結論テキスト
審判費用は、被請求人の負担とする。
Trademark Appeal Case
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
| 審判番号 | 平成11年審判第30115号 |
|---|---|
| 審判種別 | 不服 |
| 結論 | 勝訴(請求認容) |
本件登録第2705451号商標(以下、「本件商標」という。)は、「バイオオーガニック」と「BIOORGANIC」の文字を二段に横書きしてなり、平成1年9月25日登録出願され、第9類「産業機械器具、その他本類に属する商品。但し、動力機械器具、風水力機械器具、事務用機械器具、機械要素を除く」を指定商品として、平成7年3月31日設定登録されたものである。
請求人は、結論同旨の審決を求めると申し立て、その理由及び答弁に対する弁駁を要旨次のように述べ、証拠方法として甲第1ないし第5号証を提出している。
(1)本件商標は、その指定商品中「土木機械器具、荷役機械器具」について、継続して3年以上日本国内において、商標権者、専用使用権者又は通常使用権者により使用されている事実がなく、本件商標の使用をしていないことについて正当な理由があるとも認められない。
よって、本件商標は、商標法第50条第1項の規定により、その登録は取消されるべきである。
(2)被請求人は、本件審判請求の趣旨に記載された「土木機械器具,荷役機械器具」について、継続して日本国内において商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれかが登録商標を使用することを証明しなければならない筈である。
ところが被請求人は、何らの証明をすることなく、「請求人の本件請求は失当である。」、「本件請求人にとっては本件商標に対し私益的理由はあっても公益的といわれるような理由などは微塵も存しないのである。」などと申し立てているのみである。
しかしながら、請求人は、商標登録第4120211号の商標権者である。そして、被請求人は、甲第2号証に示すように「バイオ・オーガニック工法/BIO ORGANIC」の商標を恰も役務区分第37類に登録された商標であるかの如く装い、登録商標であることを意味するごとく「R」の文字を付して使用していた者であるので、被請求人は商標権者でないにも関わらず、商標法に違反して恰も商標権者であるかの如く装い、社会の秩序を紊乱していた者であるから、請求人の今回の審判請求は、勿論、出願人の個人の問題からのみ行ったものではなく、被請求人の無責任かつ不法な行為を是正させ、もって商標秩序を維持し、公共の秩序を実現しようとするものである。
また、新商標法において不使用取消審判の請求人適格が緩和された趣旨に鑑みれば、使用されていない商標について取消を求め一般公衆に開放しておくという公益が存在することは明らかである。
(3)被請求人は、答弁書において、「被請求人は本件商標を、本件審判請求に係る指定商品には使用しておらず、植生機械に使用している。」旨を述べている。このことは被請求人自ら、本件審判請求に係る指定商品について使用していないことを申し立てたと同じことである。
(4)被請求人は、「『植生機械』は『土木機械器具、荷役機械器具』に属するものではない。」と述べているが、商品の分類は、その機能又は用途に従って、商標法施行規則別表に揚げられている比較の可能な他の商品から分類されるものである。
「植生機械」が専ら土木・法面工事に使用される用途を有するものであることからすれば、「植生機械」は「土木機械器具、荷役機械器具」として分類される可能性が十分に考えられる。
しかしながら、惜しむらくは被請求人は、「前記『植生機械』には『バイオオーガニック』の標章を大きく付して使用しているのである。」と述べるのみで、使用証明は何一つとして行っていない。
(5)被請求人は、請求人所有の商標登録第4120211号について登録無効審判を請求した(平成11年審判第35073号)と述べているが、このことは本件とは関係のないことである。
被請求人は、「本件審判の請求は成り立たない。審判費用は請求人の負担とする、との審決を求める。」と答弁し、その理由を要旨次のように述べ、証拠方法として乙第1ないし第7号証を提出している。
(1)請求人が、本件審判を請求した理由は、請求人自身にとってどのような利害関係があってのものなのか不明である。
あるいは、請求人が本件審判請求の理由で記述しているような請求人にとってはどうでもいい理由、「商標法上の保護は、商標の使用によって蓄積された信用に対して与えられるのが本来のあるべき姿である」から、「不使用商標について排他的独占的な権利を与えておくことは国民一般の権利を不当に圧迫するものである」という、前段と後段との間に論理の脈絡のない意味不明な根拠によるものである。
「何人も」商標登録の取消審判の請求ができるとは公益的理由が存することを意味するところ、本件請求人にとっては本件商標に対し私益的理由はあっても公益的といわれるような理由などは微塵も存しないのである。
以上の理由により、請求人の本件審判請求は正鵠を得ない全く理由のないものである。
(2)請求人は、本件審判請求を、前記指定商品のうち、特に「土木機械器具,荷役機械器具」についての登録を取り消すことを趣旨として請求していながら、その理由の項においては、被請求人(商標権者)が指定商品「産業機械器具,その他本類に属する商品。但し、動力機械器具,風水力機械器具,事務用機械器具,機械要素を除く」について登録商標を使用していることは認められないと主張する。
しかし、本件審判事件における請求人の「請求の趣旨」は、その記載どおりのものであるから、これに対して答弁する。
なお、「請求の趣旨」の記載の変更は違法であるから許されない。
(3)被請求人は、前身の株式会社宮崎興産を解散し新会社の株式会社環境技建を設立したことを期に、平成6年4月1日に「バイオ緑化開発協会」を設立した。この協会の会長には株式会社日さく北海道支店の内藤健治支店長が就任し、副会長に被請求人会社の宮崎信弘と株式会社幸進の奥田幸夫が就任し、宮崎は技術委員長も兼任した。
