Trademark Appeal Case
環境対応型と圧入機の記述性
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 不服2015−13553(T2015−13553/J1) |
|---|---|
| 審判種別 | 不服 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
1 本願商標
本願商標は、「環境対応型圧入機」の文字を標準文字で表してなり、第7類「土木機械器具」を指定商品として、平成26年10月29日に商標登録出願されたものである。
そして、その指定商品については、原審における平成27年2月9日付け手続補正書により補正された結果、第7類「くい打ち機」となったものである。
2 原査定の拒絶の理由の要点
原査定は、「本願商標は、『環境対応型圧入機』と標準文字で表してなるところ、その構成中『環境対応型』の文字は、環境に配慮するとの意味で各種商品に使用されており、また、土木の分野において、杭を油圧ジャッキや多滑車などを用いた静荷重によって貫入させる既製杭設置方法の一つとして圧入工法が存在し、さらに、圧入工法は環境に及ぼす影響が少ないとの事実が確認できることなどから、本願商標全体として『環境に配慮したくい打ち機(圧入機)』と理解させるに止まるというべきである。そうすると、本願商標をその指定商品『くい打ち機』に使用しても、これに接する取引者、需要者に、『環境に配慮したくい打ち機(圧入機)』であると理解させるに止まることから、本願商標は商品の品質、機能を普通に用いられる方法で表示する標章のみからなる商標と認める。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当する。」旨認定、判断し、本願を拒絶したものである。
3 当審においてした審尋
当審において、平成28年3月1日付けで、請求人に対し通知した審尋は、次のとおりである。
本願商標は、「環境対応型圧入機」の文字を標準文字で表したものであり、その構成は「環境対応型」の文字と「圧入機」の文字からなるものと看取し得る。
そして、「環境対応型」の文字は、公害対策や自然環境保護の観点から、各産業分野において、環境負荷の低減、環境問題のリスク低減を前提とした低炭素、循環型等の商品開発又は当該商品について、広く使用されている語であるところ、本願の指定商品に係る業界(土木・建設業界)における次の(1)ないし(3)に示すとおりの実情を踏まえれば、上記構成からなる本願商標は、その指定商品「くい打ち機」に使用しても、これに接する取引者、需要者に、その商品が「振動や騒音等を抑制して環境に配慮した圧入式のくい打ち機」であると理解させるにとどまるものである。
(1)くい打ち機における「圧入機」の文字について
別掲(1)のアないしク並びに別掲(2)ア、イ及びオに示すとおり、くい打ち機(土木・建設用機械)には、打撃によらず、くい頭を油圧ジャッキなどによって圧入することで杭を設置するタイプが普及しており、別掲(1)のウ、オ及びカないしク並びに別掲(2)アのとおり、この「圧入式くい打ち機」及びこれを用いた工法の説明において、「圧入機」、「油圧式杭圧入機(杭圧入機)」、「油圧式圧入機」等の文字が使用されていることから、くい打ち機に関して「圧入機」の文字を用いた場合、そのくい打ち機が圧入式であることを表したものと容易に理解するというのが相当である。また、このような「圧入式のくい打ち機」は、別掲(1)のウ及びカないしク並びに別掲(2)オからすれば、他の方式のものに比して、振動や騒音が小さい特徴を有しており、別掲(1)のア及びイのとおり、振動の発生が少ないという理由から、振動規制法(振動について規制を行うことによる生活環境の保全等を目的とする法律)による規制の対象からも除外されているものであるから、環境に配慮した商品であることが認められる。
(2)くい打ち機における「環境対応型」の文字について
