結論テキスト
審判費用は、被請求人の負担とする。
Trademark Appeal Case
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
| 審判番号 | 取消2015−300688(T2015−300688/J2) |
|---|---|
| 審判種別 | 取消 |
| 結論 | 勝訴(請求認容) |
本件登録第4090105号商標(以下「本件商標」という。)は、「シザーハンズ」の片仮名及び「SCISSORS HANDS」の欧文字を上下2段に横書きしてなり、平成8年1月12日に登録出願、第9類「電子計算機用プログラムを記憶させた磁気ディスク,その他の電子応用機械器具及びその部品」を指定商品として、同9年12月12日に設定登録されたものである。
そして、本件審判の請求の登録日は、平成27年10月14日である。
請求人は、結論同旨の審決を求めると申し立て、その理由を審判請求書、弁駁書において要旨次のように述べ、証拠方法として、甲第1号証ないし甲第4号証を提出した。
本件商標は、その指定商品について、継続して3年以上日本国内において商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれによっても使用された事実が存しないから、その登録は、商標法第50条第1項により取り消されるべきものである。
(1)被請求人が提出した証拠方法及び資料について
ア 乙第2号証〜乙第6号証について
(ア)乙第2号証〜乙第6号証のいずれにも使用年月日を示す記載が含まれておらず、これらは本件審判請求登録前3年以内(以下「要証期間内」という。)における使用の証拠とはなり得ない。
(イ)被請求人ソフトウェア(アップグレード版)パッケージ写真(乙4)の上方左側には、『「シザーハンズ」パッケージ展開/B案』の記載があるが、「B案」の記載から、これは外部向けに使用するパッケージを決定する際に、企業の内部においてA案、B案、C案、等の中から選択する段階でサンプルとして使われたものと考えられ、また「B案」と記載された乙第4号証に示されるパッケージデザイン案が実際に採用されたかについて明らかにされておらず、実際の商取引における商標の使用の前段階といえ、商標法第2条第3項各号にいう商標法上の使用とはいえない。
イ 乙第7号証について
(ア)商標法上の使用とはいえないことについて
乙第7号証のウェブ版ソフトウェア販促資料(以下「販促資料」という場合がある。)には、作成者の名称及び住所、作成年月日、全ページ数の記載が無く、当該文書が現実に頒布されたことを裏付ける証拠資料としての客観性を欠くものであるため、商標法上の使用がなされたことを証明するものとはいえない。さらに、当該販促資料は企画のための社内用あるいは関係者用の内部的文書の域を出ず、試作品の段階というべきものであり、流通性がなく、製品化されたことを示す資料の提出もないため、商標法第2条第3項各号にいう商標法上の使用がなされたとはいえない。
(イ)使用商品について
被請求人は「・・・このウェブ版では、従来製品と異なり、加工画像の表示、保存等の機能をウェブブラウザ上で行うことを特徴としている。具体的には、ユーザーに対して当該ソフトウェアをダウンロード納品し、これによって、ユーザーは、当該ソフトウェアを自身のコンピュータ端末にインストールし、ネットワークを介して認証作業を行うことで、ウェブブラウザ上でのサービスの提供を受けることができる」と述べている。しかしながら、「ダウンロード納品」、「コンピュータ端末にインストール」、「ネットワークを介して認証作業を行う」という一連の動作が行われていることを裏付ける記述は販促資料には含まれていない。このため、ウェブ版として特定されたソフトウェアが、第9類に属する商品としてユーザーにどのように提供され、どの時点で本件商標が表示されるのかが明らかにされていない。
また、ウェブ版のソフトウェアといえば、ダウンロードを行うことなく、ウェブにアクセスして使用できるものであるところ、販促資料によれば、1枚目の右下にある「for web」及び「lt’s working in Cloud」の表示から、ウェブサイト上でのクラウドサービスに使用されるものであることがわかり、6枚目からは、決済方法は「一画像につき100円」、「月間100枚まで80円/枚」、「月間200枚まで70円/枚」等、クラウドサービスにおいて典型的な従量制の課金方法が採用されていることがわかる。これらの事実と上記の「ウェブブラウザ上でのサービスの提供を受けることができる」という記載から、被請求人の行為は、第9類の商品についての使用ではなく、第42類の「電子計算機用プログラムの提供」に該当するというべきである。
(ウ)商標の同一性について
