Trademark Appeal Case
慣用表現の識別力
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 不服2015−19978(T2015−19978/J1) |
|---|---|
| 審判種別 | 不服 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
1 本願商標
本願商標は、「海鮮ざんまい」の文字を標準文字で表してなり、第30類及び第43類に属する願書記載のとおりの商品及び役務を指定商品及び指定役務として、平成26年12月1日に登録出願され、その指定商品及び指定役務については、原審における同27年5月1日付け手続補正書により、第30類「海産物を使用したべんとう,海産物を使用したすし,海産物を使用した丼物」及び第43類「魚介類料理・すし・丼物を主とする飲食物の提供」に補正されたものである。
2 原査定の拒絶の理由の要点
原査定は、「本願商標は、『海鮮ざんまい』の文字を標準文字で表してなるところ、その構成中『海鮮』の文字部分は、『新鮮な海産物』程の意味合いを表し、『ざんまい』の文字部分は『一心不乱に事をするさま』等の意味合いを表すものであるところ、近年、食品に関連する分野において『○○(料理・食材)ざんまい』、『○○(料理・食材)三昧』の文字は、『焼肉ざんまい』、『焼鳥ざんまい』、『魚ざんまい』のように、『一心不乱に○○を飲食をすること』、『心ゆくまで○○を飲食をすること』、あるいは『○○をふんだんに提供すること』程の意味合いを表すものとして、商品の販売促進や役務の提供促進のために使用されている実情がある。そして、『海鮮ざんまい』、『海鮮三昧』の文字も、『海鮮(新鮮な海産物)を心ゆくまで飲食をすること』、『海鮮(新鮮な海産物)をふんだんに提供すること』程の意味合いを表すものとして使用されているものである。そうすると、本願商標を、その指定商品中の『海産物を使用した商品』・指定役務に使用しても、これに接する取引者、需要者は、『心ゆくまで海鮮を飲食する商品』、あるいは『海鮮をふんだんに提供する役務』程の意味合いを認識するにとどまり、何人かの業務に係る商品・役務であるかを認識することができないものと認める。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第6号に該当する。」旨認定、判断し、本願を拒絶したものである。
3 当審における審尋
当審において、請求人に対し、平成28年6月15日付けで、別掲の実情を示した上で、要旨以下のとおり、本願商標が商標法第3条第1項第6号に該当するものである旨の審尋をし、期間を指定して、これに対する回答を求めた。
本願商標は、前記1のとおり、「海鮮ざんまい」の文字を標準文字で表してなるところ、別掲1ないし3の「海鮮ざんまい」及び「海鮮三昧」の文字についての使用の事実からすれば、「海鮮ざんまい」及び「海鮮三昧」の文字は、「新鮮な海産物をふんだんに使用した」「新鮮な海産物を堪能できる」商品又は役務であることを表すものとして複数の事業者が使用しているものである。
そうすると、本願商標に接する需要者は、「新鮮な海産物をふんだんに使用した」「新鮮な海産物を堪能できる」商品又は役務であることを表すものと理解するにとどまるとみるのが相当であって、本願商標は、その指定商品及び指定役務に使用しても、需要者が何人かの業務に係る商品及び役務であることを認識することができない商標といわざるを得ない。
したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第6号に該当する。
4 審尋に対する請求人の回答の要点
請求人は、前記3の審尋に対して、要旨以下のとおり、本願商標が商標法第3条第1項第6号に該当するものではない旨の意見を述べ、資料1ないし資料11を提出している。
請求人は、「すしざんまい」(商標登録第5511447号)の名称で寿司チェーン店を全国展開する法人であり(資料1)、インターネットによる検索結果(資料2〜11)からもわかるように、「すしざんまい」商標は、請求人の営業を表すものとして今日全国的に周知著名となっている。
