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Trademark Appeal Case

称呼の類似性と要部抽出

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号不服2016−10647(T2016−10647/J1)
審判種別不服
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

本件審判の請求は、成り立たない。

理由テキスト

1 本願商標

本願商標は、「ありがとう」の文字を標準文字で表してなり、第39類、第40類及び第41類に属する願書記載のとおりの役務を指定役務として、平成27年6月24日に登録出願、その後、指定役務については、原審における同年12月10日受付及び当審における同28年7月13日受付の手続補正書により、第39類「鉄道による輸送,車両による輸送,道路情報の提供,自動車の運転の代行,船舶による輸送,航空機による輸送,貨物のこん包,貨物の輸送の媒介,貨物の積卸し,引越の代行,船舶の貸与・売買又は運航の委託の媒介,船舶の引揚げ,水先案内,寄託を受けた物品の倉庫における保管,他人の携帯品の一時預かり,配達物の一時預かり,ガスの供給,電気の供給,水の供給,熱の供給,倉庫の提供,駐車場の提供,有料道路の提供,係留施設の提供,飛行場の提供,駐車場の管理,荷役機械器具の貸与,自動車の貸与,船舶の貸与,自転車の貸与,航空機の貸与,機械式駐車装置の貸与,包装用機械器具の貸与,家庭用冷凍庫の貸与,家庭用冷凍冷蔵庫の貸与,車椅子の貸与,信書の送達,企画旅行の実施,旅行者の案内,旅行に関する契約(宿泊に関するものを除く。)の代理・媒介又は取次ぎ,冷凍機械器具の貸与,航空機用エンジンの貸与,ガソリンステーション用装置(自動車の修理又は整備用のものを除く。)の貸与」とされたものである。

2 引用商標

原査定において、本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するとして、本願の拒絶の理由に引用した登録商標は、以下のとおりであり、いずれも現に有効に存続しているものである。

(1)登録第5158466号商標(以下「引用商標1」という。)は、別掲1のとおりの構成からなり、平成19年4月12日に登録出願、第39類「貨物自動車による輸送」並びに第35類、第40類、第41類及び第42類に属する商標登録原簿に記載のとおりの役務を指定役務として、同20年8月8日に設定登録されたものである。

(2)登録第5653382号商標(以下「引用商標2」という。)は、別掲2のとおりの構成からなり、平成25年12月10日に登録出願、第39類「鉄道による輸送,車両による輸送,企画旅行の実施,旅行者の案内,旅行に関する契約(宿泊に関するものを除く。)の代理・媒介又は取次ぎ」並びに第8類、第9類、第14類、第16類、第18類、第20類、第21類、第24類、第25類、第28類、第30類及び第43類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品及び役務を指定商品及び指定役務として、同26年2月28日に設定登録されたものである。

なお、これらをまとめて、以下「引用商標」という。

3 当審の判断

(1)商標法第4条第1項第11号該当性について

ア 本願商標について

本願商標は、「ありがとう」の文字を標準文字で表してなるところ、その文字に相応して「アリガトウ」の称呼を生じ、「感謝の挨拶」程の観念を生じるものである。

イ 引用商標1について

引用商標1は、別掲1のとおり、上部を丸くした赤色の図形を背景に、招き猫風の図形を配し、該招き猫の前足と一部重なるように、赤色の扇形の枠を配し、その枠の中に「ありがとう」の文字を書してなる構成からなるところ、これに接する取引者、需要者は、称呼しやすい文字部分を捉えて、これより生ずる称呼及び観念をもって商取引にあたる場合も決して少なくないものとみるのが相当であり、引用商標は、「ありがとう」の文字部分も独立して自他役務の識別標識としての機能を果たすものと認められるから、該文字部分に相応して「アリガトウ」の称呼を生じ、「感謝の挨拶」程の観念を生じるものである。

ウ 引用商標2について

引用商標2は、別掲2のとおり、青色で書した手書き風の「ありがとう!」の文字の下段に、青色の楕円形内に、「50th」の文字と、「Anniversary」の欧文字を薄茶色で書し、かつ、該楕円形を背景として、新幹線の図形を上下に2両配し、さらにその下に、「東海道新幹線」、「開業50周年」の文字を上下2段に白抜きの文字で書してなる図形部分を有する構成からなるものである。

