結論テキスト
審判費用は、請求人の負担とする。
Trademark Appeal Case
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
| 審判番号 | 平成11年審判第30563号 |
|---|---|
| 審判種別 | 不服 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
本件登録第2093157号商標(以下、「本件商標」という。)は、昭和61年6月12日に登録出願され、別掲に表示したとおりの構成よりなり、第10類「光学機械器具、その他本類に属する商品」を指定商品として、昭和63年11月30日に設定登録されたものである。
請求人は、本件商標の指定商品中「測定機械器具並びにその部品及び附属品,医療用機械器具並びにその部品及び附属品」についての登録を取り消す、審判費用は、被請求人の負担とするとの審決を求めると申し立て、その理由及び被請求人の答弁に対する弁駁を次のように述べている。
(1)乙第1号証は、被請求人でない「製造・販売元 日新工機」、「取扱店 岩岡産業」のシールが貼られたカタログであり、専用使用権者又は通常使用権者(以下「使用権者」という。)の商品であるとの記載もなく、使用権者の商品であると推測させる記載もない。そして、これら両社以外の者の商標と思わせる「Sankyo」が表示されており、乙第1号証の作成者、作成年月日も不明である(被請求人が印刷時期は1996年以前と主張するが、作成者、作成年月日を立証していない。)。また、貼られたシールの貼付年月日も不明で、「その貼付が正当になされたものである」との客観的な証明が何もされていない。
(2)本件商標が「Sensorium」の欧文字を筆記体で書してなるのに対し、乙第1号証に示されている商標は、単に筆記体を活字体に変更するのではなく、特殊な態様で表されている。したがって、登録商標の使用と認められる範囲の変更ではない。
(3)乙第1号証に掲載されている商品は、被請求人の主張によれば、「画像処理用オートフオーカス装置」で、「いろいろの分野に使用できる装置」であり、「測定機械器具」の専用品ではない。したがって乙第1号証に掲載されている商品は、「測定機械器具またはその部品」に属さない。
(1)乙第2号証は、作成年月日が不明である(被請求人が印刷時期は1996年以前と主張するが、作成年月日を立証していない。)。
(2)本件商標が「Sensorium」の欧文字を筆記体で書してなるのに対し、乙第2号証に示されている商標は、単に筆記体を活字体に変更するのではなく、特殊な態様で表されている。したがって、登録商標の使用と認められる範囲の変更ではない。
(3)乙第2号証に掲載されている商品は、被請求人の主張によれば、「オートフォーカス装置用フォーカシングモータ」及び「オートフォーカス装置用モータドライバ」で、「いろいろの分野に使用できる装置」であり、「測定機械器具」の専用品ではない。したがって、乙第2号証に掲載されている商品は、「測定機械器具又はその部品」に属さない。
(1)乙第3号証は、被請求人でない「岩岡産業」が国際画像機器展に出品したことを示す資料で、「岩岡産業」の商品であると推測させる記載はあるが、専用使用権者又は通常使用権者であるとの記載がない。
(2)乙第3号証に掲載されている商品は、被請求人の主張によれば、「顕微鏡用のオートフォーカス装置」で、「測定機械器具」の専用品ではない。したがって、乙第3号証に掲載されている商品は、「測定機械器具又はその部品」に属さない。
(1)乙第4号証は、被請求人でない「日新工機」が作成したものと推測させる「実施報告書」であるが、「日新工機が、本件商標の使用を報告するために作成し、現に報告されたものである。」との客観的な証明が何もされていない。
(2)乙第4号証の品名欄に記載されている商品が具体的にどのような商品であるか、具体的記載がない。したがって、商標を使用していることを証明しているとはいえない。
被請求人は、結論同旨の審決を求めると答弁し、その理由を次のように述べ、証拠方法として乙第1ないし第4号証(被請求人は甲号証としているが、便宜上乙号証として処理する。)を提出している。
被請求人及び通常使用権者である日新工機は、本件審判請求の登録前3年以内に日本国内において、次のように、少なくとも測定機械器具又はその部品について本件商標を使用している。
(1)本件商標を使用している商品は、画像処理用オートフォーカス装置(乙第1号証)、オートフォーカス装置用フォーカシングモータ及びオートフォーカス装置用モータドライバ(乙第2号証)等であり、オートフォーカス装置及びその周辺機器をセンソリュウムシリーズとして販売している。
(2)画像処理用(以下「オートフォーカス装置」という。)について、商品カタログ及び商品に本件商標である「Sensorium」を使用している(乙第1号証及び同第2号証)。
