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Trademark Appeal Case

称呼の類似性と要部抽出

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号異議2016−900143(T2016−900143/J7)
審判種別異議
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

登録第5831804号商標の商標登録を維持する。

理由テキスト

第1 本件商標

本件登録第5831804号商標(以下「本件商標」という。)は、「Golden Secret Elixer」の欧文字を標準文字で表してなり、平成27年8月12日に登録出願、第3類「化粧品,せっけん類,歯磨き,香料,薫料,家庭用帯電防止剤,洗濯用柔軟剤,洗濯用漂白剤,口臭用消臭剤,動物用防臭剤」を指定商品として、同28年1月18日に登録査定、同年3月4日に設定登録されたものである。

第2 引用商標

登録異議申立人(以下「申立人」という。)が本件登録異議の申立てにおいて引用する商標は、以下の登録商標(以下、これらをまとめていうときは「引用商標」という。)であって、いずれも現に有効に存続しているものである。

1 登録第1138863号商標は、「エリクシール」の片仮名を書してなり、昭和47年11月16日に登録出願、第4類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、同50年7月31日に設定登録されたものであり、その後、平成17年4月20日に、指定商品を第3類「せっけん類,歯磨き,化粧品,植物性天然香料,動物性天然香料,合成香料,調合香料,精油からなる食品香料,薫料」とする指定商品の書換登録がされたものである。

2 登録第1822150号商標は、「エリクシール」の片仮名と「ELIXIR」の欧文字を上下二段に書してなり、昭和57年3月26日に登録出願、第4類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、同60年11月29日に設定登録されたものであり、その後、平成18年1月18日に、指定商品を第3類「せっけん類,歯磨き,化粧品,香料類」とする指定商品の書換登録がされたものである。

3 登録第4671440号商標は、「ELIXIR」の欧文字を標準文字で表してなり、平成14年7月15日に登録出願、第3類「化粧品,せっけん類,香料類,歯磨き」を指定商品として、同15年5月16日に設定登録されたものである。

4 登録第4950649号商標は、「エリクシール」の片仮名と「ELIXIR」の欧文字を上下二段に書してなり、平成17年9月5日に登録出願、「食品香料(精油のものを除く。)」を含む第30類、第32類及び第44類に属する商標登録原簿の記載のとおりの商品及び役務を指定商品及び指定役務として、同18年5月12日に設定登録されたものである。

5 登録第5768709号商標は、「ELIXIR」の欧文字を書してなり、平成26年12月4日に登録出願、第3類「せっけん類,化粧品,香料,薫料,歯磨き」並びに第5類、第21類、第30類、第32類及び第44類に属する商標登録原簿の記載のとおりの商品及び役務を指定商品及び指定役務として、同27年6月5日に設定登録されたものである。

第3 登録異議の申立ての理由

申立人は、本件商標は商標法第4条第1項第11号及び同項第15号に該当するものであるから、同法第43条の2第1号により、その登録は取り消されるべきであると申立て、その理由を要旨以下のように述べ、証拠方法として甲第1号証ないし甲第37号証(枝番を含む。)を提出した。

なお、枝番すべてをいうときは、以下、枝番を省略して記載する。

1 商標法第4条第1項第11号について

本件商標は、前記第1のとおり、「Golden Secret Elixer」の欧文字を標準文字で表してなり、その前半部に配された「Golden Secret」の文字と後半部に配された「Elixer」の文字との間にはスペースが配されているとともに、その全体の構成が冗長であることに加え、「Golden」及び「Secret」は、広く親しまれた英単語であることも考慮すると、「Golden」、「Secret」及び「Elixer」の各文字を常に一体として認識しなければならないとする特段の事由は存在せず、本件商標からは、全体から生じる「ゴールデンシークレットエリクシール」の他に、「Elixer」の文字に照応した「エリクシール」の称呼も生じ得ることが明らかである。

他方、引用商標は、「エリクシール」の片仮名を横書き、「エリクシール」の片仮名及び「ELIXIR」の欧文字を二段書き、「ELIXIR」の標準文字、又は「ELIXIR」の欧文字を図案化して、それぞれ表されてなり、これらの構成中に含まれる「ELIXIR」又は「エリクシール」の文字に相応して、引用商標からは、「エリクシール」の称呼が生じるものである。

してみれば、本件商標と引用商標は、「エリクシール」の称呼を共通にする、称呼上類似する商標といえる。

そして、本件商標の指定商品と引用商標の指定商品とは、同一又は類似の商品である。

したがって、引用商標に係る登録出願日及び登録日のいずれもが本件商標に先立つものであることを考慮すると、本件商標は、引用商標との関係において、商標法第4条第1項第11号に違反して登録されたものである。

2 商標法第4条第1項第15号について

申立人の使用する「ELIXIR」、「エリクシール」の文字からなる引用商標は、申立人の業務に係る商品を表示するものとして広く一般に知られていることから、これらと相紛れる本件商標がその指定商品に使用された場合、商品の出所について混同を生じるおそれがある。

