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結論

敗訴(請求棄却)

商標「桜庵」の結合商標の要部抽出(第4条第1項第11号|審判不服2016−10103(T2016−10103/J1))

審判番号
不服2016−10103(T2016−10103/J1)
審判種別
不服

本文で言及されている区分

事件のポイント・要約

対象商標
本件商標「桜庵」
争点(論点)
結合商標の要部抽出
適用条文
第4条第1項第11号
指定商品・役務の区分
本文参照
最終結論
請求不成立(敗訴(請求棄却))

この審決(審判不服2016−10103(T2016−10103/J1)・不服)は、本件商標「桜庵」について、商標法第4条第1項第11号への該当性が争われた事例です。主な争点は「結合商標の要部抽出」です。特許庁は「本件審判の請求は、成り立たない」と判断しました(請求不成立)。類似する商標を出願する際は、本件の判断枠組みを踏まえて称呼・外観・観念や指定商品の重なりを事前に確認することが重要です。

※ 上記は審決公報の本文から自動で整理した要約です。正確な内容は下記の公報原文をご確認ください。

結論テキスト

本件審判の請求は、成り立たない。

理由テキスト

1 本願商標

本願商標は、別掲のとおりの構成からなり、第43類「飲食物の提供」を指定役務として、平成27年7月22日に登録出願されたものである。

2 引用商標

原査定において、本願商標が、商標法第4条第1項第11号に該当するとして、拒絶の理由に引用した登録第5667136号商標(以下「引用商標」という。)は、「桜庵」の文字を標準文字で表してなり、平成25年3月12日に登録出願、第43類「宿泊施設の提供,宿泊施設の提供の契約の媒介又は取次ぎ,飲食物の提供,会議室の貸与,展示施設の貸与」を指定役務として、同26年5月9日に設定登録されたものであり、現に有効に存続しているものである。

3 当審の判断

(1)本願商標

本願商標は、別掲のとおり、筆書き風の書体で、「京めん処 さくら庵」と横書きしてなるところ、その構成中「京めん処」の文字は、「さくら庵」の文字よりも小さく表されており、かつ、「京めん処」の文字と「さくら庵」の文字の間には、1文字分のスペースがあることから、これらの文字は視覚的に分離して認識されるものといえる。

加えて、「京めん処」の文字部分は、本願の指定役務を取り扱う取引者、需要者においては、「京都のめんを提供する店」ほどの意味合いを容易に看取、把握させるものであり、役務の提供の場所を表したにすぎず、自他役務の識別標識として機能し得ないか、若しくは、極めて弱いものといえる。

そうすると、本願商標において、自他役務の識別標識として機能するのは、大きく表された「さくら庵」の文字部分にあるというのが相当である。

そして、この「さくら庵」の構成中、「庵」の文字は、「料理屋などの家の名に添える語」の意味(株式会社岩波書店「広辞苑第六版」)を有する語であることから、本願の指定役務との関係では、該文字部分は、「桜の花を名称とする料理屋」程の意味合いを想起させる店舗の名称として理解されるというのが相当である。

してみれば、本願商標は、その構成文字全体から生じる「キョウメンドコロサクラアン」の称呼のほかに、「さくら庵」の文字に相応して、単に「サクラアン」の称呼をも生じ、「桜の花を名称とする店舗名」の観念を生じるものである。

(2)引用商標

引用商標は、「桜庵」の文字を表してなるところ、その構成中、「庵」の文字は、「料理屋などの家の名に添える語」の意味を有する語であることから、引用商標の指定役務中「飲食物の提供」との関係では、「桜の花を名称とする料理屋」程の意味合いを想起させる店舗の名称として理解されるというのが相当である。

してみれば、引用商標は、その構成文字に相応して「サクラアン」の称呼が生じ、「桜の花を名称とする店舗名」の観念を生じるものである。

(3)本願商標と引用商標との類否

本願商標と引用商標とを比較すると、外観においては、本願商標と引用商標とは、「さくら」と「桜」の部分における平仮名と漢字の差異を有しているところ、両商標は、文字の種類においては相違するものの、いずれも、視覚的に特徴あるものとして看取されるとはいい難い一般的な書体により表されているものであるから、外観上、看者に強い印象を与えるものではないとみるのが相当である。

次に、称呼においては、本願商標から生じる、「キョウメンドコロサクラアン」の称呼と、引用商標から生じる「サクラアン」の称呼とは、明らかな差異を有するものであって、明確に聴別されるものの、本願商標から生じる「サクラアン」の称呼との比較においては、両商標は、その称呼を共通にするものである。

また、観念においては、両者とも、「桜の花を名称とする店舗名」の観念を生じるものである。

してみれば、本願商標と引用商標とは、「サクラアン」の称呼及び「桜の花を名称とする店舗名」の観念を共通にするものであり、外観における違いも、それを印象づける程強いものではないことから、これらを総合してみれば、本願商標と引用商標を同一又は類似の役務に使用したときは、両商標は、役務の出所について誤認混同を生ずるおそれのある、互いに類似の商標というのが相当である。

(4)請求人の主張

請求人は、「本願商標の『京めん処』及び『さくら庵』の各部分は、指定役務との関係では、いずれも出所識別力が弱いものであって、両者が結合することによってはじめて出所識別力を発揮するものであると言える。そうすると、本願商標における『京めん処』と『さくら庵』は一体不可分のものとして把握されるべきであり、分離観察せずに、全体として一体的に観察して引用商標との類否が判断されるべきである。」旨、主張する。

しかしながら、本願商標の構成中、「京めん処」の文字は、「さくら庵」の文字よりも、小さく表されており、かつ、「京めん処」の文字と「さくら庵」の文字の間には、1文字分のスペースがあることから、これらの文字は視覚的に分離して認識されるものであり、加えて、「京めん処」の文字が、本願の指定役務を取り扱う取引者、需要者においては、「京都のめんを提供する店」ほどの意味合いを容易に看取、把握させるというのが自然であり、役務の提供の場所を表したにすぎず、自他役務の識別標識として機能し得ないか、若しくは、極めて弱いものであり、取引者、需要者に印象される「さくら庵」の文字部分を抽出し、他人の商標と比較して商標そのものの類否を判断することは、許されるというべきであって、前記(3)のとおり、本願商標と引用商標は類似するものである。

よって、請求人の主張は、採用することはできない。

(5)まとめ

以上のとおり、本願商標は、商標法第4条第1項第11号に該当し、登録することができない。

よって、結論のとおり審決する。

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