別掲(2)のアないしオに示すとおり、低騒音、低公害(排ガス削減)、低燃費(省エネ)等の環境に配慮した性能を有するくい打ち機が普及しており、その性能(商品の品質)を表す語として、「環境対応型」の文字が使用されている実情があることからすれば、くい打ち機に関して「環境対応型」の文字を用いた場合、そのくい打ち機が上記環境に配慮した性能(品質)を有することを表したものと容易に理解するというのが相当である。また、別掲(1)アないしウ及びカないしキで示した事実に加え、別掲(2)のア、イ及びオからも、圧入式のくい打ち機は、環境に優しい特徴を有するものとして知られていることが認められる。
(3)くい打ち機以外の土木・建設用機械における「環境対応型」の文字について
別掲(3)のアないしシに示すとおり、くい打ち機以外の土木・建設用機械についても、「環境対応型」の文字は、その機械(商品)が低騒音、低公害、低燃費等の環境に配慮した性能を有することを表すものとして、広く一般に使用されている実情が見受けられる。そうすると、くい打ち機を含む土木・建設用機械に「環境対応型」の文字を用いた場合、これに接する取引者、需要者は、その機械が環境に配慮した性能(品質)を有することを表したものと容易に理解するというのが相当である。
したがって、本願商標は、その指定商品との関係において、商品の品質を普通に用いられる方法で表示する標章のみからなる商標というのが相当であって、商標法第3条第1項第3号に該当する。
4 審尋に対する意見の要旨
請求人は、前記3の審尋に対して、平成28年4月11日付け回答書により、以下のように意見を述べている。
(1)本願商標が、「くい打ち機」の品質等を具体的、直接的に表示するものではないことについて
ア 本願商標は、商品「くい打ち機」の品質を暗示するものではあっても、単にその品質・性能を表すに過ぎないものではない。また、本願商標は、取引者、需要者間において一般的に普通名称として使用され認識されていたものではなく、出願人が商品「くい打ち機」に使用している商標として自他商品識別機能を失わない程度に広く認識されていたものであって、顕著性を有する。
イ 審尋の中に記載された各社のウェブサイト(別掲)には、「環境対応型」の文字はくい打ち機等の土木機械の性能を漠然と暗示する文字として使用されていて、商品の性能を直接的に表す語としては使用されていない。当業界において「環境」という言葉は広く使われており、上記各社のウェブサイトは、「環境」という言葉の意味は各社によって異なり多種多様にわたり一様ではないことを示している。また、「環境対応型圧入機」と一連不可分に使用されている例は見当たらない。
ウ 本願商標は、外観及び称呼の面からみると、商標として各文字の不可分一体性がきわめて強いものであるから、これに接する需要者・取引者は全体を一連不可分にとらえる。また、本願商標が、環境になんらかの関連を有するものとの観念を生じるとしても、極めて漠然とした広範な意味を生じるものであるため、指定商品との関係において商品が有する一定の品質を表示するものとして一般需要者・取引者に認識されると解することは困難である。
エ 上記のように、圧入機を使用した土木業界においては、その機械の性質上、振動、騒音等のいわゆる公害を防止する取り組みが行われているが、このような環境に対する取り組みはその内容は千差万別である。したがって、本願商標は、「くい打ち機」の品質等を具体的、直接的に表示するものではなく、暗示的に表現したものと理解されることがあるというに止まる一種の造語として把握されるものである。
(2)本願商標の周知性について
平成27年2月9日提出の意見書及び審判請求書に加え、次のアないしエにより本願商標の周知性について説明し、本願商標が請求人のくい打ち機を表すものとして需要者、取引者に広く知られていることを主張する。
ア 第14号証ないし第16号証のとおり、国土交通省NETIS登録情報の新技術概要説明情報に、環境対応型圧入機(登録No.CB−060028−VE)として、ECO82、ECO100、 ECO900及びF101の4機種が登録されており、これらはいずれも請求人のくい打ち機である。環境対応型圧入機について、その対象工事の15件はすべて「施工者希望型」となっており、施工者が受注の際に当該技術の活用を技術提案として実施されたものであるから、「環境対応型圧入機」の名称は当業者の間で広く知られているものと考えられる。