本件商標は、「シザーハンズ」の片仮名と「SCISSORS HANDS」の欧文字を上下2段に書してなるものであるのに対し、販促資料においては、「ScissorsHands」の欧文字と、「シザーハンズ」の片仮名が別個に使用されている。
そして、販促資料の欧文字「ScissorsHands」には、本件商標中にある「シザーハンズ」の片仮名部分が存在せず、該欧文字部分には、本件商標中にある中間のスペースが無く、また、販促資料の「シザーハンズ」の片仮名については、本件商標中にある欧文字部分が存在しないから、これらはいずれも、本件商標の「書体のみに変更を加えた同一の文字からなる商標」ということができない。
さらに、本件商標の構成中の「シザーハンズ」の片仮名及び「SCISSORS HANDS」の欧文字は、いずれも特定の意味を有しない造語であって、これらを欧文字及び片仮名で表す場合は、それぞれ「Scissorhands」及び「シザーズ ハンズ」と表示するのが一般的といえるから、本件商標の片仮名と欧文字は、同一の称呼及び観念を生ずるものということができず、本件商標からは、その構成文字に相応して「シザーハンズシザーズハンズ」の称呼を生じ、特定の観念を生じないものである。
これに対し、使用に係る「ScissorsHands」の欧文字と「シザーハンズ」の片仮名からは、それぞれ「シザーズハンズ」、「シザーハンズ」の称呼を生じ、特定の観念が生じないものであるから、該使用に係る商標は、本件商標の「平仮名、片仮名及びローマ字の文字を相互に変更するものであって同一の称呼及び観念を生ずる商標」ということができず、さらには、「登録商標が二段併記等の構成からなる場合であって、上段及び下段等の各部が観念を同一とするときに、その一方の使用」にも該当しない。
したがって、使用に係る「ScissorsHands」の欧文字及び「シザーハンズ」の片仮名は、本件商標と社会通念上同一ということができない。
ウ 第8号証について
被請求人は、乙第8号証として販売店の代表者からの証明書(以下「証明書」という場合がある。)を提出しているが、これは、被請求人の取引関係者が作成した書面にすぎず、また該証明書中で述べられている「商談」は試作品のプレゼンにすぎず、コンピュータソフトウェア「ScissorsHands」のウェブ版の販売方法が明らかにされていないことから、第9類の商品についての本件商標の使用がされていたかについても疑義がある。
また、被請求人ウェブサイト(乙1)中の「沿革」においても、2014年に「ScissorsHands」のウェブ版が開発・発売されたという記載は無いから、証明書は客観性に欠け、証拠としての適格性に欠けるものであり、本件商標の使用の事実を裏付ける適切な証拠とはなり得ない。
よって、要証期間内における使用の事実を証明するものではない。
(2)被請求人が本件商標を付した製品の取り扱いを終了している事実について
平成28年1月18日以降平成28年2月25日現在まで、被請求人のウェブサイトの「よくあるお問い合わせ」には、本件商標を付した製品の取り扱いは、「ハードウェアキーの有償交換も含め、全てのサポートを終了させて頂きました。長年のご愛顧ありがとうございました。」と掲載されている(甲2、甲3)。
請求人の調べによれば、被請求人は遅くとも2010年(平成22年)7月6日以降、本件商標を付した製品の取り扱いについて、新規の販売を終了し、供給を停止し、ハードウェアキーの有償交換も含め、開発/販売/アップグレード等の全てのサポートを終了しており、被請求人は本件商標の使用をしていない(甲4)。
(3)まとめ
以上のとおり、乙各号証を総合的に判断しても、要証期間内の使用の事実を証明したものとは認められないから、本件商標の登録は取消を免れない。
請求人は、平成28年6月3日付上申書において、請求人は、口頭審理への出席を望まず、これまで提出した主張証拠をもって、本件を書面審理で審理することを希望する旨述べている。
被請求人は、本件審判の請求は成り立たない、審判費用は請求人の負担とする、旨の審決を求め、審判事件答弁書において要旨次のように述べ、証拠方法として、乙第1号証から乙第8号証を提出した。
本件商標は、要証期間内に日本国内において、本件審判の取消に係る指定商品に含まれる「印刷製版用画像切り抜き用コンピュータソフトウェア」について使用されているものであるから、商標法50条第1項により取り消されるべきものではない。
(1)被請求人は、印刷製版用のコンピュータシステム・ソフトウェアの開発、販売を業とする法人である。開発した製品は、印刷業者、インキメーカー、画像加工業者やソフトウェア販売店を通じて、製品や包装に大量印刷を行う各種製造業者のみならず、官公庁も含むエンドユーザーに販売される。
(2)乙第1号証は、被請求人の運営するウェブサイトであって、被請求人の会社概要及び沿革、主要取引先等を示すものである。