また、「Sensorium」は、乙第3号証に示されるように、1997年の国際画像機器展のガイドブックに掲載され広告されている。
(3)オートフォーカス装置のような画像処理関係の機器は、各種の分野に使用されており、乙第1ないし第3号証に記載されているように、顕微鏡用オートフォーカス、画像処理装置用オートフォーカス、高さ測定、立体測定に適用される他、電子部品等の組み立て、検査、医療分野等でオートフォーカス装置が使用されている。このため、オートフォーカス装置は、高さ測定、立体計測にも適用されるもので、測定機械器具又はその部品として使用されるものである。これは、乙第3号証に示される国際画像機器展が、日本画像・計測機器協議会の主催であることからも立証される。
(4)通常使用権者である日新工機から被請求人への実施報告書にあるように、本件商標を付した「Sensorium-10」、「Sensorium-FM1」及び「Sensorium-MD1」が1998年2月から7月にかけ日新工機から出荷販売されている(乙第4号証)。
(5)被請求人は、50%以上の株を保有するグループ会社である通常使用権者、日新工機との間で平成7年6月1日に「技術協力契約書」を締結している。
日新工機は、「Sensorium」を使用しているオートフォーカス装置を製造し、乙第1号証や乙第3号証に記載されている岩岡産業が販売している。
(1)被請求人の提出に係る乙第4号証は、平成10年12月21日付で日新工機が被請求人に宛てた社印、作成者印等の押印された「実施報告書」の写しと認められるところ、これには、「期間:平成10年2月1日〜平成10年7月31日」、「平成7年6月1日付『技術協力契約書』第4条、第8条の規定及び、平成10年3月31日付『覚書』による前出第4条の変更により、上記期間中の実施料は下記の通り相違ありません」と記載されており、また、「オートフォーカス関連製品技術協力費+工業所有権実施料合計:・・・・」として金額が明記され、「上記細目」として「出荷日」が1998/2/13ないし1998/7/28、「品名」がSensorium-10、Sensorium-FM1、Sensorium-MD1、そのほか、販売価格、実施単価などが記載されていることからすれば、日新工機は、被請求人との間に商品「Sensorium」について工業所有権に関する技術協力契約を交わし、「Sensorium」商品を1998年2月から7月にかけて販売し、実施料を被請求人に支払っていた事実を認めることができる。
(2)上記事実に加え、「製造・販売元 日新工機」、「取扱店 岩岡産業」、「応用例 高さ測定、立体測定」と記載された商品カタログ(乙第1号証)、及び、被請求人とともに「製造元 日新工機」と記載された商品カタログ(乙第2号証)には、いずれも表紙に「Sensorium」の文字が表示され、該カタログ中に示された商品自体にも「Sensorium-10」、「Sensorium-MD1」の文字が付されていること、並びに、1997年12月3日から5日まで開催された「’97国際画像機器展」に岩岡産業が「オートフォーカス装置 Sensorium-10」、「フォーカシングモータ Sensorium-FM1」及び「モータドライバ Sensorium-MD1」を出展している事実が認められること(乙第3号証)等を勘案すると、乙第1号証の商品カタログの「製造・販売元 日新工機」、「取扱店 岩岡産業」の文字が貼り合わせた紙片に表示されている点及び乙第2号証の商品カタログが1995年3月に作成されたものと認められる点を考慮しても、日新工機は、本件商標に関する商標権の通常使用権者であると推認することができるし、また、日新工機が1998年2月から7月にかけて販売した「オートフォーカス装置」には「Sensorium」の文字が付されていたものと推認することができる。
しかして、上記「Sensorium」の文字は、取引の実情を徴すれば、本件商標と社会通念上同一性を有するものと判断するのが相当である。
(3)「Sensorium」の文字が付された「オートフォーカス装置」は、顕微鏡を用いた微細加工工程などに使用される、合焦点位置を検出し距離を測定する装置の一つと認められるから、該装置自体測定機械器具の範疇に属する商品と判断するのが相当である。
(4)以上のとおりであって、本件商標は、本件審判請求の登録前3年内に我が国において、通常使用権者が取消請求に係る指定商品について使用していたものといわなければならない。
したがって、本件商標の登録は、請求に係る指定商品について、商標法第50条の規定により取り消すことはできない。
よって、結論のとおり審決する。
Next Action
類似審決の追加調査から中間応答、新規出願の費用確認まで、この審決を起点に次のアクションへ進めます。
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