イ 第17号証のとおり、請求人と全国圧入協会が主催して2003年10月29日から11月5日の間に東京都江東区有明で行った「圧入工法」新技術発表会では、幅広い業界から約970名の人々が来場して、環境対応型圧入機として「サイレントパイラーECO」を見学している。さらにこの新技術発表会は、来場者だけでなく請求人が各種雑誌に掲載した広告で広く周知せしめ、あるいは新聞記事等で広汎に宣伝され、あるいは本件審判請求人がメール配信したクライエント、新聞社、雑誌社とのマスコミ関係者によって、また日本建設機械化協会を通じて200名程度に送付した案内状を通じて、「環境対応型圧入機」の言葉とそれが示す「サイレントパイラーECO」は業界では広く知られたものとなったと考えられる。
ウ 第18号証ないし第27号証のとおり、請求人の広告宣伝と新聞の記事により、「環境対応型圧入機」の言葉は、請求人のサイレントパイラーエコシリーズのくい打ち機を示すものとして広く知られていたと考えられる
エ 第28号証のとおり、2006年以降のサイレントパイラーエコシリーズの各機種のカタログがある。
5 当審の判断
(1)商標法第3条第1項第3号について
本願商標は、「環境対応型圧入機」の文字を標準文字で表したものであるところ、これを、その指定商品「くい打ち機」に使用しても、これに接する取引者、需要者に、前記3の審尋のとおり、その商品が「振動や騒音等を抑制して環境に配慮した圧入式のくい打ち機」であると理解させるにとどまるものであるから、商品の品質を普通に用いられる方法で表示する標章のみからなる商標というのが相当であって、商標法第3条第1項第3号に該当する。
請求人は、本願商標は、その構成上も一連不可分のものとして捉えられるものであり、当業界において、「環境」の意味は各社多種多様にわたり一様でなく、また、本願商標が、環境になんらかの関連を有するものとの観念を生じるとしても、極めて漠然とした広範な意味を生じるものと考えられるから、一種の造語として把握されるものであり、「環境対応型圧入機」と一連不可分に使用されている例は見当たらないと主張する。
しかしながら、「環境対応型」の文字は、川崎重工株式会社のトンネル工事用ダンプトラックについて、「国土交通省が2003年10月から導入する『排出ガス第2次基準値』をクリアした環境対応型ダンプトラックです。」(別掲(3)イ)とされていることから、請求人が「環境対応型圧入機」の文字を新技術発表会において使用した頃には、建設業界において、既に、環境汚染等に対応したもの程の意味合いを表すものとして認識されて使用されていたといえる。そして、その後も、新キャタピラー三菱株式会社のブルドーザーについて、「環境対応中型ブルドーザー発売」及び「第三次排出ガス規制に対応する、新世代環境対応型エンジン・・・を搭載する中型ブルドーザー・・・を8月10日から発売した。」(別掲(3)オ)、コベルコ建機株式会社の建設機械開発について、「・・・再生資源化する、つまり解体作業のプロセスをそのままリサイクルの一環とするなど、新たな視点・発想から捉え直して環境対応型建設機械の開発を推進しています。」(別掲(3)ケ)のように、大気汚染や資源再利用により環境に配慮したもの程の意味合いで使用されていたものと認められる。
そして、各社の「環境」という言葉の意味及び環境に対する取り組み内容が種々様々であるとしても、くい打ち機が含まれる土木・建設用機械について、「環境対応型」の文字が、その機械(商品)が低騒音、低公害、低燃費等の自然環境や社会的環境に配慮した性能を有することを表すものとして、一般に使用されていることからすると、該文字は、土木・建設用機械の分野において、商品の一定の内容を理解する語であるというのが相当である。
また、本願商標の構成が標準文字により一連に表示されているとしても、上記のとおりの「環境対応型」の語と圧入工法を利用する「圧入機」の語からなる本願商標は、「環境に対応できる圧入工法を利用する圧入機」を表す語として自然に理解し得るものである。
