結論テキスト
審判費用は、請求人の負担とする。
Trademark Appeal Case
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
| 審判番号 | 平成11年審判第35313号 |
|---|---|
| 審判種別 | 不服 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
本件登録第3370253号商標(以下「本件商標」という。)は、「メリハリサポート」の文字を横書きしてなり、平成6年9月16日に登録出願、第25類「エプロン,えり巻き,靴下,ゲートル,毛皮製ストール,ショール,スカーフ,足袋,足袋カバー,手袋,布製幼児用おしめ,ネクタイ,ネッカチーフ,マフラー,耳覆い」を指定商品として同10年9月25日に設定登録されたものである。
請求人が本件商標の登録の無効の理由として引用する登録第706113号商標は、「サポート」及び「SUPPORT」の文字を上下二段に書してなり、昭和39年9月8日に登録出願、第17類「被服、布製身回品、寝具類」を指定商品として同41年5月6日に設定登録されたものである。同じく登録第1863579号商標は、「SUPPORT」及び「サポート」の文字を上下二段に書してなり、昭和59年6月25日に登録出願、第17類「被服、布製身回品、寝具類」を指定商品として同61年5月30日に設定登録されたものである。同じく登録第2223277号商標は、「SUPPORT」(4番目の「P」の文字と5番目の「O」の文字が重なるように表されている。)の文字を横書きしてなり、昭和63年1月22日に登録出願、第17類「被服、布製身回品、寝具類」を指定商品として平成2年4月23日に設定登録されたものである。そして、これらの登録商標(以下、まとめて「引用商標」という。)は、いずれも現に有効に存続しているものである。
請求人は、「本件商標の登録を無効とする。審判費用は被請求人の負担とする。」との審決を求めると申し立て、その理由を次のように述べ、証拠方法として甲第1ないし第18号証を提出している。
(1) 本件商標が商標法第4条第1項第11号に該当する理由
本件商標は、カナ文字で「メリハリサポート」と横書きしてなるものであり、該文字中前半部の「メリハリ」の語は、「めりはりがきく」と同義で弛緩と緊張がはっきりしていることを意味する片仮名表記であり、後半部の「サポート」の語は「支持する、援助する」等の意味を有する英語の片仮名表記である。
請求人は、本件商標からは、次に述べる理由から「サポート」の称呼をも生ずると考える。
(a) 本件商標の前半部の「メリハリ」の語は、その商品の品質、状態及び態様を形容して表すにすぎないため、後半部の「サポート」の部分のみが取引者・需要者に強い印象を与えるものであること。
(b) 本件商標は、全体として特定の意味合いを有するものではなく、また、8音という比較的冗長な音調であるため、一体不可分のものとして把握しなければならない必然性は全く認められないこと。
(c) 本件商標の後半部を構成する「サポート」は、後述するように、請求人及び請求人の許諾先各社の取り扱いに係る許諾商品、とりわけパンティストッキングの商標として周知・著名なものであるため、この語が取引者・需要者に極めて強い印象を与えるものであること。
(d) 商標による商品の取引きは、必ずしも商標の全体構成をもってなされるのではなく、その主要な部分で略称されるものであること。
上記の理由から、本件商標はその主要な部分である「サポート」として観察されることは明らかであり、簡易迅速を尊ぶ取引きの実際においては、単に「サポート」と略称されることが十分あり得ると考えるのが相当である。
他方、引用商標からは「サポート」の称呼を生ずることは明らかである。
してみれば、本件商標と引用商標とは、「サポート」の称呼を共通にする類似の商標であり、かつ、本件商標の指定商品は引用商標の指定商品に抵触するものであるから、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に該当し、その登録は無効にすべきものである。
(3)本件商標が商標法第4条第1項第15号に該当する理由
請求人は、引用商標を、昭和46年より現在に至るまで、請求人を中心として構成されている一定のアパレルメーカーに対し、パンティストッキング等の靴下関係商品等(以下、許諾商品という。)に使用許諾している。請求人及びその使用許諾先の使用により、「サポート」「SUPPORT」パンティストッキングは取引者、一般需要者に広く認識されるに至っている。