「すしざんまい」が使用されている商品・役務と、本願商標の指定商品及び指定役務はともに、寿司などの海産物を使用する食品であり共通することなどから、本願商標は、請求人の著名な営業表示である「すしざんまい」との関連が連想ないし暗示される商標であり、これを指定商品及び指定役務に使用しても需要者が何人かの業務に係る商品及び役務であることを認識することができない商標である、ということはできない。
5 当審の判断
(1)商標法第3条第1項第6号該当性について
本願商標は、前記1のとおり、「海鮮ざんまい」の文字を標準文字で表してなるところ、その構成中、「海鮮」の文字は、「新鮮な海産物」の意味を有するものであり、また、「ざんまい」の文字は、「一心不乱に事をするさま。むやみやたらにするさま。」の意味(いずれも株式会社岩波書店「広辞苑第六版」)を有し、他の名詞に付いて「ザンマイ」と発音される「三昧」の読みを平仮名で表したものである。
そして、本願商標の指定商品及び指定役務の分野においては、「海鮮ざんまい」及び「海鮮三昧」の文字は、別掲1及び2のとおり、複数の海産物を使用したり、海産物を中心とした、弁当、すし及び丼物(食品)の名称、飲食店で提供される丼物(料理)及び料理のコースの名称として、数多く使用されている事実が認められ、また、別掲3のとおり、海産物を使用した複数の食品(料理)を総称する語句として、それらの広告に使用されている事実が認められる。
してみれば、「海鮮」及び「ざんまい」の語義及び上記の「海鮮ざんまい」及び「海鮮三昧」の文字の使用の事実を考慮すれば、本願の指定商品及び指定役務の需要者は、「海鮮ざんまい」の文字について、「新鮮な海産物をふんだんに使用した」「新鮮な海産物を堪能できる」商品又は役務であることを表すものと認識するにとどまるものとみるのが相当である。
そうすると、本願商標は、その指定商品及び指定役務に使用しても、自他商品及び役務の識別標識としての機能を果たし得ないものであり、需要者が何人かの業務に係る商品及び役務であることを認識することができない商標といわざるを得ないものである。
したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第6号に該当する。
(2)請求人の主張について
請求人は、請求人の登録商標で、寿司チェーン店の名称である「すしざんまい」が請求人の営業を表すものとして全国的に周知著名であり、本願商標は、当該「すしざんまい」との関連が連想ないし暗示されるから、これを指定商品及び指定役務に使用しても需要者が何人かの業務に係る商品及び役務であることを認識することができない商標であるということはできず、商標法第3条第1項第6号に該当するものではない旨主張している。
しかしながら、請求人の提出した「すしざんまい」に関する証拠から、「すしざんまい」が請求人の業務に係る寿司チェーン店を表すものとして知られているということができない。また、需要者が、「海鮮ざんまい」の文字を使用した商品又は役務が、「すしざんまい」の文字を使用した請求人の業務に係る商品及び役務であると認識するというような事実も把握できない。
そして、「海鮮ざんまい」の文字からなる本願商標は、本願商標の指定商品及び指定役務の取引の実情からすれば、需要者が何人かの業務に係る商品及び役務であることを認識することができない商標であること、上記(1)のとおりである。
また、請求人は、審判請求書において、本願商標の登録適格性を主張するために、登録例を挙げているが、登録出願に係る商標が商標法第3条第1項第6号に該当するものであるか否かの判断は、当該商標登録出願の査定時又は審決時において、当該商標の構成態様と指定商品又は指定役務の取引の実情等に基づいて、個別具体的に判断されるものであるから、他の登録例の存在によって、上記判断が左右されるものではない。
したがって、請求人の主張は、いずれも採用することができない。
(3)まとめ
以上のとおり、本願商標は、商標法第3条第1項第6号に該当し、登録することができない。
よって、結論のとおり審決する。
Next Action
次の一手につながるサービス
類似審決の追加調査から中間応答、新規出願の費用確認まで、この審決を起点に次のアクションへ進めます。