してみると、本願商標は、一連不可分に使用されている例が見当たらないとしても、取引者、需要者にその指定商品の品質を表示するものとして、一般に認識されるものであり、また、取引に際し必要適切な表示として何人もその使用を要するものであると認められるものであるから、特定人によるその独占使用を認めることは公益上適当でないものであり、上述のとおり、自他商品の識別力を欠くものというべきである。
よって、請求人の上記主張はいずれも採用できない。
(2)商標法第3条第2項について
請求人は、前記4(2)のとおり、本願商標が請求人のくい打ち機を表すものとして需要者、取引者に広く知られているものであるから、商標登録されるべきと主張し、証拠方法として、第14号証ないし第28号証(枝番号含む)を提出した。
ア 請求人の主張及び提出に係る各号証によれば、次の(ア)ないし(オ)のとおりである。
(ア)NETIS(新技術情報提供システム)の登録情報
国土交通省が運用している新技術に係る情報を共有及び提供するためのデータベース(2号証)である「NETIS(新技術情報提供システム)」のウェブサイト(14号証)において、「新技術概要説明情報」の見出しの下、2016年4月5日現在の情報として、技術名称を「環境対応型圧入機」とする登録情報の掲載があり、その概要として、「何について何をする技術なのか? ・生分解性油脂類の採用と、CO2排出量の大幅削減および排ガス3次基準への適合を達成した環境負荷低減型の鋼矢板圧入工法です。」及び「本工法に用いる圧入機サイレントパイラーエコは、植物系の生分解性油脂・・・を使用、万一水中や土壌に油脂類が流出しても自然分解され、生態系に影響を及ぼす恐れはほとんどありません。また、エンジンユニットは、排出ガス対策型建設機械(3次基準)および超低騒音対策型建設機械の認定取得はもとよりアイドリング切替機構の採用によって、CO2排出量を当社従来機SA100に対して26%も削減しています。さらにウォータジェットを併用する場合では、ジェットポンプの運転を圧入機サイレントパイラーの圧入動作に連動させて吐出量を自動調整し(エコジェットシステム)、使用水量の大幅削減によって地盤への影響を最小限に抑えています。」の記載がある。
(イ)「圧入工法」新技術発表会
請求人及び全国圧入協会(JPA)主催の「『圧入工法』新技術発表会」が平成15年(2003年)10月29日から11月5日までの8日間、東京都江東区有明の特設会場で開催され(17号証の1〜5、8〜14)、そのパンフレットには、「■鋼管矢板圧入機『鋼管パイラー』シリーズ」等の記載と併記して、「■環境対応型圧入機『サイレントパイラーECO』」の記載があり(17号証の1、9、14)、また、全国圧入協会事務局が2004年(平成16年)1月1日に発行した「全国圧入協会 JPAだより」には、その8日間の来場者の合計が、約970名であった旨の記載がある(17号証の5)。
(ウ)新聞記事
高知新聞(平成17年10月25日)の記事において、「技研 当期利益は微増 8月期決算 建設機械が順調」の見出しの下、「技研製作所(・・・)は二十四日、二〇〇五年八月期(・・・)連結決算を発表した。圧入工事事業が振るわず減収となったが、環境対応型圧入機『サイレントパイラーエコシリーズ』の新機種が順調だった・・・。」の記載がある(18号証)。
(エ)広告掲載
a 「週刊建機新報 NO.1408」(2006年(平成18年)7月12日 建設機械新報社発行)において、請求人の取り扱いに係る圧入機「サイレントパイラーエコ900」の広告が掲載されており、その広告上段中央に大きく表された商品写真、その上に、大きく書された「SILENT PILER ECO 900」と「サイレントパイラーエコ900」の文字が2段に表され、写真の右上に、木の図形と重ねて「環境対応型」と「圧入機」の文字が2段に表されており、さらに、写真の下には、「優れた施工性と卓越した環境性能」、「先進の環境配慮設計 ■生分解性油脂採用(・・・) ■国土交通省 排出ガス第2次基準クリア ■国土交通省 超低騒音基準クリア ■環境対応形塗料(・・・)を使用」の記載がある(19号証)。
