Trademark Appeal Case
Smart Homeの識別力
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 不服2015−22012(T2015−22012/J1) |
|---|---|
| 審判種別 | 不服 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
1 本願商標
本願商標は,「Smart Home」の欧文字を標準文字で表してなり,第45類「セキュリティ用コンピュータシステムによる監視,施設の警備(施設の安全確認・巡回点検を含む。),建物内外の保安又は警備,夜間警備,身辺の警備,高齢者世帯向けの建物設備の安全確認・巡回点検の警備,電話による高齢者の安否確認,緊急事態時における状況の調査及び情報の提供,緊急事態時の安否確認を主とする連絡または通報の代行,救急活動の支援,現金又は貴重品の輸送警備,行方不明者の捜索,行方不明者の捜索に関する情報の提供,個人の身元又は行動に関する調査」を指定役務として,平成27年4月17日に登録出願されたものである。
2 原査定の拒絶の理由の要点
原査定は,「本願商標は,『Smart Home』の文字を標準文字で表してなるところ,その構成中,『Smart』の文字は,『賢い,利口な』等の意味を有するものであり,また,『Smart Home』の文字及びその仮名表記である『スマートホーム』の文字は,『家電製品等をネットワーク化し,情報を一括管理して活用できる家,又は家庭内のエネルギーを効率的にコントロールする住宅』を表す文字(語)として使用されている実情にあるから,本願商標全体からは,『家電製品等をネットワーク化し,情報を一括管理して活用できる家,又は家庭内のエネルギーを効率的にコントロールする住宅』のような意味合いが容易に理解されるというのが相当であり,本願商標をその指定役務中『スマートホームに関する役務』に使用しても,本願商標は,単に役務の質を表示するにすぎないものといわざるを得ない。したがって,本願商標は,商標法第3条第1項第3号に該当し,前記役務以外の役務に使用するときは,役務の質の誤認を生じさせるおそれがあるから,商標法第4条第1項第16号に該当する 。」旨認定,判断し,本願を拒絶したものである。
3 当審においてした審尋
当審において,平成28年5月11日付けで,請求人に対して,以下を内容とする審尋を通知し,期間を指定して,これに対する意見を求めた。
本願商標は,「Smart Home」の欧文字を標準文字で表してなるところ,その構成中,「Smart」及び「Home」の各欧文字は,「賢い」及び「家」の意味を有する語として,我が国でも親しまれているものであって,これを一連に表した「Smart Home」の欧文字からは,前記各語意に相応して,「賢い家」程の意味合いを認識し得るものである。
ところで,本願商標を構成する「Smart Home」の欧文字及びその読みを表した「スマートホーム」の片仮名は,別掲のとおり,「住宅設備や家電製品等をネットワークでつないで一括管理して活用できる家(賢い家)」程の意味合いを認識させるものとして,住宅関連及び家電製品並びにこれらに係るインターネットを用いた各種サービスの分野を中心に,広く一般に使用されている実情があり,また,本願の指定役務に係る監視や警備等のサービス分野においても,スマートホーム向けの監視装置等のセキュリティが注目され,ネットワーク化された住宅向けに外出先から住宅の様子を確認できるサービスや,不法侵入を検知し,携帯端末に知らせるサービスなどが「スマートホームサービス」や「スマートホームセキュリティ」と称して利用されている実情がある。
そうすると,本願商標を構成する「Smart Home」は,これをその指定役務中,「セキュリティ用コンピュータシステムによる監視,施設の警備(施設の安全確認・巡回点検を含む。),建物内外の保安又は警備,夜間警備,身辺の警備,高齢者世帯向けの建物設備の安全確認・巡回点検の警備」に使用した場合,その需要者は,当該役務が「ネットワーク化された賢い住宅(スマートホーム)向けの監視又は警備サービス」であると認識するにすぎないものというのが相当であるから,本願商標は,役務の質を普通に用いられる方法で表示するものである。
したがって,本願商標は,商標法第3条第1項第3号に該当する。