被請求人は、商標「シザーハンズ」ないし「Scissors Hands」を、印刷製版用画像切り抜き用コンピュータソフトウェア(以下「本件ソフトウェア」という。)の名称として用いてきた。本件ソフトウェアは、大量に印刷される新聞、雑誌やチラシの印刷製版工程において、写真画像などの素材を所望の形状に切り抜く画像処理作業に用いられるものであり、1994年に被請求人によって最初に開発販売されて以来、数度のバージョンアップを経た上で、現在に至っている。
(3)乙第2号証は、本件ソフトウェアのパッケージ、乙第3号証は、本件ソフトウェアのパッケージに同梱される操作マニュアルの表紙、乙第4号証は、本件ソフトウェアのアップグレード版(3.0)のパッケージ、乙第5号証は、本件ソフトウェアのアップグレード版(3.0)の操作マニュアルの表紙、乙第6号証は、本件ソフトウェアのアップグレード版(3.0)へのアップグレード申込書をそれぞれ示すものである。
(4)被請求人は、本件ソフトウェアのウェブ版を開発し、2014年春頃より、販売店に対して、PR活動を行っている。
乙第7号証の販促資料は、上記PR活動において、販売店に対して頒布した販促資料を示すものである。このウェブ版では、従来製品と異なり、加工画像の表示、保存等の機能をウェブブラウザ上で行うことを特徴としており、具体的には、ユーザーに対して当該ソフトウェアをダウンロード納品し、これによって、ユーザーは、当該ソフトウェアを自身のコンピュータ端末にインストールし、ネットワークを介して認証作業を行うことで、ウェブブラウザ上でのサービスの提供を受けることができる。当該販促資料中には、「Scissors Hands」の文字が表示されており、その概要、種類、特徴、決済方法に関する説明が掲載されている。
(5)乙第8号証は、販売店である東レインターナショナル株式会社(以下「東レインターナショナル」という。)の電子情報材料部情報材料課長である渡辺直行氏が証言する2015年12月28日付「証明書」であり、該証明書に示すとおり、東レインターナショナルは、2014年4月14日に、被請求人から販促資料(乙7)に係る資料を受領しており、実際に新しいウェブ版の製品について被請求人との間で商談を行っていたことがわかる。
(6)以上のとおり、商標「シザーハンズ」ないし「Scissors Hands」は、被請求人の開発、販売する本件ソフトウェアについて古くから使用され、本件における要証期間内において、少なくとも販促資料(乙7)が、被請求人の顧客に対して頒布されている。
そして、該販促資料に表示されている「Scissors Hands」の文字は、本件商標と社会通念上同一の商標というべきであり、また、該販促資料において紹介されている本件ソフトウェアは、本件審判の請求に係る「電子計算機用プログラムを記憶させた磁気ディスク,その他の電子応用機械器具及びその部品」に包含される。
また、該販促資料の頒布行為は、顧客に対する宣伝広告活動に該当し、商標法第2条第3項に定める商標の「使用」、特に同条同項第8号に定める「広告・・・に標章を付して・・・頒布し」に該当する。
以上のように、被請求人が、本件商標と社会通念上同一の商標を、本件審判の請求に係る商品に包含される「印刷製版用画像切り抜き用コンピュータソフトウェア」について、要証期間内に、日本国内において使用していることは明らかである。
被請求人は、平成28年5月25日付上申書において、被請求人は、さらなる主張証拠の提出及び口頭審理への出席を望まず、これまで提出した主張証拠をもって、本件を書面審理で審理することを希望する旨述べている。
(1)乙第1号証は、被請求人のウェブサイトであり、第1葉目の「沿革」には、「1994年 3月 印刷製版用画像切り抜きシステム『ScissorsHands』(以下「使用商品」という。)開発・発売」、「1999年 7月 『ScissorsHands』バージョンアップ」の記載があり、第3葉目の「主要取引先・販社」には、「東レインターナショナル株式会社」の記載がある。
そして、2015年(平成27年)2月までに開発、発売及びバージョンアップされた様々なコンピュータソフトウェアの情報についての記載はされているが、使用商品に関しては、1999年7月以降の使用商品に関する記載がない。
(2)乙第2号証は、使用商品のパッケージ写真であり、その上段には、「DTP・CEPS向け、Macintosh/切り抜きマスク制作ソフトウェア」の表示があり、中央には「SCISSORS/HANDS」の欧文字を大きく、その上部に「シザーハンズ」の片仮名が小さく表示されている。 なお、該ソフトウェアの作成者、作成日の表示はない。
(3)乙第3号証は、使用商品の操作マニュアルの表紙写真であり、上段の左側には、「SCISSORS/HANDS」の文字、及びその下部には「User Guide/操作マニュアル」の文字が表示されている。
なお、該マニュアルの作成者、作成日の表示はない。
