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Trademark Appeal Case

商標使用事実の有無

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号取消2016−300172(T2016−300172/J2)
審判種別取消
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

本件審判の請求は,成り立たない。
審判費用は,請求人の負担とする。

理由テキスト

第1 本件商標

本件登録第4171779号商標(以下「本件商標」という。)は,「DELOREAN」の欧文字を横書きした構成からなり,平成8年10月23日に登録出願,第25類「洋服,コート,セーター類,ワイシャツ類,水泳着,靴下,手袋,帽子,バンド,ベルト,靴類(「靴合せくぎ,靴くぎ,靴の引き手,靴びょう,靴保護金具」を除く。)」を指定商品として,同10年7月31日に設定登録されたものである。

そして,本件審判の請求の登録の日は,平成28年3月24日である。

第2 請求人の主張

請求人は,商標法第50条第1項の規定により,本件商標の登録を取り消す,審判費用は,被請求人の負担とする,との審決を求め,その理由を要旨以下のように述べ,証拠方法として甲第1及び2号証を提出した。

本件商標は,その指定商品について,継続して3年以上日本国内において,商標権者,専用使用権者又は通常使用権者のいずれによっても使用された事実がないから,商標法第50条第1項の規定により取り消されるべきものである。

なお,請求人は,被請求人の答弁に対し何ら弁駁するところがない。

第3 被請求人の主張

被請求人は,結論同旨の審決を求め,その理由を要旨次のように述べ,証拠方法として乙第1ないし9号証を提出した。

1 被請求人は,本件商標の指定商品中,第25類「洋服,ワイシャツ類」について,標章「DELOREAN」を遅くても2015年1月21日には使用しており,本件審判の請求日前から現在に至るまで継続的に使用している。

2 具体的な使用事実

(1)乙第1号証は,被請求人が作成した商品カタログ兼注文用紙の写しである。頒布時期は,当該カタログに「2015 Spring」や「2015 Summer」,「2015 Autumn&Winter」と表示があることから,早いもので,2015年春期には頒布されていたものである。当該カタログの右上の箇所には被請求人のブランドを示す「by Delorean」の文字が記載されている。カタログ内部には,各商品のイラストとともに,各項目枠には,「ブロード×ボーダーニット」,「綿/麻7分袖シャツ」,「プリントポロシャツ」,「リバーシブルショーツ」及び「メロンクロスショーツ」等の商品の種類名があり,それぞれに,D−151−100,D−151−101等の品番と本体価格の記載,また,カラーとサイズを書きこむ箇所がある。

よって,本証拠は,ブランド「Delorean」の2015年春モデル,2015年夏モデル,2015年秋冬モデルの洋服のカタログ兼注文用紙であることがわかる。

なお,D−151−100(ホワイト),D−151−101(サックス),及びD−151−4(ブラック)については,それぞれの実物商品の写真(乙2〜4)を示す。

また,乙第1号証の「2015 Spring」のカタログ中では,全ての商品に「Delorean」や「DELOREAN」の記載があるが,特に,D−151−307,D−151−308,D−151−309,D−151−310,及びD−151−311等は,商品イラストから直接にブランド「DELOREAN」が読み取れるものである。

すわなち,乙第1ないし4号証からは,商標法第2条第3項第8号に定める商品に関する広告,価格表若しくは取引書類に標章を付して頒布する行為に該当することが明確であり,本件商標を使用している事実がわかる。

また,「2015 Spring」や「2015 Summer」,「2015 Autumn&Winter」と表示があることから,本件審判の請求の登録前3年以内の使用であることがわかる。

さらに,乙第2ないし4号証の実物商品に,「Delorean」や「DELOREAN」の文字が付されていることが確認できることからも,商標法第2条第3項第1号に定める商品又は商品の包装に標章を付する行為に該当することは明確であり,本件商標を使用している事実がわかる。

なお,これらの商品は,乙第1号証の「2015 Spring #1」に掲載されたものであり,乙第5号証(2015年3月30日発信)により注文を受けたものであるので,本件審判の請求の登録前3年以内の使用であることがわかる。