なお,請求人は,過去の登録例を挙げ,本願商標も登録されるべき旨主張しているが,商標が識別力を有するか否かの判断は,登録査定時又は審決時において,取引の実情を勘案し,その指定役務の需要者の認識を基準として,商標ごとに個別具体的に判断すべきであるところ,請求人が挙げた登録例は,いずれも本願商標とは構成等を異にし,かつ,本件の審決時における我が国における取引の実情及びその指定役務の需要者の認識は上記のとおりであるから,請求人の主張は採用できない。
4 審尋に対する回答の要旨
請求人は,前記3の審尋に対して,提示された事例は,いずれも,「本件の審決時における我が国における取引の実情及びその指定役務の需要者の認識」を示すものではないから,前記3の認定には到底承服することができない旨述べている。
5 当審の判断
(1)商標法第3条第1項第3号該当性について
本願商標は,「Smart Home」の欧文字を標準文字で表してなるところ,前記3の審尋のとおり,その構成各語意に相応して生じる意味合いに加え,該文字及び「スマートホーム」の片仮名が,「住宅設備や家電製品等をネットワークでつないで一括管理して活用できる家(賢い家)」程の意味合いを認識させるものとして,広く一般に使用されている実情,及び本願の指定役務に係る監視や警備等のサービス分野において,スマートホーム向けの監視装置等のセキュリティが注目され,ネットワーク化された住宅向けに外出先から住宅の様子を確認できるサービスや,不法侵入を検知し,携帯端末に知らせるサービスに関して使用されている実情をも踏まえれば,これをその指定役務中,「セキュリティ用コンピュータシステムによる監視,施設の警備(施設の安全確認・巡回点検を含む。),建物内外の保安又は警備,夜間警備,身辺の警備,高齢者世帯向けの建物設備の安全確認・巡回点検の警備」に使用した場合,その需要者は,当該役務が「ネットワーク化された賢い住宅(スマートホーム)向けの監視又は警備サービス」であると認識するにすぎないものというのが相当であるから,本願商標は,役務の質を普通に用いられる方法で表示するものである。
したがって,本願商標は,商標法第3条第1項第3号に該当する。
(2)請求人の主張について
請求人は,審尋で示された事例は,将来であって取引の実情ではないもの(別掲(1)ア,ウ〜オ),懸念材料であって取引の実情ではないもの(別掲(1)イ),設立したばかりであって取引の実情ではないもの(別掲(1)カ),完成したばかりであって取引の実情ではないもの(別掲(1)キ),住宅設備の情報であって施設の監視等の情報ではないもの(別掲(2)ア〜ウ),予定であって取引の実情ではないもの(別掲(2)ウ〜オ,キ),ネットワーク分野又はソフトウエア関連の役務であり,施設の監視等の役務ではないもの(別掲(2)カ,ク),商品の用途であり,施設の監視等の役務ではないもの(別掲(2)ケ,コ)であり,いずれも,「本件の審決時における我が国における取引の実情及びその指定役務の需要者の認識」を示すものではないから,審判官の認定には到底承服することができないと主張する。
しかしながら,商標法第3条第1項第3号は,取引者,需要者に指定商品の品質,役務の質等を示すものとして認識され得る表示態様の商標につき,それ故に登録を受けることができないとしたものであって,該表示態様が,商品の品質,役務の質を表すものとして必ず使用されるものであるとか,現実に使用されている等の事実は,同号の適用において必ずしも要求されないものと解すべきであるところ,前記3の審尋で示した取引の実情は,「Smart Home」(スマートホーム)の語が,本願の指定役務及びこれに関連する広い分野において,「住宅設備や家電製品等をネットワークでつないで一括管理して活用できる家(賢い家)」及びこれに関する役務を表す語として使用されていることを証するものであって,たとえ,その中に運用開始前のサービスに関するもの等を含んでいたとしても,本願商標の同号該当性を判断するのに際し,本件審決時における需要者の認識を認定するためには,十分に考慮すべきものである。
したがって,請求人の上記主張は採用することができない。
(3)まとめ
以上のとおり,本願商標は,商標法第3条第1項第3号に該当し,登録することができない。
よって,結論のとおり審決する。
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