そして、上段の文字部分と下段の図形部分との間には、スペースを有し、全体がまとまりよく一体的に結合して表されているとも認めがたいものであり、また、引用商標2が、常に一体のものとして看取、把握されなければならない特段の事情は認められず、それぞれが独立して自他商品役務の識別標識としての機能を果たすものと認められる。

また、「ありがとう!」の文字部分は、引用商標2の構成中、その上段に大きく表されているから、引用商標2の要部として看者の注意を惹くものといえる。

そうすると、引用商標2は、上段の「ありがとう!」の文字部分に相応して、「アリガトウ」の称呼を生じ、「感謝の挨拶」ほどの観念を生じるものである。

エ 本願商標と引用商標との類否について

本願商標と引用商標1とは、上記ア及びイのとおり、本願商標は、「ありがとう」の文字を標準文字で表してなり、引用商標1は、上部を丸くした赤色の図形を背景に、招き猫風の図形を配し、該招き猫の前足と一部重なるように、赤色の扇形の枠を配し、その枠の中に「ありがとう」の文字を書してなる構成からなるものであるから、その構成全体をもって比較するときは、外観上、相違するものの、引用商標1の構成中、独立して自他商品役務の識別標識としての機能を果たす、「ありがとう」の文字部分に着目した場合、本願商標と引用商標1とは、「ありがとう」の文字を共通にするものであり、該文字の外観において類似し、「アリガトウ」の称呼と、「感謝の挨拶」の観念を共通にするものである。

本願商標と引用商標2とは、上記ア及びウのとおり、本願商標は、「ありがとう」の文字を標準文字で表してなり、引用商標2は、青色で書した手書き風の「ありがとう!」の文字の下段に、青色の楕円形内に、「50th」の文字と、「Anniversary」の欧文字を薄茶色で書し、かつ、該楕円形を背景として、新幹線の図形を上下に2両配し、さらにその下に、「東海道新幹線」、「開業50周年」の文字を上下2段に白抜きの文字で書してなる図形部分を有する構成からなるものであるから、その構成全体をもって比較するときは、外観上、相違するものの、引用商標2の構成中、独立して自他商品役務の識別標識としての機能を果たす、「ありがとう!」の文字部分に着目した場合、本願商標と引用商標2とは、「ありがとう」の文字を共通にするものであり、該文字の外観において類似し、「アリガトウ」の称呼と、「感謝の挨拶」の観念を共通にするものである。

以上のとおり、本願商標と引用商標とは、その要部において、外観が類似し、称呼及び観念を共通にするものであるから、互いに相紛れるおそれのある類似の商標というべきである。

また、本願の指定役務は、引用商標の指定役務と同一又は類似の役務を含むものと認められる。

したがって、本願商標は、商標法第4条第1項第11号に該当する。

(2)請求人の主張について

ア 請求人は、引用商標1は、前記1のとおり、手続補正書により引用商標1と抵触する役務は、全て削除されたから、引用商標1に対する拒絶の理由は解消した旨主張する。

しかしながら、本願商標の指定役務中、第39類「車両による輸送」と、引用商標の指定役務中、第39類「貨物自動車による運送」は、類似の役務と認められるものである。

イ 請求人は、引用商標2は、図形部分と文字部分とを分離観察しないものであり、また、引用商標2の全体からは、「東海道新幹線開業50周年を迎えご利用ありがとう」程の観念が生じるのが自然である旨、主張する。

しかしながら、引用商標2は、前記(1)ウのとおり、その構成中、「ありがとう!」の文字部分が、上段に大きく顕著に表されており、また、下段の図形部分との間には、スペースを有し、全体がまとまりよく一体的に結合して表されているとも認めがたいものであって、かつ、該文字部分も独立して出所識別標識としての機能を果たし得るものであるから、このような場合には、該文字部分を分離抽出した上で、他人の登録商標と比較して、商標そのものの類否を判断することが許されるというべきである。

してみれば、本願商標と引用商標2とは、互いに紛れるおそれのある類似の商標であること、前記(1)エのとおりである。

したがって、請求人の主張はいずれも採用することはできない。

(3)まとめ

以上のとおり、本願商標は、商標法第4条第1項第11号に該当し、登録することができない。

よって、結論のとおり審決する。

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