(2)乙第5号証は,被請求人が,顧客である株式会社ヤマノHDスポーツ事業本部の各店舗から商品注文された発注書の写しである。

例えば,パワーズ広島マリーナHOP店から送られた発注書の最初項目には「12103 ブロード ボーダーニットシャツ D−151−100 1064 2490019329854 デロリアン ネイビー」との記載がある。これは乙第1号証の「2015 Spring #1」の左上の項目枠にある品番及び商品の種類名,カラーと一致する。また「Delorean」の片仮名表記「デロリアン」の記載もある。

よって,当該注文がブランド「Delorean」の2015年春モデル「ブロード×ボーダーニット」であることがわかる。また,発信の年月日を見ると2015年3月30日とあり,また,納品予定日は2015年4月3日とあるので,本件審判の請求の登録前3年以内の使用であることがわかる。

すなわち,乙第5号証又は乙第1ないし4号証の各証拠やその組合せから,商標法第2条第3項第2号に定める商品又は商品の包装に標章を付したものを譲渡し,引き渡し,譲渡若しくは引渡しのために展示し,輸出し,輸入し,又は電気通信回線を通じて提供する行為に該当するものであることは明確であり,本件商標を使用している事実がわかる。

(3)乙第6号証は,被請求人が顧客の株式会社ムラサキスポーツ宛に発行した納品書の写しである。

例えば,岡崎店宛に送ったものには,「DELOREAN D−151−303」,「DELOREAN D−151−309」及び「DELOREAN D−151−310」等の品番の記載があり,これは乙第1号証に記載された「2015 Spring」の各品番と一致する。また,当該品番の商品イラストからも直接に洋服に「DELOREAN」の商標が付されていることがわかる。また,納品年月日を見ると,2015年1月21日とあるので,本件審判の請求の登録前3年以内の使用であることがわかる。

すなわち,乙第6号証からは,商標法第2条第3項第8号に定める商品に関する広告,価格表又は取引書類に標章を付して頒布する行為に該当するものであることが明確であり,本件商標を使用しているものである。

また,乙第1号証と乙第6号証から,「DELOREAN」の文字が付された洋服が譲渡されたことが裏付けられるので,商標法第2条第3項第2号に定める商品又は商品の包装に標章を付したものを譲渡し,引き渡し,譲渡若しくは引渡しのために展示し,輸出し,輸入し,又は電気通信回線を通じて提供する行為に該当するものであり,本件商標を使用しているものである。

(4)なお,各証拠に記載の「東京都港区三田(以下省略)」の住所は,被請求人の営業所であり,便宜上,営業所から商品の発送等を行っている。当該住所で活動している証拠として,社長の名刺の写し(乙7)を提出する。

また,名刺に記載の人物が被請求人であるオリオン貿易有限会社の代表者である事実を証明するために現在事項全部証明書(乙8)も提出する。念のため,当該住所におけるテナント契約として賃貸借契約書の一部の写し(乙9)も提出する。

(5)以上のとおり,被請求人は,主に洋服の製造・販売をしており,当該商品は各店舗でも人気を得て,現住に至るまで「DELOREAN」のブランドを確立している。

したがって,本件商標は,その指定商品中,第25類「洋服,ワイシャツ類」について,日本国内において継続的に使用しているものであるから,登録を取り消されるべきものではない。

第4 当審の判断

1 認定事実

証拠及び被請求人の主張によれば,以下の事実が認められる。

(1)本件商標の商標権者が作成した商品カタログ兼注文用紙(乙1)には,その1〜3枚目の各右上部には「2015 Spring」,同じく4〜5枚目の同部には「2015 Summer」,同じく6〜8枚目の同部には「2015 Autumn&Winter」の記載があるとともに,それぞれの記載の直前には,「by Delorean」の記載がある。

また,同商品カタログ兼注文用紙の1枚目には,2段4列の矩形枠内に7種類の商品が掲載されており,それぞれの枠内には,各商品のイラストとともに,上部に当該商品の商品コード・品名・価格を表示したものと思われる記載,下部に当該商品のカラー及びサイズ別に注文数を書き込めるようにした表の記載があるところ,上段の左から1番目の枠内上部には「D−151−100 ブロード×ボーダーニットシャツ ¥6600(本体価格)」,同じく2番目の枠内上部には「D−151−101 綿/麻7分袖シャツ ¥7400(本体価格)」及び下段の左から2番目の枠内上部には「D−151−401 リバーシブルショーツ ¥7400(本体価格)」の記載がある。

