Trademark Appeal Case
役務の質表示と識別力
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 不服2016−12149(T2016−12149/J1) |
|---|---|
| 審判種別 | 不服 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
1 本願商標
本願商標は、「生誕祭」の文字を標準文字で表してなり、第41類「技芸・スポーツ又は知識の教授,セミナーの企画・運営又は開催,美術品の展示,映画・演芸・演劇又は音楽の演奏の興行の企画又は運営,教育・文化・娯楽・スポーツ用ビデオの制作(映画・放送番組・広告用のものを除く。),スポーツの興行の企画・運営又は開催,興行の企画・運営又は開催(映画・演芸・演劇・音楽の演奏の興行及びスポーツ・競馬・競輪・競艇・小型自動車競走の興行に関するものを除く。)」を指定役務として平成27年12月11日に登録出願されたものである。
2 原査定の拒絶の理由の要点
原査定は、「本願商標は、『生誕祭』の文字を標準文字で表示してなるところ、指定役務との関係において、『生誕』の文字が『誕生』の意味を、『祭』の文字が『にぎやかな催し』の意味をそれぞれ有する語として国語辞書の見出し語に掲載されるなど一般に親しまれていることから、本願商標は、全体として『誕生したことを祝う催し』ほどの意味合いを容易に看取させるものといえる。そして、『生誕祭』の文字は、歴史上の人物やタレント等の誕生したことを祝うイベントの名称の一部などに広く用いられている実状がうかがえる。そうすると、『生誕祭』の文字からなる本願商標をその指定役務中の当該文字に照応する役務(例えば『誕生したことを祝うイベントに関する興行の企画・運営又は開催(映画・演芸・演劇・音楽の演奏の興行及びスポーツ・競馬・競輪・競艇・小型自動車競走の興行に関するものを除く。)」等)に使用するときには、これに接する取引者、需要者は、その役務が『誕生したことを祝う催しであること』を表示したものと理解するにすぎないことから、本願商標は、単に役務の質(内容)を普通に用いられる方法で表示したものといえる。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当し、前記役務以外の役務に使用するときは、役務の質の誤認を生じさせるおそれがあるから、同法第4条第1項第16号に該当する。」旨認定、判断し、本願を拒絶したものである。
3 当審の判断
(1)商標法第3条第1項第3号該当性について
本願商標は、「生誕祭」の文字を標準文字で表してなるところ、その構成中、「生誕」の文字は、「(偉人などが)うまれること。誕生。」の意味を、また、「祭」の文字は、「祝賀・記念のにぎやかな催し。」の意味を、それぞれ有する親しまれている語であり、「生誕」の文字と「祭」の文字との組合せである「―百年祭」が「生誕」の語の用例としても掲載されていることから(いずれも株式会社岩波書店発行「広辞苑第六版」)、「生誕祭」の文字からなる本願商標からは、「誕生を記念した催し」の意味合いが容易に看取、把握されるものである。
そして、本願の指定役務中、「美術品の展示,映画・演芸・演劇又は音楽の演奏の興行の企画又は運営,スポーツの興行の企画・運営又は開催,興行の企画・運営又は開催(映画・演芸・演劇・音楽の演奏の興行及びスポーツ・競馬・競輪・競艇・小型自動車競走の興行に関するものを除く。)」を取り扱う業界において、「生誕祭」の文字が、「偉人や芸能人又は店舗の誕生を記念した催し」の際に使用されていることは、原審で示した事実のほか、以下の新聞記事情報及びインターネット情報からも裏付けられるものである。
そうすると、「生誕祭」の文字からなる本願商標を、本願の指定役務中「美術品の展示,映画・演芸・演劇又は音楽の演奏の興行の企画又は運営,スポーツの興行の企画・運営又は開催,興行の企画・運営又は開催(映画・演芸・演劇・音楽の演奏の興行及びスポーツ・競馬・競輪・競艇・小型自動車競走の興行に関するものを除く。)」に使用しても、これに接する取引者、需要者は、催し物(イベント)などの内容等を表示したものとして理解するものであって、「誕生を記念した催し」に係る役務であることを認識するにすぎないものである。
してみれば、本願商標は、役務の質を表示したにすぎず、自他役務の識別標識としての機能を果たし得ないものであるから、その役務の質を普通に用いられる方法で表示する標章のみからなる商標というのが相当である。
したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当する。
(2)請求人の主張
請求人は、原審で示した「生誕祭」の語の使用例について、「生誕祭」の語のみの単独使用の例を示すものではなく、「生誕祭」の語のみの具体的意味合いが記載されているものではないから、本願商標は、役務の質、内容等を直接的かつ具体的に表示したものではない旨を主張している。
しかしながら、「生誕祭」の文字は、「誕生を記念した催し」の意味合いを容易に理解させるものであり、また、該文字は、別掲に示した使用例のとおり、「偉人や芸能人又は店舗の誕生を記念した催し」の際に、広く使用されているものであるから、「生誕祭」の文字からなる本願商標をその指定役務中「美術品の展示,映画・演芸・演劇又は音楽の演奏の興行の企画又は運営,スポーツの興行の企画・運営又は開催,興行の企画・運営又は開催(映画・演芸・演劇・音楽の演奏の興行及びスポーツ・競馬・競輪・競艇・小型自動車競走の興行に関するものを除く。)」に使用しても、これに接する取引者、需要者は、該役務に係る「展示」又は「興行」が、「誕生を記念した催し」であることを理解、認識するにとどまるというのが相当である。
よって、請求人の主張は、採用することができない。
(3)まとめ
以上のとおり、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当し、登録することができない。
よって、結論のとおり審決する。
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