結論テキスト
本件登録異議の申立てに係るその余の指定商品についての商標登録を維持する。
Trademark Appeal Case
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
| 審判番号 | 異議2015−900179(T2015−900179/J7) |
|---|---|
| 審判種別 | 異議 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
本件登録第5747656号商標(以下「本件商標」という。)は,「BABY STAR」の欧文字を標準文字で表してなり,平成26年10月31日に登録出願,第25類「被服,ガーター,靴下止め,ズボンつり,バンド,ベルト,靴,履物,仮装用衣服,運動用特殊衣服,運動用特殊靴」を指定商品として,同27年2月10日に登録査定,同年3月6日に設定登録されたものである。
登録第2044751号商標(以下「引用商標」という。)は,「ベビースター」の片仮名を横書きしてなり,昭和59年2月14日に登録出願,第30類に属する商標登録原簿に記載の商品を指定商品として,同63年4月26日に設定登録,その後,平成20年7月9日に,指定商品を第30類「菓子及びパン」とする指定商品の書換登録がされ,現に有効に存続しているものである。
登録異議申立人(以下「申立人」という。)は,登録異議の申立ての理由を要旨次のように主張し,証拠方法として,甲第1号証ないし甲第22号証を提出した。
引用商標は,申立人の商標として,広く一般に知られているから,これと類似する本件商標がその指定商品に使用された場合,商品の出所について混同を生ずるおそれがある。
よって,本件商標は,商標法第4条第1項第15号に違反して登録されたものである。
引用商標は,申立人の商標として,日本国内で全国的に知られており,かつ,造語よりなるものであるから,これと同一又は類似する本件商標がその指定商品に使用された場合,出所表示機能を希釈化させたり,その名声等を毀損させるおそれがある。
よって,本件商標は,商標法第4条第1項第19号に違反して登録されたものである。
以上のとおり,本件商標は,商標法第4条第1項第15号及び同項第19号に違反して登録されたものであるから,同法第43条の2の規定により,その登録が取り消されるべきである。
当審において,平成28年6月28日付けで本件商標権者に対し通知した取消理由の内容は次のとおりである。
証拠及び申立人の主張によれば,以下の事実が認められる。
(1)申立人は,商品「菓子(ラーメンスナック)」について,1973年以来,引用商標を半世紀近くにわたり広く使用し今日に至っている(甲3,甲4)。
(2)「特許行政年次報告書2012年版」(特許庁発行)の173頁には,「◆身近な食品を菓子化する株式会社おやつカンパニー」の見出しの下,「株式会社おやつカンパニー(三重県)は,基幹ブランド『ベビースター』を中心に様々な商品を開発する食品メーカーである。・・・同社では,麺系商品のパッケージに掲載する社名のほか,メインブランドである『ベビースター』と,『ラーメンおつまみ』等のサブブランドの商標権を取得。」(甲8)の記載がある。
(3)申立人は,2008年から2011年に,引用商標を欧文字表記したと認められる「Baby Star」の標章(以下「Baby Star標章」という。)を,販促品のTシャツ,ジャンパーについて使用したことに加え,2010年及び2011年には,申立人と,株式会社ユニクロとのコラボレーション商品として,Baby Star標章が入ったTシャツが販売されている(甲11〜甲13)。
(4)「2014年 食品マーケティング便覧No.1」(株式会社富士経済 2013年9月19日発行)の154頁には,「36 小麦系スナック」の見出しの下,「2.市場規模推移」の項に「当市場は,『ベビースターラーメン』を展開するおやつカンパニーと,『かっぱえびせん』を展開するカルビーの上位2社で95%以上のシェアを占める寡占状態が続いている。」の記載があり,156頁には「9.ブランドシェア」の項に「ブランド名:ベビースターラーメン」,「企業名:おやつカンパニー」,「2012年販売額139億円,シェア50.9%」,「2013年(見込み)販売額150億円,シェア50.3%」,「1959年発売のおやつカンパニー『ベビースターラーメン』,1964年発売のカルビー『かっぱえびせん』の両ロングセラーブランドが,ともに売上100億円を突破しており,市場の9割近いシェアを占めていることが,最大の特徴である。」の記載がある(甲14)。
(5)「2013年スナック菓子の市場分析調査」(株式会社総合企画センター大阪 平成25年6月27日発行)の13頁には,「3)ブランド別シェア」の項に「スナック菓子の2012年度のブランド別シェアをみると,トップはカルビーの『ポテトチップス』で,18.5%のシェアとなった。以下,『じゃがりこ』(カルビー)が9.9%,『ベビースター』(おやつカンパニー)が5.0%・・・3位の『ベビースター』(おやつカンパニー)は,前年比4.7%減の143億円となった。」の記載がある(甲15)。
(6)「2005年 全国消費者価値観調査 報告書」(株式会社I&S BBDO 2005年作成)の3葉目には,「認知ブランド(年齢別)」の項に「ベビースターは40代までの認知度が90%となるほど高い。」の記載がある(甲16)。
