結論テキスト
本件登録異議の申立てに係るその余の指定商品及び指定役務についての商標登録を維持する。
Trademark Appeal Case
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
| 審判番号 | 異議2015−900392(T2015−900392/J7) |
|---|---|
| 審判種別 | 異議 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
本件登録第5792872号商標(以下「本件商標」という。)は,「インフィード広告」の文字を標準文字で表してなり,平成27年3月16日に登録出願,同年8月7日に登録査定,第9類,第35類,第38類,第41類及び第42類に属する別掲のとおりの商品及び役務を指定商品及び指定役務として,同年9月11日に設定登録されたものである。
登録異議申立人(以下「申立人」という。)は,本件商標は,第9類の全指定商品,第35類及び第42類の全指定役務について,商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当するものであるから,その登録は,取り消されるべきものである旨申立て,その理由を要旨以下のように述べ,証拠方法として,甲第1号証ないし甲第3号証(枝番号を含む。)を提出した。
本件商標は,「インフィード広告」の文字を標準文字で表してなり,該文字は,「デザイン・内容・フォーマットが媒体コンテンツの形式や機能と同様でそれらと一体化しているネイティブ広告の一種で,記事・コンテンツと一体感のあるデザイン・フォーマットで設置された誘導枠」を意味する言葉として,すなわち,アプリケーションにおけるコンテンツの合間に差し込む広告手法として,広告業界において一般的に使用されており,単に広告の質を表示するにすぎず,自他商品識別標識として機能し得ないものであり,商標法第3条第1項第3号に該当し,商標登録を受けることができないものである。
かかる商標について,一私人に登録を認めることは,公益上の観点(独占適応性)からも妥当でない。
また,本件商標の指定役務中,インフィード広告以外の指定役務に使用するときは,役務の質の誤認を生ずるおそれがあり,商標法第4条第1項第16号に該当する。
当審において,本件商標権者に対して平成28年3月31日付けで通知した取消理由の内容は,以下のとおりである。
(1)「NativeAd×Times」のウェブサイト(2014年8月8日,甲3の1)において,「ここまで増えた。ネイティブ広告ネットワーク」の記載の下,一覧表が掲載されており,「ログリー株式会社」が「2012.10.18」にリリースした想定形式に「インフィード」の記載があり,他,「インモビジャパン」が「2014.1.30」に,「サムライト株式会社」が「2014.7.7」に,リリース想定形式に「インフィード」の記載等がある。そして,それらの詳細情報が掲載されている。
(2)「JIAA/ネイティブ広告研究会/第一回勉強会/米国のネイティブ広告事情/〜IAB Native Advertising Playbookを中心に」(20140826,甲2の3)において,「IN−FEED ADS #1 インフィード広告 その1」の表題の下,「媒体側のブランドコンテンツ担当チームが,周囲のコンテンツの文脈に応じたコンテンツを作り,サイト内のリンクから,サイト内に置かれたブランドコンテンツページへと飛ぶようなもの。基本的に媒体内で完結する。」の記載があり,「IN−FEED ADS #2 インフィード広告 その2」,「IN−FEED ADS #3 インフィード広告 その3」として6葉にわたり,コンテンツが表示される事例が掲載されている。
(3)「日経デジタルマーケティング」のウェブサイト(2014年10月23日,乙3の2)において,「インフィード広告−コンテンツの合間に表示する広告手法,フェイスブックが外部アプリにも配信開始」の記載の下,「FacebookやTwitterなどの画面のように,画面の上から下に向かって,記事や商品情報といったコンテンツを読み進めていくデザインのスマートフォン向けアプリが増えている。競争が激化するニュースのキュレーションアプリは,その典型例。インフィード広告はこうしたデザインのアプリのコンテンツとコンテンツの合間に差し込む広告手法のことである。」の記載がある。
(4)「SELVA」のウェブサイト(2015年2月23日,甲3の3)には,「『インフィード広告』って何?ネイティブ広告とは何か違うのか」の下,「・・・現在の日本のネット広告の主流は,この『インフィード広告』になっていると言っても過言ではありません。インフィード広告は『ネイティブ広告』の一種であるとされていて,特徴としてはユーザーに広告と意識させないで見てもらうことが出来るという利点があります。」の記載があり,4葉目には「バナー広告よりもこれからの時代はインフィード広告!」,5葉目には「時代はインフィード広告を求めている」の記載がある。
