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Trademark Appeal Case

複合商標の要部抽出

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号異議2016−900112(T2016−900112/J7)
審判種別異議
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

登録第5824610号商標の商標登録を維持する。

理由テキスト

第1 本件商標

本件登録第5824610号商標(以下「本件商標」という。)は、「UA RECORD」の欧文字を横書きしてなり、2015(平成27)年1月7日にアメリカ合衆国においてした商標登録出願に基づいてパリ条約第4条による優先権を主張して、平成27年7月6日に登録出願、第9類「タイム・ペース・スピード・加速度・速度・運動技能・身体状態に関する、スポーツ活動・チーム及び個人運動トレーニング・競技会・身体トレーニングのデータをインターネット及びパーソナルコンピュータに検出・保存・報告・監視・アップロード・ダウンロードするためのマイクロプロセッサ・電子表示装置・加速度計と、USBハードウェア及びUSB操作用ソフトウェアとを内蔵した、表示機能付き電子測定装置,体重・肥満度指数・体脂肪・心拍数・消費カロリー・時間・距離・ペース・スピード・加速度・速度・歩数・活動の種類・活動レベル・睡眠時間・チーム及び個人運動又はトレーニング又は競技会・健康及びフィットネスプログラムの順守及び動機付けを追跡するためのスケジュール及び目標・地理的位置・その他の健康及び身体的活動データを含む健康及びフィットネスデータを受信・表示・処理・インターネットにアップロード・インターネットを通じて送信するための無線データ通信用の電気通信機械器具,はかり及び計量用はかり,生体認証装置,生体認証用データを収集し、フィットネス・運動・栄養プログラムの順守及び動機付けを追跡するための、身体に装着可能な表示機能付き電子測定装置,小型イヤホン,イヤホン,ヘッドホン,コンピュータソフトウェア,コンピュータアプリケーションソフトウェア,測定機械器具,電気通信機械器具,電子応用機械器具及びその部品」及び第14類「腕時計」を指定商品として、同28年1月4日に登録査定され、同年2月5日に設定登録されたものである。

第2 引用商標

登録異議申立人(以下「申立人」という。)が登録異議の申立ての理由として引用する登録第3280625号商標(以下「引用商標」という。)は、「RECORD」の欧文字を横書きしてなり、平成7年1月10日に商標登録出願、第14類「時計,身飾品,宝玉及びその原石並びに宝玉の模造品」を指定商品として、同9年4月11日に設定登録され、その後、同19年2月20日に商標権の存続期間の更新登録がされ、現に有効に存続しているものである。

第3 登録異議の申立ての理由

申立人は、本件商標は、その指定商品中、第14類「腕時計」に関する限り、商標法第4条第1項第11号に該当するものであるから、同法第43条の2第1号により、その登録は取り消されるべきであると申立て、その理由を要旨以下のように述べ、証拠方法として甲第1号証ないし甲第17号証(枝番号を含む。)を提出した。

1 本件商標と引用商標との先願関係について

本件商標の出願日は平成27年7月6日であるが、米国出願に基づく優先権の主張がなされているので平成27年1月7日に出願されたものと看倣して取り扱われるものであり、他方、引用商標の出願日は平成7年1月10日であるから、本件商標の優先権の主張を考慮しても、本件商標より引用商標の方が先に出願しているのは明らかである。

2 本件商標と引用商標との指定商品の類否について

本件商標の指定商品中の第14類「腕時計」は、引用商標の指定商品中の「時計」と抵触しているのは明らかである。

3 本件商標と引用商標との類否

(1)本件商標は、「UA RECORD」であるが、「UA」と「RECORD」との間に間隔があり、視覚上「UA」と「RECORD」とに分離して看取されること、全体として特定の意味合いを有するものではないこと、常に一体不可分のものと把握すべき別段の理由もないことからして、「UA」と「RECORD」とに分断されて把握されるものである。

(2)欧文字2文字の組合せは商品の型式・品番等を表す記号・符号等として各種業界で商取引上一般的・類型的に採択・使用されている実情があり、商品「腕時計」の業界でも同様に冒頭に欧文字2文字の組合せを付し商品の型式・品番等を表す記号・符号等として用いている事実がある(甲3)。

かかる実情からすれば、本件商標「UA RECORD」の前半部分「UA」は、取引者・需要者にとって、型式・品番等を表す記号・符号等と理解されるものである。

(3)本件商標の後半部分である「RECORD」及び引用商標「RECORD」は、英語の単語であり、「記録」とか「音声や音楽等を録音しプレーヤーによって再生する円盤・音盤」といった観念の語で、「レコード」との称呼を生じるもので、わが国の取引者・需要者にとって馴染みが深く良く知られた英単語である(甲4)。

そうすると、簡易・迅速を尊ぶ商取引においては、本件商標に接する取引者・需要者は、型式・品番等を表す記号・符号等と把握され自他商品の識別機能を有しない「UA」の部分を捨象し、慣れ親しんだ英単語である「RECORD」を自他商品の識別機能を有する標識と理解し、これから生じる「レコード」の称呼及び、「記録」又は「音声や音楽等を録音しプレーヤーによって再生する円盤・音盤」の観念をもって取引にあたるものである。

