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Trademark Appeal Case

称呼類似性:語頭音の差異

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号異議2016−900063(T2016−900063/J7)
審判種別異議
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

登録第5814049号商標の商標登録を維持する。

理由テキスト

1 本件商標

本件登録第5814049号商標(以下「本件商標」という。)は、「ZIMADA」の欧文字を標準文字で表してなり、2014年(平成26年)7月31日にアメリカ合衆国においてした商標登録出願に基づきパリ条約第4条による優先権を主張して、平成27年2月2日に登録出願、第5類「薬剤,糖尿病治療剤」及び第10類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、平成27年12月18日に設定登録されたものである。

2 引用商標

登録異議申立人(以下「申立人」という。)が本件登録異議の申立てに引用する国際登録第1108320号商標(以下「引用商標」という。)は、「VYMADA」の欧文字を横書きしてなり、2012年1月6日にスイスにおいてした商標登録出願に基づきパリ条約第4条による優先権を主張し、2012年(平成24年)1月13日に国際商標登録出願、第5類「Pharmaceutical preparations.」を指定商品として、平成24年10月19日に設定登録されたものである。

3 登録異議申立ての理由

申立人は、本件商標は商標法第4条第1項第11号に該当するものであるから、同法第43条の2第1号により、その登録は取り消されるべきであると申立て、その理由を要旨以下のように述べ、証拠方法として甲第1号証ないし甲第3号証を提出した。

(1)商標の類似について

本件商標は、その構成文字に相応して、「ジマダ」の称呼を生ずる。

これに対し、引用商標は、その構成文字に相応して、「ビマダ」の称呼を生ずる。

そして、両称呼は、母音を共通にする「ジ」と「ビ」の音の差異を有するにすぎないから、紛らわしいものである。

また、本件商標と引用商標は、「MADA」の4文字を共通にし、外観上紛らわしい。

したがって、本件商標と引用商標は、称呼及び外観において類似する商標である。

(2)商品の類似について

本件商標の指定商品中、第5類に属する指定商品は、引用商標の指定商品と同ー又は類似の商品である。

(3)むすび

以上のとおり、本件商標の登録は、その指定商品中の第5類に属する指定商品について、商標法第4条第1項第11号に違反してされたものであるから、取り消されるべきである。

4 当審の判断

(1)本件商標と引用商標との類否について

ア 外観について

本件商標を構成する「ZIMADA」の文字と引用商標を構成する「VYMADA」の文字は、語頭部において、「ZI」の文字と「VY」の文字の差異を有し、これらの文字に続く「MADA」の文字を共通にするものである。

そうすると、両者は、いずれも6文字からなる比較的簡潔な構成からなるものであり、そのうちの看者の注意を強く引く語頭部において、字形の異なる「ZI」と「VY」の2字の差異を有するものである。

してみれば、本件商標と引用商標とは、これらを時と所を異にして離隔的に観察した場合においても、外観上、互いに紛れるおそれはないというべきである。

イ 称呼について

本件商標は、前記1のとおり、「ZIMADA」の文字からなるところ、該文字は、我が国において馴染みがなく、特定の読みをもった既成の語を表したとは認識され得ないものと認められるから、これに接する取引者、需要者は、これをローマ字風読みにした「ジマダ」の称呼をもって、商品の取引に当たる場合が多いとみるのが相当である。

そうすると、本件商標から生ずる自然の称呼は、「ジマダ」ということができる。

これに対して、引用商標は、前記2のとおり、「VYMADA」の文字からなるところ、該文字は、本件商標と同様に、我が国において馴染みがない語と認められる。そして、該「VYMADA」の文字は、語頭部の「VY」の綴りから、これをローマ字風読みにするというよりは、例えば、我が国でよく知られている英単語である「system」を「システム」と、「pyramid」を「ピラミッド」と、「gym」を「ジム」と、それぞれ発音するように、「y」の部分を「i」と発音する例に倣い、全体として、「ビマダ」と称呼する場合が多いとみるのが相当である。

そうすると、引用商標から生ずる自然の称呼は、「ビマダ」ということができる。

そこで、本件商標から生ずる「ジマダ」の称呼と引用商標から生ずる「ビマダ」の称呼を比較すると、両称呼は、語頭において、「ジ」の音と「ビ」の音の差異を有し、第2音及び第3音における「マダ」の音を共通にするものである。そして、上記差異音である「ジ」の音は、舌尖を前硬口蓋によせ、前歯との間に空洞を作って発する有声摩擦子音と母音「i」との結合した音節であるのに対し、「ビ」の音は、両唇を合わせて破裂させる有声破裂子音と母音「i」との結合した音節であるから、両差異音は、母音を共通にするとしても、その発音の方法、音質等において大きく異なるばかりか、いずれの音も比較的強く発音される音といえる。

そうすると、上記差異音が、称呼における識別上重要な要素を占める語頭に位置することも相まって、3音といった短い音構成からなる両称呼全体に及ぼす影響は大きいといえるから、両称呼は、これらを全体として称呼した場合においても、その語調、語感が著しく相違したものとなり、称呼上、互いに紛れるおそれはないというべきである。

ウ 観念について

本件商標と引用商標は、いずれも特定の意味合いを有しない造語からなるものと理解されるものであるから、観念においては比較することができず、観念上、類似する商標ということはできない。

エ 小括

以上によれば、本件商標と引用商標は、外観、称呼及び観念のいずれの点についても、相紛れるおそれのない非類似の商標というべきであるから、様々な事情により薬剤の取り違えなどの医療過誤が発生することもある医療分野での実情を考慮しても、薬剤を取り扱う分野の取引者、需要者の有する通常の注意力をもってすれば、本件商標と引用商標をそれぞれ「薬剤」について使用しても、その取引者、需要者が、商品の出所について誤認、混同を生ずるおそれはないというべきである。

したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に該当しない。

(2)むすび

以上のとおり、本件商標の登録は、登録異議の申立てに係る指定商品について、商標法第4条第1項第11号に違反してされたものではないから、同法第43条の3第4項の規定に基づき、その登録を維持すべきものである。

よって、結論のとおり決定する。

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