(5)「i−mobile」のオフィシャルブログ(2015年3月2日,甲3の4)には,「〜インフィード広告〜最適な掲載で収益最大化!」の表題の下,「株式会社アイモパイルが2015年2月にインフィード型広告をリリースしました。」,「【1】インフィード型広告とは...?インフィード型広告とは,SP・PCに対応したネイティブ広告の一種です。広告デザインを記事や投稿などのコンテンツに合わせ,記事の間などのサイトのフィード内に馴染ませて掲載する広告フォーマットです。要は最近よく耳にする事が増えたネイティブ広告の種類の1つですね。」の記載があり,インフィードの広告掲載例等が掲載されている。
(6)株式会社スケールアウトのウェブサイト(2015年4月20日,甲3の6)において,「媒体社向け広告配信プラットフォーム『Ad Generation(アドジェネ)』インフィード広告リリースのお知らせ」において,「・・・。 インフィード広告とは,アプリやWEBサイト内のコンテンツと広告を自然に溶け込ませ,ユーザーにストレスを与えず情報を届ける広告のこと・・・」の記載がある。
(7)「インターネット広告の基本実務(インターネット広告基礎用語集)2015年度版」(2015年5月27日 一般社団法人 インターネット広告推進協議会発行,甲2の1)の47頁,「(4)ネイティブ広告」の欄に「インフィード広告 媒体コンテンツの枠内に表示する広告」の記載があり,「媒体内誘導型/媒体内のコンテンツ(タイアップ広告等)へ誘導する形式の広告」,「外部コンテンツ誘導型/外部コンテンツ(ランディングページ等)へ誘導する形式の広告」及び「フィード内表示型/枠内にコンテンツ(動画コンテンツ等)を表示する形式の広告」の記載がある。そして,116頁に「インフィード広告」について説明の記載がある。
「インターネット広告掲載に関するガイドライン集 2015年度版」(乙2の2)の19頁,「II−6 ネイティブ広告に関する推奨規定(2015年制定)」において,「広告(誘導枠)の掲載場所」に「インフィード広告【媒体内誘導型】媒体社サイト内のタイアップページに誘導」の記載がある。
なお,「INTERNET Watch」(2015年3月19日,甲3の5)において,「JIAA,『ネイティブ広告』に関するガイドラインを策定」として,上述の「インターネット広告掲載基準ガイドライン」,「ネイティブ広告における推奨規定」(甲2)に関する記事が掲載された。
(8)「LISKUL」のウェブサイト(2015年9月7日,甲3の8)において,「インフィード広告|5分でわかる意味と6つの攻略法」の記載の下,「インフィード広告とは?」として「インフィード広告とは,『ソーシャルメディアやモバイルサイトのフィード(feed)の中(in)に表示される広告』という意味で,コンテンツとコンテンツの間に表示される広告のことを指します。」の記載がある。
(9)「DML/Digital Marketing Lab」のウェブサイト(甲3の9)には,「日本のインターネット広告の歴史」について掲載されており,7葉目の「2014年頃〜」には,「ネイティブアド(ネイティブ広告)」として「広告掲載面に広告を自然に溶け込ませることで,“ユーザーにコンテンツの一部として見てもらう”ことを目的とした広告」,「具体的な広告フォーマットを指すのではなく,いわば概念」,「ネイティブアドの広告フォーマットは6つに分類できる」,「記事広告やインフィード広告はネイティブアドの広告フォーマットの一種」,「広告のリンク先が“売り込み色が強すぎるページ”だったり,“広告掲載面との関連性が低いページ”だったりすると,ユーザーが広告を嫌うだけでなく,メディアへの不信感にも繋がる」の記載がある。
そして,「ネイティブアドの広告フォーマットの1つ『インフィード広告』」について「ユーザーが最も目線を集めるメインコンテンツの間に広告を配置するので,視認性(Impに対する広告認知率)が高い」の記載がある。
(1)2014年10月16日付けの日経産業新聞に,「『ネーティブ広告』続々参入,記事体裁,スマホで読み飛ばされず,博報堂系やサイバーエージェント,大手企業開拓狙う。」の見出しの下,「【表】米広告業界IABによるネーティブ広告の類型/名称内容/インフィード型 SNSのフェイスブックやツイッターの投稿と同体裁で表示する」の記載がある。
(2)現代用語の基礎知識(2015年1月1日,自由国民社発行)の475頁の「ネイティブ広告」に「インフィード型(メディア・コンテンツの中に存在し,周囲の記事などとマッチするように掲出されるもの)」の記載がある。
(3)2015年3月16日付けの日経産業新聞に,「コンテンツと『一体』ネーティブ広告−体裁合わせ自然な露出(デジタル図鑑)」の見出しの下,「ネーティブ広告には様々な手法があり,米国の業界団体『IAB』は6種類に分類している。記事体裁や検索結果に連動して表示するものは『インフィード型』と呼ぶ。」の記載がある。
(4)2015年6月23日付けの日経産業新聞に,「変わるネット広告(2)記事と似た体裁広がる(よくわかる)」の見出しの下,「代表的なネーティブ広告が記事と記事の間に広告を入れる『インフィード型』。スマホのニュース配信アプリ『グノシー』『スマートニュース』などで掲載される。フェイスブックやツイッターで投稿と同じ体裁で表示されるのも,これだ。」の記載がある。