引用商標を許諾商品に使用していることを立証する資料の一例として、福助(株)のパンティストッキングのパッケージ(甲第1号証)のほか、グンゼ(株)、厚木ナイロン工業(株)、ラモナー(株)、神戸生絲(株)のパンティストッキングのパッケージ(甲第2ないし第5号証)を提出する。
また、請求人は、引用商標を許諾商品の広告・宣伝に使用してきた。これを証する一例として、平成2年2月15日付「日本服装新聞」の広告・宣伝(甲第6号証)のほか、「センイ・ジャアナル」、「日本繊維新聞」、「繊研新聞」、「日本合成繊維新聞」の広告・宣伝(甲第7ないし第18号証)を提出する。
したがって、請求人の周知著名商標を主要部とした本件商標が、その指定商品に使用されたときは、請求人又は請求人と何らかの関係がある者(請求人の使用許諾先等)の業務に係る商品であるかのごとき混同を生じさせるおそれのあることは明白である。
よって、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に該当し、その登録は無効にすべきものである。
被請求人は、結論同旨の審決を求めると答弁し、その理由を次のように述べ、証拠方法として乙第1ないし第15号証を提出している。
(1) 本件商標は、次の理由により、その登録が無効とされるべきものではない。
先ず、本件商標が本審判請求事件に至るまでの経緯を述べると、本件商標は平成6年9月16日に出願、平成8年6月10日の出願公告を経て、請求人より、同一の商標を引用商標として異議申立を受けたものである。その異議申立書においても、請求人は本件審判請求と同様の理由を掲げ、商標法第4条第1項第11号及び同第15号に該当する旨主張した。
しかし、平成10年6月11日付け、「登録異議の申立てについての決定謄本」において、「本件商標は同書、同大、同間隔で表され、全体として称呼した場合においても、『メリハリサポート』と語調よく称呼され、一体不可分のものと認識し把握されるとみるのが自然であり、その構成文字全体に相応して、『メリハリサポート』の称呼のみを生ずる一つの造語とみるのが相当である。さらに異議申立人は、引用商標が『サポート』と称呼されて著名になっていると主張しているが、本件商標と引用商標とは類似しないし、また本件商標から引用商標を想起し、連想するともいえないから、出所の混同を生ずるおそれはなく、商標法第4条第1項第11号および同第15号に該当するとする本件異議申立は、理由がないといわざるを得ない。」(乙第2号証)との認定を受けたものである。
(2)ここで改めて、本件商標と引用商標との外観、称呼、観念の相違について検討する。
先ず本件商標と引用商標とは外観においては、非類似であることは明らかである。
次に本件商標と引用商標の称呼について比較してみる。本件商標は、各文字が同じ態様で表示された外観上まとまりのよい一体的なものであって、該商標からはよどみなく一連の「メリハリサポート」の称呼が生ずる。
即ち、「メリハリサポート」なる称呼はスムーズに発音され、格別冗長というべきではなく、「メリハリ」と「サポート」とを切り離す理由はどこにもみあたらず、本件商標からは「メリハリサポート」のみの称呼が生ずるものである。請求人は、本件商標の前半部の「メリハリ」の語は、その商品の品質、状態及び態様を形容して表すにすぎないため、後半部の「サポート」の部分のみが取引者・需要者に強い印象を与えるものであると主張しているが、「メリハリ」の語は、単独でも商標として十分な識別性を有するものであり、被請求人は「メリハリ」の語と称呼を有する登録第3263710号商標(乙第3号証)を保有している。
このことから本件商標については、前後半軽重の差無く一連に「メリハリサポート」の称呼のみが生ずることは明らかである。一方、「引用商標」からは、明白に「サポート」のみの称呼が生ずる。
ここで、本件商標や引用商標と同一又は類似の指定商品において、本件商標と引用商標の関係の如く、単独語句としても登録要件を有する構成語を前半部分に含む「サポート」又は「SUPPORT」との結合商標が本件の引用商標と互いに非類似のものとして登録されている例として、「キュートサポート/Cute Support」(乙第4号証)と「CUTE/キュート」(乙第5号証)ほかの登録例(乙第6ないし第15号証)を挙げる。
