sokuhyo

Trademark Appeal Case

ナノ結合商標の識別力

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号不服2015−17323(T2015−17323/J1)
審判種別不服
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

本件審判の請求は、成り立たない。

理由テキスト

1 本願商標

本願商標は、「ナノアスタキサンチン」の片仮名を標準文字で表してなり、第32類「アスタキサンチンを含む清涼飲料・果実飲料」を指定商品として、平成26年12月11日に登録出願されたものである。

2 原査定の拒絶の理由の要点

原査定は、「本願商標は、『ナノアスタキサンチン』の文字からなるところ、その構成中、『ナノ』の文字は『10億分の1』を表す単位の接頭語であって、『ナノサイズ』のように、超微細なものを表す接頭語として親しまれ、用いられているものであり、『アスタキサンチン』の文字は、『エビ、カニ、サケなどの赤い色、トマトのリコピンなどと同じカロテノイドの仲間で、健康成分のひとつとしてサプリメントにもなっている。』とされるものである。そして、超微細な(ナノ化した)原材料といった意味合いで『ナノ○○』(○○は原材料名)の語が用いられていることからすると、本願商標をその指定商品に使用しても、これに接する取引者、需要者は、『超微細な(ナノ化した)アスタキサンチン』を原材料とするものである、といった意味合いを認識するにとどまる。したがって、本願商標は、商品の品質(原材料)普通に用いられる方法で表示する標章のみからなるものであるから、商標法第3条第1項第3号に該当し、前記品質を有する商品以外の商品に使用するときは、同法第4条第1項第16号に該当する。」旨認定、判断し、本願を拒絶したものである。

3 当審においてした証拠調べ

本願商標が商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号にに該当するか否かについて、職権に基づく証拠調べを実施した結果、別掲の項番1ないし項番3に示すとおりの事実を発見したので、同法第56条第1項で準用する特許法第150条第5項に規定に基づき、請求人に対し、意見を申し立てる機会を与えるべく、相当の期間を指定して、平成28年5月13日付けで証拠調べの結果を通知した。

4 証拠調べ通知に対する請求人の意見

請求人は、前記3の証拠調べ通知(以下「証拠調べ通知」という。)に対し、指定した期間内に何ら意見を述べていない。

5 当審の判断

(1)商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号該当性について

本願商標は、「ナノアスタキサンチン」の片仮名を標準文字で表してなるところ、証拠調べ通知で示した別掲の項番1の事実から、飲料を取り扱う分野において、高い抗酸化力を有することからアンチエイジング素材として注目されるカロテノイド系の赤い色素である「アスタキサンチン」が、飲料の原材料として用いられていることが認められる。

また、同じく証拠調べ通知で示した別掲の項番2から、同分野において、ナノ化技術を使って開発されたナノ化(超微粒子化、極小化)した成分を商品に配合するといったナノ化技術が広く利用されており、別掲の項番3から、ナノ化した成分や原材料を表す場合に、「十億分の一」の意味を有する接頭語である「ナノ」の語を成分名や原材料名等を表す語に付して、「ナノ○○」(○○は成分名、原材料名等を表す語が入る)と表す場合があることが認められる。

かかる事実からすれば、「ナノアスタキサンチン」の文字に接する取引者、需要者は、「アスタキサンチン」の語に「ナノ」の語を付けたものと理解し、「ナノ化(超微粒子化、極小化)したアスタキサンチン」ほどの意味合いを容易に理解するものというのが相当である。

そうすると、「ナノアスタキサンチン」の文字からなる本願商標は、これをその指定商品中「ナノ化(超微粒子化、極小化)したアスタキサンチンを含む清涼飲料・果実飲料」について使用するときは、その商品が「ナノ化(超微粒子化、極小化)したアスタキサンチンを含む商品」であることを表示したものと認識させるにとどまるから、単に、商品の原材料、品質を普通に用いられる方法で表示する標章のみからなるものといえる。

したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3項に該当し、前記商品以外の商品に使用するときは、品質の誤認を生じさせるおそれがあるから、同法第4条第1項第16号に該当する。

(2)請求人の主張について

請求人は、「ナノアスタキサンチン」の語を継続的に使用しており、今日では周知性を獲得している旨主張し、甲第10号証を提出している。

しかしながら、甲第10号証は、「ナノアスタキサンチン」の語のインターネット検索結果にすぎず、この証拠によっては、請求人が、本願の指定商品について、本願商標を継続的に使用しているとはいえず、請求人が本願商標について周知性を獲得しているものとは認められない。

したがって、請求人の主張を採用することはできない。

(3)まとめ

以上のとおり、本願商標は、商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当し、登録することができない。

よって、結論のとおり審決する。

Next Action

次の一手につながるサービス

類似審決の追加調査から中間応答、新規出願の費用確認まで、この審決を起点に次のアクションへ進めます。

次の一歩へ

商標の登録可能性を無料で確認するか、費用の目安を料金表・シミュレーターで把握できます。