また、同協会の目的及び事業内容は、定款(乙第2号証)及び平成10年5月28日より発効した改訂会則(乙第3号証)のとおりであり、「バイオ・オーガニック工法」の普及・宣伝等を含め、また改訂会則第5条によれば、同協会員は「バイオ・オーガニック工法の再実施権契約を株式会社環境技建と締結した企業をもって構成するもの」としている。
したがって、本件商標については、被請求人会社がその植生機械に付して使用しているのみならず、「バイオ緑化開発協会」の会員も本件商標を付した植生機械を使用して作業しているのである。
(4)被請求人が本件商標を使用している商品は、バイオオーガニック工法の実施のために使用する「植生機械」であり、各地の法面緑化工事を行うためにトラックの荷台に搭載した本機を現場まで運搬し、この植生機械のタンクに植生用の栄養成分から成る基盤材と種子と水とを収容して攪拌混合した後、大径長尺ホースによって所定場所へ注入、吹付けするものであるから、例えば農業用機械に属する商品と考えられる。そして、ここで使用されている「植生機械」に「バイオオーガニック」の標章を大きく付して使用し、また、そのタンク部分には「BIO ORGANIC」の欧文字を表示している(乙第4ないし第6号証)。
そして、使用商品「植生機械」は土木機械と称される機械に属するものではないのである。まして荷役機械に属するものでもない。したがって、請求人の本件請求は失当であり、「植生機械」が仮に「土木機械器具」に属する商品であるとすれば、被請求人は過去3年間において本件商標を使用しているのである。
なお、乙第7号証において、「植生機械」を使用して工事している状態が理解できる。
(5)「バイオオーガニック工法」とは、被請求人の代表者が開発した画期的な法面緑化工事方法であるが、請求人が被請求人に無断で「バイオ・オーガニック」の片仮名文字書きの標章を、第37類において平成10年3月6日に商標登録第4120211号として設定登録したことが判明したので、これに対して被請求人は平成11年2月16日に、商標法第4条第1項第10号違反を理由により登録無効審判を請求した(平成11年審判第35073号)。
また、被請求人は、請求人が本件商標の標章と同一の態様によって、第37類において平成10年2月6日に商標登録第4109823号として設定登録したことを最近発見したので、現在、前記審判事件と同様の理由による登録無効審判の請求を準備しているところである。
(1)先ず、本件審判請求の利害関係について検討する。
被請求人は請求人の利害関係について言及しているが、平成8年6月12日法律第68号をもって、同9年4月1日(本件審判請求は、平成11年1月26日)から施行された商標法第50条第1項の規定によれば、同審判は「何人も請求することができる。」ものであり、被請求人のいう公益的理由が存する場合に限定しなければならないものではない。そして、本件審判請求において、請求人による権利の濫用があったとする事実は認められないし、被請求人においてもその事実を証明していないものであるから、この点に関する被請求人の主張は理由がないものというべきである。
(2)次に、本案について検討する。
被請求人が本件商標を使用しているとする「植生機械」は、法面緑化工事を行うために、この植生機械のタンクに植生用の栄養成分から成る基盤材と種子と水とを収容して攪拌混合した後、大径長尺ホースによって所定場所へ注入、吹付けするものと認められるところ、被請求人は上記「植生機械」は、「土木機械器具、荷役機械器具」に属する機械ではなく、「農業用機械」に属する商品である旨述べている。
しかしながら、上記「植生機械」は、専ら法面緑化工事に用いられるものであるから、耕うん機械器具、栽培機械器具、収穫機械器具のような農業用機械器具の範疇に属するというよりは、むしろ、土木工事用に用いられる土木機械器具の範疇に属する商品というべきである。
(3)被請求人は、本件商標を使用している事実を証明するものとして乙第1ないし第7号証を提出し、かつ、本件商標をバイオオーガニック工法の実施のために使用する「植生機械」に使用しており、その「植生機械」には「バイオオーガニック」の標章を大きく付して使用し、また、そのタンク部分には「BIO ORGANIC」の欧文字を表示している旨主張している。
しかしながら、乙第1ないし第3号証は、被請求人が「バイオ緑化開発協会」を設立し、「バイオ・オーガニック工法」の普及・宣伝をしていることを示すのみである。
また、乙第4ないし第7号証は、法面緑化工事の現場を撮影した写真と認められるところ、該写真によれば、該写真に写っている機械が植生機械であってタンク部分に「BIO ORGANIC」の欧文字が大きく表示されていることは認められるとしても、一般的に植生機械等の機器に商標が付される場合は、台座等に小さく表示されることに加え、該タンク部分には「バイオオーガニック工法」の文字が併記されていることからして、上記「BIO ORGANIC」の文字は、植生機械についての商標として認識されるよりも、むしろ、上記工事の普及・推進を目的とした宣伝文句として認識されるものとみるのが自然である。
そうすると、これらの写真をもって本件商標が植生機械について使用されているとすることはできない。
その他、本件商標を本件取消請求に係る商品「土木機械器具、荷役機械器具」について具体的に使用している事実を認めるに足る証拠はない。
してみれば、被請求人は、本件商標を継続して本件審判請求の登録前3年以内に日本国内において、取消請求に係る指定商品「土木機械器具、荷役機械器具」について使用していなかったものといわざるを得ず、また、これを使用していないことについて正当な理由があることを明らかにしていない。
(4)以上のとおりであるから、本件商標は、商標法第50条の規定により、指定商品中の「土木機械器具、荷役機械器具」についての登録を取り消すべきものである。
よって、結論のとおり審決する。
Next Action
類似審決の追加調査から中間応答、新規出願の費用確認まで、この審決を起点に次のアクションへ進めます。
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