上記の登録例の内、乙第4号証、乙第6号証及び乙第8号証の各商標の前半部についても、請求人の主張に基づいてその語意だけを捉えれば、「キュート/CUTE」=「続麗な、可愛らしい」、「ピュア」=「まじりつけのない、純粋な」、「ファイナル/FINAL」=「決定的な」等、商品の品質、状態及び態様を間接的に暗示する語ではあるものの、それら構成語が独立した商標としても登録要件を有する上、全体として称呼した場合においても、語調よく称呼され、一体不可分のものと認識し把握されるとの判断がなされたものと思料する。
したがって、本件商標と引用商標についても、称呼において互いに非類似の商標であることは明らかである。
更に、両商標の観念については、本件商標は特定の観念を有さない造語であるのに対して、引用商標は英語「SUPPORT」の日本語訳から「支持する、援助する」の観念が生ずる。したがって、本件商標と引用商標とは観念においても非類似である。
(3) 以上の如く、本件商標と引用商標とは、明らかに外観、称呼、観念のいずれについても非類似の商標であり、商標法第4条第1項第11号に該当しないと共に、本件商標をその指定商品に使用しても、請求人又は請求人と何らかの関係がある者の業務に係わる商品であるとの混同を生ずるおそれはなく、同項第15号にも該当しないものである。
(1) 本件商標と引用商標との類否について
本件商標は、上記のとおり、「メリハリサポート」の文字が同書、同大、等間隔でまとまりよく一連一体に書されたものであり、これより生ずる「メリハリサポート」の称呼も格別冗長という程のものでなく、よどみなく一連に称呼し得るものであって、殊更「メリハリ」と「サポート」とに分離して考察しなければならない格別の理由を見出し難いものであるから、その構成全体が一体不可分のものとして看取され、「メリハリサポート」の一連の称呼のみを生ずるというのが相当である。
この点に関し、請求人は、本件商標の前半部の「メリハリ」の語が商品の品質、状態及び態様を形容して表すにすぎない旨主張しているが、「メリハリ」の語が本件商標の指定商品の品質、状態、態様等を表すものとして普通に使用されている事実は見出せないし、請求人も何らその証左を示していないから、この主張は採用することができない。加えて、請求人は、本件商標が全体として特定の意味合いを有するものでなく、比較的冗長な音調であること、「サポート」がパンティストッキングの商標として周知・著名であること等から、本件商標より「サポート」の称呼をも生ずる旨主張しているが、上記認定判断に照らし、この主張も採用することができない。
しかして、本件商標から生ずる「メリハリサポート」の称呼と引用商標から生ずると認められる「サポート」の称呼とは、「メリハリ」の音の有無により明瞭に区別し得るものである。
また、本件商標と引用商標とは、それぞれの構成に照らし、外観上判然と区別し得る差異を有するものである。
更に、本件商標は特定の既成観念を有する語ともいえないから、引用商標と観念の異同について比較すべくもないものである。
してみれば、本件商標と引用商標とは、称呼、外観及び観念のいずれの点からみても相紛れるおそれのない非類似の商標といわなければならない。
(2) 商品の出所の混同を生ずるおそれがあるか否かについて
請求人が主張するように、引用商標がパンティストッキングについて使用する商標として需要者間に広く認識されていることが認められるとしても、本件商標は、(1)で述べたように、一連一体の構成からなるものであり、引用商標とは類似しない別異のものとして看取されるものであって、これより看者が引用商標を連想、想起するようなことはないというのが相当である。
してみれば、本件商標は、これをその指定商品に使用しても、これに接する取引者、需要者がその商品が請求人又は同人と経済的・組織的に何らかの関係を有する者の業務に係る商品であるかの如く、商品の出所について混同を生ずるおそれはないといわなければならない。
(3) まとめ
以上のとおり、本件商標は、商標法第4条第1項第11号及び同第15号の規定に違反して登録されたものということはできないから、その登録は、商標法第46条第1項の規定により無効とすべきではない。
よって、結論のとおり審決する。
Next Action
類似審決の追加調査から中間応答、新規出願の費用確認まで、この審決を起点に次のアクションへ進めます。
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