(2)平成28年5月9日に撮影された写真(乙2)には,襟下に「Delorean」と記された織りネームが付されるとともに,「NO.D−151−100」,「PRICE ¥6,600+税」,「オリオン貿易有限会社」及び当該会社名の直下に電話番号と思われる「03−3451−(以下省略)」などが記載された下げ札を付された前あき・ボタン留めのシャツが写っている。当該商品のデザインは,前記(1)の商品コード「D−151−100」に係るイラストのものと基本的に同じである。

(3)平成28年5月9日に撮影された写真(乙3)には,襟下に「Delorean」と記された織りネームが付されるとともに,「NO.D−151−101」,「PRICE ¥7,400+税」,「オリオン貿易有限会社」及び当該会社名の直下に電話番号と思われる「03−3451−(以下省略)」などが記載された下げ札を付された前あき・ボタン留めのシャツが写っている。当該商品のデザインは,前記(1)の商品コード「D−151−101」に係るイラストのものと基本的に同じである。

(4)平成28年5月9日に撮影された写真(乙4)には,左脚下部に「BY DELOREAN」(「BY」と「DELOREAN」とは中央寄せで二段書きされている。以下同じ。)と記された織りネームが付されるとともに,「NO.D−151−401」,「PRICE ¥7,400+税」,「オリオン貿易有限会社」及び当該会社名の直下に電話番号と思われる「03−3451−(以下省略)」などが記載された下げ札を付されたショートパンツが写っている。当該商品のデザインは,前記(1)の商品コード「D−151−401」に係るイラストのものと基本的に同じである。

(5)株式会社ヤマノHDスポーツ事業本部の各店舗(パワーズ広島マリーナHOP店(広島県広島市在)等の5店舗)からオリオン貿易有限会社(住所は,「東京都港区三田(以下省略)」である。)宛に作成された発注書(乙5。以下「本件発注書」という。)には,各頁の上部にファクシミリのヘッダー情報と認められる「’15−03−30 15:19 宛先− 033451(FAX番号の下4桁は省略) 様 送信元−(株)ヤマノホールディングス スポーツ ......」の記載があることから,株式会社ヤマノホールディングス(HD)のスポーツ事業本部(以下「ヤマノ社」という。)が各店舗からの発注を一括して,オリオン貿易有限会社に対し,2015年(平成27年)3月30日にファクシミリで注文したものと推認できるところ,1頁目の最上段の発注書(パワーズ広島マリーナHOP店(以下「パワーズ広島店」という。)からの発注)においては,発注内容を示す商品コード・品名・カラー欄,サイズ/規格欄,数量欄,納入単価欄,金額欄及び備考欄につき,それぞれ,1行目には,「......ブロード ボーダーニットシャツ D−151−100......デロリアン ネイビー」,「L」,「1」,「3630」,「3630」及び「6600」,同5行目には,「......綿麻7分袖シャツ D−151−101......デロリアン サックス」,「L」,「1」,「4070」,「4070」及び「7400」の記載がある。また,同最下段の発注書(同)においては,発注内容を示す上記各欄につき,それぞれ,1行目には,「......リバーシブルショーツ D−151−401......デロリアン ブラック」,「L」,「2」,「4070」,「8140」及び「7400」の記載がある。上記いずれの発注書も,発注日と思われる年月日欄には上記ファクシミリのヘッダー情報にある日付と符合する「2015/03/30」,また,納品予定日として「2015/04/03」の記載がある。

(6)オリオン貿易有限会社の代表取締役の名刺(乙7)には,同社の住所「東京都港区三田(以下省略)」,電話番号及びFAX番号の記載がある。そして,当該電話番号は,前記(2)ないし(4)の下げ札に記載されているものと同じであり,また,当該FAX番号は,前記(5)のファクシミリのヘッダー情報に記載されている宛先のものと同じである。