(4)乙第4号証は、使用商品のアップグレード版のパッケージ写真であり、左側上段には、横書きで「『シザーハンズ』パッケージ展開/B案」の文字、その下部には、縦書き及び横書きで「SCISSORS HANDS 3.0」の文字が大きく表され、該文字の下部には「シザーハンズ」の片仮名が小さく表示され、さらに、右側の下段には、「DTP・CEPS向け、Macintosh切り抜きマスク制作ソフトウェア」の文字が表示されている。
なお、該使用商品の作成者、作成日の表示はない。
(5)乙第5号証は、使用商品のアップグレード版の操作マニュアルとされる表紙写真であり、上段には、「SCISSORS HANDS 3.0」の文字、及びその下部には「User Guide/操作マニュアル」の文字が表示されている。
なお、該マニュアルの作成者、作成日の表示はない。
(6)乙第6号証は、使用商品のアップグレード版の申込書写真であり、上段左側には、「SCISSORS HANDS Ver3 アップグレード申込書」の文字、請求者・払い込み先として「株式会社ジーティービ−」の表示がある。
なお、該申込書の使用時期を特定する日付の表示は見いだせない。
(7)乙第7号証は、被請求人の主張によれば、使用商品のウェブ版ソウフトウェアの販促資料であり、その表紙の下段右側には、「New ScissorsHands/for web」(以下「使用商標」という。)の表示、及びその下部には「It’s working in Cloud/2014年4月」の表示がある。また、その第3葉目のは、上段に「Web版 ScissorsHandsの概要」の見出しがあり、その内容には、「Web版シザーハンズはブラウザ内で作動し、コンシュマー向けとプロフェッショナル向けが存在する。」の記載がある。
そして、第6葉目には「Web版 ScissorsHandsの決済」の見出しのもと、「会員登録」、「コンシュマー 一画像につき100円」、「プロフェッショナル 月間 100枚まで 80円/枚...月間 500枚以上 25円/枚」の表示がある。
なお、該資料の作成者の表示はない。
(8)乙第8号証は、2015年(平成27年)12月28日付けの東レインターナショナルの電子情報材料部 情報材料課長作成の「証明書」であり、これには、(a)東レインターナショナルは、被請求人の制作するコンピュータソフトウェアのユーザーへの販売を取り扱っていること、(b)2014年(平成26年)4月14日に被請求人の代表取締役社長から、添付の「New ScissorsHands for web」(以下「商談資料」という。)を受領したこと、(c)(b)の資料を受領し、印刷製版用画像切り抜き用コンピュータソフトウェア「ScissorsHands」のウェブ版(使用商品)の販売について被請求人との間で商談を行ったこと、が記述されている。
なお、(b)に記載されている「商談資料」の提出はない。
(1)使用者について
ア 被請求人は、1994年(平成6年)に、印刷製版用画像切り抜きシステム「ScissorsHands」(使用商品)を開発し、1997年(平成9年)に該商品のバージョンアップを行っている(乙1)。そして、該商品は、画像の切り抜き用に用いられるコンピュータソフトウェアであって、「印刷製版用画像切り抜き用コンピュータソフトウェア」と称されているものである(乙2、乙4、乙8)。
イ 被請求人は、使用商品のアップグレード版用の「SCISSORS HANDS Ver3 アップグレード申込書」を作成した(乙6)。
ウ 被請求人は、2014年(平成26年)4月14日に、販売店である東レインターナショナルの課長に商談資料を渡し、使用商品のウェブ版の販売について商談を行った(乙8)。
エ 上記アないしウによれば、使用商品のパッケージ写真、該操作マニュアル表紙写真、使用商品のアップグレード版のパッケージ写真、該操作マニュアル写真、該アップグレード版の申込書写真及び使用商品のウェブ版ソウフトウェアの販促資料(乙2ないし乙7)の作成者は、被請求人とみるのが自然であるから、これら証拠方法については、被請求人が作成したものと推認することができる。
オ そうすると、使用商品の開発者は被請求人であること、使用商品のアップグレード版の申込書の請求人・振込先として被請求人の表示があること、及び被請求人の代表者が、販売店である東レインターナショナルの課長に使用商品のウェブ版の販売について商談を行ったことからすれば、本件商標の使用者は、被請求人といえる。
(2)使用商品について
使用商品「印刷製版用画像切り抜きシステム」は、「印刷製版用画像切り抜き用コンピュータソフトウェア」と認められるところ、該商品は、本件審判の請求に係る指定商品「電子計算機用プログラムを記憶させた磁気ディスク,その他の電子応用機械器具及びその部品」に含まれる商品である。
(3)使用商標について