そうとすれば,「インフィード広告」の文字は,広告に関連する商品及び役務の取引者や需要者の間において,少なくとも本件商標の登録査定時には,広告の手法である「コンテンツの合間に表示する広告,媒体コンテンツの枠内に表示する広告」であることを表すものとして理解,把握されていたものということができる。
本件商標は,「インフィード広告」の文字からなるところ,該文字は,上記3に記載のとおり,「コンテンツの合間に表示する広告,媒体コンテンツの枠内に表示する広告」等の手法の広告を表すものであるから,これを,本件登録異議の申立に係る指定商品及び指定役務中,該「広告」に関連する,第9類「広告用コンピュータプログラム」,第35類「広告業,広告デザインの考案又はこれに関する情報の提供,動画による広告,電子メールによる広告,バナー広告,広告に関するコンサルティング,広告物の配布,広告の管理,広告の代理・媒介又は取次ぎ,広告の代理・媒介又は取次ぎに関する情報の提供,広告に関する指導又は助言,広告に関する指導又は助言に関する情報の提供,インターネットによる広告,第三者のためのインターネット経由による広告の配信,インターネットによる広告の代理,広告に関する情報の提供,ウェブサイト上における広告スペースの提供」及び第42類「広告用コンピュータプログラムの提供」について使用するときは,「コンテンツの合間に表示する広告,媒体コンテンツの枠内に表示する広告」であることを表すにすぎず,その商品の用途,品質及び役務の質を普通に用いられる方法で表示す標章のみからなる商標と認められる。
また,本件商標を,登録異議の申立に係る指定商品及び指定役務中,「コンテンツの合間に表示する広告,媒体コンテンツの枠内に表示する広告」に関連しない,第9類「スマートフォン・タブレット型コンピュータ用のアプリケーションソフトウェア,電子計算機用プログラム,電子応用機械器具及びその部品」,第35類「商品の販売促進若しくは役務の提供促進のための企画又は実行の代理,コンピュータデータベースへの情報編集」及び第42類「アプリケーションソフトウェアの設計・作成・開発又は保守,コンピュータシステムの設計・作成・開発又は保守,電子計算機用プログラムの設計・作成・開発又は保守,ウェブサイトのホスティング,通信ネットワークを通じたサーバーの記憶領域の貸与,電子掲示板のためのサーバーの記憶領域の貸与,アプリケーションソフトウェアの提供,電子計算機の貸与,電子計算機用プログラムの提供,クラウドコンピューティング」について使用をするときは,商品の品質又は役務の質について誤認を生ずるおそれがあるものと認められる。
したがって,本件商標は,結論掲記の指定商品及び指定役務について,商標法第3条第1項第3号又は同法第4条第1項第16号に該当する。
前記第3の取消理由に対し,本件商標権者は何ら意見を述べるところがない。
本件商標の商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号該当性についてした前記3の取消理由は,妥当なものと認められる。
したがって,本件商標の登録は,登録異議申立てに係る指定商品及び指定役務中,結論掲記の指定商品及び指定役務について,商標法第3条第1項第3号又は同法第4条第1項第16号に違反してされたものである。
以上のとおり,本件商標の登録は,登録異議申立てに係る指定商品及び指定役務中,第9類「スマートフォン・タブレット型コンピュータ用のアプリケーションソフトウェア,広告用コンピュータプログラム,電子計算機用プログラム,電子応用機械器具及びその部品」,第35類「広告業,広告デザインの考案又はこれに関する情報の提供,動画による広告,電子メールによる広告,バナー広告,広告に関するコンサルティング,広告物の配布,広告の管理,広告の代理・媒介又は取次ぎ,広告の代理・媒介又は取次ぎに関する情報の提供,広告に関する指導又は助言,広告に関する指導又は助言に関する情報の提供,インターネットによる広告,第三者のためのインターネット経由による広告の配信,インターネットによる広告の代理,広告に関する情報の提供,商品の販売促進若しくは役務の提供促進のための企画又は実行の代理,ウェブサイト上における広告スペースの提供,コンピュータデータベースへの情報編集」及び第42類「アプリケーションソフトウェアの設計・作成・開発又は保守,コンピュータシステムの設計・作成・開発又は保守,電子計算機用プログラムの設計・作成・開発又は保守,ウェブサイトのホスティング,通信ネットワークを通じたサーバーの記憶領域の貸与,電子掲示板のためのサーバーの記憶領域の貸与,アプリケーションソフトウェアの提供,電子計算機の貸与,広告用コンピュータプログラムの提供,電子計算機用プログラムの提供,クラウドコンピューティング」については,商標法第3条第1項第3号又は同法第4条第1項第16号に違反してされたものと認められるから,商標法第43条の3第2項の規定により,取り消すべきものとし,本件登録異議の申立てに係るその余の指定商品及び指定役務については,取り消すべき理由はないから,商標法第43条の3第4項の規定より,その登録を維持すべきである。
よって,結論のとおり決定する。
Next Action
類似審決の追加調査から中間応答、新規出願の費用確認まで、この審決を起点に次のアクションへ進めます。
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