第3 当審の判断

1 引用商標の著名性について

申立人が、引用商標の著名性を立証するとして提出した証拠によれば、申立人は、「ELIXIR」の欧文字及び「エリクシール」の片仮名からなる引用商標を1983年(昭和58年)から現在に至るまで継続して、「化粧品」全般に係る商品群に使用し、これを販売し(甲7ないし甲35)、多量の広告、宣伝を行ってきている(甲15ないし甲18、甲28、甲30、甲31及び甲35)。

そして、1996年から2010年までの「保湿(抗老化)スキンケアブランド商品ランキング」についてみると、「エリクシール」ブランドは、そのランキングにおいて上位を占め(甲27の2)、該商品の総売上げ実績もかなりの金額及び数量になっている(甲22ないし甲25)。

そうとすると、「ELIXIR」の欧文字及び「エリクシール」の片仮名からなる引用商標は、既に本件商標の登録出願日前には、化粧品などの取引者、需要者の間に申立人の取り扱いに係る化粧品の出所を表示する商標として広く知られていたというのが相当である。

2 商標法第4条第1項第11号該当性について

(1)本件商標

本件商標は、「Golden Secret Elixer」の欧文字を標準文字で表してなり、該構成文字は、同じ書体、同じ大きさをもってまとまりよく一体的に表されているものである。

そして、本件商標の各構成文字は、「金色の。素晴らしい。」等の意味を有する「Golden」の英語、「秘密の。」の意味を有する「Secret」の英語及び辞書等に掲載が認められない「Elixer」の欧文字からなるところ、前半の2語が英語を表すものであるから、最後の「Elixer」の欧文字は、例えば、「boxer」が「ボクサー」と、「mixer」が「ミキサー」と読まれるように英語読み風に「エリクサー」と称呼されるとするのが自然であり、その構成文字全体から「ゴールデンシークレットエリクサー」の称呼が生じ、やや冗長であるとしても、一連に称呼し得るものである。

また、本件商標の一体的に表された構成においては、その構成文字全体が特定の観念を生じない一体不可分のものとして認識、把握されるとみるのが相当である。

してみれば、本件商標は、その構成文字全体に相応する「ゴールデンシークレットエリクサー」の一連の称呼のみを生じるものであり、また、一種の造語として認識され、特定の観念を生じないものといえる。

さらに、本件商標は、その構成中「Elixer」の文字部分のみを分離、抽出し検討しなければならない事情は見いだせなく、また「Elixer」の文字部分から、「エリクシール」の称呼を生じるものともいい難い。

(2)引用商標

引用商標は、前記第2のとおり、「エリクシール」の片仮名を横書き、「エリクシール」の片仮名及び「ELIXIR」の欧文字を二段書き、又は「ELIXIR」の欧文字からなるものであるところ、その構成文字に相応して「エリクシール」の称呼を生じる。

また、上記1のとおり、引用商標は、申立人の業務に係る化粧品を表示するものとして広く認識されているから、「申立人の使用する著名商標」程の観念を生じるものというのが相当である。

(3)本件商標と引用商標との類否

本件商標と引用商標とは、それぞれ上記のとおりの構成からなるものであるから、外観上、両者が互いに紛れるおそれはない。

また、本件商標から生じる「ゴールデンシークレットエリクサー」の称呼と引用商標から生じる「エリクシール」の称呼とは、その音構成を明らかに異にするものであるから、称呼上、明確に聴別し得るものである。

さらに、本件商標は、特定の観念を有しないのに対し、引用商標は、「申立人の使用する著名商標」程の観念を生じるものであるから、観念上、両商標は、類似するとはいえない。

してみれば、本件商標と引用商標とは、外観、称呼及び観念のいずれの点においても互いに相紛れるおそれのない非類似の商標といわなければならない。

その他、本件商標と引用商標とが類似するとすべき理由は見いだせない。

したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に該当するものではない。

3 商標法第4条第1項第15号該当性について

上記1のとおり、引用商標は、本件商標の登録出願日前に、日本における需要者の間において、申立人の業務に係る化粧品を表示するものとして広く認識されていたと認められるものである。

しかしながら、本件商標と引用商標とは、上記2(3)のとおり、非類似の商標であり、明らかに相紛れるおそれのない別異の商標というべきであって、ほかに商品の出所について混同を生ずるおそれがあるとすべき特段の事情も見いだせない。

そうとすると、本件商標をその指定商品に使用しても、これに接する取引者、需要者が、該商品を申立人又は同人と経済的若しくは組織的に何らかの関係を有する者の業務に係る商品であるかのように連想、想起することはなく、その出所について混同を生ずるおそれはないものというべきである。

したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に該当するものではない。

4 むすび

以上のとおり、本件商標の登録は、商標法第4条第1項第11号及び同項第15号に違反して登録されたものではないから、同法第43条の3第4項の規定により、その登録を維持すべきである。

よって、結論のとおり決定する。

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