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Trademark Appeal Case

指定商品役務の類否

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号不服2015−16518(T2015−16518/J1)
審判種別不服
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

本件審判の請求は、成り立たない。

理由テキスト

1 本願商標

本願商標は、「OmniSphere」の欧文字を標準文字で表してなり、第9類及び第42類に属する願書記載のとおりの商品及び役務を指定商品及び指定役務として、平成25年6月19日に登録出願されたものであり、その後、指定商品及び指定役務については、原審における同26年7月3日付け及び当審における同28年6月13日付けの手続補正書により、最終的に、第9類「主としてシステムインテグレータ又はネットワーク機器販売者が開発・提供又は製造・販売するコンピュータシステム又はネットワーク機器に組み込むために使用される、コンピュータネットワークシステムの接続・制御及び管理をするためのコンピュータソフトウェア(ダウンロード可能なソフトウェアを含む。)」及び第42類「コンピュータネットワークシステムで使用される機器の設計及びこれに関する指導・助言,通信ネットワークシステム又はそれに係るコンピュータプログラムの設計・開発又は保守及びこれらに関するコンサルティング,通信ネットワークを用いて行なう電子計算機用プログラムの提供,コンピュータサーバーの貸与,コンピュータサーバーの記憶領域の貸与」と補正されたものである。

2 引用商標

原査定において、本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するとして、本願の拒絶の理由に引用した登録第5074738号商標(以下「引用商標」という。)は、「OMNISPHERE」の欧文字を横書きしてなり、2006年8月30日にアメリカ合衆国においてした商標登録出願に基づいてパリ条約第4条による優先権を主張し、平成19年2月22日登録出願、第9類に属する別掲1のとおりの商品を指定商品として、同年8月31日に設定登録され、その後、商標登録の取消し審判により、指定商品中「電子応用機械器具及びその部品(音楽の分野におけるコンピュータソフトウェア並びに音楽の創作・演奏・制作及びマルチメディア制作に使用されるコンピュータソフトウェアを記憶させたCD−ROM及びDVDを除く。)」について取り消すべき旨の審決がされ、同26年10月9日にその確定審決の登録がされ、現に有効に存続しているものである。

3 当審においてした審尋

当審において、請求人に対し、平成28年4月27日付けで、別掲2のとおりの内容を示した上で、本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するものである旨の審尋を発し、期間を指定して、請求人に意見を述べる機会を与えた。

4 審尋に対する請求人の回答(要旨)

請求人は、前記3の審尋に対して、平成28年6月13日付けの回答書、手続補足書及び手続補正書により、指定商品及び指定役務を前記1のとおりの商品及び役務に補正するとともに、要旨、補正後の本願商標に係る指定商品と引用商標に係る一部指定商品は、生産部門、販売部門、用途・品質、需要者等が明らかに異なることから、両商品に同一又は類似の商標を使用したとしても同一営業主の製造又は販売にかかる商品と誤認されるおそれがないことは明らかであり、よって、両商品は非類似であるため、本願は商標法第4条第1項第11号に該当するものではない旨主張し、証拠として第1号証ないし第20号証(枝番号を含む。)を提出した。

5 当審の判断

(1)本願商標と引用商標の類否について

本願商標は、前記1のとおり、「OmniSphere」の欧文字を標準文字で表してなり、また、引用商標は、前記2のとおり、「OMNISPHERE」の欧文字を横書きしてなるところ、両商標は、同一綴り字からなり、第1文字目の「O」及び第5文字目の「S」以外の文字において、大文字と小文字の差異を有するのみであることから、両商標は、外観において近似した印象を与えるものである。

次に、称呼及び観念についてみるに、両商標は、その構成文字に相応して、共に「オムニスフィア」の称呼を生じ、特定の観念を生じないものである。

そうすると、本願商標と引用商標とは、外観において近似した印象を与え、「オムニスフィア」の称呼を共通にするものであり、観念においても区別することができないものであるから、本願商標と引用商標とは類似の商標であるというのが相当である。

(2)本願商標の指定商品と引用商標の指定商品について

本願商標の指定商品及び指定役務中の第9類「主としてシステムインテグレータ又はネットワーク機器販売者が開発・提供又は製造・販売するコンピュータシステム又はネットワーク機器に組み込むために使用される、コンピュータネットワークシステムの接続・制御及び管理をするためのコンピュータソフトウェア(ダウンロード可能なソフトウェアを含む。)」(以下「本願商品」という。)と、引用商標の指定商品中の第9類「音楽の分野におけるコンピュータソフトウェア,音楽の創作・演奏・制作及びマルチメディア制作に使用されるコンピュータソフトウェアを記憶させたCD−ROM及びDVD」(以下「引用商品」という。)との類否について検討する。