b 高知新聞(2006年(平成18年)12月24日)において、請求人の全面広告が掲載されており、その広告下段中央に大きく「工法革命 GIKEN 40th」と表され、その左上に、「環境対応型圧入機」と「SILENT PILER ECO シリーズ」の記載と共に、3つの商品が写真と共に掲載され、うち2つには、「サイレントパイラー」の文字が付されている(20号証)。
c 「北海道の新技術 活用 事例集 NEW TECHNOLOGY HOKKAIDO 2008」(北海道土木工業新聞社)及び建通新聞(2008年(平成20年)12月2日)において、請求人の取り扱いに係る商品「SILENT PILER ECO」の広告が掲載されており、広告上段に大きく「北海道で活躍するSILENT PILER ECO」又は「NETIS登録技術 SILENT PILER ECO」の文字、その左下に、「複合式圧入機」として「サイレントパイラー」の「ECO400S」、右下に「環境対応型圧入機」として「サイレントパイラー」の「ECO82」と「ECO100」が紹介されている。
そして、「複合式圧入機」の説明として、「硬質地盤を施工標準とした複合式圧入機 ECO400S」、「■硬質地盤への対応」、「■最適工法の選択」の記載及び三角形状の図形と重ねて「硬質地盤」と「クリア工法」の文字が2段に表されており、他方、「環境対応型圧入機」の説明として、「環境負荷低減と情報化施工を実現したECOシリーズ」、「■環境配慮設計」、「■自動運転システム」、「■圧入管理システム」の記載及び木の図形と重ねて「環境対応型」と「圧入機」の文字が2段に表されている(23号証、24号証)。
d 「土木・建築基礎工事と機材の専門誌 基礎工 2009 Vol.37,No.3」(平成21年3月15日 総合土木研究所発行)において、請求人の取り扱いに係る商品「SILENT PILER ECO900」の広告が掲載されており、その見出しの下に、「NETIS(・・・)登録番号・・・環境対応型圧入機」、商品の説明として、「■経済効果」、「■施工効率」、「■環境効率(周辺環境への予防保全)」、「■品質効率(工事品質の科学的管理)」の記載及び大きく表された商品写真の右上に、木の図形と重ねて「環境対応型」と「圧入機」の文字が2段に表されている(25号証)。
e 建通新聞(2014年4月15日 高知・徳島版、8頁)において、「新製品&工法」の欄に、「主要部品の信頼性向上と長寿命化実現 環境対応型圧入機『サイレントパイラーF101』」の見出しの下、「技研製作所(・・・)は、環境対応型圧入機『サイレントパイラーF101』を開発、8月下旬から販売を開始する。」の記載がある(27号証)。
f 第21号証は、請求人の取り扱いに係るサイレントパイラーエコシリーズの広告であり、「環境対応型圧入機」、「サイレントパイラー エコシリーズ」、「SILENT PILER ECO」の文字と共に、サイレントパイラーECO900、サイレントパイラーECO82−4Cの写真が掲載され、また、その商品紹介として、「●生分解性オイル・グリース標準採用」、「●国土交通省 排出ガス第2次基準値クリア」、「●国土交通省 超低騒音基準値クリア」等の記載があり、さらに、「私たちは環境対応型を標準と考えます」の記載がある。
g 第22号証は、請求人の取り扱いに係るサイレントパイラーエコ900の広告であり、上部に「SILENT PILER ECO 900」、「サイレントパイラー エコ900」等の文字が記載があり、中央に大きく表された商品写真の右に、木の図形と重ねて「環境対応型」と「圧入機」の文字が2段に表されており、商品の説明として、前記木の図形と共に「優れた環境配慮設計」の項目があり、その詳細として、「■生分解性油脂の標準採用」、「■国土交通省 排出ガス第2次基準クリア」、「■国土交通省 超低騒音基準クリア」、「■環境対応型塗料(TXフリー、無鉛)を使用」という特徴が紹介されている。