本件商標は、前記1に記載のとおり「シザーハンズ」の片仮名及び「SCISSORS HANDS」の欧文字を上下2段に横書きしてなるものであり、使用商標は、「New ScissorsHands for web」の欧文字からなるものであるところ、その構成中「New」の文字部分は、新商品であることを表すものとして広く用いられており、また、「for web」の文字部分は、使用商品との関係においては、単に用途と理解されるものであって、いずれも自他商品識別標識としての機能を果たし得ないものであるから、これらの部分を除く「ScissorsHands」の文字部分により自他商品の識別がなされるというのが相当である。
そして、「Scissors」の文字が他の文字を結合した場合において、例えば、「Scissors cut」が「シザーカット」と、「Scissors case」が「シザーケース」(いずれも「コンサイスカタカナ語辞典第4版」(株)三省堂)と読まれることからすれば、「ScissorsHands」の文字からは「シザーハンズ」の称呼を生じるものというのが自然であり、また、「Scissors」は「はさみ」を、「Hands」は「手」を意味する「hand」の複数形であって、いずれも平易な英語であるから、その全体として「はさみの手」程の意味合いを想起させるものである。
他方、本件商標は、「シザーハンズ」の片仮名及び「SCISSORS HANDS」の欧文字からなるものであるから、「シザーハンズ」の称呼を生じ「はさみの手」程の意味合いを想起させるものである。
そうとすれば、本件商標と使用商標とは、称呼及び観念を同じくする社会通念上同一の商標と認められる。
(4)本件商標の使用行為及び使用時期について
被請求人は、使用商標を付した使用商品のウェブ版の販促用資料(乙7)を2014年(平成26年)4月に作成したこと、同年4月14日に、販売店である東レインターナショナルの課長に商談資料を渡し、使用商品のウェブ版の販売につい商談を行ったことが認められるところ、上記日付は、要証期間内である。
しかしながら、上記商談に関する「証明書」に「添付の資料」と記述されている、商談資料の提出はなく、該資料の内容は明らかにされていない。また、上記商談において販売店である東レインターナショナルの課長に渡された資料が、使用商品のウェブ版の販促用資料(乙7)であることが確認できないことから、使用商品のウェブ版の販促用資料(乙7)が頒布されたことを直ちに認めることはできない。
また、使用商品のウェブ版の販促用資料(乙7)には、「コンシュマー 一画像につき100円」、「プロフェッショナル 月間 100枚まで 80円/枚...月間 500枚以上 25円/枚」の表示があるところ、これらの表示は、使用商品の販売金額を表すとはいい難いものであって、この販促用資料によっては、使用商品のウェブ版が、商品としてダウンロードにより販売されたことを証するとは直ちに認めることができない。
さらに、被請求人のウェブサイト(乙1)の「沿革」には、1990年(平成2年)から2015年(平成27年)の間の商品の開発・販売等の情報が記載されているところ、使用商品が1994年(平成6年)に開発・販売されたこと、1999年(平成11年)に使用商品のバージョンアップがされたことは記載されているものの、それ以降、使用商品に関する記載がないことからすれば、使用商品が要証期間内に販売された事実も認めることはできない。
そして、被請求人が提出したその他乙各号証において、本件商標を要証期間内に使用商品に使用していたことを認め得る証左は見い出せない。
(5)小括
してみれば、被請求人が、本件商標(社会通念上同一と認められる商標を含む。)を、本件審判の請求に係る指定商品に含まれる「印刷製版用画像切り抜き用コンピュータソフトウェア」に付したことは認められるものの、要証期間内において使用した事実を認めることができないものであるから、商標法第50条第2項に係る所定の要証事項を証明したものということはできない。
以上のとおり、被請求人は、要証期間内に日本国内において商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれかが請求に係る指定商品「電子計算機用プログラムを記憶させた磁気ディスク,その他の電子応用機械器具及びその部品」について、本件商標を使用していたことを証明したものと認めることはできない。
また、被請求人は、その指定商品について本件商標を使用していないことについて正当な理由があることも明らかにしていない。
したがって、本件商標の登録は、商標法第50条の規定により、その登録を取り消すべきものとする。
よって、結論のとおり審決する。
Next Action
類似審決の追加調査から中間応答、新規出願の費用確認まで、この審決を起点に次のアクションへ進めます。
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