商標法第4条第1項第11号における商品の類否判断は、取引の実情、すなわち、ア)生産部門が一致するかどうか、イ)販売部門が一致するかどうか、ウ)原材料及び品質が一致するかどうか、エ)用途が一致するかどうか、オ)需要者の範囲が一致するかどうか、カ)完成品と部品との関係にあるかどうか等を総合的に考慮して判断をすべきものであり、その類否は、2つの商品に同一又は類似の商標が使用された場合、これに接する取引者、需要者が商品の出所につき誤認混同を生ずるおそれがあるかどうかにより判断すべきものであるから、以下、上記の点について、検討する。

ア 生産部門について

別掲2(1)アないしエのとおり、コンピュータネットワーク管理用の電子計算機プログラムと音楽又はマルチメディアコンテンツ作成用の電子計算機用プログラムが、同一のコンピュータ製造企業又はコンピュータソフトウェア制作企業において作成、提供されている事実がある。

イ 販売部門について

別掲2(2)アないしエのとおり、コンピュータネットワーク管理用の電子計算機プログラムと動画又は音楽編集用の電子計算機用プログラムが、家電量販店等の販売店のホームページにおいてコンピュータソフトウェアのカテゴリ内で同時に販売されている事実がある。

ウ 商品の品質(機能)について

本願商品は、主に、ネットワーク化した複数のコンピュータ及び周辺機器を接続、制御及び管理するための商品であるのに対し、引用商品は、主に、コンピュータを使用して、音楽の制作、演奏、再生等を行うため、又は、デジタル化された映像・音声・文字データなどを組み合わせた総合的なメディアの制作を行うための商品であるところ、両者は、いずれも、「電子計算機用プログラム」に属する商品であり、コンピュータを使用する者によってコンピュータ内にインストールされて、それぞれの目的のためのデータ処理を行い、コンピュータの機能を発揮させる商品であることには変わりがないから、コンピュータの機能を発揮させるという機能において共通するものである。

エ 需要者について

本願商品と引用商品の需要者は、いずれも、コンピュータを用いてコンピュータソフトウェアを使用する者であり、また、コンピュータには複数のコンピュータソフトウェアをインストールして、必要に応じて当該ソフトウェアを使い分けているのが実情であるから、本願商品の需要者は引用商品を使用しないとか、又は、引用商品の需要者は本願商品を使用しないという事情はなく、むしろ、複数のコンピュータを使用して、音楽やマルチメディアの制作を行う者は、それらのコンピュータをネットワーク化して管理する場合もあると考えられ、両者の需要者は、共通する場合があるといえる。

オ 小括

以上からすると、本願商品と引用商品とは、生産部門、販売部門、品質(機能)を共通にし、また、需要者を共通にする場合があるものであるから、両者は、互いに類似する商品であるいわざるを得ない。

(3)請求人の主張

請求人は、本願商品は、主にクラウドサービスを開発・提供する企業、又はコンピュータネットワークシステムの構築等に必要な機器等を製造・販売する企業によって製造・販売されるのに対し、引用商品は、主にオーディオ製品、楽器を製造、販売する企業によって製造、販売され(第10号証〜第15号証)、また、本願商品を生産、販売する企業は、引用商品を扱っていない(第1号証〜第8号証)のに対し、引用商品を生産、販売する企業は、本願商品を扱っておらず、さらに、本願商品が家電量販店のウェブサイトで販売されることはないのに対し、引用商品は、一般の消費者を対象とする家電店や楽器店で販売されるものであるから、本願商品と引用商品は、生産部門、販売部門、用途・品質、需要者等において明らかに異なる旨を主張している。

しかしながら、商標の類否判断に当たり考慮することのできる取引の実情とは、その指定商品又は指定役務全般についての一般的、恒常的なそれを指すものであって、請求人の主張は個別的な取引の事情に過ぎない。

そして、本願商品と引用商品であるコンピュータネットワーク管理用の電子計算機プログラムと音楽又はマルチメディアコンテンツ作成用の電子計算機用プログラムについて、生産部門、販売部門、品質(機能)、需要者を総合的に勘案した結果、両者が互いに類似する商品であることは、上記(2)で述べたとおりである。

よって、請求人の主張は、採用することができない。

(4)まとめ

以上のとおり、本願商標は、引用商標に類似する商標であって、かつ、本願の指定商品は、引用商標の指定商品と同一又は類似するものであるから、商標法第4条第1項第11号に該当するものである。

したがって、本願商標が同号に該当するとして本願を拒絶した原査定は、取り消すことができない。

よって、結論のとおり審決する。

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