h 第26号証は、請求人の取り扱いに係るサイレントパイラーエコシリーズの広告であり、広告上段に大きく「NETIS登録技術 SILENT PILER ECO」の文字、その左下に、「複合式圧入機」として「サイレントパイラー」の「ECO400S」、右下に「環境対応型圧入機」として「サイレントパイラー」の「ECO82」及び「ECO100」並びに「ECO900」が紹介されており、「複合式圧入機」の説明として、「硬質地盤を施工標準としたECO400S」の記載があり、他方、「環境対応型圧入機」の説明として、「環境負荷低減と情報化施工のECOシリーズ」の記載がある。
(オ)商品カタログ
a 請求人の取り扱いに係るサイレントパイラーエコ100、同82、同900の各広告カタログ(28号証の1〜3)には、それぞれ「2011 GIKEN LTD.All Right Reserved. Ver2.3JA06/22 Feb 2016」、「2011 GIKEN LTD.All Right Reserved. Ver1.3JA03/22 Feb 2016」、「2013 GIKEN LTD.All Right Reserved. Ver1.7JA06/22 Feb 2016」の記載があり、いずれのカタログにも、その表紙の上部の「SILENT PILER ECO100」、「SILENT PILER ECO82」又は「SILENT PILER ECO900」の文字とその下の商品写真が大きく表され、商品写真の右上に、木の図形と重ねて「環境対応型」と「圧入機」の文字が2段に表されている。また、サイレントパイラーエコ82のカタログ(28号証の2)には、前記木の図形と共に「優れた環境配慮設計」の項目があり、その詳細として、「クリーンな排出ガスでオフロード法適合」、「超低騒音基準の音量に対して1/5を達成」、「生分解性油脂の標準採用」という特徴が、同900のカタログ(28号証の3)には、同木の図形と共に「優れた環境配慮設計」の項目があり、その詳細として、「厳しい環境基準をクリア」、「高い燃費効率でオフロード法に適合」、「超低騒音基準の音量に対して1/3を達成」、「生分解性油脂の標準採用」という特徴が紹介されている。
b 請求人の取り扱いに係るサイレントパイラーF101の広告カタログ(28号証の4)には、「2014 GIKEN LTD.All Right Reserved. Ver2.0JA02/22 Feb 2016」の記載があり、その表紙の上部右に、「GIKEN」、「SILENT PILER」、「F101」、「U形鋼矢板400mm幅専用機」及び「環境対応型圧入機 NETIS登録番号:・・・」の文字が表されている。また、その商品説明として、「2 卓越した環境配慮設計」の項に、前記木の図形と共に、「オフロード法2014年基準に適合した新パワーユニット」、「国土交通省基準値を高レベルでクリアした超低騒音設計」、「生分解性油脂の標準採用」という特徴が紹介されている。
c 請求人の取り扱いに係るサイレントパイラーECOの技術資料(28号証の5)には、「2012 GIKEN LTD.All Right Reserved. Ver8.2JA01/26 Feb 2016」の記載があり、その表紙の上部に、「環境対応型圧入機」、「サイレントパイラー ECO」、「NETIS(・・・)登録番号・・・」、「オフロード法対応 技術資料」、「最高レベルの環境配慮技術とITにより 地球環境を保全する」の記載及びその下に商品写真が大きく表され、商品写真の右上に、木の図形と重ねて「環境対応型」と「圧入機」の文字が2段に表されている。そして、「超低騒音化の追求」のもとに騒音比較がされ、「排気ガスのクリーン化」のもとに従来機との比較がされている。
イ 判断
請求人は、平成15年10月29日から東京都江東区有明で8日間開催された請求人ら主催の新技術発表会において、そのポスター、パンフレットに、本願商標を含む、「■環境対応型圧入機『サイレントパイラーECO』」(17号証)の文字を使用したことが認められる。その後、請求人の取り扱いに係る圧入式のくい打ち機であるサイレントパイラーエコシリーズは、平成18年以降に発行された新聞や専門誌により、少なくとも6回の広告を行っていること、平成19年にNETIS(新技術情報提供システム)に登録された「技術名称」(1号証)であること、その後も、九州農政局(5号証)、兵庫県(6号証)、東海農政局(7号証)等においても「(新)技術の名称」として紹介されたこと、平成23年以降に商品カタログを発行していること(28号証)、その広告やカタログ等に、NETISに登録された技術である「環境対応型圧入機」を用いた商品であることの記載や木の図形と重ねて「環境対応型」と「圧入機」の文字が2段に表された標章が記載されていること(19〜26号証等)などが認められる。そして、NETISに登録された技術である「環境対応型圧入機」による施工実績が、平成14年頃から約90件あることが認められる(4号証)。
