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Trademark Appeal Case

大学名称の商標法7号該当性

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号不服2016−14090(T2016−14090/J1)
審判種別不服
結論勝訴(請求認容)

結論テキスト

原査定を取り消す。
本願商標は,登録すべきものとする。

理由テキスト

1 本願商標

本願商標は,「東京通信大学」の文字を標準文字で表してなり,第41類「パソコン通信もしくはインターネット等の通信ネットワーク等を利用した通信教育,通信教育,通信教育による知識の教授,技芸・スポーツ又は知識の教授,セミナーの企画・運営又は開催,電子出版物の提供,図書及び記録の供覧,図書の貸与,書籍の制作,教育・文化・娯楽・スポーツ用ビデオの制作(映画・放送番組・広告用のものを除く。),通信回線を利用した映画・画像の提供,放送番組の制作」を指定役務として,平成27年8月24日に登録出願されたものである。

2 原査定の拒絶の理由

本願商標は「東京通信大学」の文字を標準文字で表してなり,その構成中に「大学」の文字を有してなる。

学校教育法第135条第1項及び同法第1条の規定によれば,大学以外の教育施設に「大学」の名称を用いてはならない旨が規定されていることから,同法に基づく大学の設置許可を受けているものとは認め難い出願人が,「大学」の文字を含む本願商標を商標として採択,使用することは,一般需要者に対してあたかも学校教育法に基づいて設置された大学であるかのごとく誤認を生じさせるおそれがあり,学校教育制度についての社会的信頼及び公の秩序を害するおそれがあり,穏当ではない。

したがって,本願商標は,商標法第4条第1項第7号に該当する。

3 当審の判断

(1)本願商標と学校教育法に基づく大学

本願商標は,「東京通信大学」の文字を標準文字で表してなるものである。

本願商標の構成中「大学」の文字は,一般的には,「学術の研究および教育の最高機関」(広辞苑第六版)を指称する語であり,学校教育法に基づき設置された大学以外の教育施設により「大学」の名称を使用することは制限がある(同法第1条及び第135条第1項)。

そして,学校教育法に基づき設置された大学は,その名称として,地名や学問,学術分野を想起させる語と「大学」の文字との組合せからなるものを採用することがしばしば見受けられるところ,本願商標「東京通信大学」は,地名を認識させる「東京」と学術分野を示す「通信」及び「大学」の文字を結合させてなることから,学校教育法に基づいて設置された大学の名称を表示したものであるかのように看取され観念される可能性が高い。

(2)請求人による大学設立準備手続

請求人の主張及び提出資料(平成28年10月4日付け手続補正書に添付した資料3ないし8)によれば,以下のとおり,請求人は「東京通信大学」を名称(又は仮称)とする大学を平成30年4月に開校するために,文部科学大臣の認可手続及び実務的な開校準備を具体的に進めており,同28年11月にはその設置認可につき文部科学大臣から大学設置・学校法人審議会に諮問されるに至っている。

ア 請求人の理事会は,平成26年1月30日に大学の新設について最終決定し,同27年9月29日に新設大学の名称を「東京通信大学」とすることを決定した。そして,平成28年11月9日付けで同大学を含む同30年度開設予定の大学の設置認可につき,文部科学大臣から大学設置・学校法人審議会へ諮問された(下記URL参照)。請求人の大学の開校は,平成30年4月を予定している。

http://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/daigaku/toushin/1379287.htm

http://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/daigaku/toushin/attach/1379291.htm

http://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/daigaku/toushin/attach/__icsFiles/afieldfile/2016/11/09/1379291_01.pdf

イ 「構想概要/2018年4月開学 設置構想中/東京通信大学(仮称)」と題する書類,及び平成28年8月25日付けで「設立の趣旨等を記載した書類/東京通信大学」と題する大学の構想概要及び設置の趣旨等を記載した書類を作成した(資料3,4)。

ウ 試験的に授業内容を収録した映像(映像内において「東京通信大学へようこそ」などの台詞がある。)を作成した(資料5)。

エ 平成28年4月から7月にかけて,日本国内の高等学校に対して「東京通信大学(仮称)新設構想のお知らせおよび進学意向に関するアンケート調査ご協力のお願い」と題するアンケート調査を,及び日本国内の企業の人事・採用担当者に対して「東京通信大学(仮称)新設構想のお知らせおよび人材需要に関するアンケート調査ご協力のお願い」と題するアンケート調査を,株式会社高等教育総合研究所に委託して実施し,当該アンケート調査の結果について同社から平成28年8月付けで報告された(資料6,7)。

オ 平成28年に,日本国内の病院に対して「大学設立に伴う実習受入れのご依頼」と題する文書(文書中に「東京通信大学(仮称)」の文字あり。)を内容とする依頼書を送付し,実習先の確保を進めている(資料8)。

(3)本願商標の商標法第4条第1項第7号該当性

本願商標は,上記(1)のとおり,学校教育法に基づく大学の名称を示したものと看取される「東京通信大学」の文字を表してなるところ,上記(2)のとおり,請求人は,平成30年4月に当該名称からなる大学を開校するために,文部科学大臣への認可手続及び開校準備作業を相当程度進めているばかりでなく,特に対外的な文書には,当該大学名を表示するのに「仮称」の表示も付しているから,これに接する需要者,取引者をしても,現時点において当該大学の設立準備中であると理解することができる。

そうすると,本願商標は,これをその指定役務に使用しても,学校教育法に基づく大学の設立が認可されているとの誤信を生じる可能性は非常に低いといえるのであり,公の秩序を乱す又は害するとはいい難い。

その他,本願商標は,その構成自体がきょう激,卑わい,差別的又は他人に不快な印象を与えるような文字からなるものというべき理由も見当たらない。

したがって,本願商標は,これをその指定役務に使用しても,公の秩序又は善良の風俗を害するおそれのある商標ということができず,商標法第4条第1項第7号に該当するものとはいえない。

(4)結語

本願商標が,商標法第4条第1項第7号に該当するものとして本願を拒絶した原査定は,妥当でなく取消しを免れない。

その他,本願について拒絶の理由を発見しない。

よって,結論のとおり審決する。

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