(7)申立人による「広報管理一覧」の「テレビ・ラジオ・Web 取り上げ/問い合わせ」及び「新聞・雑誌 取り上げ/問い合わせ」には,2011年2月7日から2015年8月28日において,申立人の業務に係る,引用商標を付した商品が,国内全域のテレビ,ラジオ,新聞,雑誌等により紹介され,その回数はテレビ・ラジオ・Webで541回及び新聞・雑誌で82回におよんでいる(甲17)。
以上の認定事実によれば,申立人は,引用商標を商品「菓子(ラーメンスナック)」に付して,1973年(昭和48年)以降,現在に至るまで継続的に使用し,テレビやラジオ,新聞,雑誌などにより600回以上紹介し,「ラーメンスナック」が分類される小麦系スナックの分野において,2012年の販売額,シェアは139億円,50.9%であり,2013年(見込み)の販売額,シェアは150億円,シェア50.3%であり,また,2012年度のスナック菓子のブランド別シェアにおいて,「ベビースター」は,販売額143億円,シェア5.0%であったことが認められる。
また,2005年における認知ブランド(年齢別)において,引用商標についての40代までの認知度は90%に達し,そして,この認知度については,その後も,引用商標を付した商品が,我が国内全域のテレビ,ラジオ,新聞,雑誌等に多数紹介されていることから,現在においても継続していると推認できる。
してみれば,引用商標は,本件商標の登録出願時(平成26年10月31日)はもとより登録査定時(平成27年2月10日)を含むその後においても,申立人の業務に係る商品「菓子(ラーメンスナック)」を表示するものとして,需要者の間に広く知られていたというのが相当である。
(1)本件商標は,「BABY STAR」の文字を標準文字で表してなるところ,その構成中の「BABY」の文字が「赤ちゃん」の意味を,「STAR」の文字が「星」を意味する親しまれた語であることから,これらを結合した本件商標からは,「赤ちゃんのような星」程度の意味合いを容易に想起するというのが相当である。
そうすると,本件商標は,その構成文字に相応して,「ベビースター」の称呼を生じ,「赤ちゃんのような星」の観念を生じるものである。
他方,引用商標は,「ベビースター」の片仮名を横書きしてなるところ,該構成文字に相応して,「ベビースター」の称呼が生じるものであり,引用商標を構成する「ベビー」及び「スター」の文字がそれぞれ「赤ちゃん」及び「星」を意味するものとして日常親しまれた語であることから,引用商標は,「赤ちゃんのような星」の観念を生じるものといえる。
してみれば,本件商標と引用商標とは,外観において相違するとしても,称呼及び観念を共通にする類似する商標といわざるを得ない。
(2)本件商標の指定商品中「被服,ガーター靴下止め,ズボンつり,ベルト,靴,履物」と,引用商標の指定商品中「菓子」とは,共に,日常的に使用する商品であって,性別,年齢を問わず,広い範囲の一般消費者が対象であることから,需要者を共通にする場合が多いものというべきである。
また,申立人は,2008年から2011年の複数年にわたり,本件商標と同一の綴りよりなるBaby Star標章を,本件商標の指定商品中に含まれるTシャツやジャンパーについて付し,申立人の販促品又は株式会社ユニクロとのコラボレーション商品として使用し,販売していたことから,本件商標の指定商品の需要者が,申立人の販促品又はコラボレーション商品を目にする機会も少なからず存在したと推認できる。
(3)したがって,本件商標権者が,本件商標をその指定商品中,「被服,ガーター,靴下止め,ズボンつり,バンド,ベルト,靴,履物」について使用した場合,これに接する取引者,需要者は,申立人の業務に係る「菓子(ラーメンスナック)」について,その出所を表示するものとして周知著名となっている引用商標を連想,想起し,当該商品が申立人又はこれらと経済的,組織的に何らかの関係を有する者の業務に係る商品であるかのごとく,その出所について混同を生ずるおそれがあるものというべきである。
以上のとおり,本件商標は,商標法第4条第1項第15号に該当するものである。
本件商標権者は,上記第4の取消理由の通知に対して,何ら意見を述べていない。
(1)商標法第4条第1項第15号該当性について
本件商標についてした上記第4の取消理由は,妥当なものと認められる。
したがって,本件商標の登録は,その指定商品中,第25類「被服,ガーター,靴下止め,ズボンつり,バンド,ベルト,靴,履物」について,商標法第4条第1項第15号に違反してされたものである。
(2)商標法第4条第1項第19号該当性について
引用商標は,取消理由に記載したとおり,申立人の業務に係る商品「菓子(ラーメンスナック)」を表示するものとして,本件商標の登録出願時には既に,取引者,需要者の間に広く知られていたものと認められる。
しかしながら,申立人提出の証拠からは,本件商標権者が,出所表示機能を希釈化させたり,又は,その名声を毀損させるなど不正の目的をもって本件商標を使用するものとすべき具体的事実を見い出すことができない。
したがって,本件商標は,商標法第4条第1項第19号に該当するものではない。
(3)まとめ
以上のとおり,本件商標の登録は,その指定商品中,第25類「被服,ガーター,靴下止め,ズボンつり,バンド,ベルト,靴,履物」について,商標法第4条第1項第15号に違反してされたものであるから,同法第43条の3第2項の規定により,その登録を取り消すべきものとし,本件登録異議の申立てに係るその余の指定商品については,取り消すべき理由がないから,同法第43条の3第4項の規定により,その登録を維持すべきものとする。
よって,結論のとおり決定する。
Next Action
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