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Trademark Appeal Case

デオドラントハーブの識別力

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号不服2015−10707(T2015−10707/J1)
審判種別不服
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

本件審判の請求は、成り立たない。

理由テキスト

1 本願商標

本願商標は、「デオドラントハーブ」の片仮名を標準文字で表してなり、第3類「家庭用帯電防止剤,家庭用脱脂剤,さび除去剤,染み抜きベンジン,洗濯用柔軟剤,洗濯用漂白剤,口臭用消臭剤,動物用防臭剤,芳香洗浄剤,その他のせっけん類,歯磨き,化粧品,香料,芳香剤(身体用のものを除く。),消臭芳香剤(身体用のものを除く。),その他の薫料」及び第5類「除菌剤(洗濯用・身体用及び工業用のものを除く。),抗菌剤(洗濯用・身体用及び工業用のものを除く。),消臭剤(身体用・動物用及び工業用の消臭剤並びに口臭用消臭剤を除く。),芳香消臭剤(身体用・動物用及び工業用の消臭剤並びに口臭用消臭剤を除く。),その他の薬剤,医療用試験紙,医療用油紙,衛生マスク,オブラート,ガーゼ,カプセル,眼帯,耳帯,生理帯,生理用タンポン,生理用ナプキン,おりもの専用シート,脱脂綿,ばんそうこう,包帯,包帯液,胸当てパッド,おむつ,おむつカバー,防虫紙,乳幼児用粉乳,サプリメント,食餌療法用飲料,食餌療法用食品」を指定商品として、平成26年5月13日に商標登録出願されたものである。

2 原査定の拒絶の理由の要点

原査定は、「本願商標は、『脱臭剤、防臭剤』を意味する『デオドラント』の文字と、『香草、薬草』を意味する『ハーブ』の文字を一連に『デオドラントハーブ』と書してなるところ、『香草を使用した脱臭剤・防臭剤』の意味合いを容易に認識させる。そして、『デオドラントハーブ』の語が、上記意味合いで使用されている実情もある。よって、これを本願指定商品中、例えば『香草を使用した口臭用消臭剤・動物用防臭剤・芳香洗浄剤・その他のせっけん類・歯磨き・化粧品・香料・芳香剤(身体用のものを除く。)・消臭芳香剤(身体用のものを除く。)・その他の薫料・消臭剤(身体用・動物用及び工業用の消臭剤並びに口臭用消臭剤を除く。)・芳香消臭剤(身体用・動物用及び工業用の消臭剤並びに口臭用消臭剤を除く。)・その他の薬剤』に使用しても、単に商品の品質・材料・種類を表示するにすぎないものと認める。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当し、前記商品以外の商品に使用するときは、商品の品質の誤認を生じさせるおそれがあるから、同法第4条第1項第16号に該当する。」旨認定、判断し、本願を拒絶したものである。

3 当審においてした審尋

当審において、平成28年3月31日付けで、請求人に対し通知した審尋は、次のとおりである。

本願商標は、「デオドラントハーブ」の片仮名を標準文字で表してなるところ、その構成中、「デオドラント」の文字は、別掲(1)のとおり、「防臭剤。脱臭剤。防臭・脱臭効果のあるさま。」の意味を有する語として親しまれているものであり、また、「ハーブ」の文字は、別掲(2)のとおり、「薬草、香味料とする草の総称。」の意味を有する語として親しまれているものであって、そのハーブ(の香り)には、リフレッシュ効果やリラックス効果、さらに、消臭効果もあるとされ、一般的に商品等への香り付けや消臭のために用いられることが知られている。

そして、別掲(3)のとおり、本願の指定商品の分野においては、「デオドラント」の語は、防臭・消臭(脱臭)の効果を表す文字として使用されており、防臭や消臭を特徴とする商品について、「ハーブ」の語は、その原材料や香り付けを表す文字として使用されている。さらに、「デオドラントハーブ」の文字は、別掲(4)のとおり、「デオドラント効果のあるハーブ成分を使用した商品」及び「ハーブの香りがするデオドラント効果のある商品」程の意味合いを表すものとして使用されている事実がある。

そうすると、本願商標を構成する「デオドラントハーブ」の文字は、これをその指定商品中、「洗濯用柔軟剤,口臭用消臭剤,動物用防臭剤,芳香洗浄剤,せっけん類,歯磨き,化粧品,香料,芳香剤,消臭芳香剤,薫料,消臭剤,芳香消臭剤,薬剤,サプリメント,食餌療法用飲料,食餌療法用食品」に使用した場合、取引者、需要者は、その商品が「デオドラント効果のあるハーブ成分を使用した商品」及び「ハーブの香りがするデオドラント効果のある商品」であると認識するにすぎないものというのが相当であるから、本願商標は、商品の品質を普通に用いられる方法で表示するものである。

したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当する。

4 審尋に対する意見の要旨

請求人は、前記3の審尋に対して、平成28年5月13日付け回答書により、「本願商標は、外観上一連一体に把握され、その全体を一気に称呼し得るものであり、請求人(出願人)が本願商標の使用に係る商品の品質等を需要者取引者に暗示的に想起せしめることを工夫して案出した一種の造語であって、決して、需要者、取引者に商品の品質等を直感的に認識せしめるものではない。本願商標は、その構成文字に照らして、『脱臭・防臭』や『香草』と何らかの関連があることを示唆するとしても、商取引における実情を鑑みるに、需要者、取引者に対して暗示的・間接的にかかる意味合いとの関連性を何となく想像させるにすぎず、『香草を使用した脱臭剤・防臭剤』のような意味合いを直感的・直接的に表示するものではない。現に、『デオドラントハーブ』の語は、本願の指定商品の取引市場において、『デオドラント効果のあるハーブ成分を使用した商品』及び『ハーブの香りがするデオドラント効果のある商品』の意味合いにおいて普遍的かつ広範に使用されてはいない。審尋で示されたウェブサイト情報からは、『洗濯用柔軟剤,口臭用消臭剤,動物用防臭剤,芳香洗浄剤,せっけん類,歯磨き,化粧品,香料,芳香剤,消臭芳香剤,薫料,消臭剤,芳香消臭剤,薬剤,サプリメント,食餌療法用飲料,食餌療法用食品』の一つ一つの商品について、『デオドラントハーブ』が普遍的かつ広範に使用されているとは到底認められない。したがって、本願商標は、指定商品の品質、材料等を普通に用いられる方法で表示する標章として取引者・需要者の間に理解・認識されているものと認定すべき事情にはなく、むしろ、請求人(出願人)が鋭意工夫して採択した造語であると認定されるべきである」旨述べている。

5 当審の判断

(1)商標法第3条第1項第3号について

本願商標は、「デオドラントハーブ」の片仮名を標準文字で表してなるところ、前記3の審尋のとおり、これをその指定商品中、「洗濯用柔軟剤,口臭用消臭剤,動物用防臭剤,芳香洗浄剤,せっけん類,歯磨き,化粧品,香料,芳香剤,消臭芳香剤,薫料,消臭剤,芳香消臭剤,薬剤,サプリメント,食餌療法用飲料,食餌療法用食品」に使用した場合、取引者、需要者は、その商品が「デオドラント効果のあるハーブ成分を使用した商品」及び「ハーブの香りがするデオドラント効果のある商品」であると認識するにすぎないものであるから、本願商標は、商品の品質を普通に用いられる方法で表示する商標というのが相当である。

したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当する。

(2)請求人の主張について

ア 請求人は、ハーブの様々な作用のうち、デオドラント(消臭)作用の比重は極めて低く、ハーブを消臭のために用いることが一般的に知られているとはいえないと主張する。

しかしながら、ハーブが有する効果(作用)の一つとして、消臭効果が認められるものであり(別掲(2))、本願の指定商品に係る分野において、ハーブ成分により消臭効果を発揮する商品及びハーブが香り付けに使用されている防臭・消臭商品が取引され、これら商品について、ハーブ成分を用いていることやハーブの香りであることが、商品の特徴として紹介、説明されている実情があることをも踏まえれば(別掲(3))、本願商標「デオドラントハーブ」は、これに接する取引者、需要者が、その構成中の「ハーブ」の片仮名が「ハーブ成分」及び「ハーブの香り」を表したものとして認識するというのが相当である。

イ 請求人は、「デオドラント」の語が防臭・消臭(脱臭)の効果を表す文字として使用されている事実(別掲(3))は、各指定商品の分野ごとに1件ないし4件にすぎず、また、「デオドラントハーブ」は既成の熟語ではなく、審尋で示された「デオドラントハーブ」の語の使用例(別掲(4))も、請求人において使用と認められるのはわずか6件であるから、これをもって、指定商品の一つ一つについて、「デオドラント」及び「デオドラントハーブ」の語が普遍的かつ広範に使用されているとはいえないと主張する。

しかしながら、「デオドラント」は、「防臭剤。脱臭剤。防臭・脱臭効果のあるさま。」の意味を有する既成の語(別掲(1))であって、これが本願の指定商品中、衣服、身体、居住空間における防臭・消臭等を特徴とし、一般消費者を主な需要者とすることにおいて共通する商品に幅広く使用されている事実があることからすれば(別掲(3))、当該商品分野における需要者は、「デオドラント」の語から直ちに防臭・消臭(脱臭)の効果の意味合いを理解するというべきであるのに加え、「ハーブ」の語については上記アのとおりであり、さらに「デオドラントハーブ」の語の実際の使用状況(別掲(4))を踏まえて考察すれば、本願商標を上記商品に使用した場合、これに接する需要者は、「デオドラントハーブ」の片仮名が「デオドラント効果のあるハーブ成分を使用した商品」及び「ハーブの香りがするデオドラント効果のある商品」であることを表したものと容易に認識するというのが相当である。

ウ 請求人は、本願商標は、指定商品の品質、材料等を普通に用いられる方法で表示する標章として取引者、需要者の間に理解、認識されているものと認定すべき事情にはなく、むしろ、請求人が鋭意工夫して採択した造語であると認定されるべきであると主張する。

しかしながら、本願商標が一体的に構成されているとしても、防臭・消臭商品ないし香りを有する商品に広く使用されている「デオドラント」及び「ハーブ」の語からなる本願商標は、上記(1)に記載の商品との関係において、商品の品質を表示するものとして認識されると判断するのが相当であり、自他商品の識別標識としての機能を果たすものということはできない。

エ 上記のとおり、請求人の主張はいずれも妥当とはいえない。

(3)まとめ

以上のとおり、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当し、登録することができない。

よって、結論のとおり審決する。

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