Trademark Appeal Case
記述語と商品名の識別力
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 異議2015−900043(T2015−900043/J7) |
|---|---|
| 審判種別 | 異議 |
| 結論 | 勝訴(請求認容) |
理由テキスト
第1 本件商標
本件登録第5715652号商標(以下「本件商標」という。)は、「クランチビスコッティ」の片仮名を標準文字で表してなり、平成26年3月13日に登録出願、同年9月11日に登録査定、第30類「ビスコッティー」を指定商品として、同年11月7日に設定登録されたものである。
第2 登録異議の申立ての理由
登録異議申立人(以下「申立人」という。)は、本件商標は商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当し、その登録は取り消されるべきであるとして、その理由を要旨次のように述べ、証拠方法として、甲第1号証ないし甲第34号証を提出している。
本件商標は、「クランチビスコッティ」という標章であり、これは「ザクザクした食感を特徴とする菓子『クランチ』を原料にしたビスコッティ」あるいは「ビスコッティをクランチ状にしたもの」程度の意味にすぎず、自他商品識別標章たり得ない。また、そのような品質でない本件指定商品に使用した場合、その品質の誤認を招くおそれがある。
したがって、本件商標は、商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当する。
第3 当審における取消理由
当審において、商標権者に対して、平成28年8月3日付け取消理由通知書で通知した本件商標の取消理由は、要旨次のとおりである。
1 申立人の提出に係る甲各号証及び当審において職権による調査をした結果、以下の事実がある。
(1)「クランチ」の語について
ア 「噛(か)んだとき砕けるような歯触りが特徴の洋菓子。アーモンド入りのチョコレートなど。」の記載がある(webilio辞書「大辞林」三省堂発行)(甲2)。
イ 「ぼりぼりかめる菓子。がりがりかんで食べるチョコレートなど」の記載がある(職権調査:「コンサイスカタカナ語辞典」(第3版)」三省堂発行)。
ウ 「キャンディーの砕いたものや、砕いたナッツなどを混ぜた歯ざわりを楽しむチョコレートやあめ類など。」の記載がある(職権調査:「インターネットgoo辞書」)。
エ 「・Crunch(英語)ボリボリ、ガリガリ、バリバリなど噛み砕く音の事。この事から、ナッツと共に高温に煮詰めたクロカントや煎餅、クッキーなどの食感のあるものをいう。」の記載がある(webilio辞書「お菓子の辞典」)(甲2)
(2)「ビスコッティー(ビスコッティ)」の語について
ア 「1.ビスコッティの歴史・名前の由来」の見出しの下、「イタリアの代表的な焼き菓子、ビスコッティ。ビスコッティとは、『2度焼いた』という意味のイタリア語で、イタリアの固焼きビスケットのこと。正確には、イタリアはトスカーナ地方の郷土菓子で、カントッチョと呼ばれ親しまれている。」の記載がある(甲14)。
イ 「Biscotti(ビスコッティ)」の見出しの下、「イタリアでは古くから愛される伝統的焼き菓子。ビスコッティとは『2度焼いた』との意味のイタリア語で固焼きビスケットのこと。」の記載がある(甲15)。(3)「クランチクッキー」、「クランチチョコ(レート)」について
クックパッド株式会社のウェブサイトに、それぞれ、以下の記載がある。
ア 「シナモン クランチクッキー」の見出しの下、「ざくざくした触感とシナモンの香りが癖になるクッキー シリアルやフルーツグラノーラが好きな人には絶対オススメ」の記載があり、「フルーツグラノーラ」を材料にした「クッキー」が紹介されている(http://cookpad.com/recipe/1155948)。
イ 「クランチチョコレート」の見出しの下、「マシュマロのふわふわとシリアルのザクザクがおいしいクランチチョコレート バレンタインにも!」の記載があり、「シリアル」を材料にした「チョコレート」が紹介されている(http://cookpad.com/recipe/3061310)。
ウ 「簡単クランチチョコ 大量生産にも」の見出しの下、「ザクザク食感のチョコがとてもおいしい」の記載があり、「アーモンド」、「ハードビスケット」、「コーンフレーク」を材料にした「チョコレート」が紹介されている(http://cookpad.com/recipe/3024856)。
2 商標法第3条第1項第3号該当性について
本件商標は、「クランチビスコッティ」の文字を標準文字で表してなるところ、上記1(1)のとおり、その構成中、前半の「クランチ」の文字は、「噛んだとき砕けるような歯触りが特徴の洋菓子」の意味を有する語であり、上記1(2)のとおり、後半の「ビスコッティ」の文字は、「イタリアの代表的焼き菓子(固焼きビスケット)」を指称する語である。
そして、上記1(3)のとおり、「クランチクッキー」、「クランチチョコ(レート)」のように、ザクザクした食感があるクッキーやチョコレートのことを表すものとして、「クランチ」の文字が商品名と結合して使用されている例があることからすれば、「クランチビスコッティ」の文字からは、「噛んだとき砕けるような歯触りが特徴のビスコッティー」程の意味合いを容易に理解、認識させるものといえる。
そうすると、本件商標は、商品の品質を普通に用いられる方法で表示する標章のみからなる商標であると認められる。
したがって、本件商標は、商標法第3条第1項第3号に該当する。
第4 商標権者の意見
商標権者は、上記第3の取消理由の通知に対し、指定した期間を経過するも何ら意見を述べていない。
第5 当審の判断
本件商標は、上記第1のとおりのものである。
そして、本件商標について通知した上記第3の取消理由は、妥当なものと認められる。
したがって、本件商標の登録は、商標法第3条第1項第3号に違反してされたものであるから、同法第43条の3第2項の規定により、取り消すべきものである。
よって、結論のとおり決定する。
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