(4)引用商標は「RECORD」であり、引用商標からは「レコード」の称呼及び、「記録」又は「音声や音楽等を録音しプレーヤーによって再生する円盤・音盤」の観念が生じる。

(5)したがって、本件商標と引用商標とは、称呼上・観念上、同一又は類似である。

よって、本件商標と引用商標とは、称呼及び観念を同一又は類似にする商標であり、本件商標と引用商標とは同一又は類似の商標となる。

4 審決例について

本件異議申立てにおいて、上記3で述べたとおり、本件商標が「UA」と「RECORD」とに分断されて把握されるものであることについて、摘示した各審決(甲5ないし甲17)と異なって解釈される別段の理由は、全くない。

5 まとめ

したがって、本件商標は、その指定商品中、第14類「腕時計」については、商標法第4条第1項第11号に該当し、商標法第43条の2第1号によって取り消されるべきものである。

第4 当審の判断

1 商標法第4条第1項第11号該当性について

(1)本件商標

本件商標は、「UA RECORD」の欧文字を普通に用いられる書体により横書きしてなるところ、「UA」と「RECORD」との間に半角文字程度の空白が設けられているが、その構成各文字は、同じ書体、同じ大きさで表され、外観上まとまりよく一体的に看取し得るものであって、これより生じる「ユーエーレコード」の称呼も格別冗長なものではなく、よどみなく一連に称呼し得るものであるから、本件商標のかかる構成態様においては、「RECORD」の文字部分を分離、抽出し、該文字部分のみをもって取引されるものとはいい難く、その構成全体をもって一体不可分の造語よりなるものと認識、理解されるとみるのが相当である。

申立人は、本件商標は、全体として親しまれた特定の意味合いはなく、構成上「UA」と「RECORD」とに分離して観察されること、及び「腕時計」の業界でも欧文字2文字の組合せを付し商品の型式・品番等を表す記号・符号等として用いている事実があるから、本件商標の構成中、「UA」の文字部分は、取引者・需要者にとって、型式・品番等を表す記号・符号等と理解されるものであって、「RECORD」の文字部分が要部として抽出される旨主張している。

しかしながら、欧文字2文字が商品の型式・品番等を表す記号・符号等として使用される場合があるとしても、商品の出所識別標識としての標章の前部(語頭)に、商品の型式・品番等を表す記号・符号等としての欧文字2文字が一般的に使用されているとはいえず、提出された証拠(甲3)からもそのような取引の実情は見いだせない。

そして、本件商標がまとまりよく一体的に表されていることは、上記のとおりであり、係る構成においては、構成中のいずれかの文字のみに着目され、記憶されることはなく、全体が不可分一体のものとして、取引者、需要者に認識されるというのが相当であるから、申立人の主張は採用することができない。

したがって、本件商標は、その構成文字に相応して「ユーエーレコード」の称呼のみを生じるものであり、特定の観念は生じないものというべきである。

(2)引用商標

引用商標は、「RECORD」の欧文字を普通に用いられる書体により横書きしてなるものであり、その構成文字に相応して、「レコード」の称呼を生じ、「記録」ないし「レコード(音声や音楽などを録音し、プレーヤーによって再生する円盤。)」の観念を生じるものである。

(3)本件商標と引用商標との類否について

本件商標と引用商標とを対比するに、本件商標と引用商標とは、それぞれの構成に照らし、外観においては、先頭の「UA」の文字の有無の差異から判然と区別し得るものである。

そして、称呼においては、本件商標から生じる「ユーエーレコード」の称呼と引用商標から生じる「レコード」の称呼とは、語頭音において「ユーエー」の音の有無の差異に加え、構成音数において明らかな差異を有するものであるから、全体の語調、語感が著しく相違し、明瞭に聴別することができるものである。

また、観念においては、本件商標は、特定の観念を有しないものであるのに対し、引用商標からは「記録」ないし「レコード」の観念が生じることから、類似するものとはいえない。

したがって、本件商標と引用商標とは、外観、称呼及び観念のいずれの点からみても相紛れるおそれのない非類似の商標というべきである。

(4)小括

以上のとおり、本件商標は、引用商標とは非類似の商標であるから、商標法第4条第1項第11号に該当するということはできない。

2 申立人の主張する審決例について

申立人は、過去の審決例においても、欧文字2文字が商品の型式・品番等を表す記号・符号等として識別力がないものと判断されていることから、本件商標についても同様に、商標法第4条第1項第11号に該当し、商標登録は取り消されるべきものである旨主張する。

しかしながら、商標の類否の判断は、対比される商標について、当該判断時の取引の実情を勘案しつつ、その指定商品(役務)の取引者・需要者の認識を基準に対比される商標について個別具体的に判断されるべきものであるところ、申立人の挙げたこれらの事例は、いずれも本件商標とは、使用する商品又は役務が異なるものであるばかりか、商標の構成態様においても異なるものであるから、事案を異にするというべきであり、また、そもそも、他の事例の存在によって、本件の判断が左右されるものではない。

したがって、申立人の主張は、採用することができない。

3 まとめ

以上のとおり、本件商標の登録は、登録異議の申立てに係る第14類の指定商品「腕時計」について、商標法第4条第1項第11号に違反してされたものではないから、同法第43条の3第4項の規定に基づき、その登録を維持すべきでものである。

よって、結論のとおり決定する。

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