にするものであるから、本願商標と引用商標は、類似の商標というべきである。
そして、本願商標の指定商品及び引用商標の指定商品は、前記1及び2のとおりであり、本願商標の指定商品は、引用商標の指定商品中「配電用又は制御用の機械器具,回転変流機,調相機,電池,電線及びケーブル,電気通信機械器具(デジタルカメラ及びその部品を除く。),電子応用機械器具及びその部品,磁心,抵抗線,電極」と同一又は類似するものである。
したがって、本願商標は、引用商標と類似する商標であり、かつ、本願商標の指定商品と引用商標の指定商品が同一又は類似のものといえるから、商標法第4条第1項第11号に該当する。
(2)請求人の主張について
ア 請求人は、本願商標は、世界的企業として名高い「Foxconn Technology Group」の一員であることを表す「Foxconn」の文字を含むものであるから、該文字部分を見落として、「FIT」の文字部分のみに着目し、引用商標とその出所を混同することはなく、常に「Foxconn Interconnect Technology」と一体をなす商標である旨主張する。
しかしながら、「フォックスコン(Foxconn)」の文字が、電子機器受託製造サービスの分野において、知られていることが窺えるものの(甲4)、本願商標の指定商品を取り扱う分野において、その取引者、需要者に広く知られていると認めるに足る証拠は見いだせないものであり、また、「Foxconn Interconnect Technology」は、同じ書体で、同じ色により、楕円の内輪に沿って円弧状に小さな文字で一連に表示されていることから、外観上、「Foxconn」の文字部分のみが強い印象を与えるものとはいい難い。
そして、本願商標は、上記のとおり、「FIT」の文字が、看者の印象に強く残る部分であり、これより、商品の出所識別標識としての称呼、観念を生じるものと見るのが相当である。
イ 請求人は、引用商標と併存する登録商標及び同一の称呼が生じるものの非類似と判断された審決を示して、本願商標と引用商標とは非類似の商標である旨主張する。
しかしながら、商標の類否の判断は、対比する商標について個別具体的に判断されるべきものであるところ、請求人の挙げる登録商標及び審決の例は、本件とは商標の構成文字が異なり、事案を異にするものであって、本願商標については上記(1)のとおり判断するのが相当であるから、請求人の挙げた登録例によってその判断が左右されるものではない。
ウ したがって、上記ア及びイのとおり、請求人の主張はいずれも採用することができない。
(3)まとめ
以上のとおり、本願商標は、商標法第4条第1項第11号に該当し、登録することができない。
よって、結論のとおり審決する。
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