しかしながら、「新技術発表会」のパンフレットには、「展示ゾーン」の内容紹介に、「環境対応型杭圧入機 サイレントパイラー・・・の圧入実演」及び「環境負荷を大きく低減したエコジェットシステムの説明」(17号証の14)、「週刊建機新報」の広告には、「優れた施工性と卓越した環境性能・・・先進の環境配慮設計 生分解性油脂採用・・・国土交通省 排出ガス第2次基準クリア・・・環境対応形塗料(TXフリー、無鉛)を使用」(19号証)、高知新聞の広告には、「環境型社会の基礎を築く」(20号証)、第21号証の広告には、「・生分解性オイル・グリース標準採用 ・国土交通省 排出ガス第2次基準値クリア ・国土交通省 超低騒音基準値クリア」、第22号証の広告及びカタログ(28号証の2・3)には、「優れた環境配慮設計」、その他の広告には、「環境負荷低減と・・・環境配慮設計」(23号証・24号証)、「環境効率(周辺環境への予防保全)」(25号証)、「高い施工品質と環境配慮特性を誇る」(26号証)、また、カタログには、「卓越した環境配慮設計」(28号証の4)、「最高レベルの環境配慮技術とITにより地球環境を保全する」及び「新世代環境対応型エンジン搭載によりオフロード法に適合」(28号証の5)との記載が、いずれにも、「サイレントパイラー(エコ)」、「SILENT PILER(ECO)」と併記されている。
以上のとおり、これらの広告やカタログ等においては、「環境対応型圧入機」の文字は、「サイレントパイラー(エコ)」、「SILENT PILER(ECO)」の表示及び上記環境に係る説明とともに常に使用されているものであり、また、特に、カタログにおいては、「サイレントパイラー(エコ)」又は「SILENT PILER(ECO)」の表示が、大きい文字で又はデザインされた文字で目立つように表示されていることから、看者の注意をひくといえる。
そうすると、請求人は本願商標の使用に係る圧入機が排ガスや低騒音の基準をクリアした等の環境に配慮した商品であると説明していること、及び「環境対応型圧入機」の文字は、上述のとおり、本願の指定商品に使用された場合、需要者等に「環境に配慮した圧入式のくい打ち機」を理解されるものと認められることを併せみると、これらに接する取引者、需要者において、「環境対応型圧入機」の表示により、特定の者の業務に係る商品であるものと認識するものではなく、商品の出所表示として認識するのは、看者の注意をひく態様で顕著に表示された「サイレントパイラー(エコ)」、「SILENT PILER(ECO)」であるというべきである。
加えて、「環境対応型」の文字及び「圧入機」の文字は、別掲のとおり、土木・建設用機械を取扱う分野において請求人以外においても使用されている。
してみれば、請求人が平成14年から環境対応型圧入機による施工実績を有するとしても、本願商標は、使用された結果、本願の指定商品の取引者、需要者において、その商品の出所を表示するものとして、認識されるに至ったものと認めることはできない。
ウ 小括
したがって、本願商標は、商標法第3条第2項の要件を具備するものとはいえない。
(3)まとめ
以上のとおり、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当し、同条第2項の要件を具備するものとはいえないから、登録することができない。
よって、結論のとおり審決する。
Next Action
次の一手につながるサービス
類似審決の追加調査から中間応答、新規出願の費用確認まで、この審決を起点に次のアクションへ進めます。