(7)オリオン貿易有限会社の現在事項全部証明書(乙8)に記載されている本店の住所及び代表取締役の氏名は,それぞれ,本件商標の商標権者の住所及び名刺(乙7)に記載されている氏名と同じである。

(8)株式会社日本美建を賃貸人及び本件商標の商標権者を貸借人とする賃貸借契約要項(乙9)には,「【建物】 名称 クイーンハイツ三田,所在地 東京都港区三田(以下省略)」,「【賃貸借室】 階数 3階・301号室,用途 事務所」,「【賃貸借条件】 賃貸借期間 2013年10月1日から2016年9月30日まで」等の記載がある。当該賃貸借契約に係る物件の所在地は,前記(5)及び(6)のオリオン貿易有限会社の住所と同じであるから,同社の営業所在地であると認めることができる。

2 オリオン貿易有限会社による本件商標の使用について

(1)前記1の認定事実によれば,(A)本件商標の商標権者であるオリオン貿易有限会社は,2015年(平成27年)3月30日に,本件発注書により,ヤマノ社のパワーズ広島店を含む5店舗からの商品の注文をファクシミリで受けたこと(前記1(5)ないし(8)),(B)パワーズ広島店からの注文商品には,商品コードを「D−151−100」とする商品「ブロード ボーダーニットシャツ(Lサイズ) ネイビー」が1点,商品コードを「D−151−101」とする商品「綿麻7分袖シャツ(Lサイズ) サックス」が1点及び商品コードを「D−151−401」とする商品「リバーシブルショーツ(Lサイズ) ブラック」が2点(以下,これらの注文商品を「本件使用商品」という。)等あったこと(前記1(5)),(C)前記(B)の各商品コードに係る本件使用商品は,商品カタログ兼注文用紙(乙1)にある2015年(平成27年)春用として掲載されている同一の商品コードに対応した商品であって,いずれの商品にも「Delorean」ないし「BY DELOREAN」(以下,前者の「Delorean」及び後者の「DELOREAN」部分をまとめて「本件使用商標」という。)と記された織りネームが付されていたこと(前記1(1)ないし(4)),が認められる。

そして,本件発注書には,パワーズ広島店への納品予定日が,2015年(平成27年)4月3日と指定されていたのであるから,受注者であるオリオン貿易有限会社は,特段の事情がない限り,当該納品予定日ないしその頃には,本件使用商標が付された本件使用商品を,パワーズ広島店に納品したものと推認することができる。

(2)本件使用商標について

本件商標は,「DELOREAN」の欧文字を横書きしてなるところ,該構成文字からは,「デロリアン」の称呼を生じ,特定の観念を生じないものである。

他方,本件使用商標は,「Delorean」ないし「DELOREAN」の欧文字を横書きしてなるところ,いずれも本件商標と同一のつづりからなるものであるから,生じる称呼も同一であって,本件商標とは社会通念上同一の商標と認められる。

(3)本件使用商品について

本件使用商品である「ブロード ボーダーニットシャツ」,「綿/麻7分袖シャツ」及び「リバーシブルショーツ」(ショートパンツ)は,本件商標の指定商品である「洋服,ワイシャツ類」の範ちゅうに含まれる商品であると認められる。

(4)小括

以上によれば,本件商標の商標権者であるオリオン貿易有限会社は,本件審判の請求の登録(平成28年3月24日)前3年以内である2015年(平成27年)4月3日ないしその頃に,本件審判の請求に係る指定商品中「洋服,ワイシャツ類」に含まれる本件使用商品に,本件商標と社会通念上同一と認められる本件使用商標を付して,パワーズ広島店に納品(譲渡又は引き渡し)したものと認めることができる。

そして,商標権者による上記行為は,「商品又は商品の包装に標章を付したものを譲渡し,引き渡し,......する行為」(商標法第2条第3項第2号)に該当する。

3 むすび

以上のとおりであるから,被請求人は,本件審判の請求の登録前3年以内に,日本国内において,商標権者が本件審判の請求に係る指定商品中「洋服,ワイシャツ類」に含まれる本件使用商品について本件商標と社会通念上同一の商標を使用していたことを証明したといえる。

したがって,本件商標の登録は,商標法第50条の規定により,取り消すことはできない。

よって,結論のとおり審決する。

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